海外シンポジウムに参加してきました
2016年5月24日テーマ:筑波総合診療グループ
2016年5月14日にシンガポールで開催されました、The 3rd Japan-Singapore Inter-Professional Collaboration Symposium(JSIP)参加させていただきましたので報告します。
JSIPとは、これから日本を追いかけるようにして「高齢社会」に突入することが予測されているシンガポールと日本が共同して、各国における他職種連携や患者ケアをより良いものにすることを目的に開催されているシンンポジウムです。
今回で3回目のとなるJSIPのテーマはSustainable Health for Aging Population 〜Community-Based Integrated Care〜でした。200名を超えるシンガポール国内の家庭医やMSW、リハビリスタッフ、看護師の方々が参加していました。
日本とシンガポールそれぞれから、家庭医や公的機関で政策立案に関わる医師の先生方がシンポジストとしてお話をされていました。高齢社会は日本だけの現象ではなく、アジア諸国や他の地域の各国でも近い将来に確実に迎える社会だと言われています。
医療情勢や保険体制、文化背景は違えど、この「高齢社会」という共通する現実に立ち向かうため、日本の医師としてできることは何かを考えさせられる、とても貴重な機会となりました。
(シンポジウムの詳細はこちら)
すべての内容をなかなか紹介しきれませんので、シンポジストの先生方の発表から、印象に残った言葉をいくつかご紹介したいと思います。
「エビデンスに基づいて、高齢社会への政策を作っていくために、高齢社会のトップを走る日本が果たすべき役割は大きい。介護予防やADLを上げるための様々な取り組みに関してもどんどん実践・研究し、エビンデンスを出して、世界に発信していくことが求められる。」
(感想:大学という教育・研究機関だからこそ積極的に果たす役割だね、と一緒に参加した前野教授から背中を押されました!頑張ります!)
「高齢者のQOLをあげるためにはIBASHOが必要。シンガポールでもそれを作るような政策を実行していく。」
(感想:シンガポールのシンポジストの方がIBASHO=居場所という言葉を使われているのが印象的でした。)
「日本の高齢者の中ではPPKが良いとされている。つまりは、Pin-pin-kororiです。」
(感想:亡くなる直前まで元気でいることです、とシンポジストの先生が紹介され、会場が「おーっ」どよめいていたので印象的でした。 )
「小医でも、中医でも、大医、どの立場においても家庭医が果たす役割は大きい。」
(感想:日本語では、上医は国を医し、中医は人を医し、下医は病を医すと言われていることと同義と思います。どの立場になるにも、まだまだ研鑽が必要ですが、大中小医のどの視点も持ち、必要とされるそれぞれ場に応じて、それぞれの視点で力を発揮できる医師でありたいと思いました。)
以上です。
送り出してくださった、大学スタッフの皆様、研修先の病院の先生方には大変感謝しております。ありがとうございました。
(チーフ1年 大澤さやか)
つくば家庭医・病院総合医プログラム 後期研修医との食事会が開催されました!
2016年5月22日テーマ:筑波総合診療グループ
5月21日につくば家庭医・病院総合医プログラム 後期研修医との食事会が開催されました!
筑波大学に限らず、様々な所属の医学部5年生〜初期研修医2年目の先生まで、10名を超える方々が集まってくださいました!
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
みなさんがおそらく気になるであろう「新専門医制度がどうなるのか?」や「総合診療医とは?」という疑問について、また普段のレジデントの生活のことまで、各レジデント・スタッフの思いをたくさんお聞きいただけたのではないかと思っております。
つくばのレジデントとしても、いろんな方とお話ができ楽しいひとときとなりました。ぜひ、仲間に加わって、一緒に働きたい!と思う方々ばかりでした。やはり、互いを知るためには、直接お話しさせていただくことに勝るものはないなと思いました。
次回は、6月25日にプログラム説明会を行います。 さらに詳しいプログラム内容や今後の専門医制度の動向なども含めてお伝えできればと思っております。
つくばのスタッフ、レジデント一同皆様のお越しをお待ちいたしております。ちょっとだけ話を聞きたいなという方の参加も大歓迎です!ぜひ、お越しください。
(チーフ1年 大澤さやか)
【日常の風景】レジデントケースレビュー
2016年5月17日テーマ:筑波総合診療グループ, 大学
総合診療科 選択クリニカルクラークシップ発表会
2016年5月10日テーマ:筑波総合診療グループ, 大学
去る4月27日、28日に大学の臨床講義室前フロアにて医学類6年生の選択クリニカルクラークシップ発表会が行われました。
選択クリニカルクラークシップとは、1年半の実習期間の後半に、希望する2つの診療科で4週ずつ実習を行うもので、総合診療科では、例年20~25名の学生の実習を受け入れています。当科の実習は、はじめの3週は、全国の地域医療現場で実習し、最終週に大学にて振り返りを行い、実習での学びをレポートやポスターを作成します。
http://pcmed-tsukuba.jp/education/area/program.php#anchor04
発表会は学年全106名による、ポスター発表で、まさに学会のポスターセッションです。今年も、総合診療科からは、「離島における医師の研修と生涯教育」「終末期の輸液の方針決定」「え!?こんな状態でも入院しないの?~在宅医療で問われる懐の広さ」など10演題の発表が有り、実習での疑問や学びを深め、学生が本当に生き生きとした表情で自身の言葉で発表してくれました。プレゼン練習を頑張りすぎて声がかれてしまったという方も。
その様子から、一人一人の成長ぶりがうかがわれて、胸が熱くなりました。
同時に、熱心にご指導くださった全国の指導医、スタッフと教育にご協力下さった患者様に心からの感謝の気持ちでいっぱいになりました。
この場をかりて、御礼申し上げます。
今回はじめて4週×2の計8週間実習をされた、栗原史帆さんから、実習及び発表会のコメントをいただきましたので紹介します。
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2ヶ月間、5カ所の診療所で総合診療科の選択CCをさせていただき、それぞれの診療所で教えていただいたこと、感じたことをもとに、「医療を受け、健康で長生きをすることだけで人は幸せになれるのだろうか?」というテーマを設定してポスターを作成しました。
地域医療について何の知識もなかった実習の序盤から、このテーマの設定に至るまでに高屋敷先生に沢山相談にのっていただき、資料の読み方や説明の仕方、ポスターを書く上でのお作法など、本当に沢山のことを教えていただきました。ありがとうございました。
調べた結果、日本人が自身の幸福度を決定する上では健康の他にも周りとの関係性、経済社会状況が影響していることがわかり、目の前の患者さんの疾患だけではなく、患者さんの背景、地域全体を考えることが、患者さんの幸せに繋がるのだと考えました。
総合診療科で実習した同級生の発表を聞いていて、行った診療所、体験した事は違えど、患者さんの背景を大切にすることや、患者さんを中心に考え、他職種で連携を取ることの重要性など、自分が診療所で感じたことを皆も同じように感じていたのだなと感じ、とても嬉しい気持ちになりました。
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文責 スタッフ 高屋敷明由美
2016年度初回のリサーチセミナーが行われました
2016年5月2日テーマ:地域医療教育学講座
4月8日に、今年度初回のリサーチセミナーが行われました。
リサーチセミナーでは、地域医療教育学の大学院生がそれぞれの研究テーマについて
発表し、他の大学院生や指導医のみなさんから意見をもらい、ディスカッションをしています。
今年度は、新たに修士1名、博士2名の方が入学され、当日は活気にあふれるセミナーとなりました。
博士1年の渡邊さんからコメントをいただきましたので、
ぜひお読みください。
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4月よりお世話になります、博士課程1年の渡邊久実です。
私は、筑波大学で看護学、保健学を学んだ後、公衆衛生学修士をとり、今年から博士課程に進学しました。
修士では、地域在住高齢者を対象とした疫学研究や地域でのヘルスプロモーションの実装研究に取り組んでおり、この研究室で、さらに地域での健康維持に向けて医学的な研究の視点を身につけたいと思っています。
リサーチセミナーではいろいろな研究を皆様から学ばせていただくことができ、本当に勉強になることばかりです。
まだわからないことも多く、ご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、一日も早く立派な一員になれますよう頑張りたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願い致します。
渡邊久実
総合診療科秘書の皆さまの歓送迎会が行われました
2016年4月29日テーマ:大学
4月25日に、総合診療科秘書の皆様の歓送迎会が行われました。
2年間お世話になりました横谷さん、新しく来られた熊谷さんを囲んで、昼食をいただきながらいろいろなお話をうかがいました。また、横谷さんには、総合診療科一同より感謝状とお花が贈られました。
新しく来られた正木さんは残念ながらご出席できませんでしたが、またの機会にご一緒できればと思います。
様々な業務をてきぱきとこなしていただける秘書の皆さまには、スタッフをはじめレジデントや学生も大変お世話になっています。
総合診療科を支えてくださる秘書の方々に、改めて感謝の気持ちを持ったひとときでした。
(助教 片岡義裕)
5/21 後期研修医との食事会を開催します!
2016年4月25日テーマ:筑波総合診療グループ
ブログをご覧の皆さま!
今年も食事会の季節がやってきました!!
・総合診療や地域医療に興味がある方、
・総診の後期研修医がどの様に働いているのか知りたい方、
・将来のキャリアに興味がある方、
・総診ローテート卒業生の方、
後期研修先としてつくば総診を考えている方もそうでない方も、少しでも興味がある方は、後期研修医から生の声を聞くチャンスです!
是非参加をお待ちしています。
堅い説明会ではなく、レジデント、若いスタッフが多く参加する飲み会ですので、
気軽に参加して下さい!服装ももちろんラフで構いません!!
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日時:2016年5月21日(土) 18時から
場所:ワイン食堂バル パッチョ つくば駅前店
対象:学生さん、研修医の先生問わず参加可能です。
途中参加も歓迎します!
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ご参加希望の方は、総合診療科(soshin★md.tsukuba.ac.jp)まで連絡してください。
★を@に変えてからメールしてください
医療保健福祉分野の多職種連携コンピテンシー
2016年4月18日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP
未来医療GPのプロジェクトとして、当グループの吉本先生と春田先生が関わり、「多職種連携コンピテンシー」が開発されました。
(出典:未来医療GPホームページ)
上記ホームページ記事の再掲になりますが、吉本先生、春田先生からのコメントを下に記載いたします。
事業の素晴らしい成果として、ぜひ日々の仕事の中でご活用ください!
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日本の医療保健福祉分野の卒前教育は伝統的に相互に独立して行われ、学生は他の職種を十分理解しないまま卒業し、卒業後も忙しい臨床現場の中では自分の職種の役割をこなすだけで精一杯で、互いの職種を理解する機会もなく毎日がすぎ、中堅・管理職となっているのが現状ではないだろうか?
本来であれば卒前~生涯教育において、連携協働の価値観を学べるような一貫した多職種連携教育が必要であるが、これまでは準備状態が整っていなかった。そこで、本邦でも多職種連携教育・実践を促進するべく卒前~生涯教育にかけて応用できる、多職種連携を実践するために必要な能力(コンピテンシー)を学会・職能団体を巻き込んで開発した。コンピテンシーに関しては「多くの団体が協力してコンピテンシーを作り上げ、賛同した団体・個人が自由に利用できるという形が望ましい」という考えから、ホームページ等に継続してアップし、どなたでも使えるようにしていきたい。
我々総合診療領域の医師のみならず、医療保健福祉分野に関わる専門職の方々の教育・臨床に、今回開発した多職種連携コンピテンシーが役に立つことを願っています。
(春田淳志/吉本尚)
ウェルカムセミナーが開かれました!
2016年4月10日テーマ:筑波総合診療グループ
4月9日、10日につくばふれあいの里にて、筑波総合診療グループのウェルカムセミナーが開催されました。
新レジデントの先生方のほか、大勢の皆さんが参加し、一丸となってグループを盛り上げていこうという雰囲気にあふれた2日間でした。
新S1の中野先生から、セミナーに参加した感想をいただきましたので、ぜひご一読ください。
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1日目はまずプレセミナーがあり、私たち新レジデントは、まず今後の研修の達成目標とプログラム概要のおさらいをしました。今後わずか4年の間に要求される項目の多さとレベルの高さに気圧される思いはありましたが、目標を明確に定めることができてよかったです。
その後懇親会がありました。旧交を温めつつ、また新たに先生方と知り合うことができました。お酒がたいへん美味しかったです。
翌日のセミナーは前野哲博先生の講義にはじまり、その後スクラブをいただきました。その他にも、評価ポートフォリオをはじめて見たり、各研修施設の紹介を聞いたりと、非常に盛りだくさんな1日でした。
特に、ポートフォリオのセッションでは、作成者の先生が診療している姿に思いを馳せつつ感想や改善点を述べたり、ほかの先生方の感想を聞いたり、それらに対する作成者の先生の反応を聞いたりしました。1つのポートフォリオから様々な考察が立ち上がる場にいることができたのは、今後自分の勉強の仕方にとってとても実になる経験であったと思います。勉強は自分でするものでもありますが、複数の人と一緒にしかできないような勉強もあるのだなと再確認した次第でした。
行き帰りの道から見えた山の桜や道の菜の花がとても美しかったことも印象に強く残っています。僕にとって、この春はとてもいい季節となりました。
2016年4月21日(木)開催!医学生のためのつくば総合診療塾 ~特別編~
2016年4月13日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 未来医療GP
毎回ご好評を頂いております「医学生のためのつくば総合診療塾」。
これまでにも、総合診療の幅広い領域から様々なテーマを取り上げて参りまして、おかげさまで3年目になりました。
そこで今回は、3周年記念特別企画として、新進気鋭の産業医による「医学生のためのつくば総合診療塾」 “ 特別編 ” をご用意いたしました。
今年度も幸先のよいスタートになれば幸いです。
新日鐵住金(株) 鹿島製鐵所から現役産業医をお招きしての大変貴重な機会ですので、ぜひご参加下さい。
テーマ:「『働く』を考えることのできる医療人をめざそう」
皆さん、1日3回処方を、3交替勤務者はどのように飲んでいるか知っていますか?
職場に適応できていない人に、職場を変えるよう主治医が指示したら、職場では大変なことに・・・。
「働く」と治療を両立させるため、産業医は患者さんの職場や会社、ときに家族にまでアプローチし、「働く」をふまえた治療の実践を目指し、日々奮闘しています。
本セミナーでは、産業医が実際の現場で出会うことの多いケースを元にした事例を扱い、ケーススタディ方式で全人的医療の実践について学びます。
産業医が現場で何を考え、職場のリソースをどのように駆使して、全人的医療を実践しているのか?
ワークを通して「働く」ことを考える事のできる医療人を目指しましょう!
【担当講師】 新日鐵住金株式会社 鹿島製鐵所 安全環境防災部安全健康室 田中 完・井上 大輔
/ 総合診療科 阪本 直人
【 日 時 】 平成28年4月21日(木) 18:00~19:45
【 対 象 者 】 医学生全学年~研修医等(筑波大学以外も可)
/参加費無料・申込み先着順(空席がある場合に限り、当日参加可)
【 場 所 】 筑波大学附属病院 地域医療システム研究棟1階 遠隔教育討議室
(PDF裏面に地図を掲載しています)
※ お申込みは、開催日の1週間前までに以下にお知らせください。
筑波大学附属病院 総合診療医養成事業推進支援室
E-mail:mirai.iryo@un.tsukuba.ac.jp 電話:029-853-3339 (担当:早川)
文章:阪本直人
北茨城市の市報に、何度も家庭医療センターの名前が挙がりました!
2016年4月8日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP
この4月から、北茨城市民病院附属家庭医療センターを主に研修するレジデントとして初めて、チーフ1年目の海老原先生がやってきてくれました。これまでは市民病院が中心で、週3コマの診療所研修でしたが、今年は半年ごとに病院中心と診療所中心をたすきがけしながら、年間を通して家庭医療研修を続けるプランになっています。市民病院にいる高橋先生も昨年に引き続き家庭医療センターの訪問診療を半日担ってくれるので、より活気づいた感じがします。
そんな家庭医療センターが、さっそく市報にたくさん登場していました。3月末に発行された市制60周年特別号では年表だけでなく締めくくりの「そして未来へ」というコーナーで、写真付きで大きく紹介されました。市報の4月号では、市長の施政方針の中に「家庭医療センターにおける在宅医療を一層充実」、北茨城市人口ビジョン・創生総合戦略の概要の中に「家庭医療センターの運営」という言葉があり、副市長退任あいさつにも実績として取り上げられていました。スタッフの中では「市民病院より登場回数が多い!」と話題になりました(私が言ったことですが)。
これまでの10ヶ月間も、診療以外に様々な協議会の委員や講演などを皆で分担して頑張ってきましたが、これからも大きな役割を期待されていることを改めて実感しました。また、家庭医療センターを大事に思ってもらえていることも感じられました。
新体制となった家庭医療センターを今後ともどうぞよろしくお願いします!
2016年4月8日 北茨城市民病院附属家庭医療センター 宮澤 麻子
2016年6月10日(金)ワークショップ開催します。『ICT の活用でヘルスリテラシー格差は減らせるか?』
2016年4月7日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP
ヘルスリテラシーにご興味のある方、必見!
浜野先生の研究について、記者会見が行われました!
2016年4月4日テーマ:筑波総合診療グループ
4月1日(金)に、当グループの浜野先生が筑波大学で記者会見を開かれました。
浜野先生が、がん患者の自宅と病院での看取りの比較について執筆された論文に関して、プレスリリースしたいとの問い合わせが海外メディアからあり、また国内でも複数のメディアから問い合わせがあり、今回の記者会見開催となりました。
執筆された論文はこちら→http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27018875
会見直前は、少し緊張されていたご様子の浜野先生でしたが、会見が始まってからは堂々と研究内容について説明されていました!
プレゼンテーションを終えると、記者の方々から多くの質問が寄せられていました。会場には多くの新聞記者やテレビ局関係者が来ており、浜野先生の研究に対する関心の高さを強く感じました。
浜野先生の益々のご活躍を期待しています。
本当におめでとうございます!!
海老原先生ミニコンサート・送別会を行いました
2016年3月31日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 利根町
利根町国保診療所です。
今月で半年間の診療所研修を終えるレジデントの海老原稔先生のミニコンサート・送別会を行いました。
海老原先生、ことエビちゃんは、当グループ内では有名なショピニストです。その腕前は、昨年末の送別会でも初めて披露されました。
診療所スタッフ、および町職員のたっての希望で、昼の送別会に先駆けて、町内施設のグランドピアノをお借りして、エビちゃんミニコンサートを開催。時間が限られていたので、ショパンの
・ノクターン第2番Op.9-2
・ワルツ第7番Op.64-2
・英雄ポロネーズ
の3曲を披露していただきました。慌ただしい診療・日常業務の中で、素敵な音色に聞き惚れる贅沢な時間でした。
そのあとは、みんなでお弁当を囲んでの昼食会と、エビちゃんの修了プレゼンでした。「患者さんの役に立っているのか自信がなかった」というエビちゃん。それに対して、スタッフからは、「真面目なで温厚な人柄はきちんと伝わっている」とのコメントがありました。一方で、「初めは真面目でとても堅いイメージだったので、もっと早く打ち解けられたらよかった」との声も聞かれました。所長の中澤先生からも「今みたいに、もっとよく笑ったらいい」とのアドバイスでした。(送別会では、良い笑顔が見られました(^_^))
半年間の研修だと、やっと慣れた頃に終わってしまう事がいつも残念です。
エビちゃんは、4月からは北茨城市民病院附属の家庭医療センターでの研修の予定です。家庭医療を提供している点では共通している現場で、今回の研修で学んだ事を生かしつつ、学びきれなかった部分を補強していってもらえたら良いなと思います。
新天地でのご活躍を期待しています!
(文責:小曽根早知子)
後藤さん(博士3年) 学長賞受賞!
2016年3月28日テーマ:地域医療教育学講座
3月25日に、地域医療教育学 博士3年の後藤亮平さんが、学長賞を受賞されました!
昨年のプライマリ・ケア連合学会学術大会での日野原賞受賞をはじめ、
「優れた研究発表を行い、高い評価を得るなど顕著な効果をあげた」とのことで、
今回の受賞となりました。
ご本人からのコメントと、写真を掲載せていただきます。
本当におめでとうございます!
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この度、学位授与式で筑波大学学長より学長賞を頂きました。
これまでご指導を頂きました先生方、院生の皆さまに心より感謝申し上げます。
4月からは筑波大学の職員として新たなスタートをきる事になりますが、
これまでの受賞等に甘んじることなく、一歩ずつ進んでいけるよう
研究・教育ともに頑張っていきたいと思います。
皆さま、今後ともよろしくお願い致します。
後藤亮平
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日経メディカル2016年3月号に林先生のカンファで学ぶ臨床推論掲載!
2016年3月24日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 未来医療GP
われらが筑波メディカルセンター病院総合診療科、林幹雄先生が登場の、日経メディカル(2016/3)「カンファで学ぶ臨床推論」。
今月号は【主訴:67歳男性。発熱と下痢】です。
医学生3名、研修医5名の8名が出席してのカンファレンスを林先生が司会進行する様子を、会話のやり取りを再現する形で掲載されています。
林先生が、医学生、研修医の質問にも丁寧にこたえている様子が伝わります。
ぜひ掲載誌、ご覧下さい!!!
第11回家庭医療学冬期セミナー ワークショップ『できていますか?総合診療医/家庭医らしいEnd of life care』の報告
2016年3月23日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 水戸, 未来医療GP
後期研修医2年目の久野です。今回、私たちレジデントで『できていますか?総合診療医/家庭医らしいEnd of life care』というワークショップ(WS)を行いました。今回のWSは、2月20日、東京大学本郷キャンパスで開催された第11回家庭医療学冬期セミナーのWSの1つとして行われたものです。WSの企画・運営は、筑波大学総合診療科と筑波メディカルセンター病院緩和医療科のレジデントが中心となって行いました。そこで、当日の様子やWSの運営を通して学んだことについてご報告します。
・ワークショップの概要、当日の様子
今回のWSは、「緩和ケアの視点を学び、患者さんにとってより良い死とは何かを考えてみよう。」という目標のもと、患者さんの喪失を体験するワークをしたり、シナリオを通してEnd of lifeの患者さんの問題点や緩和ケア的なアプローチを学ぶディスカッションを行いました。まず、アイスブレイキングで自分の宝物を話すことから始め、「じゃんけんに負けると、自分の大切なものを失う」というゲームを通して患者さんの気持ちを疑似体験し、徐々に臨床現場の話に深めていきました。WSの後半では、「予後が月単位のがん患者さんが、病気の進行を受け入れられず、家族も医療者へ怒りを示したため、治療介入が進まない」というケースをもとに、「よりより良い死とは何か」を考えていくためのヒントを学ぶレクチャーを行いました。
レクチャーでは、緩和ケアの視点として「否認」という喪失に対する反応を取り上げ、そのような反応自体がケアの対象であることについて触れました。「否認」は、家庭医療ではあまり馴染みのない言葉ですが、「受け入れがたい感情を拒否する」という喪失に対する防衛規制のひとつです。基本的には支持的な介入を行っていきますが、「否認」によって意思決定や治療介入が阻害される場合は介入が必要となります。WSのまとめでは、緩和ケアの「喪失」や「否認」という概念が、『患者中心の医療の方法』の「健康観」に当たり、それらをケアすることで、患者さん一人ひとりの「より良い死」について考えていく糸口となるのではないかというメッセージを伝えました。
参加者の方から、「ワークを通して患者さんに喪失の感情があることを実感できた」「学んだことを診療に活かしていきたい」などの感想をいただ、スタッフ一同嬉しく思いました。
参加者の皆様には、当日のディスカッションで活発に意見を出してもらい、事前・事後アンケートにも丁寧に回答していただき、一緒にWSを作って下さったことに心より感謝いたします。
・ワークショップの運営を通して学んだこと
今回、私自身が3か月の緩和ケア研修を行った経験を活かして、主体的に準備に関わりました。特に悩んだことは、「WSで何を伝えたいか」についてであり、メンバー全員で「このWSだからこそ、伝えられること」について納得するまで話し合いました。また、これまで総合診療科のレジデントで行っていた教育勉強会で学んだ「ガニエの9教授事象」いう学習モデルにもとづいた構成にするなど効果的な教育手法を意識しながら内容を練り、さらに事後アンケートでWSの改善点を振り返る過程が、より良いWS作りに重要であることを学びました。
緩和ケア病棟では、病状の変化の中で起こる、患者さん、ご家族の揺れ動く心情を一つひとつ汲み取り、スタッフ全員で細やかにケアしていくプロセスを大事にします。その一方で、長い治療経過の中で、今回のシナリオのように「否認」が強かったり、怒りが強く、時に対応困難となる患者さん・ご家族と遭遇することもありました。そのようなとき、患者中心の医療や家族志向ケアなどの「システムで捉える」家庭医療の知識を使って、「この患者さんはBPSモデルで考えてみよう」という頭に切り替え、家庭医療をうまく取り入れながら診療を行うことができました。このように「システムで捉える」家庭医療に、「個に焦点をあてる」緩和ケアの視点を取り入れると、「終末期でも、患者さんにできるケアはまだまだある」という気付きを得ました。
最後に、準備・運営を一緒に行ったスタッフの感想をご紹介します。
大北先生:「今回の経験で家庭医の先生方の考え方に触れられて大変勉強になりました。機会があればまた是非参加させていただけると幸いです。」
川島先生:「緩和医療の視点を、家庭医療の先生たちに知ってもらう機会になれたかなと思います。久野先生を中心に、教育手法に基づいて計画的にWSを作り上げたことで、目的通りに実施することができ、私たちもとても勉強になりました。」
東端先生:「クラスデザインシートは全体の把握やバランス調整にオススメです。セッションでは、伝えたいことを伝える難しさを改めて感じました。」
浜野先生:「家庭医療×緩和医療について深く、そして楽しく考えることができました。また、皆さんと一緒にWS作りたいです~」
以上です。
どこかでまた、このワークショップをできればという願いも持ちつつ、緩和ケアを実践できる家庭医になれるよう、学び続けていきたいと思います。ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
(筑波大学総合診療科 後期研修医 久野 遥加)
大学院 大送別会!!
2016年3月22日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 未来医療GP
大学院生の松下です。
3月18日金曜日のリサーチセミナーの中で
修士課程をご卒業される川口さん
4月からリサーチから離れられる堤先生、中澤先生の送別会を開催しました。
修士課程の川口さんによる卒業プレゼンがあり、
「2年間の修士課程の中で、リサーチのノウハウだけでなく、社会人としてのお作法
もとても鍛えられた」とのことがよく伝わってくるプレゼンでした。
そして、川口さんの修士論文のテーマ決定のきっかけになったのは総診の阪本先生で
あり、その感謝が大変伝わってくるプレゼンでした。
送別会では「つくば3大スウィーツ」を
ご用意させていただき、みなさまと1年の振り返りをしながら楽しいティータイムを
過ごさせていただきました!
私自身も約1年間、地域医療教育学の研究室にお世話になっていますが、意識の高い
先輩方ばかりで、とても得るものの多い1年間だったと実感しています。
そう思えるもの、より良いリサーチミーティングを作り上げてきてくださった先生方
のおかげだと思います。
リサーチメンバーをまとめてきてくださった堤先生、中澤先生ご指導本当にありがと
うございました。
新天地でのご活躍をお祈り申し上げます!
修士1年 松下綾
超大作企画【スーパー総合医シリーズ】の分担執筆を経験して
2016年3月19日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 水戸, 未来医療GP
『永藤先生、分担執筆しませんか?』 一通のメールを阪本先生から戴いたのは、丁度一年程前のことである。
当時、2ヵ月後に結婚式を控えた身として不安を覚えつつも、一度でも執筆作業を経験してみたいという思いが勝ち、大学での後期研修中、阪本先生ご支援のもと、執筆作業に取り掛かることとなった。
テーマは「糖尿病」。
プライマリケア医向けに、見開き4ページで、診断から治療までを分かりやすく図表を用いて纏めるというもの。
果たして上手くまとめることが出来るだろうか…不安に駆られながら作業を開始した。
診断・治療の大まかな流れを意識しながら、掲載する内容や図表を取捨選択してゆく。
たった数ページの労力を思うと、今まで何気なく捲っていた書物の1ページが愛おしくなった。
グループの先生方は多くの執筆業務をこなし、執筆本が週ペースで医局中央テーブルに飾られる。
普段の診療業務に加えて執筆作業を抱え、後輩を育成し…先生方のバイタリティはすごい。
阪本先生に丁寧なチェックをいただき、なんとか初稿を提出。
その後、産休・出産へ。初めての育児に四苦八苦していると、年が明けた。
お食い初めを終え、一息ついたところで出版社から校正確認の連絡をいただいた。 (当時、連絡の行き違いがあり、ご迷惑をおかけいたしました)
届いた編集後のページは自分が作成したものと大きく外観が異なっていた。
半年以上前の作業であったこともあり、記憶を手繰り寄せながら、初見に近い形での校正作業となった。
阪本先生にも迅速に対応していただき、晴れて献本が到着したのが、水戸の梅が咲き始めた先月末のことだった。
B5サイズのハードカバーの1冊。
担当したページは面映ゆく、総そうたる執筆者の中に混じって自分の名前があることが、不思議な感覚だった。
最初のメールから約1年。1冊の本が出来るまでの過程を経験させていただいた。
こうした機会を与え、丁寧な指導をしてくださった阪本先生、
業務連絡を含め、本に至るまで素晴らしい編集作業をしてくださった担当者さん、本当に有難うございました!
文章・写真:つくば総合診療グループ 永藤瑞穂/編集:阪本直人
静岡家庭医養成プログラム 産婦人科研修視察報告
2016年3月18日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP
後期研修2年目の高橋弘樹です。2月15日~16日にかけて静岡家庭医養成プログラムの視察へ行ってきました。何を隠そう高橋は静岡県出身なのですが、高校卒業後はずっと県外で生活しており、仕事関係で静岡に行くのはこれが初めてのことです。視察に至った詳しい経緯は久野先生の報告に譲りますが、今回このような機会を頂き、家庭医による産婦人科診療のあり方を学ぶとともに、地元である静岡の家庭医療を見るという意味でもとても楽しみにしていました。
視察前日の14日、菊川に到着するとまず「さわやか」や「お弁当どんどん」など静岡県民にはたまらない「あるある」スポットに懐かしさを感じずにはいられませんでした(この感動は静岡県民にしかわからないでしょう笑)。夜は今回の視察をコーディネートしてくださった鳴本敬一郎先生(筑波大卒)と奥様(産婦人科Dr.!)が歓迎してくださり、後期研修のプログラムなどについて話を伺いました。15日は菊川市総合病院産婦人科の視察、16日は菊川家庭医療センター、その後森町病院・森町家庭医療センターを視察させていただきました。鳴本先生をはじめとする家庭医の指導医の先生方、後期研修医の先生方、そして産婦人科の先生方にお話を伺い、また、実際の診療見学では後期研修医の先生方が女性医学や産婦人科的診療を実践される姿を見て、産婦人科診療への関わり方のイメージを作ることができました。
まず、総合診療医・家庭医が産婦人科領域や女性医学を学ぶ意義について。「患者の半分は女性だから」という言葉を頂きましたが、確かにそれで十分だなと思いました。女性特有の健康問題や、妊娠・出産というライフイベントは全ての患者・家族に起こりうる事象です。女性医学的な視点を通して初めて拾いあげることができる問題もあるでしょう。それに対応する知識と技術を備えておくことは総合診療医・家庭医として必要なことです。
ただし、産婦人科領域に強い静岡においても、分娩など産科分野についてはハードルが高いと感じているDr.もやはりいらっしゃるようです。当然産婦人科医のバックアップが前提ですし、地域の現状を踏まえてどこまで家庭医が役割を担うのかを考える必要があります。また、医師個人の問題としてどこまでやりたいのか、というのも人それぞれのように感じました。
今後、つくばでも後期研修医が産婦人科研修を行う機会が増えるといいなと思いますが、そのために、総合診療医・家庭医がどこまで産婦人科領域に関わるのか、地域の事情に即したビジョンや到達目標の設定が重要であるように感じました。そして、産婦人科医の賛同・協力を得るためにWin-Winの関係を築く努力が必要ですし、われわれが地域の産婦人科診療に対してどう貢献できるかを示していく必要があると思います。また、総合診療医・家庭医の強みを活かした診療を意識することも重要で、例えば家族志向のアプローチや、お産後の継続的なフォロー、ヘルスケアメンテナンスなどを積極的に取り入れることでより綿密な女性医学へのアプローチができると感じました。
すこし抽象的な報告になってしまいましたが、より具体的な内容については書き出すと長くなってしまいますので、またどこか別の機会でグループに還元する機会をつくれればと思っておりますので、よろしくお願いします。
今回の視察で、総合診療医・家庭医として更に視野を広げることができ大変貴重な経験となりました。このような機会を作ってくださいました、鳴本先生をはじめとする静岡家庭医養成プログラムの先生方、筑波大学総合診療グループ、筑波メディカルセンター病院のスタッフの方々に、厚く御礼申し上げます。
筑波大学総合診療グループS2レジデント 高橋 弘樹