筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

一般市民を対象に「健診結果から見える生活習慣」を話してきました@神栖市

2015年10月20日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP

神栖市保健・福祉会館に、指導者の春田先生とご一緒に、健診結果の見かた・生活習慣病の講演に行ってきました。
大学総診での午前の初診担当を終えて早めに切り上げ、大雨が降る中、神栖市保健・福祉会館に向かい、2時間弱で到着しました。
早めに到着したため、会場には参加者はまだ1人も来ておらず、余裕を持って準備を進めることができました。
これまで大学などで医学生、研修医を対象にしたレクチャーや、上級医へのプレゼンテーションを行う機会は多かったですが、
一般市民向けのレクチャーは今回が初めてで、内容を詰め込みすぎず、分かりやすく飽きさせない内容になることを心がけて、
自分のレクチャーの進め方に合うように、既成のスライドをその順番も含めて作り変えました。
また事前に打ち合わせを行い、何度もイメージトレーニングをしてから本番に臨みました。
最終的に参加したのは、地域住民13人でした。
今回は「健診結果から見える生活習慣」と題して、健診結果と生活習慣、
その先にある生活習慣病(特に糖尿病、脂質異常症、脂肪肝)と、致死的な心疾患、脳血管疾患などの関係、
その進行を予防するための食事・運動のポイントについて講義を行いました。
前半、後半に分けて途中休憩を挟んで1時間30分ほどでレクチャーする予定でしたが、
前半が思いのほか早く終わってしまったため、後半の最初に前半の復習をし、参加者の理解を助ける工夫をしました。
講義の最中、リアルタイムでの反応があまり得られなかったのが想定外でしたが、
市民の皆さんは熱心に講義を聞いて下さいました。
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参加者には1人1枚質問用紙を配り、質問があれば記入して出していただいたのですが、
ほぼ参加者全員から質問がありました。講義が予定よりも早く終わり、時間が余っていたため、
全ての質問に丁寧に答えたところ、結果的にこれが非常に好評でした。
今回の講義に参加する動機として、自分自身の健診結果について詳しく知りたいという気持ちが
意外に重要であることが新たな気づきでした。
また、健診結果でBUNが低いのは何が問題なのかという質問があり、私は「血中BUN」と即断して、
「低い分には問題ない」と答えてしまいましたが、実はこの健診では「尿中BUN」が測定項目に含まれていて、
質問の中のBUNは実は「尿中BUN」であることが後に判明したという事例もありました。
健診結果の講義を行う場合には、事前に健診項目について把握しておく必要があるということが、
今回の反省点でした。
事前には少し緊張していましたが、本番が始まった後は、流れに乗って最後までスムーズに進めることができました。
今回の講義で、地域住民に対して健康への意識を高めて生活習慣を予防することの重要性とその具体的な方法について
啓発することに貢献できたのではないかと思っています。
また今回の講義で、疾病予防のための地域住民への啓発活動も総合診療医の大切な役割であることを
改めて実感することができました。
また機会があれば、地域住民を対象にした講義・講演を行い、健康増進・疾病予防に関わることができればと考えています。
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 S2 海老原 稔