論文がアクセプトされました(Japanese family physicians’ attitudes, difficulties, and perceived significance in managing mental health problems: A qualitative study)
2024年9月29日テーマ:学術活動(学会発表・論文・書籍), 筑波総合診療グループ, 北茨城
北茨城市民病院附属家庭医療センターの梶川先生がJournal of General and Family Medicineに論文をアクセプトされました。
日本の家庭医のメンタルヘルス診療を行う態度, 困難さ,家庭医自身にとっての意義についての質的研究です。
是非ご覧ください。
第29回日本病院総合診療医学会学術総会で発表してきました
2024年9月21日テーマ:学術活動(学会発表・論文・書籍), 筑波メディカルセンター病院, 北茨城
2024年9月7日、8日東京都の有明セントラルタワーで行われた第29回日本病院総合診療医学会学術集会に参加してきました。
日本病院総合診療医学会は総合診療専門医のサブスペシャリティである病院総合診療専門医を養成する学会であり、新・家庭医療専門医を養成するプライマリ・ケア学会と並ぶ学会です。自分自身、将来的にはホスピタリストとしてのキャリアを考えており以前より興味がありましたが、今回が初めての現地参加でした。
演題発表は筑波メディカルセンター病院で経験した「強い腹部膨満を初発症状とし,急性肝炎様の画像所見を呈したTAFRO症候群の一例」を発表してきました。
当初自分自身の知識経験不足で診断を想起することができませんでしたが、画像所見を契機にTAFRO症候群を想起することができ診断に至った症例でした(実際は指導医が想起していましたが笑)。今まではコロナ禍のためオンライン発表が多かったので、久しぶりの現地発表で緊張しましたが、無事に終えることができました。準備は大変でしたが、学会発表をすることで、症例を振り返ることができ一層勉強になった感覚がありました。指導してくださった先生方に感謝を申し上げます。
自分自身の発表は9月8日であり、同日のみの参加となりましたが、とても刺激を受け、やはり現地に行くことはとても大事だなと思いました。今回学んだことを明日からの診療でも活かしていきたいと思います。
北茨城市民病院附属家庭医療センター 村田俊介
北茨城市民病院附属家庭医療センターでの取り組み
2024年2月3日テーマ:筑波総合診療グループ, 北茨城
北茨城市民病院附属家庭医療センターでは
毎月レジデントの先生の症例検討にあわせて
「レジデント終了後の若手医師も家庭医療学についての
学びを深める機会を続けよう!」とのコンセプトの元、
スタッフによる症例検討や家庭医療に関するレクチャーを
開催しています。
今月のテーマは「高齢者虐待」
海老澤由香先生の発表でした。
・疑うべきサインを知って、見逃さない、気づいたら相談することが必要
・多職種連携でのいろんな視点でみることが大事
(外勤の先生もいるので現地とzoomのハイブリッドで行いました)
地域事情やみんなの臨床の経験を持ち寄ってのディスカッションで
自分だけでは学べないことをよりリアルに実感をもって学べました。
■今年度開催してきたテーマ
5月 認知症への本人・家族のコーピング
6月 不登校
7月 家族システム理論
10月 認知行動療法
11月 紹介マネジメント
12月 診療を質を下げずに効率的に業務するには?
1月 高齢者虐待
北茨城だけでぼちぼちやってる会ですが、
引き続き家庭医療について、現場の症例をもとに
皆で一緒に学んでいきたいと思います。
筑波大学医学医療系 地域総合診療医学/北茨城市民病院附属家庭医療センター
梶川奈月
北茨城市民病院附属家庭医療センター8周年のお祝い
2023年9月23日テーマ:筑波総合診療グループ, 北茨城
北茨城市民病院附属家庭医療センターは、今年で開院から8年になりました。8周年を記念して、先日センターでお祝いの会を行いました。
お祝いの会は、スタッフにお昼時間を利用して集まってもらい、記念飾りを作りながら、センター長の五十嵐先生お手製のマドレーヌをいただきました。マドレーヌはお店に負けない本格的な味で(しかも焼きたて!)、とても美味しかったです。
記念飾りは、8の字を下書きした用紙をスタッフ各々に自由にデコレーションしてもらい、1つの絵にまとめました。皆さん工夫を凝らして作ってくださり、力作ぞろいでした。完成した作品は待合室に飾り、患者さんにもコメントを書き込んでもらえるようにしました。「親子でお世話になっています」「声でわかってくれてありがとう」など、8年の歴史を感じる温かいコメントをいただいています。
これまでセンターで勤務してこられた方々のつくりあげてきた地域での役割や信頼を、これからも大切にして業務に励みたいと思います。
北茨城にお越しの際は、ぜひ家庭医療センターへ見学にいらしてください。
北茨城市民病院附属家庭医療センター 鈴木李理
2022年度卒業セミナー 1日目
2023年2月24日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 北茨城, 笠間, 神栖, 大森医院, 利根町, 大和クリニック, セントラル総合クリニック, 霞ヶ浦医療センター, 未来医療GP, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)
総合診療科専攻医1年鈴木綾香です。
はやいもので、卒業セミナーの季節となりました。
今年度は、2月18日(土)・19日(日)の2日間にわたって開催されました。
3年ぶりの現地開催が実現し、オンライン配信のハイブリッドでしたが、多くの先生方がお忙しい中にも関わらず、現地に集まりました。
1日目は、前野先生の講演から始まり、卒業生のポートフォリオ発表会を経て、木澤義之先生の講演がありました。
木澤義之先生は、日本緩和医療学会理事長でもあり、筑波大学卒業生、そして前野先生の同級生でもあるのです。
前野先生からは、今後のつくば総診の発展や展望を含めた話があり、総合診療医を目指すものとして兜の緒を締める気持ちとなりました。
ポートフォリオ発表では、先輩方がどのように臨床で苦労され、解決されたのかを聞くことができ、大変勉強になりました。
木澤先生のご講演では、他では聞けないであろう、日本の緩和医療の歴史や将来、緩和医療と総合診療医の親和性、先生が取り組んでいる研究など、とても興味深い内容でした。
さて、今回ご卒業された先生方、本当におめでとうございます。
お忙しい中講演してくださいました木澤先生、前野先生、そして、当日来場された先生方に改めてお礼申し上げます。
先生方の今後のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
2日目の卒業セミナーの様子は専攻医1年の都田先生の投稿をご覧ください。
専攻医1年 鈴木綾香
2022年度 卒業セミナー(2日目)
2023年2月24日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 北茨城, 笠間, 神栖, 大森医院, 利根町, 大和クリニック, セントラル総合クリニック, 霞ヶ浦医療センター, 未来医療GP, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)
筑波大学総合診療科で研修をさせていただいております、S1の都田佑樹です。
オンサイトでの開催は3年ぶりとのことでしたが、私にとって本年が初参加でした。
何かとバタバタとした中で卒業セミナーの委員をさせていただきましたが、普段お会いできない先生方にお会いできて、とてもうれしかったです。
2日目は、卒業生それぞれの今までの研修の振り返りプレゼンから始まりました。
皆さんのバックボーンから知ることができ、研修の苦労などがありありと浮かんでいて大変興味深いプレゼンテーションでした。
豪華な中華弁当を挟んで午後のCSA(Clinical Skills Assessment)、KFs(Key features test)の時間が始まります。
CSAはレジデントを対象に様々な臨床シーンを切り取って患者さんにどう伝えるか、どうアセスメントをするかの医療面接です。非常に緊張しますが、指導医の先生からのフィードバックもとても参考になり、建設的なものなので実りのある時間でした。
KFsはマークシート形式のテストですが、点数が公表されるわけでもなく、自身の臨床知識をアップデートする目的のものです。解答解説は参考文献も載っており、とても身になるテストでした。
CSAもKFsもどちらも自分の今までの医療面接の在り方、臨床能力を見直すきっかけになりました。来年はもっとうまくできるように本年一年努力したいと思います。
さて、新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)のため、ようやく再開できたオンサイト卒業セミナーでした。
来年もオンサイトで開催できることを楽しみにしています。
本年ご卒業される先生方、ご卒業誠におめでとうございました。
これからのますますのご活躍をお祈り申し上げます。
専攻医1年 都田佑樹
関連ページ:卒業セミナー(1日目)はこちら
専攻医1年目 山田医師の研修施設 見聞録 その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編
2022年8月8日テーマ:サイトビジット, 筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 北茨城, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)
北茨城市民病院附属家庭医療センターは、茨城最北端地域にある診療
診療所ですが、
また、
初めは、訪問診療という文化もなく、
【参考】北茨城市民病院附属家庭医療センターで学べることなどの詳細(つくば総診後期研修サイトより)
『専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ 全5回』。
その1:神栖済生会病院 編
その2:神栖産業医トレーニングセンター編
その3:利根町国保診療所 編
その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編
後期研修のローテ先を探して。専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ
2022年8月4日テーマ:サイトビジット, 筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 北茨城, 神栖, 大森医院, 利根町, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)
皆さん、こんにちは!
つくば家庭医・病院総合医プログラム(以下つくば総診)
専攻医1年目
つくば総診には、様々なセッティングが用意されており、
今回、
これから、少しずつ後期専門研修施設を私なりに、皆さんへご紹介して行きたいと思います。
題して、『専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ 全5回』。
どうぞご期待ください。
その1:神栖済生会病院 編
その2:神栖産業医トレーニングセンター編
その3:利根町国保診療所 編
その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編
さて、たくさん見学させていただいた結果、どの施設も魅力的であり、
待ってま~す。
専攻医(後期専門研修医)1年 山田辰樹より
つくば家庭医・病院総合医プログラム オンライン説明会2022
2022年4月8日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 北茨城, 笠間, 神栖, 大森医院, 利根町, 大和クリニック, セントラル総合クリニック, 霞ヶ浦医療センター, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育
今年度も、つくば家庭医・
【説明会予定】いずれも14:00-16:00
第一回:5月28日(土)
第二回:7月3日(日)
第三回:8月11日(木・祝)
【概要】
・前野哲博教授によるプログラム紹介
・専攻医やプログラム修了生による体験談のプレゼンテーション
(専攻医と修了生が、都度替わる予定ですので、毎回楽しめます)
終了後には少人数で個別に話すこともでき、
説明会はzoomで行い、出入り自由です。
【おすすめの方】
・進路を検討中の初期研修医や学生
・当プログラムに興味のある方すべて
心よりお待ちしております!
【参加者募集】『アルコール』第6回つくば総合診療塾オンライン
2021年5月10日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 北茨城, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育
第6回は6/15(火)20:00-22:00、テーマ『アルコール』。 参加者募集中!
総合診療に関する定期的なオンライン学習会「つくば総合診療塾オンライン」、
第6回はアルコールについて取り上げます。
内容:アルコール
講師:吉本 尚先生(筑波大学医学医療系 地域総合診療医学/総合診療科)
日時:2021年6月15日(火)20:00-22:00
(時間は早めに終わる可能性あり)
方法:オンライン(詳細は開催日2-3日前に参加者にメールいたします)
費用:無料
対象:全国の医学生・医療系学生、その他
申し込み:以下のリンクから参加登録してください。
グループ分け等を適切に行うため、6月11日(金)までの申し込みを推奨いたします。
https://jp.surveymonkey.com/r/GP6PS33
【レクチャーの概要をご紹介】
知っているようで知らないお酒の話
~自分自身の飲み方から患者さんの指導まで~
身近なお酒の対処、皆さんはどれくらいご存知ですか?
どういった飲み方が推奨されるのか、
飲みすぎによる害、
危険なサインと対処法など、
参加者自身が日常的に使える知識から、医療者として使える具体的な声掛け・考え方など、
盛りだくさんの最新情報を短時間で整理してお伝えします。
当日チャットに書いていただいた質問には時間の許す範囲でコメントしていきますので、お楽しみに。
———————————
〇次回以降の予定(内容、時間、講師は状況に応じて変更可能性あり)
2021年
・7月13日(火)19:00-20:30 EBM 片岡義裕先生
・8月27日(金)19:00-21:00 多職種連携 前野貴美先生
・9月15日(水)18:00-20:00 臨床推論3 前野哲博先生
・10月8日(金)18:00-20:00 行動変容 横谷省治先生
・11月16日(火)19:00-21:00 家族志向のケア 吉本尚先生
・12月16日(木)17:00-19:00 臨床推論4 前野哲博先生
2022年
・1月日時未定 緩和ケア 東端孝博先生
・2月日時未定 ポリファーマシー 舛本祥一先生
・3月18日(金)19:00-21:00 臨床推論5 前野哲博先生
・4月日時未定 臨床倫理 講師未定
・5月日時未定 在宅医療 講師未定
・6月日時未定 糖尿病 鈴木將玄先生
・7月日時未定 メンタルヘルス 講師未定
・8月11日(木)15:00-17:00 福田幸寛先生
北茨城市にて交通課題に関するヘルスプロモーション活動を始めます
2021年4月20日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 北茨城, 未来医療GP, 地域包括ケア
*写真注
中央:まちづくり協働課 金澤利幸 課長
右側:高齢福祉課 渡邊章 課長
こんにちは。
筑波大学医学医療系の川田です。
現在、北茨城市をフィールドに「地域づくり」の文脈で地域住民や行政など様々なステークホルダーと共に、ヘルスプロモーション活動を展開しております。今年度より新たに健康の社会的決定要因の一つである「交通」課題に関する取り組みをスタートさせることになりました。
近年、地域で住まう人々を取り巻く様々なつながり(社会的ネットワーク)が健康や寿命に寄与することが指摘され、高齢者の介護予防や健康づくりにおいては、サロンなどの集いの場を整備することが進められてきました。しかしながら、北茨城市のような地方都市では例えば「サロンまでいく手段がない」といった交通課題が存在し、このような課題が健康格差となる可能性があります。これまで、私を含め地域の健康をサポートする医療福祉職は、誰しも一度はこの課題にぶち当たり、何とかしたい!と思いながらも、一方で自分たちではどうすることもできない課題として取り扱ってきたのではないでしょうか。
この度、嬉しいことに北茨城市高齢福祉課、まちづくり協働課(市民生活に関わるインフラを担う部署)との課題認識が合致し、実際は縁遠いと思われていた交通課題への取り組みを部署横断的なコラボによって一歩前に進めるチャンスを頂きました。
今年度はまず地域住民の生の声として、市内交通に関する現状・課題、交通手段確保の工夫、提案をインタビューにて集めていきたいと思っております。
また各地におけるユニークな取り組みなど情報がありましたらぜひ教えて下さい!
どうぞよろしくお願いします。
地域総合診療医学講座 川田 尚吾
北茨城市のサロン参加者に対してコロナ禍における介護・フレイル予防に関する講和を行いました
2021年4月20日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 北茨城, 未来医療GP, 地域包括ケア
(コロナ禍での介護・フレイル予防について講演しました)
(参加者のみなさんから元気と勇気をいただきました)
こんにちは。
筑波大学医学医療系の川田です。
2021年3月24日に、北茨城市老人福祉センターでの高齢者サロンにて、コロナ禍における介護・フレイル予防に関する講和を行いました。
現在、横谷先生・小曽根先生・後藤先生らと新型コロナウイルスの拡大によって活動の休止を余儀なくされた高齢者のコミュニティ活動の再開と新たな場の構築に向けたアクションリサーチを行っており、今回の講和はそのリサーチでのインタビューのお礼として行わせて頂きました。
私はこれまで、「介護予防のために、友達や家族とたくさん交流しましょう!」「集いの場には、1人でも多くの友達を誘って来るようにして下さい!」を主なメッセージに介護予防講和を行ってきました。
が、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大によって状況は一変。
感染予防ためには、これまでのような密接・大勢での交流・集いといった介護予防や健康づくりによいとされる行為を回避する必要性に迫られました。なんとも恐ろしいウイルスです。
今回の講和では、高齢者においては感染を予防することと同時にフレイルや介護を予防することも重要であり、そのポイントについてお話しさせて頂きました。
会場の中には「コロナ禍だからこそできたこと」に目を向けて明るく振る舞われる方もおられ、まだまだ不安な日々を過ごす私の方が元気と勇気をもらった1日となりました。
地域総合診療医学講座 川田 尚吾
北茨城市の磯原公民館にて“人生会議”(アドバンス・ケア・プランニング)の講話を行いました
2021年4月20日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 北茨城, 未来医療GP, 地域包括ケア
(アドバンス・ケア・プランニングについて講演しました)
(磯原町在住の皆さんにご参加いただきました)
こんにちは。
筑波大学医学医療系の川田です。
2021年2月24日に、北茨城市磯原公民館で磯原町在住高齢者を対象に“人生会議”(アドバンス・ケア・プランニング)についての講話を行いました。
冒頭で「人生会議について知っている、もしくは聞いたことがある方はいらっしゃいますか?」という問いかけに対して、手があがったのは30名中1名。
なおさらのこと、今日の講話が友人との帰宅途中、また家族と囲む夕食での人生会議のきっかけになってくれるといいなあと思いながら、お話しをさせて頂きました。
人生会議は、「もしものとき」にどのような医療やケアを実行するのかといった“結論”を決めるということよりも、それも含めて自分が大事にしている価値観や人生観、好きなこと・嫌いなことなどを周囲の人たちと繰り返し分かち合う“プロセス”が大切であることを、私が在宅医療の現場で出会った患者さんとの実際のやりとりをまじえながらお伝えしました。
講話終了後には、とあるご婦人から「今日、息子が家に来るから丁度いい話のネタができてよかったわ」と明るく言って頂き、人生会議を肩肘張った物々しい話し合いとしてではなく、日常の中にある話の“ネタ”として捉えて頂いたことに嬉しさを覚えました。
今回お声かけ頂いた磯原町公民館町の鈴木さん、ありがとうございました!
地域総合診療医学講座 川田 尚吾
いってきました!ハワイ研修!
2019年12月7日テーマ:筑波総合診療グループ, 北茨城, 未来医療GP
北茨城市民病院附属家庭医療センターの高橋です。
10月29日から11月7日まで、茨城県が主催する指導医団国外派遣事業に参加してきました!
茨城県の指導医の指導能力向上の目的で、茨城県内から私も含め4人の医師が世界標準の指導・教育に取り組んでいる米国(Hawaii)へ行ってきました。
留学経験のある先生方に囲まれ、英語に自信がなかった私は直前までオンライン英会話でなんとか英語能力を少しだけ取り戻し、少しの不安と期待が入り混じりながら飛行機に乗り込みました。
7時間のフライトを経てハワイにつき、日本と違い暖かい日差しと晴れた空、ヤシの木、海を見て、不安は吹き飛びました!笑
到着し、ちょっとホテルで一服……はできません。
そのままアメリカと日本の医療保険制度の違いを学びました。
これは今まで参加した先生方もブログに書いていますので省きますが、当たり前だと思っていた日本の皆保険制度を外から比較すると、日本の良い部分や米国の医療における問題点にも気づくことができました。
海外の医療事情に疎かった自分には衝撃でした。
2日目からも盛りだくさん。研修は基本的に朝型。
6時半頃には集合し研修先に向かいます。
ハワイ唯一の医学部のあるハワイ大学では、シミュレーターを使用した教育方法のレクチャー2日間に渡ってティーチングスキルを学びました。
シミュレーターを使用したレクチャーを自分で作成し参加者同士で体験しながら学びました。単純なシミュレーションだったにも関わらず、他人を教育するために考えなければならないことが多くあり、人に体験させ学習させることの難しさを感じました。ティーチングのレクチャーでは実際に教育に関して悩んでいることも意見交換をすることができました。
指導する先生方は皆、教育者であるため、相手をモチベートする方法や相手の意見の引き出し方、学習する雰囲気づくりに長けている先生方ばかりでしたので、レクチャー自体が非常に勉強になりました。
また次の日には、ハワイ最大の病院であるクイーンズメディカルセンター病院でホスピタリストとして第一線で働いている野木先生のレクチャーをはじめ、日本からきて実際に活躍されている先生方の働く様子を見せていただき意見交換ができました。そこでは、米国の医学生のモチベーションの高さの背景や、屋根瓦式の教育の文化、教育に投資しそれを外部から評価されるシステムが根付いていることを知り非常に驚きました。
そのほかにも、日本人医師のクリニック・緊急クリニックでの診察見学、NP(Nurse Practitioner)の方との意見交換、カピオラニコミュニティーカレッジを見学し日本にはない職種(呼吸療法士やメディカルアシスタントなど)など多職種の専門教育に関するレクチャー、業務・質改善に力をいれているキャッスルメディカルセンターの施設視察、取り組みについての講演会、現地の日本人医師との交流会など毎日研修は盛りだくさんです。
研修としてこのように長い期間、海外に行く機会が初めてでしたが、あっという間の10日間でした。
今回の研修を通して、海外の医療事情やその背景にある歴史や人種の違い、医学教育の成り立ちだけでなく、海外から見た日本の良さなど新たな視点をいただいた気がします。
数あるレクチャーの中で、ある先生が「教育は一切のリターンを求めない」と話されておりました。その先生が目を輝かせながら今後の医学教育について話をしていた様子に非常に感銘を受けました。
それをみて忙しい臨床の中で、実習にきている医学生やレジデントにもう少しやれることがあるはずだよなと思い直しました。今回の経験を自分の施設に還元するためにも自分の行動をまず変えていこうと思います。
最後に、研修中サポートしてくださった茨城県県職員のみなさま、日米医学医療交流財団の皆様、おおむろさん、ガストンさんありがとうございます。
また研修中私の分もカバーしてくれた家庭医療センターの皆様にも感謝しています。
そして指導医の皆様。
この研修は特に指導医とりたての若手には特におすすめです!
長期の研修になるので、
「休みがなかなか取りずらい・・・」というのが本音だと思いますが、研修の募集が始まるのは例年春〜初夏頃です。
早めに職場に相談すればいけるはず!
ぜひ応募してみてください。
(最終日 スーパーガイド ガストンさんとハワイ最後の晩餐会)
茨城県立日立第一高等学校で講演をしました
2019年11月24日テーマ:筑波総合診療グループ, 北茨城, 未来医療GP, 医学教育
(日立第一高校での講演の様子)
大澤@北茨城市民病院です。
茨城県立日立第一高等学校の医師志望の高校2年性11名対象に、
お話をさせていただく機会があり、1時間ほど話をしてきました。
茨城県含め日本の医療の現状や訪問診療についてなどクイズを出したり、
講師自身の医師になりたいと思った経緯や医学生の生活、そして今家庭医として何をしているかを話をさせていただきました。
質疑応答の時間を長くとりましたが、参加者全員や先生方も質問をしてくれて、時間が足らないくらいでした。
将来のことを真剣に考えている学生さんに良い刺激をもらった1時間でもありました。
学生さんからの感想を一部転載します。
・ 医者ではない職種の人たちとも関わっていることは知っていたが,他の多くの職種を知ることが出来て良かった。世界的な視野をもって他の多くの人ともコミュニケーションをとることが重要だと思った。
・ 医師だけでなく多くの医師に関わる職業を知ることができ,やはり医師は人と深く関わる職業であるということを再認識できた。
・印象に残った言葉は、医者の価値は卒業した大学ではなく,患者さんにどう思われているかで決まる。 患者さんの健康は心から。みんなが幸せになる落としどころを見つける
・ 今回の講義を聞いて、総合診療医(家庭医)について詳しく知ることが出来ました。前回も総合診療医の講義を聞いたのですが、それからずっと総合診療医に興味があったので,今回の講義で医師になるまでの道のりや苦労したことなどを聞き,とてもためになりました。
・ 今回の講義を聴いて、家庭医という職種を初めて知り、色々な知識を持っていて、誰とでも相談にのるこの職種に魅力を感じた。
・ 家庭医というものは最初、家庭の事しか関わらないのではないかと思っていたが、街というスケールまで関わっているということを聞いて、びっくりしました。また,勉強をすることを幸せに思ったことがなかったので、世の中には勉強も出来ないで苦しんでいる人もいるので、もっと幸せに思って、勉強の仕方を考え直してみたいと思った。
高校のHPにも載せていただきました!
http://www.hitachi1-h.ibk.ed.jp/?page_id=246#R010918
文責 大澤
飲酒低減外来とは
2019年11月4日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 北茨城, 未来医療GP
つくば総合診療グループで取り組んでいる
アルコール問題への活動をご紹介します。
3回目となる今回は
「あなたの健康百科」に掲載された記事のご紹介です。
お酒との上手な付き合い方を
総合診療科が始めた「飲酒量低減外来」とは
https://kenko100.jp/articles/190325004805/
一般の方向けに、記事を掲載いただきました。
記事をお読みいただき、お酒と上手く付き合っていただければ
うれしいと思います。
前回はこちら:
指導医施設見学~北茨城家庭医療センター編~
2019年10月8日テーマ:筑波総合診療グループ, 北茨城, 笠間, 未来医療GP
筑波総診では、お互いの施設で行っている教育内容を参考にしたりフィードバックする目的で、「サイトビジット」と呼ばれるグループ内の施設見学を行っています。この施設見学では、指導医やレジデントが自分の勤務していない施設を見学し合って、日々の研修や診療の質向上を行っています。
今回、指導医施設見学の一環で、笠間市立病院に勤務している久野先生が北茨城家庭医療センターに見学に来てくれました。
来てもらう直前に、笠間市立病院で久野先生が緩和医療についての院内勉強会をしているという噂を耳にし、ぜひ北茨城でも!というお願いをし、施設見学に合わせて、北茨城でも勉強会もしていただきました。
久野先生ありがとうございました!
訪問診療の患者さんで、多くのがん患者さんを見ることがありますが、訪問に同席する看護師さんや事務職員さんは、改めて時間をとって緩和医療の勉強をするという機会は少なく、今回はとても学びにつながったとの多くの声がありました。
参加者みな、他施設で行っている訪問診療や緩和医療にとても興味をもって聞いていました。
施設見学の際に、せっかくの機会なので、今回のように得意分野のレクチャーもしてもらうというのは、施設間で学び合うことにつながりいいのではないかと感じています。
文責 大澤 亮
レジデントの一日@北茨城市民病院附属家庭医療センター
2019年10月2日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 北茨城, 未来医療GP, レジデントの1日(施設紹介)
北茨城市民病院附属家庭医療センターという診療所で研修しておりました、専攻医2年目の佐藤瑠美と申します。
筑波総合診療クループには地域も研修内容も様々な研修施設が豊富にあります。他の先生方に引き続き、その中の1施設での研修をご紹介したいと思います。
診療所に関わるスタッフ(医師、看護師、事務、掃除等を手伝ってくれるシルバーさん)が全員集まり、朝の1言やその日の日程確認をします。
曜日によって外来の日、訪問の日とバリエーションがあります。訪問患者数は訪問する地域によっても違いますが、平均5〜6人です。COPDで在宅酸素を導入している患者さんや、末期がんの患者さんの在宅緩和、認知症やADLの低下があり外来に通院できない御高齢者などが多いです。施設にも訪問を行っています。
※水曜日のみですが、山岳地域に1日巡回診療にいっています。
午後の始まりは、小児の予防注射や乳児検診からスタートすることが多いです。外来には高齢者だけでなく小児も多く来るので、まさに老若男女を診察しています。一般的な風邪の方から、状態が悪く近くの病院に紹介が必要な方まで、多くの人がいらっしゃいます。予約再診の方、予約外の方併せて15人程度を診ています(年々患者数が増加傾向で外来は結構忙しいです)。心療内科も行っており、初診の方は最後の枠で少し時間をとってお話を聞きます。老若男女、身体からこころの病気まで幅広く、まさに「まるごと」診るという経験をさせて頂いています。
家庭医療センターは北茨城市民病院に附属している施設で、連携をとっています。そのため月2回ほど同病院での夜間救急当直があります。夜間は救急車からwalk-in(自力で救急外来まで来る患者さん)どちらも医師1人、看護師1~3名で対応します。病棟急変の相談もあります。医師が自分1人という状況で対応する経験も多くはないため、緊張しますがいい勉強になります!
病院だけでなく、こうした診療所でも若いうちから研修できることはつくば総診の特色の一つだと思います。