全国医学部臨床推論甲子園で筑波大生チーム優勝&準優勝!
筑波大学附属病院総合診療科スタッフの橋本です。
私が主催している、臨床推論や身体診察、地域医療を扱う勉強会に以前から参加している学生たちが、群星沖縄臨床研修センター主催の「第4回全国医学部臨床推論甲子園 -オンライン・夏-」で優勝、準優勝を獲りましたのでご報告いたします。
いわゆる1・2フィニッシュです!
この大会は医学生3名1チームで参加し、臨床推論力を競うもので、今回は全国29チームが参加しました。
そのなかで私の勉強会メンバーから2チームが参加し、優勝、準優勝を獲ってくれたのは大変嬉しいです。
優勝景品は表彰式が行われる沖縄までの航空機チケット+賞金ということで大変豪華ですね。
優勝メンバーからメッセージをいただいたのでぜひご覧ください。
今後も学生たちと勉強会を続けていきたいとおもいます。
よろしくお願いいたします。
<以下、優勝メンバーのメッセージ>
チームメンバー:
三瓶直人(医学類5年)、吉井健人(医学類5年)、白井律帆(医学類3年)
私たちは、第4回全国医学部臨床推論甲子園というイベントに参加しました。この大会は、オンライン上にて沖縄県の群星臨床研修群の研修病院の初期研修中の先生方が症例を提示してくださりその診断名を学生が回答するという大会です。私たちのチームは5年生2名、3年生1名のチームで参加しました。
臨床推論甲子園は、実際の症例を前にして「診断は何か」を考える力が試されます。
このような力を授業や実習で完全に身に付けることはできません。こうした力を補うために私たちは放課後や空き時間を利用して自主的に学習を進めてきました。こういったことが実を結び、今大会で優勝できたことは本当に嬉しく思います。私たちはプライマリ・ケア研究会に所属しており、定期的に橋本先生にご指導いただいています。普段から私達にご協力してくださる橋本先生には本当に感謝しております。
大学生にとって放課後や空き時間を学習に費やすことは簡単ではありません。そのため今回優勝できたことは我々にとって大きなエネルギーとなりました。今後とも診断力を鍛え、診断の難しい症例に対しても専門領域の壁を超えて診療できる医師になれるよう努めて参ります。
【お知せ】総診メンバー作品が、只今開催中の茨城医家美術展にて展示中です。
2024年8月30日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア
皆様へ、素敵なお知らせがございます。
つくば総診かみすチームのメンバーである総合診療医 阪本氏による
波崎での心温まるストーリーを収めた写真作品が、展示されています。
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・第55回 茨城医家美術展
・会期:2024年8月27日(火)~9月1日(日) 9:00~17:00
・会場:ザ・ヒロサワ・シティ会館2階「県民ギャラリー」
(茨城県立県民文化センター、水戸市千波町697)
・一般入場無料
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この作品は、つくば総診かみすチームが、市民の皆さんと共に、松の植樹活動(防風林)を行った日の出来事が描かれています。
当日は、「ハッチポッチカフェ」という、市民の皆さんと一緒にくらしの悩み事を考える場、くらしの相談室も開催されました。この場は、つくば総診メンバーのみならず、地元の医療従事者、アーティストや有志市民、そして、全国の医療系学生たちによって創られました。
作品紹介など詳細は、ハッチポッチカフェ公式ホームページより、下記をご覧下さい。
https://hotchpotch-cafe.my.canva.site/#%E4%BB%8A%E5%BE%8C%E3%81%AE%E4%BA%88%E5%AE%9A
なお、台風接近中ですので、会場にお越しの際には天候状況に十分ご注意ください。
筑波大学附属病院総合診療科よりそいドクターのポスター展示のご報告
2024年8月12日テーマ:大学
筑波大学附属病院外来廊下に附属病院総合診療科のポスターが展示されましたので、ご報告します。
このポスターは、筑波大学芸術学群卒業生の橋本凌さんと附属病院のアート&デザインプロジェクトが協同して作成したものです。
「より多くの患者さんに総合診療科を知ってもらいたい」という思いから始まった企画でしたが、
作成過程では、「映画風ポスター」という手法を用いて、どう表現すると患者さんに伝わりやすいか?というデザインの難しさを実感しました。
橋本さんの指導教員である芸術学群の村上先生や附属病院のアートコーディネーターの松﨑さん、そして、総合診療科の前野哲博先生とディスカッションを行い、一度は完成したポスターの案を白紙に戻し、メールでのやりとりやZOOM会議を重ね、計画から完成までに1年以上かかりました。
また、ポスター作成のプロセスでは、橋本さんに医局や外来に見学に来ていただき、総合診療科の先生方にも取材協力いただきました。インタビューを通して、診断がつかない患者さんに向き合うことの大切さや、症状だけでなく背景に不安や生活にも焦点を当てた診療をみてもらい、制作に活かしてもらうことができました。ご協力いただいた先生方、本当にありがとうございました。
そして、「患者さん一人ひとりの悩みや症状に寄り添う」というメッセージを伝えるため、
「よりそいドクター」というテーマで制作がすすめられ、親しみやすい犬のキャラクターのドクターを中心とした映画風ポスターならではのファンタジーな世界観のポスターが完成しました。
私自身、このようなアート企画に関わることで、「伝え方」について多くのことを学ぶことができました。また、院内の職員からも「この緑のマークは、総合診療科のマークなんだ」などの感想もいただき、発信することで、輪が広がっていくと感じました。
よりそいドクターのポスター、筑波大学附属病院1階、120外来手前の廊下に掲示されています。
お立ち寄りの際は、ぜひご覧になってください。
筑波大学附属病院総合診療科 久野遥加
新しいパンフレットが完成しました!
2024年3月19日テーマ:リクルート・広報, 筑波総合診療グループ, 大学
つくば総診 リクルート・広報部門の専攻医 大堀と申します。
昨年、当科の公式webサイトをリニューアルし、つくば総診の特徴や魅力をまとめた「ダイジェスト版」ページもできました!
公式サイトの内容を盛り込んだパンフレットが完成しましたので、今後説明会や学会等で活用していきたいと思っています。パンフレットのQRコードを読み込んでいただくと、サイト上でより詳細な情報をご覧いただけます。
▼公式サイト ダイジェスト版はこちら
https://soshin.pcmed-tsukuba.jp/lp/soshin_summary/
公式サイトリニューアルまでには、何度もワークショップやミーティングを開催。
つくば総診や総合診療科についてよりよく伝えることができるツールとなるよう、ディスカッションを重ねました。
▽公式LINE 友だち登録募集中です!
お問い合わせやお申し込みは公式LINEでも受付中。
お気軽にご登録ください。
文責:専攻医1年 大堀 葉子
生きる力教室 「アルコール編」のご報告
2023年12月5日テーマ:筑波総合診療グループ, 大学
先日、NPO法人居場所サポートクラブ ROBE(ロベ)さんで開催された『生きる力教室』でアルコールについてのお話をさせていただきました。
ROBE(ロベ)さんについて気になる方はこちら。
ロベさんでは「愛」「感謝」「調和」をテーマに、子ども達と障がいを持つ方々の居場所づくりに取り組まれています。
子ども同士や地域のボランティアの方々との関わりを通じて、「子どもの第三の居場所」「孤立・孤食を避け誰一人取り残されない地域子育てコミュニティ」として家族や学校の先生以外とのつながりの場所になっています。
活動のひとつである無料塾(無料学習会)では、子ども達に学ぶ場と食事を提供されています。
実は、私たちつくば総診も『生きる力教室』を通してロべさんの活動に携わっています。地域の一員としてボランティア活動を担うだけではなく、医療者として健康の社会的決定要因(social determinants of health:地域のなかのつながりや、教育・収入などの社会経済的状態、国の体制や文化、環境など健康に影響するさまざまな社会的背景)への理解を深める機会にもなっている活動です。
今回の『生きる力教室』では、参加者の皆さんと「お酒(アルコール)」をテーマに学習しました。
「アルコールのパッチテスト」を通じて自身の体質を知ることや、「未成年が飲酒してはいけない理由」「他人から飲酒を勧められた時の断り方」といった内容について皆さんの意見を伺いながらお話しさせていただきました。
普段の診療業務の中では成人の方に節酒や禁酒を励行することが多い私たちですが、今回は未成年の方々に向けた内容ということで、普段と違った視点でアルコール問題を考える貴重な経験をさせていただきました。
講義後のアンケートでは下記のような声が寄せられ、多くの方が新たな知見を得たり健康について興味を持ってくださったことを知り、とても嬉しい気持ちになりました。
(当日のアンケートより抜粋)
「パッチテストで人によって違う結果となることがわかって良かった」
「肝臓の写真(正常と肝硬変の肝臓の比較写真)が衝撃的だった」
「お酒が飲める年齢になったら飲み過ぎには気をつけようと思った」
参加者や職員・ボランティアスタッフの皆さま、どうもありがとうございました。
今後も様々なテーマで『生きる力教室』のお手伝いをさせていただきたいと存じます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
文責:つくば総診 専攻医1年目 大堀 葉子
はじめての レジデントデイ
2023年7月29日テーマ:筑波総合診療グループ, 大学
つくば総診では、普段は他施設で研修している専攻医が2か月に一度集まり,担任の先生のもとで日々の振り返りを行う会,レジデントデイを行っています。
今回は、初めてのレジデントデイを経験された専攻医から感想をもらいました。
初めまして、専攻医1年目の松田貴洲です。今回は、6月に開催された筑波総診恒例のレジデントデイについてお話したいと思います。レジデントデイでは普段は別々の研修施設で働いている同期が2ヶ月毎に集まってお互いに近況を共有するイベントです。僕たち専攻医1年目にとっては今回が初めてのレジデントデイでしたが、4月から新しい職場で働く中で感じた大変さや実際に働いて感じた理想とのギャップについて同期全員で共有しながらお互いに励ましあうことが出来ました。また同期が別の職場で働いている様子を聞くことで自分がその職場に行った時の様子をイメージすることが出来たため、そういった意味でもとても貴重な機会となりました。次回は8月に開催されますが、また次の2ヶ月間でのお互いの仕事ぶりや成長を話し合えることがとても楽しみです。2か月後のレジデントデイで同期に会えることを楽しみにまた日頃の仕事を頑張っていきたいと思います。
(専攻医1年目 松田貴洲))
6月9日に専門研修始まって以来初めてのレジデントデイがありました。初回の内容は、近況報告や今後のポートフォーリオ作成についてでした。担任の先生2人と新専攻医8人が集まって現在の研修施設での研修内容や研修を通して感じたことや今後の目標について話しました。新しい環境での戸惑いやそれを乗り越えた成長を同期と共有することができました。また、専攻医にとっては切っても切り離すことができないポートフォーリオ作成についても助言がありました。施設ごとで経験することができる症例や、取り組み方について解説がありとても勉強になりました。8月にも同様のレジデントデイが開催されるので同期に会えることを楽しみに、また成長した姿が見せられるように日々精進していきたいと思います。
(専攻医1年目 久田和佳)
つくば家庭医・病院総合医プログラム説明会2023(ハイブリッド開催)
2023年4月13日テーマ:筑波総合診療グループ, 大学, 未来医療GP, 医学教育
今年も、つくば家庭医・病院総合医プログラム(
【説明会予定2023】いずれも14:00-16:00
第一回:5月21日(日)
第二回:7月8日(土)
第三回:8月19日(土)
【参加お申し込み】 こちらからどうぞ。
(オンラインを希望された方には、
【概要】
・前野哲博教授によるプログラム紹介
・専攻医やプログラム修了生による体験談のプレゼンテーション
(専攻医と修了生が、都度替わる予定ですので、毎回楽しめます)
終了後には少人数で個別に話すこともでき、質問や相談をしてい
説明会は出入り自由となっております。
【おすすめの方】
・進路を検討中の初期研修医や学生
・当プログラムに興味のある方すべて
心よりお待ちしております!
無印良品で「ハッチポッチカフェ」開催@2023年4月8日(土)
2023年4月7日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)
(ハッチポッチ・・・ごちゃ混ぜという意味)
明日の開催に向けて現地で準備をしてくれました。
場所:無印良品 オークビレッジかみす茨城県神栖市大野原4丁目8番71-5号
日程:2023年4月8日(土)時間帯:11時~16時
<同時出展>
神栖市の障がい者就労支援事業所 Kichi-Kuro【キチクロ】を運営する一般社団法人O.K.factory(オーケー・ファクトリー)さんとコラボし、お母さん・お父さんも安心して健康相談ができるよう、子供たちが遊んで過ごせる場も当日提供します。
ハーブティー以外にも、こころと体を元気にしてくれる、美味しいものやカワイイものを集めたセレクトショップも開催予定
●場づくりを通して、感じよい暮らしのプロデュースに役立ちたい!
この場を通して、無印良品が大切にしているテーマである“感じよい暮らし”をみなでつくり、生活者同士が交流し、互いに支え合う関係性も醸成してゆきたいと考えています。
つくば家庭医・病院総合医プログラム 指導医
阪本直人より
論文掲載のご報告(高齢発症の食物依存性運動誘発アナフィラキシーについて)
2023年4月2日テーマ:筑波総合診療グループ, 大学
この度論文がInternal Medicineに掲載されましたのでご報告いたします。
The Onset of Food-dependent Exercise-induced Anaphylaxis in an Elderly Patient: A Case Report
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36725048/
食物依存性運動誘発アナフィラキシーは若年で起こりやすい一方で、80代での初発であったという症例報告です。報告例の中では日本で最高齢と思われます。
S1の大学総合診療科ローテ中に経験した症例をS2で学会発表を行いましたが、その後初めての論文作成に苦慮し、7年目でJournal of General and Family Medicineに投稿しましたがrejectされ、作り直してInternal Medicineに投稿したところacceptされました。
そもそも論文作成をどのようにすればいいのかわからず、論文の作り方から勉強、ご指導いただいていたため時間がかかってしまいました(今後はもっと早く論文を書けるように頑張りたいと思います)。
FDEIAのcofactorにCa blockerが関与している可能性があると考えましたが、先行文献では記述が少なく、どの程度関与しているか検討するのが難しかったです。
長い時間がかかりましたが、その間もご指導続けていただいた舛本先生、吉本先生、前野先生、皮膚科の沖山先生には大変感謝申し上げます。
今後も学術面含め頑張っていきたいと思います。
北茨城市民病院附属家庭医療センター 海老澤由香
2022年度卒業セミナー 1日目
2023年2月24日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 北茨城, 笠間, 神栖, 大森医院, 利根町, 大和クリニック, セントラル総合クリニック, 霞ヶ浦医療センター, 未来医療GP, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)
総合診療科専攻医1年鈴木綾香です。
はやいもので、卒業セミナーの季節となりました。
今年度は、2月18日(土)・19日(日)の2日間にわたって開催されました。
3年ぶりの現地開催が実現し、オンライン配信のハイブリッドでしたが、多くの先生方がお忙しい中にも関わらず、現地に集まりました。
1日目は、前野先生の講演から始まり、卒業生のポートフォリオ発表会を経て、木澤義之先生の講演がありました。
木澤義之先生は、日本緩和医療学会理事長でもあり、筑波大学卒業生、そして前野先生の同級生でもあるのです。
前野先生からは、今後のつくば総診の発展や展望を含めた話があり、総合診療医を目指すものとして兜の緒を締める気持ちとなりました。
ポートフォリオ発表では、先輩方がどのように臨床で苦労され、解決されたのかを聞くことができ、大変勉強になりました。
木澤先生のご講演では、他では聞けないであろう、日本の緩和医療の歴史や将来、緩和医療と総合診療医の親和性、先生が取り組んでいる研究など、とても興味深い内容でした。
さて、今回ご卒業された先生方、本当におめでとうございます。
お忙しい中講演してくださいました木澤先生、前野先生、そして、当日来場された先生方に改めてお礼申し上げます。
先生方の今後のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
2日目の卒業セミナーの様子は専攻医1年の都田先生の投稿をご覧ください。
専攻医1年 鈴木綾香
2022年度 卒業セミナー(2日目)
2023年2月24日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 北茨城, 笠間, 神栖, 大森医院, 利根町, 大和クリニック, セントラル総合クリニック, 霞ヶ浦医療センター, 未来医療GP, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)
筑波大学総合診療科で研修をさせていただいております、S1の都田佑樹です。
オンサイトでの開催は3年ぶりとのことでしたが、私にとって本年が初参加でした。
何かとバタバタとした中で卒業セミナーの委員をさせていただきましたが、普段お会いできない先生方にお会いできて、とてもうれしかったです。
2日目は、卒業生それぞれの今までの研修の振り返りプレゼンから始まりました。
皆さんのバックボーンから知ることができ、研修の苦労などがありありと浮かんでいて大変興味深いプレゼンテーションでした。
豪華な中華弁当を挟んで午後のCSA(Clinical Skills Assessment)、KFs(Key features test)の時間が始まります。
CSAはレジデントを対象に様々な臨床シーンを切り取って患者さんにどう伝えるか、どうアセスメントをするかの医療面接です。非常に緊張しますが、指導医の先生からのフィードバックもとても参考になり、建設的なものなので実りのある時間でした。
KFsはマークシート形式のテストですが、点数が公表されるわけでもなく、自身の臨床知識をアップデートする目的のものです。解答解説は参考文献も載っており、とても身になるテストでした。
CSAもKFsもどちらも自分の今までの医療面接の在り方、臨床能力を見直すきっかけになりました。来年はもっとうまくできるように本年一年努力したいと思います。
さて、新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)のため、ようやく再開できたオンサイト卒業セミナーでした。
来年もオンサイトで開催できることを楽しみにしています。
本年ご卒業される先生方、ご卒業誠におめでとうございました。
これからのますますのご活躍をお祈り申し上げます。
専攻医1年 都田佑樹
関連ページ:卒業セミナー(1日目)はこちら
<開催報告>カミス「ココ」でずっとKIDS presents ふれあい動物園
2022年11月21日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア
こんにちは、専攻医1年目の今川です。
ふれあい動物園を通じて、保護者や医療的ケア児などの子ども達が外出し、対話・交流できる場をつくろうと、
先日神栖市で開催されたイベントに参加させていただきましたので、ご報告します!
みなさんは「医療的ケア児」と呼ばれる方々の存在をご存知でしょうか?
医療的ケア児とは、生存のために医療的なケアを必要とする子どものことをいいます。
人工呼吸器や胃ろう、痰の吸引などが生活する上で必要であるため、なかなかお出かけが難しいという状況があります。
つくば総合診療のメンバーで、神栖済生会病院を担当している髙橋弘樹医師らが、
地域全体で障害児を支えるための活動を進めています。
この取り組みでは、患者・家族のピアサポートとしての交流、関係性の構築を促進したり、
医療的ケア児・重症心身障害児の同胞へのケアや、ピアサポートの場を提供することを目的に活動しています。
(取り組み愛称「カミス『ココ』でずっとKIDS」、済生会ソーシャルインクルージョン採択事業)
本活動の一環で、医療的ケア児・重症心身障害児のお子さんが、外出できる機会をつくったり、
ご本人やご家族が交流できる場として、ふれあい動物園を開催することになりました。
本イベントは、「カミス『ココ』でずっとKIDS」が主催し、
医療的ケア児や障害児家族の交流団体「たいようの部屋」と
県鹿行地区重症心身障害児家族会「おむすびの会」が共催で開催されました。
このイベントに微力ながら私も会場の設営等を手伝わせていただきました。
当日の天気はくもり。
雨天の場合は中止となるため、なんとか雨が降らないよう心から祈るばかり。
肌寒い気温ではありましたが、開催時間が近づくにつれ続々と参加者の方が!
わくわくされながら受付していらっしゃいました。
みなさんパワフルで開会式の熱気は凄まじかったです。
さて、ふれあい動物園、いよいよはじまりました!
みなさんいい笑顔ですね〜。私はその様子を見てひたすら癒されていました。
屋内ではバルーンアートも開催され、バルーンを嬉しそうに身につけているお子さんがたくさん。
天気もなんとかもってくれて、無事終了しました!
医療スタッフやボランティアの方々が協働し、少しでも安全にイベントが行われるよう配慮がなされていました。
イベント中、医療的なケアが行えるよう専用のブースも設営されていました。
お子さんだけでなく、ご家族の方の笑顔が見られたことも印象的でした。
医療的ケア児のご家族は様々な問題や不安と闘いながら日々生活されていらっしゃいます。
「今回のふれあい動物園がその交流の場となり、みなさんとの新しいつながりとなれば。」
そのような思いを髙橋先生が開会式で語っていらっしゃいました。
いままでのつながりに支えられて開催に至り、新しいつながりが生まれるような、とても暖かい場が作られていました。
医療的ケア児を取り巻く環境は私には推し量れないほどの課題がありますが、今回のつながりをもとに、よりよい地域ができていくのだと強く感じられた1日でした。
みなさんのパワフルさに元気をもらいながら、医療者として地域づくりに関わっていく現場を身をもって勉強させていただきました。
総合診療医の卵として今回の経験を活かし、これからも精進して参りたいと思います。
準備、運営にご尽力いただきました、先生方、スタッフのみなさまに、このような素敵なイベントに参加させていただきましたこと、心より感謝申し上げます。
片岡義裕先生の原著論文「A qualitative study of factors promoting EBM learning among medical students in Japan」がInternational Journal of Medical Educationに掲載されました
2022年9月11日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学
片岡義裕先生の原著論文「A qualitative study of factors promoting EBM learning among medical students in Japan」がInternational Journal of Medical Education 13: 215-220, 2022に掲載されました。
医学部卒業後、安全で質の高い医療を提供するために、医学生が卒前からEvidence-based medicine (EBM)を学ぶことの重要性が強調されていますが、国内でのEBMの卒前教育はなかなか進んでいない現状があります。片岡先生の研究は、医学生のEBMの学習を促進する要素を明らかにすることを目的として、教育病院、診療所や大学でEBM教育に関わる医師や教員を対象にインタビューを行なった結果を分析した質的研究です。
研究結果では「前景疑問に気づく」、「ロールモデルの観察」、「能動学習」、「患者背景の理解」、「EBMを学ぶ理由の理解」の5つの要素が明らかになりました。
医学生にとって、疾患や症候の基本的な一般知識(背景疑問)を学ぶことが優先され、EBMのもととなる個別の患者さんの臨床疑問(前景疑問)は出てきにくいものです。臨床の現場で能動的に学び、患者さんとのコミュニケーションを通して患者さんを理解しようとすること、ロールモデルとなるEBMを実践する医師との出会いを通して、論文の批判的吟味などのスキル(how)より、なぜEBMを学ぶ必要があるのか(why)を理解することがEBMの学びの促進につながると考えられました。
オープンアクセスで公開されています。
https://www.ijme.net/archive/13/promote-undergraduate-ebm-learning-in-japan/?ref=linkout
ぜひご一読ください!
ご自身でも常にEBMを実践され、EBMのステップに沿って最新の知見をどのように臨床に適用するかについてグループのメーリングリストで発信し続けてくださっている片岡先生のお姿は、素晴らしいロールモデルになっていると思います。ますますのご活躍をお祈りしています。
(地域医療教育学分野 前野貴美)
専攻医1年目 山田医師の研修施設 見聞録 その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編
2022年8月8日テーマ:サイトビジット, 筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 北茨城, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)
北茨城市民病院附属家庭医療センターは、茨城最北端地域にある診療
診療所ですが、
また、
初めは、訪問診療という文化もなく、
【参考】北茨城市民病院附属家庭医療センターで学べることなどの詳細(つくば総診後期研修サイトより)
『専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ 全5回』。
その1:神栖済生会病院 編
その2:神栖産業医トレーニングセンター編
その3:利根町国保診療所 編
その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編
専攻医1年目 山田医師の研修施設 見聞録 その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
2022年8月7日テーマ:サイトビジット, 筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 大森医院, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)
ひたち太田家庭医療診療所は、大森医院の分院です.
主な業務は外来、訪問診療、施設回診、地域診療です.
本院である大森医院では、『過疎医療はおもし
【参考】ひたち太田家庭医療診療所のホームページ
【参考】大森医院で学べることなどの詳細(つくば総診後期研修サイトより)
『専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ 全5回』。
その1:神栖済生会病院 編
その2:神栖産業医トレーニングセンター編
その3:利根町国保診療所 編
その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編
専攻医1年目 山田医師の研修施設 見聞録 その3:利根町国保診療所 編
2022年8月6日テーマ:サイトビジット, 筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 利根町, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)
利根町国保診療所は、
外来、訪問診療、リハビリ、予防接種、
診療所のため、少数精鋭なので、
それにより、外来〜
私は『家族図』を超えた、『地域図?
【参考】利根町国保診療所で学べることなどの詳細(つくば総診後期研修サイトより)
『専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ 全5回』。
その1:神栖済生会病院 編
その2:神栖産業医トレーニングセンター編
その3:利根町国保診療所 編
その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編
専攻医1年目 山田医師の研修施設 見聞録 その2:神栖産業医トレーニングセンター編
2022年8月5日テーマ:サイトビジット, 筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)
神栖産業医トレーニングセンター
Kamisu Occpational Health Physician Training Center(KOHP-TC)
2022年4月より市内産業医業務の拠点となり、
鹿島臨海工業地帯のある神栖市ならではです.
作業着を着てみると重く、耐熱性素材のためか、少し暑かったです.
そして、神栖産業医トレーニングセンター統括指導医である田中完先生とお話しをする貴重な機会をいただきました.
少しでもご興味を持たれましたら、
【参考情報】神栖市の産業医学基礎研修と生涯研修(神栖市若手医師きらっせプロジェクトホームページより)
『専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ 全5回』。
その1:神栖済生会病院 編
その2:神栖産業医トレーニングセンター編
その3:利根町国保診療所 編
その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編
専攻医1年目 山田医師の研修施設 見聞録 その1:神栖済生会病院 編
2022年8月4日テーマ:サイトビジット, 筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)
神栖済生会病院は、
200床程度の二次救急指定病院で、コミュニティケアの中核を担うべく、2019年に鹿島労災病院と再編統合しました。
神栖には、鹿島臨海工業地帯があり、若年-中年層の患者さんも多いです.
また、
つくば総診の医師も参画して進めている神栖市若手医
訪問診療も、つくば総診の医師が中心となり立ち上げました.
【参考】神栖済生会病院で学べることなどの詳細(つくば総診後期研修サイトより)
『専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ 全5回』。
その1:神栖済生会病院 編
その2:神栖産業医トレーニングセンター編
その3:利根町国保診療所 編
その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編
後期研修のローテ先を探して。専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ
2022年8月4日テーマ:サイトビジット, 筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 北茨城, 神栖, 大森医院, 利根町, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育, レジデントの1日(施設紹介)
皆さん、こんにちは!
つくば家庭医・病院総合医プログラム(以下つくば総診)
専攻医1年目
つくば総診には、様々なセッティングが用意されており、
今回、
これから、少しずつ後期専門研修施設を私なりに、皆さんへご紹介して行きたいと思います。
題して、『専攻医1年目 山田の研修施設 見聞録シリーズ 全5回』。
どうぞご期待ください。
その1:神栖済生会病院 編
その2:神栖産業医トレーニングセンター編
その3:利根町国保診療所 編
その4:ひたち太田家庭医療診療所 編
その5:北茨城市民病院附属家庭医療センター 編
さて、たくさん見学させていただいた結果、どの施設も魅力的であり、
待ってま~す。
専攻医(後期専門研修医)1年 山田辰樹より
リハビリテーションワークショップを開催しました
2022年7月2日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育
(今回はリハビリテーションについてのワークショップでした)
(参加者の皆さま、ありがとうございました!)
6月18日にリハビリをテーマにオンラインワークショップを開催しました。
ワークショップのテーマは「リハビリセラピストが患者・家族をどのような視点で見ているかを学び、実践しよう」というものでした。
前半は模擬患者さんを医師が訪問診療する様子を写した動画をもとに「どんな診察をしていたか?」を振り返るグループワークでした。動画の中で医師は病気の症状についてポイントを抑えて聞いていました。一方で生活の様子については「困っていることはない?」といった曖昧な質問しかしておらず、十分な情報が得られていませんでした。良いことではありませんが、私が今訪問診療をしたらこうなっていただろうなと動画の医師に共感しました。
後半の動画ではリハビリセラピストが実際に聴取して行ったことが動画で流れました。具体的にどんな生活をして、どんなことに困っているのかを把握し、その困難を解消すべく介入を行う姿に目から鱗が落ちる思いでした。
リハビリセラピストと医師、2つの視点を持てるようにすることを個人的な目標としてワークショップに参加しました。
学んだことを以下に共有します。
・セラピストの視点
・患者さんの1日の生活を細かく想像できるように
(1)人(患者本人)
発言から他人との関係性を把握する
(いつも~~してもらっているのよ→相互依存関係にある人がいる)
生活動作:何をするときにどう動くか?
ADL、IADLを『具体的な行動とともに』把握する
(2)場所
過去に転倒した場所はないか、転倒しそうな場所はないかなど家屋の構造上の問題を把握する
(3)物
家においてあるもの、持ち物から患者さんの歴史を読み解く
例:写真から家族のこと、おいてある差し入れから周囲やコミュニティとの関わりについて想像する
→結果として『生活と環境の相互性の理解や適切な介入が行える』
・医師の視点
(1)原疾患の進行+合併症の有無の確認
(2)薬剤は適切かの判断:原疾患や今後の予後や患者の希望などから適切な薬を選択する
(3)在宅療養のゴールはどこか:家族会議は行っているか?アドバンスド・ケア・プランニングなど
今回のワークショップはリハビリセラピストが具体的にどんな介入をしているのかを知ることができる貴重な機会となりました。ワークショップを通じて、リハビリセラピストがどのような視点を持って活動しているのかをイメージすることができ、それを自分自身の診療にも取り入れようと考えることができました。
(後期研修1年目 山田辰樹)