筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

笠間市立病院 院内コンサートのご報告

2022年11月3日テーマ:筑波総合診療グループ, 笠間, 地域包括ケア

院内コンサートの様子

院内コンサートの様子(左から筆者、橘先生、幸田先生)

皆さん、ホスピタルアートという、アートを通した療養空間改善の活動をご存知でしょうか?

今回、音楽によるホスピタルアートでもある院内コンサートを笠間市立病院で行いましたのでご報告します。

2022年9月28日に有志の医師3名で、入院患者さん、病院スタッフを対象に10分間のミニコンサートを行いました。

コンサートのメンバーは、橘 茉莉花先生(川崎市立多摩病院総合診療科 専攻医3年目)、幸田千佳先生(つくば総合診療グループ 専攻医4年目)と筆者(久野)で、フルート2本(橘先生、久野)とカホン(アフリカの打楽器)/ウインドチャイム(幸田先生)による演奏を行いました。

当日は、入院患者さん、病院スタッフ約30名が参加し、コロナ禍で人とのふれあいが制限される中、音楽の生演奏による癒しの時間を楽しんでもらうことができました。

今回の企画の背景としては、私自身、日々の外来や訪問診療を行う中で、アートで心と体の健康作りを行う取り組みを行っていきたいと思っていました。今回、ローテートしているレジデントの先生たちが楽器経験者であることをきっかけに院内コンサートを企画することとなりました。

初めての試みであり、感染対策や練習時間の確保など様々な困難がありましたが、コロナの流行がやや落ち着いた時期を見計らい、当日は換気を十分にして、無事に開催することができました。

工夫したこととしては業務に差し支えがないよう、平日13時過ぎというお昼の時間帯にしたこと、楽器に親しんでもらうため、演奏前に楽器紹介をして交流の場を設けたことでした。曲はYOASOBIの群青で「制限された療養の中、ひとりひとりが自分の色を取り戻して過ごせるように」という願いを込めて演奏しました。

業務の合間を縫っての練習は大変でしたが、当日は、多くのスタッフに「また聴きたい!」と温かいエールをもらい、演奏させてもらった自分たちも癒され、やってよかったと感じました。

至らない点が多々ある中、快く協力してくださった院長先生、看護師長さん、リハビリのスタッフの皆さんをはじめ多くの関係者の方々に、心から感謝しています。本当にありがとうございました。

筑波総合診療グループ/笠間市立病院 久野遥加

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片岡義裕先生の原著論文「A qualitative study of factors promoting EBM learning among medical students in Japan」がInternational Journal of Medical Educationに掲載されました

2022年9月11日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学

片岡義裕先生の原著論文「A qualitative study of factors promoting EBM learning among medical students in Japan」がInternational Journal of Medical Education 13: 215-220, 2022に掲載されました。

医学部卒業後、安全で質の高い医療を提供するために、医学生が卒前からEvidence-based medicine (EBM)を学ぶことの重要性が強調されていますが、国内でのEBMの卒前教育はなかなか進んでいない現状があります。片岡先生の研究は、医学生のEBMの学習を促進する要素を明らかにすることを目的として、教育病院、診療所や大学でEBM教育に関わる医師や教員を対象にインタビューを行なった結果を分析した質的研究です。

研究結果では「前景疑問に気づく」、「ロールモデルの観察」、「能動学習」、「患者背景の理解」、「EBMを学ぶ理由の理解」の5つの要素が明らかになりました。
医学生にとって、疾患や症候の基本的な一般知識(背景疑問)を学ぶことが優先され、EBMのもととなる個別の患者さんの臨床疑問(前景疑問)は出てきにくいものです。臨床の現場で能動的に学び、患者さんとのコミュニケーションを通して患者さんを理解しようとすること、ロールモデルとなるEBMを実践する医師との出会いを通して、論文の批判的吟味などのスキル(how)より、なぜEBMを学ぶ必要があるのか(why)を理解することがEBMの学びの促進につながると考えられました。

オープンアクセスで公開されています。
https://www.ijme.net/archive/13/promote-undergraduate-ebm-learning-in-japan/?ref=linkout
ぜひご一読ください!

ご自身でも常にEBMを実践され、EBMのステップに沿って最新の知見をどのように臨床に適用するかについてグループのメーリングリストで発信し続けてくださっている片岡先生のお姿は、素晴らしいロールモデルになっていると思います。ますますのご活躍をお祈りしています。

(地域医療教育学分野 前野貴美)

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専攻医1年目 山田医師の研修施設 見聞録 その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編

2022年8月8日テーマ:サイトビジット, 筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 北茨城, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)

北茨城市民病院附属家庭医療センターは、茨城最北端地域にある診療所です.

 

北茨城市民病院附属家庭医療センターホームページより

 

 

診療所ですが、近隣の北茨城市民病院と提携しており採血や画像検査等もアクセスが良いです.

また、急性期の病態で北茨城市民病院に入院することになっても、経過の引き継ぎがスムーズにできるため、1人の患者様の慢性期⇆急性期を横断的に把握できるのは魅力的です.

外来患者は午前のみで120人(医師2-3人で対応)と決して少なくはないですが、つくば総診の指導医の元で外来の経験を積むことができます.

北茨城市民病院附属家庭医療センターは横谷先生を始めとした、つくば総診のメンバーを中心に開設されて2022年現在7年目です.
初めは、訪問診療という文化もなく、患者数もほとんどいない状態でした.数年でここまで患者数が伸びたのも、先輩方や職員の方のお力だと思います.そのような勢いのある場で学ぶことができます.

 

【参考】北茨城市民病院附属家庭医療センターで学べることなどの詳細(つくば総診後期研修サイトより)

 

『専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ 全5回』
その1:神栖済生会病院 編
その2:神栖産業医トレーニングセンター編
その3:利根町国保診療所 編
その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編

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専攻医1年目 山田医師の研修施設 見聞録 その4:ひたち太田家庭医療診療所 編

2022年8月7日テーマ:サイトビジット, 筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 大森医院, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)

ひたち太田家庭医療診療所は、大森医院の分院です.

 

ひたち太田家庭医療診療所ホームページより

 

主な業務は外来、訪問診療、施設回診、地域診療です.

看護師、ケアマネ、セラピストとも距離が近く、皆様が笑顔だったのが印象的でした。
水戸やひたちから初期研修医の受け入れをしており、地域にいながら後輩指導もできるのも魅力の1つです.

患者層は小児〜若年者〜高齢者と一度の外来の中でも様々です.

ひたち太田家庭医療診療所の院長は、医師8年目の木村先生(つくば総診の先輩)です.若手医師が主に業務をしており、診療所皆んなで高めていこうという素晴らしい雰囲気を肌で感じることができました.

本院である大森医院では、『過疎医療はおもしろい! 僻地医療に心血を注ぐ、赤ひげ先生の挑戦』執筆者の大森英俊先生よりご指導いただけます.

診療所研修という点は同じですが、大森医院、ひたち太田家庭診療所と、患者層や地域性、指導体制が違う場で勉強できることができます.

 

【参考】ひたち太田家庭医療診療所のホームページ
【参考】大森医院で学べることなどの詳細(つくば総診後期研修サイトより)

 

『専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ 全5回』
その1:神栖済生会病院 編
その2:神栖産業医トレーニングセンター編
その3:利根町国保診療所 編
その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編

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専攻医1年目 山田医師の研修施設 見聞録 その3:利根町国保診療所 編

2022年8月6日テーマ:サイトビジット, 筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 利根町, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)

利根町国保診療所の中澤先生と

利根町国保診療所は、
外来、訪問診療、リハビリ、予防接種、乳児健診、学校保健と『The 地域のお医者さん』を味わえる場所です.

診療所のため、少数精鋭なので、感染対策や経営などに後期研修医から関わることができます.

何より印象的だったのは、中澤所長との訪問診療でした.
その臨床的実力やお人柄から地域で尊敬されており、患者さんは自分の困り事以外に、地域住民やご友人のことも相談されます.

それにより、外来〜訪問の診療は一人一人区切られた診療というよりは、地続きの診療に思えました.

私は『家族図』を超えた、『地域図?』をそこに垣間見た気がしました.
数十年来地域に貢献し続けた中澤所長やつくば総診の先輩方の背中を見ながら、研修することができます.

 

【参考】利根町国保診療所で学べることなどの詳細(つくば総診後期研修サイトより)

 

 

『専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ 全5回』
その1:神栖済生会病院 編
その2:神栖産業医トレーニングセンター編
その3:利根町国保診療所 編
その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編

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専攻医1年目 山田医師の研修施設 見聞録 その2:神栖産業医トレーニングセンター編

2022年8月5日テーマ:サイトビジット, 筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)

神栖産業医トレーニングセンター
Kamisu Occpational Health Physician Training Center(KOHP-TC)

 

2022年4月より市内産業医業務の拠点となり、産業医の実務能力を養成する機能を持つ神栖産業医トレーニングセンターが開設されました.

鹿島臨海工業地帯のある神栖市ならではです.
人生で初めて工場巡視、委員会参加をさせていただきましたが、異世界でした.
作業着を着てみると重く、耐熱性素材のためか、少し暑かったです.
それでも安全のためには作業着は欠かせません.
このように患者側に立てる経験は滅多になく、一般診療において産業医以外の医師にも必要な力だと思いました.

 

そして、神栖産業医トレーニングセンター統括指導医である田中完先生とお話しをする貴重な機会をいただきました.

医師が体の解剖図を理解し薬を処方するように、田中先生は『会社の解剖図』『地域の解剖図』を理解し、適切な介入を行うことで会社及び地域を変えておられます.
凄すぎて到底ここには書き切れません(語彙力を失い申し訳ございません).
少しでもご興味を持たれましたら、是非見学に行ってみてください.

 

 

 

【参考情報】神栖市の産業医学基礎研修と生涯研修(神栖市若手医師きらっせプロジェクトホームページより)

 

 

『専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ 全5回』
その1:神栖済生会病院 編
その2:神栖産業医トレーニングセンター編
その3:利根町国保診療所 編
その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編

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専攻医1年目 山田医師の研修施設 見聞録 その1:神栖済生会病院 編

2022年8月4日テーマ:サイトビジット, 筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)

 

神栖済生会病院は、
200床程度の二次救急指定病院で、コミュニティケアの中核を担うべく、2019年に鹿島労災病院と再編統合しました。

 

神栖市若手医師きらっせプロジェクトより

 

神栖には、鹿島臨海工業地帯があり、若年-中年層の患者さんも多いです.
また、神栖内の二次救急指定病院は2つしかなく、多くの症例を経験できます.

つくば総診の医師も参画して進めている神栖市若手医師きらっせプロジェクトなど、市をあげて医療体制を整えることに尽力されており、行政ともタッグを組みやすい環境にあるのも魅力の1つです.

訪問診療も、つくば総診の医師が中心となり立ち上げました.

圧倒的にフィールドが多く業務のレパートリーが多い神栖で、和気あいあいとつくば総診の先輩方が仕事をしているのが印象的でした.

フィールドに合わせマルチな働き方を実践されている先輩方の元、一緒に仕事ができることが何よりの魅力です.

【参考】神栖済生会病院で学べることなどの詳細(つくば総診後期研修サイトより)

 

『専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ 全5回』
その1:神栖済生会病院 編
その2:神栖産業医トレーニングセンター編
その3:利根町国保診療所 編
その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編

 

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後期研修のローテ先を探して。専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ

2022年8月4日テーマ:サイトビジット, 筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 北茨城, 神栖, 大森医院, 利根町, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)

皆さん、こんにちは!
つくば家庭医・病院総合医プログラム(以下つくば総診)
専攻医1年目山田辰樹です.

つくば総診には、様々なセッティングが用意されており、その中から自分に合った研修を作り上げていきます.

今回、後期専門研修先である神栖済生会病院および神栖産業医トレーニングセンター、利根町国保診療所、ひたち太田家庭医療診療所(大森医院)、北茨城市民病院附属家庭医療センターを見学させていただきました。

これから、少しずつ後期専門研修施設を私なりに、皆さんへご紹介して行きたいと思います。

題して、『専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ 全5回』
どうぞご期待ください。

 

その1:神栖済生会病院 編
その2:神栖産業医トレーニングセンター編
その3:利根町国保診療所 編
その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編

 

さて、たくさん見学させていただいた結果、どの施設も魅力的であり、来年以降の研修先を大変迷っております.

贅沢な悩みだと思います.
同じ悩みをしてみたい方は是非見学にいらしてください.
待ってま~す。

 

専攻医(後期専門研修医)1年 山田辰樹より

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【参加者募集】『産業医』 第16回つくば総合診療塾オンライン

2022年7月14日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP

「つくば総合診療塾オンライン」開催!

第16回は8/12(金)15:00–16:30 産業医 参加者募集!

 

総合診療に関する定期的なオンライン学習会「つくば総合診療塾オンライン」、

第16回は産業医について取り上げます。

 

「産業医」という存在を知っていますか?

医師として働く世代に関わる限り、産業医の視点は重要です。

ですが、産業医が実際どんなことをしているのか知る機会は少ないのではないでしょうか?

今回は、産業医の仕事についてリアルな話を交えて紹介したいと思います。

 

 

内容:産業医

講師:福田 幸寛先生(life story合同会社)

日時:2022年8月12日(金)15:00-16:30(時間は早めに終わる可能性あり)

方法:オンライン(詳細は開催日2-3日前に参加者にメールいたします)

費用:無料

対象:全国の医学生・医療系学生、その他

申し込み:以下のリンクから参加登録してください。

グループ分け等を適切に行うため、8月3日(水)までの申し込みを推奨いたします。

https://jp.surveymonkey.com/r/DZ3DQSP

 

 

〇今後の予定(内容、時間、講師は状況に応じて変更可能性あり)

2022年

・7月日時未定 糖尿病  鈴木將玄先生

 

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リハビリテーションワークショップを開催しました

2022年7月2日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育

(今回はリハビリテーションについてのワークショップでした)

(参加者の皆さま、ありがとうございました!)

6月18日にリハビリをテーマにオンラインワークショップを開催しました。
ワークショップのテーマは「リハビリセラピストが患者・家族をどのような視点で見ているかを学び、実践しよう」というものでした。

前半は模擬患者さんを医師が訪問診療する様子を写した動画をもとに「どんな診察をしていたか?」を振り返るグループワークでした。動画の中で医師は病気の症状についてポイントを抑えて聞いていました。一方で生活の様子については「困っていることはない?」といった曖昧な質問しかしておらず、十分な情報が得られていませんでした。良いことではありませんが、私が今訪問診療をしたらこうなっていただろうなと動画の医師に共感しました。

後半の動画ではリハビリセラピストが実際に聴取して行ったことが動画で流れました。具体的にどんな生活をして、どんなことに困っているのかを把握し、その困難を解消すべく介入を行う姿に目から鱗が落ちる思いでした。

リハビリセラピストと医師、2つの視点を持てるようにすることを個人的な目標としてワークショップに参加しました。
学んだことを以下に共有します。
・セラピストの視点
 ・患者さんの1日の生活を細かく想像できるように
 (1)人(患者本人)
  発言から他人との関係性を把握する
   (いつも~~してもらっているのよ→相互依存関係にある人がいる)
  生活動作:何をするときにどう動くか?
   ADL、IADLを『具体的な行動とともに』把握する
 (2)場所
  過去に転倒した場所はないか、転倒しそうな場所はないかなど家屋の構造上の問題を把握する
 (3)物
  家においてあるもの、持ち物から患者さんの歴史を読み解く
  例:写真から家族のこと、おいてある差し入れから周囲やコミュニティとの関わりについて想像する
 →結果として『生活と環境の相互性の理解や適切な介入が行える』
・医師の視点
 (1)原疾患の進行+合併症の有無の確認
 (2)薬剤は適切かの判断:原疾患や今後の予後や患者の希望などから適切な薬を選択する
 (3)在宅療養のゴールはどこか:家族会議は行っているか?アドバンスド・ケア・プランニングなど

今回のワークショップはリハビリセラピストが具体的にどんな介入をしているのかを知ることができる貴重な機会となりました。ワークショップを通じて、リハビリセラピストがどのような視点を持って活動しているのかをイメージすることができ、それを自分自身の診療にも取り入れようと考えることができました。
(後期研修1年目 山田辰樹)

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2022年ウェルカムセミナーを開催しました。

2022年5月4日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座

ウェルカムセミナー集合写真

2022年4月17日今年もウェルカムセミナーが開催されました。今年も新型コロナウイルスの影響で完全オンライン開催となりました。
年に一度の機会であり、普段一緒に働いていない方々と直接お会いできないのは大変残念ではありましたが、今年はとても喜ばしいことになんと8人も新しく入局してくださいました。ありがとうございます。
そんな新入局者を知るための毎年恒例「新入局者クイズ」は今年も大変盛り上がりました。皆さん個性豊かな方ばかりで、これから一緒に働く機会がとても楽しみに感じました。私個人としてはお酒が好きな方が多くコロナ禍が開けるのが楽しみでもありました(日本酒支部作成待ってます)。
開催にご協力頂いた皆様ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

C1 村田俊介

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プレコンセプションケアセミナーに登壇させて頂きました

2022年5月2日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP

大学総合診療科&笠間市立病院の稲葉です。

皆様はプレコンセプションケアという言葉はご存じでしょうか。プレコンセンプションケアとは、「妊娠する前の段階から自身の健康をケアすること」を意味します。将来の妊娠に備えての健康維持、そして妊娠や出産の正しい知識を備えておくことも含んでいます。産婦人科を中心に少しずつ啓発活動が進んで来てはいますが、日本ではまだ浸透が不十分な状況です。また、我々プライマリ・ケア医もプレコンセプションケアに取り組んでいくことが非常に重要ですが、まだ馴染みが無い先生が多いかと思います。

笠間市立病院では、2019年に全国で初めて自治体の助成を受けた、そして全国で初めて総合診療医が行うプレコンセプションケア外来を開設しました。COVID-19の影響で思うように活動できていない部分もありますが、地域医療の中で地道にプレコンセプションケア外来を継続しています。

今回は、プレコンセプションケアの分野を日本でリードしている成育医療センターのプレコンセプションケアセンターの先生方にお声がけ頂き、第7回プレコンセプションケア・オープンセミナーで笠間市のプレコンセプションケアの取り組みを発表する機会を頂きました。2019年に外来を開設するに当たって成育医療センターのプレコンセプションケアセンターを見学させていただき、その時に直接教えていただいたノウハウが笠間市立病院のプレコンセプションケア外来の基礎になっています。まさにお師匠様とも言うべき成育医療センターの先生方に講演の機会を頂けて、本当に感動でした。

下記URLに当日のセミナーの様子がYouTubeにアップロードされておりますので、他の演者の先生も含めまして是非ご覧ください。

https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/preconception/pcc_report/220217.html

小さな公的病院である笠間市立病院の強みを活かした活動で、これからの時代に更に必要になってくる活動だと思っています。今後もプレコンセプションケアが地域に根差した概念になるよう、引き続き頑張りたいと思います。

(文責:稲葉 崇)

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つくば家庭医・病院総合医プログラム オンライン説明会2022

2022年4月8日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 北茨城, 笠間, 神栖, 大森医院, 利根町, 大和クリニック, セントラル総合クリニック, 霞ヶ浦医療センター, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育

みなさまこんにちは!
今年度も、つくば家庭医・病院総合医プログラム(筑波大学総合診療科)のオンライン説明会を行います。

 

【説明会予定】いずれも14:00-16:00

第一回:5月28日(土) 
第二回:7月3日(日) 
第三回:8月11日(木・祝) 

 

毎回、終了後に質問タイムを設けます。

 

 

【参加お申し込み】 こちらからどうぞ。
   (申し込みされたメールアドレスへ、開催前にzoomアドレスをお送りいたします。)

 

【概要】

・前野哲博教授によるプログラム紹介
・専攻医やプログラム修了生による体験談のプレゼンテーション
 (専攻医と修了生が、都度替わる予定ですので、毎回楽しめます)

 

終了後には少人数で個別に話すこともでき、質問や相談をしていただくことも可能です。

説明会はzoomで行い、出入り自由です。聞くだけの参加も歓迎しています。

 

【おすすめの方】
・進路を検討中の初期研修医や学生
・当プログラムに興味のある方すべて

 

 
 
皆様のご参加を
心よりお待ちしております!
 

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神栖コミュニティケア実習を体験してきました!

2022年4月17日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育

画像をクリックすると記事にジャンプ!

 

筑波大学医学群医学類における実習では、地域診断実習、異業種に帯同して行う参与観察実習などを通し、
健康の社会的決定要因や、コミュニティケアの本質を学ぶことができるよう、つくば総診の指導医がプログラムしています。
 
本実習には、神栖市の地元の方々をはじめ、地元の企業など、多くの方が協同してくださっています。
つまり、私たちは、神栖市市民と協同して、医学生を育てているのです。
 
本実習内容(医学生M5-6向け、コミュニティケア)を知った總山萌さん、野村奈々子さん、近間仁美さんが、大変興味をもってくださったので、実習体験ツアーを特別企画しました。
 
体験実習を通して感じたことや学びを記事にしてくださいましたので、皆様にもお知らせします。
 

看たまノートの記事へジャンプします。

 
 
野村奈々子さんは、webメディア『看たまノート』をご自身で立ち上げ、企画・インタビュー・執筆などもご自身でも行っておられます。
 
ぜひお読みください。
 

 

【実習体験ツアー参加メンバー】
・總山萌さん:筑波大学医学群看護学類4年
・野村奈々子さん:岐阜大学医学部看護学科4年
・近間仁美さん:大阪大学医学部保健学科4年(オンライン参加)
(いずれも実習当時の所属)

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【参加者募集】『臨床推論の基本的な考え方(その5:全身倦怠編)』 第14回つくば総合診療塾オンライン

2022年2月24日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP

「つくば総合診療塾オンライン」開催!

第14回は3/18(金)19:00–21:00 臨床推論の基本的な考え方(その5:全身倦怠編)参加者募集!

 

総合診療に関する定期的なオンライン学習会「つくば総合診療塾オンライン」、

第14回は臨床推論について取り上げます。

 

症状を訴える患者さんに対して、効果的に病歴を集め、過不足なく鑑別診断を挙げて、

診断を絞り込んで次のアクションにつなげていく。

この一連の臨床推論のプロセスについて、今回は全身倦怠をテーマに、具体的なアプローチのしかたを学びます。

 

 

内容:臨床推論の基本的な考え方(その5:全身倦怠編)

講師:前野 哲博先生(筑波大学医学医療系 地域医療教育学/総合診療科)

日時:2022年3月18日(金)19:00-21:00(時間は早めに終わる可能性あり)

方法:オンライン(詳細は開催日2-3日前に参加者にメールいたします)

費用:無料

対象:全国の医学生・医療系学生、その他

申し込み:以下のリンクから参加登録してください。

グループ分け等を適切に行うため、3月11日(金)までの申し込みを推奨いたします。

https://jp.surveymonkey.com/r/PQXT6MG

 

 

〇次回以降の予定(内容、時間、講師は状況に応じて変更可能性あり)

2022年

・4月日時未定 臨床倫理 講師未定

・5月日時未定 在宅医療 講師未定

・6月日時未定 糖尿病  鈴木將玄先生

・7月日時未定 メンタルヘルス 講師未定

・8月11日(木) 15:00-17:00 産業医 福田幸寛先生

 

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2021年度卒業セミナーを開催しました

2022年2月13日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP

(今年3名の卒業生です。右から小野先生、宮本先生、海老澤先生)

 

2022年2月12日、13日に2021年度卒業セミナーが行われました。

1日目は前野先生より昨今の専門医制度+働き方改革の情報のアップデートがあり、次に卒業生によるPF発表、最後に外部講師として武田裕子先生から筑波大学医学部卒業後のキャリアについてお話がありました。前野先生はいつも臨床現場が追い付いていないような新情報や新制度を共有して下さるので、大変勉強になっております。
また、武田先生の講演では、武田先生の世界をまたにかけた怒涛の勤務経験を伺い、信念を貫く強さに敬服し、これからの自身の医師人生に待ち受ける未知との出会いにワクワクしました。

2日目は卒業生による修了プレゼンテーションの後、CSA(Clinical Skill Assessment)とKey Featureが行われました。CSAは診療シミュレーションを用いた評価方法で、Key Featureは多選択・自由記載式で医学知識を評価する方法です。
毎年緊張しますが、模擬患者さんをはじめ多くの方が関わって下さり貴重な意見を頂ける機会ですので、(終わってしまえば)今年も経験することができて良かったと感じます。

今回は私自身が卒業生だったため、PFや修了プレゼンテーションについての感想は省きますが、4年間を通してどのようなことを感じ成長できたかをつくば総診の皆様にお伝えでき、後輩の励みにそして先輩方の指導意欲に繋がれば幸いです。

私含め、卒業生の皆様お疲れ様でした!まだ提出物や専門医試験が控えていますが共に頑張りましょう!そして卒業セミナーの準備をしてくださった先生方、CSA等ご協力頂いた先生方、誠にありがとうございました!!

 

(後期研修医4年目 小野有理)

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【人生会議】かみす終活フェス 2022年3月に開催されます。

2022年2月8日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア

神栖市(鹿嶋市含む)の市民の皆様とともに『人生会議』について考えるイベントが開催されます。

終活フェス2021年度A4チラシ

【PDF版】終活フェス2022(A4サイズ)

本イベントは、今回で4年目を迎えます。
今年も、清真学園高等学校・中学校演劇部の協力を得て開催される演劇では、
本人を交え話し合えることの大切さ、どのように逝きたいかを皆で考えてゆくことは、
いまをよりよく生きることでもあることを教えてくれます。

そして、基調講演に、筑波メディカルセンター病院 総合診療科・緩和医療科医師 廣瀬由美先生をお迎えして、
皆様とともに、このテーマを考える一日にしたいと考えています。

皆様、どうぞお誘い合わせの上、ご参加ください。

 

 

【終活フェス2022】

日時 2022年3月6日(日)13時~15時30分

会場 矢田部公民館 文化ホール
   ※コロナ感染拡大状況により完全オンラインに切り替える場合があります。
 (当日の様子のオンライン配信も予定しています)

詳細は、上記ポスターをご参照ください。

 

 

昨年までの内容はこちらをご覧ください。

 

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【参加者募集】『ポリファーマシー』 第13回つくば総合診療塾オンライン

2022年1月27日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP

「つくば総合診療塾オンライン」開催!

第13回は2/24(木)18:00–20:00 ポリファーマシー 参加者募集!

 

総合診療に関する定期的なオンライン学習会「つくば総合診療塾オンライン」、

第13回はポリファーマシーについて取り上げます。

 

たくさん薬を飲んでいるあの患者さん、お薬は本当に飲まなきゃいけないんでしょうか?

患者さんにとって、何が適切な処方なのか、一緒に考えていきましょう!

ポリファーマシーって何?と思った方も、知ってるよという方も是非参加してください!

 

内容:ポリファーマシー

講師:舛本 祥一先生(筑波大学医学医療系 地域総合診療医学/総合診療科)

日時:2022年2月24日(木)18:00-20:00(時間は早めに終わる可能性あり)

方法:オンライン(詳細は開催日2-3日前に参加者にメールいたします)

費用:無料

対象:全国の医学生・医療系学生、その他

申し込み:以下のリンクから参加登録してください。

グループ分け等を適切に行うため、2月17日(木)までの申し込みを推奨いたします。

https://jp.surveymonkey.com/r/DT3WKDW

 

 

〇次回以降の予定(内容、時間、講師は状況に応じて変更可能性あり)

2022年

・3月18日(金) 19:00-21:00 臨床推論5 前野哲博先生

・4月日時未定 臨床倫理 講師未定

・5月日時未定 在宅医療 講師未定

・6月日時未定 糖尿病  鈴木將玄先生

・7月日時未定 メンタルヘルス 講師未定

・8月11日(木) 15:00-17:00 産業医 福田幸寛先生

 

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【参加者募集】『緩和ケア』 第12回つくば総合診療塾オンライン

2022年1月5日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP

「つくば総合診療塾オンライン」開催!

第12回は1/27(木)18:00–20:00 緩和ケア 参加者募集!

 

総合診療に関する定期的なオンライン学習会「つくば総合診療塾オンライン」、

第12回は緩和ケアについて取り上げます。

 

生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者さんに対して、医療者は何ができるでしょうか?

がん患者に限らず、あらゆる患者さんやその家族が緩和ケアを必要としています。

残念ながら回復の見込みがない状況でどのように苦痛を評価し、どのようなケアができるのか、

皆さんと一緒に考えたいと思います。

 

内容:緩和ケア

講師:東端 孝博先生(筑波大学附属病院 総合診療科)

   横須賀 響子先生(坪井病院 緩和ケア内科)

日時:2022年1月27日(木)18:00-20:00(時間は早めに終わる可能性あり)

方法:オンライン(詳細は開催日2-3日前に参加者にメールいたします)

費用:無料

対象:全国の医学生・医療系学生、その他

申し込み:以下のリンクから参加登録してください。

グループ分け等を適切に行うため、1月20日(木)までの申し込みを推奨いたします。

https://jp.surveymonkey.com/r/QWTQK7S

 

 

〇次回以降の予定(内容、時間、講師は状況に応じて変更可能性あり)

2022年

・2月日時未定 ポリファーマシー 舛本祥一

・3月18日(金) 19:00-21:00 臨床推論5 前野哲博先生

・4月日時未定 臨床倫理 講師未定

・5月日時未定 在宅医療 講師未定

・6月日時未定 糖尿病  鈴木將玄先生

・7月日時未定 メンタルヘルス 講師未定

・8月11日(木) 15:00-17:00 産業医 福田幸寛先生

 

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『餅による小腸閉塞』の論文が公開されました

2021年12月25日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大森医院

ひたち太田家庭医療診療所の木村です。

2021年12月25日公開の「日本プライマリ・ケア連合学会誌」にて
拙著『餅による食餌性小腸閉塞9例の検討』が掲載されました。
人生初の論文掲載となります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/generalist/44/4/44_141/_article/-char/ja

2016年に餅による食餌性小腸閉塞の症例を経験した際に、木下賢輔先生から学会発表を勧められたのがそもそものきっかけでした。
その後、五十野博基先生に加わっていただき、ケースシリーズ研究として学会発表、論文化へと進めてきました。

最初に躓いたのは研究デザインの検討でした。初めての研究かつ先行文献もろくに読み込まない状態からのスタートでしたので、どんなデータを集めたものやらさっぱり、といった状況でした。当時、勤務していた水戸協同病院に定期的にT-CReDo(筑波大学つくば臨床医学研究開発機構)の先生方が定期的にいらして研究相談会を開催されていました。五十野先生のおすすめもあり、相談に伺ったところ、まとまりのない私の話と中途半端なデータを丁寧に見てくださいました。その後もたびたび相談にのっていただきました。マンツーマンで大変参考になりました。

1年かけて電子カルテの中を右往左往しつづけ、集めたデータをギリギリ2018年のJPCA学術大会に発表することができました。
そして、このまま論文化、という話をしていたところでまた躓きました。
五十野先生からは発表したものを文章に起こせば論文が書ける、と教えていただいたのですが、いざ文章を書こうとすると話がうまく繋がりません。加えて、書けば書くほど先行文献と同じ考察になっているような気がして、進まなくなってしまいました。
2018年後半から2019年前半のこの時期、仕事もあまりうまく行かずといったことも重なり、ほぼ進展なしの状態になってしまいました。

もうこのまま書けないかも、と心折れかけていたところに五十野先生から「論文まだ?」と連絡があり、やはり書かないといかんな、と思い直しました。書いても書いてもうまくまとまらず、何度も先行文献を読み直し、書いたものを頭から書き直したりしていたので、進め始めてからさらに1年かかってしまいました。
幸い、投稿と査読はスムーズに進み、今回、学会誌に掲載していただきました。

スランプの間、何も思い浮かばないという時期もありましたが、先行文献を何度も整理し直して、自分のデータと見比べて、なんとか結論を導き出すことができました。頭の中で考えいるうちはうまくいきそうなアイデアでも、書き出してみると矛盾が見つかるということも何度もありました。
振り返ってみると、研究デザインの検討の際にもっと先行文献を読み込んでおけばよかったと思ってしまいますが、それは今だから考えつくことであって、やはり行きつ戻りつしながら進めていかねばならなかったのだろうと思います。

書いていて最も驚いたことは、データを集めてから4年も経っているのに、ちゃんとアクセプトされたことです。時間がかかっても妥協せず完成させれば、論文として認めてもらえるというのが、最も大きな学びになりました。
スランプの途中で諦めなくて本当に良かったです。

最後に
いつも端的で最適なアドバイスを下さり、完成まで付き合ってくださった五十野博基先生、初期研修医時代にこの研究のきっかけを下さった木下賢輔先生、この研究のデザインの検討に多大なアドバイスを下さったT-CReDoの橋本幸一先生にこの場を借りて感謝申し上げます。大変ありがとうござました。

木村紀志(医療法人大森医院 ひたち太田家庭医療診療所)

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