筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

オンラインプログラム説明会のご案内

2020年5月13日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育

第1回 つくば家庭医・病院総合医プログラムオンライン説明会のお知らせ

皆さんこんにちは。
新型コロナウィルスの感染拡大で、落ち着かない日々が続いていますね。

当グループでは今年もプログラム説明会を開催いたします。
家庭医(総合診療医)、病院総合医、緩和ケアに興味があるという方は学生、医師を問わずどなたでも参加いただけます。

今年はオンラインで開催いたしますので、これまでは興味はあったけれど遠方で来れなかった方、仕事で一部しか参加できない方などもお気軽にご参加ください。病院見学にも行きにくい状況かと思いますで、進路選択の参考にしていただければ幸いです。

説明会の終了後には、個別相談の時間も設けますので、個人的に話が聞きたい、相談したいという場合は是非ご活用ください。

日時:6月6日(土) 14時~16時
内容:プログラム全般、新家庭医療専門医などについての説明
   現役専攻医の体験談
   質問タイム など

*web会議システムを利用いたします。パソコンやスマートフォンなどのご用意をお願いいたします。
*参加方法については、お申し込みいただいた後に個別に連絡いたします。

*申し込みは以下のフォームからお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdV0XfOJc1W9CIWkazWTO8fh1ALzVruW8AOyME8ixDYsxCXQA/viewform?usp=sf_link

たくさんの方の参加をお待ちしています!

(文責)総合診療科 山本由布

Pagetop

水戸葵陵高校での講演のご報告

2020年4月2日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 水戸, 笠間, 医学教育

(発表者の久野先生)

(地域医療・総合診療についての講演でした)

(クイズ形式で考えてもらいました)

2020年2月6日水戸葵陵高校で「地域医療と総合診療医」について講演を行いましたのでご報告します。

医歯薬コースの高校1・2年生の皆さんに、前半では、茨城県の地域医療の現状や地域における総合診療医の役割についてレクチャーを行い、後半では在宅医療の症例のグループワークを行いました。

レクチャーでは、総合診療科は何科なのか?どんな人をケアするのか?などクイズ形式で考えてもらい、
「病気を治す」から「健康を守る」へ医療の方向性が変わる今後の日本では、
多くの診療領域をカバーする総合診療医が地域で必要とされることをお伝えしました。

グループワープでは、実際に私が訪問診療を行っている患者さんにご協力いただいて撮影した在宅療養の様子の写真を見てもらい、疾患も生活状況も違う患者さんについて「どんな生活をされている人か?」を考えてもらいました。
どのグループも活発に意見を交換しており、ワークを通して医療者に必要とされる観察力、想像力の大切さを感じてもらえた様子でした。

講演後は、「総合診療医になるにはどうすればいいのか」などのたくさんの質問をいただき、総合診療、在宅医療に興味を持ってもらえたことをとても嬉しく思いました。

私自身、高校時代に地元の病院で医師の体験実習を受けたことが医師を目指すきっかけとなりました。

現役の医療者から仕事やキャリアについて聴ける機会は、医療現場にとっても、進路に悩む中高生にとっても貴重な場だと感じました。

最後になりますが、高校の先生方のサポートのおかげで、実りのある講演となりましたこと、感謝申し上げます。

筑波大学医学医療系 地域総合診療医学
笠間市立病院
久野 遥加

Pagetop

神栖市における医学生実習の特集ページが本日公開

2020年3月31日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育

神栖市における医学生実習(M5-M6: 医学生の5−6年生対象)の特集ページが、
本日公開となりましたので、お知らせいたします。

 

【神栖市における医学生実習特集ページ】
https://www.pcmed-tsukuba.jp/area/kamisu/case/

神栖市医学生実習特集ページ

上位のページはこちらです。↓
神栖市における地域医療教育
https://www.pcmed-tsukuba.jp/area/kamisu/case.php

 

将来の医師の育成のため、作り上げてきた本プログラムは、
その目的のために熱心に参画してくださった素晴らしい地域の市民と企業の方々と共に作り上げてきたものです。
私たちが神栖市で行ってきた医療支援活動・医学生教育を約12年に渡って行ってきた軌跡がまた1つ結晶となったものだと感じております。

医学生の実習に参画くださっておられる市民の方々そして産業医の方には、
インタビュー動画収録の際には、お忙しい中お時間を作ってくだり、
医学生実習を通して経験された貴重な内容をお話くださいまして、
誠にありがとうございました。

なお、神栖市での本実習プログラムは、
英国の医学生教育で実践されている社会学を学ぶコア・カリキュラム(下記参照)
にも匹敵する内容になりつつある思っています。(手前味噌ですが)
日本でも同様に医学教育に求められているものの、実現できているとは言い難い現状において、
本プログラムは、人類学・社会学的視点で実践する医学教育の実現に向けたチャレンジの1つであり、
全国の医学教育のモデルケースの1つとなるプログラムでもあると考えております。

 

英国の医学部卒前教育における社会学のコア・カリキュラム(神栖実習特集ページ内)
https://www.pcmed-tsukuba.jp/area/kamisu/case/besst/

これは、ひとえに神栖市の皆様の熱意に溢れた協働によって生み出されたものであり、心より感謝しております。

現状はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のことで、難しい時期にありますが、
こちらも、皆様と協同して乗り切ってゆきたいと考えております。

文責:地域医療教育学 講師 阪本直人

キーワード:健康の社会的決定要因、SDH(Social Determinants of Health)、地域医療診断、住民体験実習、異業種帯同実習、社会学、人類学

Pagetop

卒業セミナーのご報告 その2

2020年2月29日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育

(卒業生のみなさんです)

(懇親会も盛り上がりました!)

こんにちわ。
北茨城市民病院内科で研修中のC1 宮本卓です。

今年も卒業セミナーの季節がやってきました。
レジデント最終学年の先生方が研修発表を行い、例年多くのレジデントおよび指導医が参加する総合診療グループの一大イベントです。
2月15日(土)、16日(日)に開催され、任明夏先生、坂倉明恵先生、竹内優都先生、中野寛也先生の4名のレジデントの先生方がご卒業されました。

1日目は昼より開始でした。
前野先生のご講演に始まり、ポートフォリオ供覧、坂倉先生の卒業プレゼンを経て、総合診療グループの卒業生である大塚貴博先生より講演がありました。
テーマは継承開業とキャリア形成。地域で五代続く医院家業を、突然引き継がれた大塚先生の苦労が凝縮された内容で、大変興味深かったです。

夜は筑波山ホテル青木屋で懇親会・宿泊がありましたが、私は参加していないです。来年度総合診療グループに入局予定の先生方も参加されたようで、大変盛り上がったようでした。

2日目は終日の開催でした。
午前中は任先生、竹内先生、中野先生の卒業プレゼン、全体写真撮影から昼食となり、午後はレジデント対象のCSA、臨床推論テストでした。
CSAに関しては、年々緊張しなくなっているのですが、自分の臨床に自信が持てているからと楽観的に解釈しています。口頭ですがフィードバックが頂けて大変参考になる時間でした。

今回ご卒業された先生方は、直接ご指導いただいた先生方ばかりで例年になく感慨深いものがありました。今後のますますのご活躍をお祈り申し上げます。

宮本卓(北茨城市民病院内科)

注1:CSA Clinical Skills Assesment, 実際の診療を想定した実技試験

Pagetop

家庭医の役割とは~楢戸健次郎先生講演会と地域医療実習から見えてきたこと~

2020年1月25日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 医学教育

収録内容は一般公開されておりません。恐れ入りますが、どうぞご了承下さい。

2020年1月17日に筑波大学にて楢戸健次郎先生の国際医療についての講演会を開催しました。
この投稿はその企画者である筑波大学医学類5年 上原智之さんからいただきました。

“楢戸先生がネパールで医療行為をするのにどんな資格が必要でしたか?”
“私は医療行為はしてませんよ!”

私が楢戸先生の講演会に無意識に想定していたのは、ネパールでの家庭医の役割、診療風景、海外で医師として働くのに必要なスキルといったことでした。ところが先生はいわゆる”医療行為”や”診療”の話はあまりしませんでした。なぜ医師としての資格があるのに水道を作る話をするんだろう?ネパールの文化や食や人の魅力や宗教や、これって医療の話だっけ?でもとても詳しいのはなんでだろう?

私は講演会の次の週に茨城県神栖市で家庭医の先生の働き方をみてきました。今回の講演会とあわせて考えてみると、医師免許が必要な仕事のほかに役割がたくさんあったことに気づきました。病院での医療行為の多くはあくまで病気になってしまった人への医療です。市の健康レベルを引き上げようと考えるなら、その上流にある根本的な原因、喫煙や食生活、そもそもどんな地域の特性があってどんな暮らしをしているんだろう、というところから注目する必要があります。地域診断という考え方です。

楢戸先生の講演に医療のピラミッドの話がありました。大学病院の3次医療を頂点に、市中病院での2次医療、プライマリーケア、セルフケアと続きます。授業で教わるのはここまでだけど、その下を何が支えているか。
それはインフラ、さらに下には教育・栄養、そして一番下の土台になるのは平和だ、という話でした。
震災の時を考えればたしかに平和って大事だし、どんな治療薬の開発よりも水道が普及したことで大きく平均寿命が伸びたことを思い出せば、たしかにその通り。

もし家庭医のカバーする範囲を、ピラミッドでのプライマリーケアより下の範囲とするのなら、家庭医に必要なのは自分の診る地域で何が必要なのかを、医師の視点から考えることだろうと思いました。楢戸先生がネパールの文化に詳しいのは、単に長く住んでいるからだけではなくて、その地域で医療に対してどんな需要があるかをしっかり把握するために必要だったからではないかと思います。インフラの十分でないネパールのある地域ではその整備に関わる。むしろ道路も整備された都市部では大気汚染に関わることが大切かもしれない。それも問題ない東京都心での家庭医の役割は?僕にはまだ分かりません。
こうやって家庭医の役割について考えると、都心でも田舎でも、国内でも海外でも、働き方は全くといっていいほど違いますが、根底にある考え方と目標は同じなのかもしれないと思います。
ネパールという地域に馴染んで溶け込んで力になっている楢戸先生がとてもかっこよく見えた講演会でした。

(筑波大学医学類5年 上原智之)

Pagetop

知ってるようで知らない、お酒の話~第9回つくセミのご報告 その5~

2020年1月7日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育

(問題飲酒、みなさんはしていませんか?)

知ってるようで知らない、お酒の話 ~自分自身の飲み方から、患者さんの指導まで~ は飲める講師と飲めない講師がセットでお送りするとの売りで開催されましたが、「飲める講師」として、実臨床のこと、問題飲酒の評価方法などのレクチャーを行いました。

 私のレクチャーもさることながら、「飲める講師」川井田先生がご自身の研究テーマである学生のbinge-drinkingについて、「飲めない講師」吉本先生が北茨城での先進的な取り組みである飲酒量低減外来での取り組みについて、とても充実したお話しをしていただき、なんと参加者全員から事後アンケートで「とても面白かった」との評価をいただきました。
 参加者の皆さんはとても熱心に聞いていただいたと思いますし、質疑応答も大変活発でした。ご自身や身の回りのことにも、臨床でやるべきこと、考えるべきことにも思いをはせることができたのではないかと思います。

文責:中野

Pagetop

なめたらあかん!風邪診療~第9回つくセミのご報告その4~

2019年12月25日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育

(たかが風邪、されど風邪、なめたらあかん!風邪診療)

「たかが風邪、されど風邪、なめたらあかん!風邪診療」を担当しました。
前半は茨城県立中央病院 研修医の巴先生が風邪診療のキホンについて、「典型的な風邪」「喉・咳・鼻メイン型の風邪」「風邪にまぎれた恐い病気」の3本立てでレクチャーをしてくれました。
後半の症例クイズでは、4つの症例についてグループごとに、患者さんは風邪なのかどうか、鑑別した方がよい疾患を想起しながら話し合ってもらいました。
各グループでは時間ギリギリまで議論が白熱し、アンケートでは「レクチャーと症例をからめて、実際に風邪と区別しなければならない疾患について考えさせられて面白かった」などの感想が寄せられました。
今後も機会をみて学生さんに伝えていきたい内容だと感じました。

坂倉明恵

会いに行ける総合医~つくセミのご報告その3~

ビジネスマナー~つくセミのご報告その2~

つくセミのご報告その1

Pagetop

会いに行ける総合医~第9回つくセミのご報告その3~

2019年12月25日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育

『会いに行ける総合医』は総合医の仕事を紹介するセッションでした

私は『会いに行ける総合医』のセッションにファシリテーターとして参加させていただきました。参加者の皆さんは主に2〜5年生の医学生でしたが、他業種の社会人の方にも数人お越しいただき、4〜5人ずつのグループに分かれて、様々な視点からの意見や質問が飛び交いました。

 私のグループでは、
・総合診療医の仕事内容
・やりがいや大変さ
・総合診療という分野が今後どう日本に定着していくのか
・東京などの都市部における総合診療の役割
・総合診療が定着していない地域にはどのようにして溶け込んでいけばよいのか

などの質問が挙げられました。総合診療医1年目の私の経験から答えられる範囲には限りがありましたが、上級医の他の先生の経験談も交えてお答えしました。皆さんとても生き生きとした表情で質問されていて、予定の時間が過ぎてもギリギリまで会話が弾んで盛り上がっていました。総合診療医のイメージがより具体的なものになっていただけていたら嬉しく思います。

幸田千佳

ビジネスマナー~つくセミのご報告その2~
つくセミのご報告その1

 

Pagetop

初めてのビジネスマナー~第9回つくセミのご報告その2~

2019年12月21日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育

(初めてのビジネスマナー講習の様子)

つくば総合診療グループが全国の医学生さんに向けてお送りする「つくセミ」今年も開催しました!
それぞれのセッションスタッフからの報告をお送りします!

「やってみよう!はじめてのビジネスマナー講習」の講師として参加しました。
このセッションでは、はじめにビジネスメールの型についてレクチャーした後、グループごとに「アポイントをとる」「見学のお礼を伝える」「行事への参加を断る」という3つのテーマで実際にメールを作成してもらいました。
まとめのレクチャーでは、各グループで作成したメールを振り返りながら、メール作成中に悩んだことや疑問点について話し合い、参加者の皆さんが同じようなポイントで悩んでいることがわかったり、状況により使い分けると便利なフレーズについて学んだりすることができました。
ビジネスマナーを身につけて、もっとコミュニケーションを楽しもう!ということを目標にしていたので、今回のセッションがそのきっかけとなれば幸いです。
最後に、企画やメールの例文作成にご協力いただいた先生方に心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。

鈴木李理

つくセミのご報告 その1はこちら!

Pagetop

第9回 つくセミのご報告 その1

2019年12月21日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育

(参加者のみなさんありがとうございました!)

第6回つくセミで学生スタッフを務めました、筑波大学医学群医学類2年の古田奈々子です。
私は昨年参加者としてつくセミに来て、今年は初めてスタッフとして携わらせて頂きました。

今年も2セッション同時進行の3部構成となりました。
総合診療医のキャリア、終末期医療、アルコール、ビジネスマナー、医療費…など興味を引く内容が盛りだくさんでした。
私がスタッフとして参加させて頂いた風邪セッションでは、授業でなかなか習う機会のない風邪診療について、症例クイズを通して実践的に学ぶことができました。

全体交流セッションのテーマは「あなたの生きがいは何ですか?」でした。初めに学生2名、先生1名が自分の生きがいについてユニークなプレゼンテーションを披露して下さいました。人は「身近にこんなにすごい人がいるんだ!」と思うと、自分も頑張れるような気がして来るものだと思います。私も自分の学生生活について見つめ直す良いきっかけとなりました。

今年のつくセミはスタッフになったことで、一つのイベントに対していかに多くの人たちの労力や手間がかかっているのかを知ることができました。
まだまだ新米スタッフですが、来年以降もつくセミを盛り上げていけるようこれからも頑張りたいです!

最後になりますが、来てくださった参加者の皆さま、そしてお忙しいなか準備をして下さった先生方とスタッフの皆さま、本当にありがとうございました。

筑波大学医学群医学類2年 古田奈々子

 

Pagetop

RCGPの指導医講習会を受講してきました

2019年11月27日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP, 医学教育

2019年11月18日~22日の5日間、英国Royal Cplledge of General Practitioners(RCGP/英国家庭医療学会)主催の指導医講習会が日本で初めて開催され、参加してきました。教育に熟達した2名のGeneral Practitioner(GP)指導医が来日し、合宿形式で行われた指導医講習会の様子を紹介したいと思います。

参加者集合写真

全国各地から約30人の参加があり、筑波大総合診療グループでは3人が参加しました(片岡、小野間、細井)。

英国の家庭医の役割、専攻医の研修方略の講義から始まり、イギリスにおける総合診療・家庭医療の歴史の長さ、それがしっかりとした教育・評価システムで行われていることに驚嘆し、日本との相違がより理解できました。

その後、少人数のグループに別れて、カリキュラム、評価方法、成人学習・教育、フィードバック技法、診療技法の教育方法、リーダーシップ論、困難を抱えた学習者の評価・教育方法をinteractiveに学んでいきました。

ディスカッションの様子

どれも非常に興味のあるコンテンツでしたが、最も印象に残っているのが教育方略、評価に関する講義です。まず「どのような専攻医を育てたいのか」を描いて方略を練り、適切なタイミングで、適切な評価方法を用いて専攻医を導くことは非常に基本的なことですがそれが出来ているのか、省みる良い機会となりました。そして学習者の成長・学習の過程に様々な教育に関するフレームワーク、理論があることを学べたことは今後の専攻医教育に非常に役立つものとなりました。

休憩時や食事の際も参加者同士で意見交換を行い、それぞれの施設の強み・弱みや悩みを共有し、。全国の熱意のある指導医と交流できたのは良い経験となりました。

この経験をもとに、筑波大学総合診療グループの研修カリキュラムをさらにブラッシュアップしたいと思います。そして、英国家庭医療の質に見劣りしない、魅力ある学習環境を提供していきたいと思います。

神栖地域医療教育センター・神栖済生会病院 細井崇弘

Pagetop

茨城県立日立第一高等学校で講演をしました

2019年11月24日テーマ:筑波総合診療グループ, 北茨城, 未来医療GP, 医学教育

 

(日立第一高校での講演の様子)

 

大澤@北茨城市民病院です。

茨城県立日立第一高等学校の医師志望の高校2年性11名対象に、
お話をさせていただく機会があり、1時間ほど話をしてきました。

茨城県含め日本の医療の現状や訪問診療についてなどクイズを出したり、
講師自身の医師になりたいと思った経緯や医学生の生活、そして今家庭医として何をしているかを話をさせていただきました。

質疑応答の時間を長くとりましたが、参加者全員や先生方も質問をしてくれて、時間が足らないくらいでした。

将来のことを真剣に考えている学生さんに良い刺激をもらった1時間でもありました。

学生さんからの感想を一部転載します。
・ 医者ではない職種の人たちとも関わっていることは知っていたが,他の多くの職種を知ることが出来て良かった。世界的な視野をもって他の多くの人ともコミュニケーションをとることが重要だと思った。
・ 医師だけでなく多くの医師に関わる職業を知ることができ,やはり医師は人と深く関わる職業であるということを再認識できた。
・印象に残った言葉は、医者の価値は卒業した大学ではなく,患者さんにどう思われているかで決まる。 患者さんの健康は心から。みんなが幸せになる落としどころを見つける
・ 今回の講義を聞いて、総合診療医(家庭医)について詳しく知ることが出来ました。前回も総合診療医の講義を聞いたのですが、それからずっと総合診療医に興味があったので,今回の講義で医師になるまでの道のりや苦労したことなどを聞き,とてもためになりました。
・ 今回の講義を聴いて、家庭医という職種を初めて知り、色々な知識を持っていて、誰とでも相談にのるこの職種に魅力を感じた。
・ 家庭医というものは最初、家庭の事しか関わらないのではないかと思っていたが、街というスケールまで関わっているということを聞いて、びっくりしました。また,勉強をすることを幸せに思ったことがなかったので、世の中には勉強も出来ないで苦しんでいる人もいるので、もっと幸せに思って、勉強の仕方を考え直してみたいと思った。

高校のHPにも載せていただきました!
http://www.hitachi1-h.ibk.ed.jp/?page_id=246#R010918

文責 大澤

Pagetop

産業医交流会&勉強会 in 鹿島製鉄所

2019年9月6日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 北茨城, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育

北茨城市民病院で勤務中の宮﨑です。

 

8/31(土)-9/1(日)に、日本製鉄(株)鹿島製鉄所主催(つくば総診等協力)で行われた、
『交流会を兼ねたリアル版 産業医勉強会(第2弾)』に参加しました。

 

非常に素晴らしい企画でしたので、参加した感想を皆さんと共有します。

 

交流会&勉強会には、「産業医って実際にどう働いているの?」と関心のある私の様な初学者や、
「産業医経験がない医師や産業医経験が少ない医師」、「日々の産業医業務における疑問を意見交換したいベテラン産業医」まで幅広く参加されていました。

 

私が参加した理由ですが、外来では、禁煙指導の際に会社での喫煙環境が妨げとなっている患者さんや、
適応障害・抑うつで職場環境の調整を要する患者さんを担当しており、以前より産業医との連携の必要性をしばしば感じていました。
しかし、患者さんから「嘱託の先生で普段いないから、、、」と言われることも多く、連携方法が分からずにいました。
そのため、産業医の役割・業務内容について知ることで、より良い連携をとりたいと思っていましたので、それが参加のきっかけでした。

 

 

勉強会の内容ですが、

初日は鹿島製鉄(従業員は3,000人、出入りしている関連会社含めて1万2千人、東京ドーム220個分の敷地)の工場見学を田中 完先生(鹿島製鉄 安全健康室主幹 産業医 指導医)にご案内いただき、

2日目は外部講師の福田 洋先生(順天堂大学 総合診療科 先任准教授、さんぽ会(産業保健研究会)会長、産業医 指導医としてもご活躍)をお招きしての講演があり、国際学会での産業医の動き、日本での健康経営・ヘルスリテラシーについてのお話がありました。

 

また、懇親会では、参加者と自由にお話できる時間が多く取られており、産業医との連携などで疑問に感じたことを質問しました。

 

勉強会を通して、1)工場見学の面白さ、2)総合診療の幅が広がる「産業医」の可能性を感じました。

 

  • 工場見学の面白さ:

 

工場見学は「銑鉄(Iron)」を「鉄鋼(Steel)」にするための鉄鋼工場、鉄鋼の板を引き延ばして板にする熱延工場を見学しました。
大規模な機械が動いている様子を間近に見学でき、大人の社会科見学の様な楽しい見学でした。
見学中も田中先生が解説をされ、会社の概要や、業務内容、各業務で注意している点など、
業務の全てを把握されていることを感じました。

 

  • 総合診療の幅が広がる「産業医」の可能性:

 

総合診療医の幅が広がる理由は、外来で問題となる会社での喫煙問題、熱中症、飲酒について、
産業医も企業と連携しながら従業員の健康意識の改善への取り組みなどを行っている点を学べること。
また、企業に勤務している世代では糖尿病や高血圧の半数以上は診療所・病院に受診していないという衝撃的な事実や、そうした世帯の健康を守る産業医の重要性を強く感じました。
地域を診るために、産業医との連携の重要性を感じました。

 

非常に刺激を受けた交流会&勉強会であり、「産業医って普段どう働いているの?」という人や、
「認定産業医の資格はあるけど、どうしたら良いの?」という人には、気軽に参加出来る会ですので、
おすすめしたいと思いました。

 

参考情報:
『交流会を兼ねたリアル版 産業医勉強会(第2弾)』イベントページ
https://www.facebook.com/events/454032948488685/?active_tab=discussion

文責 つくば総診スタッフ医師 宮﨑 賢治

Pagetop

家庭医療学夏期セミナー 意思決定支援ワークショップ

2019年8月24日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP, 医学教育

(19名の参加者が集まりました)

後期研修医1年目の鈴木李理です。
先日湯河原で行われた学生・研修医のための家庭医療学夏季セミナーに講師として参加させていただきました。

意思決定支援をテーマとしたワークショップ形式のセッションで、医学生や研修医はもちろん、看護師や薬剤師、保健師、理学療法士など様々な医療職を志す学生さん総勢19名に参加いただきました。

企画の内容は、誤嚥性肺炎のため入院した、今後の経口摂取が困難と思われる高齢女性について、自分が家族だったらどうするかを考え、グループで話し合ってもらうというものでした。また、栄養投与方法について学んでもらうため、経管栄養・中心静脈栄養・経口補助食品が実際にどのように使用されているのかを、3つのブースに分かれて解説し、実際にデバイスに触れてもらいました。

(鈴木先生のブースの様子)

私は経管栄養のブースを担当し、NGチューブや胃瘻造設キット、半固形栄養剤と加圧バックを示しながら、紙芝居形式でスライドをめくり説明しました。学生さんたちはNGチューブの太さに驚いたり、栄養剤の成分表示を確認して1日にどのくらい必要なのかを考えてみたりと、興味津々の様子でした。他のブースでも、CVカテーテル挿入の流れを動画で説明したり、実際に経口補助食品を試食してもらったりするなど、五感を使って学んでもらいました。

(中心静脈カテーテルのブース)

(経口摂取のブース)

その後のディスカッションでは、デバイスの説明前と比べてより活発に意見が出るようになり、症例に対してより具体的なイメージを持つことができたようでした。最後に木村先生より、意思決定支援のプロセスや、医療者も迷いながら患者さんや家族をサポートしていくこと、多職種連携が重要なこと、またAdvanced Care Planningについてもお話をしていただき、セッション終了となりました。

私は今回が初めての夏季セミ参加でしたが、自分自身もスライドの作り方やプレゼンの話し方など、多くのことを勉強させていただきました。今回の企画が成功したことは、チームリーダーの木村先生をはじめ、チームの先生方が会議を重ねて綿密に計画を立てておられたことが大きな要因と思います。今後も機会があれば参加したいです。ご指導をいただいた先生方、また参加してくださった方々、スタッフの皆さま、本当にありがとうございました。

後期研修医1年目 鈴木李理

Pagetop