2019年11月30日(土) 人生の最終段階における医療・ケアについて考えるイベントのお知らせ
2019年10月23日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア
市民の皆様、そして医療従事者の皆様へ、お知らせです。
2019年11月30日(土)に神栖市(茨城県)で、
市民公開講座『終活フェス 神栖ココでずっと暮らすために』~人生の最終段階における医療・ケアについて考える~ というイベントを開催します。
自分らしく最期まで生きて、逝ききるための活動である終活が、いま日本でも拡がりをみせています。
しかし、人生の終末期において約70%
誰もが迎える人生の最終段階に向けて、何を考え、どのような準備が必要なのかを、様々な企画を通じて考えることができるイベントが、この『終活フェス 神栖ココでずっと暮らすために』です。
この企画は、神栖市介護長寿課と筑波大学・神栖市済生会病院の総合診療科医師とのコラボによって実現しました。
どなたでもご参加いただけるイベントで、参加費無料、予約不要です。
なんと、当日は波崎~会場の専用往復バスを貸切でご用意します。
(ご注意:予約必須で先着順です。予約の詳細は、神栖市長寿介護課へお問い合わせください)
では、当日のイベントでのスケジュールについて、ご紹介いたします。
9時00分~9時30分:
冒頭には、鹿嶋の清真学園、演劇部による中高生らの劇を交え、つくば総診/神栖済生会病院の細井医師による分かりやすい解説で幕を開けます。
「人生の終末期において医療・介護の現場では一体何が起きているのか、それに向けてどのような準備をしていけば良いのか」などをテーマにお話しします。
9時50分~10時50分:
この時間以降、最後のまとめの講演までは、各ブースで同時開催されるイベントにご参加いただけます。
4つのイベントコーナーの解説をしてゆきましょう。
<市民と医療者との対話企画>
~あなたが大切にしたいことを話してみませんか?~
人生の最期に大切にしたいこと、価値観などを気軽に話し合えるように工夫された「もしバナゲーム」というカードをご存知でしょうか。
カードに記載されたテーマで、現役の医師や看護師などの医療者とともに参加者・ご家族を交え、自分の価値観や参加者間の価値観について語り合います。
当日はおひとりでも、ご家族単位でも、ご友人とでも気軽に参加できます。見学だけのご参加でも結構です。
これを機会に、自分が大切にしたいと思っている価値観をあらためて整理してみませんか。
<落語家による漫談>
『どうせ死ぬなら楽に楽しく~仏教と落語に見る生き方と死に方』
高名な住職兼落語家である神栖亭南夢明が人生を最期まで楽しく生き(逝き)きる方法を伝授します。
<トークイベント>
『終活って何をすればいいの?』
在宅での看取りを経験されたご家族と、高橋医師(つくば総診/神栖済生会病院)、弁護士の3者が登壇し、それぞれの視点で思いを語り合います。
そして互いの語りを通じて、終活において大切なことを住民の皆さんと共に考えてゆきます。
<認知症VR体験ブース>
茨城県作業療法士会による VR(仮想現実)体験ゴーグルを用いた認知症への理解を深めるコーナーです。
※ 機器の都合上、先着36名とさせて頂きます。予めご了承ください。
そして、各企画の後、11:05~11:50には、
もしもの時の話をしよう
~アドバンス・ケア・プランニング「人生会議」~
と題して、まとめの講演が行われます。
「もしも」の時の話は“いつ、誰と、どんなことを話せばいいのか…”。
清真学園 演劇部による劇とともに、筑波大学附属神栖地域医療教育センター・神栖済生会病院
内科医長 細井崇弘 医師が、分かりやすく解説します。
このように様々な企画が用意されています。
普段であれば、「縁起でもない」と「話することをためらってしまう」ものかもしれませんが、人生の最期は必ず全員に訪れます。
是非この機会に、ぜひ大切な家族やご友人もお連れになり、自分の大切にしたい価値観や、希望する療養・ケアについて考えてみませんか。
一人でも多くの市民が、自分の望む最期を迎えられるようになることを願っています。
関連記事:
『終活フェス開催報告 第3弾「終活って、何をすればいいの?」』(投稿日:2019年12月26日)
『終活フェス「対話企画 〜人生において大切なこと あなたも話してみませんか?〜」の企画・運営を経験して』(投稿日:2019年12月9日)
『開催報告「終活フェス〜神栖ココでずっと暮らすために〜」』(投稿日:2019年12月3日)
<昨年(2018年)の開催内容についてはこちら>
・『人生の最終段階における医療を考える~自分の生き方(逝き方)は自分で決める~
神栖市民公開講座を行いました』(神栖市平泉コミュニティセンターにて2018年10月6日(土)に開催)
レジデントの一日@北茨城市民病院附属家庭医療センター
2019年10月2日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 北茨城, 未来医療GP, レジデントの1日(施設紹介)
北茨城市民病院附属家庭医療センターという診療所で研修しておりました、専攻医2年目の佐藤瑠美と申します。
筑波総合診療クループには地域も研修内容も様々な研修施設が豊富にあります。他の先生方に引き続き、その中の1施設での研修をご紹介したいと思います。
診療所に関わるスタッフ(医師、看護師、事務、掃除等を手伝ってくれるシルバーさん)が全員集まり、朝の1言やその日の日程確認をします。
曜日によって外来の日、訪問の日とバリエーションがあります。訪問患者数は訪問する地域によっても違いますが、平均5〜6人です。COPDで在宅酸素を導入している患者さんや、末期がんの患者さんの在宅緩和、認知症やADLの低下があり外来に通院できない御高齢者などが多いです。施設にも訪問を行っています。
※水曜日のみですが、山岳地域に1日巡回診療にいっています。
午後の始まりは、小児の予防注射や乳児検診からスタートすることが多いです。外来には高齢者だけでなく小児も多く来るので、まさに老若男女を診察しています。一般的な風邪の方から、状態が悪く近くの病院に紹介が必要な方まで、多くの人がいらっしゃいます。予約再診の方、予約外の方併せて15人程度を診ています(年々患者数が増加傾向で外来は結構忙しいです)。心療内科も行っており、初診の方は最後の枠で少し時間をとってお話を聞きます。老若男女、身体からこころの病気まで幅広く、まさに「まるごと」診るという経験をさせて頂いています。
家庭医療センターは北茨城市民病院に附属している施設で、連携をとっています。そのため月2回ほど同病院での夜間救急当直があります。夜間は救急車からwalk-in(自力で救急外来まで来る患者さん)どちらも医師1人、看護師1~3名で対応します。病棟急変の相談もあります。医師が自分1人という状況で対応する経験も多くはないため、緊張しますがいい勉強になります!
病院だけでなく、こうした診療所でも若いうちから研修できることはつくば総診の特色の一つだと思います。
レジデントの一日@大森医院/ひたち太田家庭医療診療所
2019年9月30日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大森医院, 未来医療GP, レジデントの1日(施設紹介)
外来には内科外科問わず様々な主訴の患者様が来られます。常陸太田市は高齢化が進んでおり、90歳以上の方も多く来院されます。一方で小学生くらいの患者さんも来院されることがあり、地域の医療を背負っているということを強く実感します。近隣に住んでいる患者さんが多いので、お店屋や地域のお祭りなど病院以外でも患者さんにお会いする機会が多いのも特徴です。外来は1診で行いますが、ベテランの看護師さんや事務の方がいつでも相談に乗ってくれるため、検査や紹介などで困ることがあっても心配いりません。外来は12時ごろに終了。お昼は病院の中にある食堂で食べることができますが、職員さんの作ってきたおかずもいただくことができます。
飲み放題のあり方について
2019年9月28日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 未来医療GP
「飲み放題」、どうあるべき?
「いまさら聞けない飲酒のリスク」について、朝日新聞で
取り上げられました。
研究者として、論文発表から時間が経っても継続的に引用いただけるのは、
大変ありがたいです。飲み放題のあり方に関する議論をうまく進められればと
思います。
朝日新聞に掲載。
吉本尚
アルコール関連記事:
前回はこちら「飲酒低減外来開始!」
産業医交流会&勉強会 in 鹿島製鉄所
2019年9月6日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 北茨城, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育
北茨城市民病院で勤務中の宮﨑です。
8/31(土)-9/1(日)に、日本製鉄(株)鹿島製鉄所主催(つくば総診等協力)で行われた、
『交流会を兼ねたリアル版 産業医勉強会(第2弾)』に参加しました。
非常に素晴らしい企画でしたので、参加した感想を皆さんと共有します。
交流会&勉強会には、「産業医って実際にどう働いているの?」と関心のある私の様な初学者や、
「産業医経験がない医師や産業医経験が少ない医師」、「日々の産業医業務における疑問を意見交換したいベテラン産業医」まで幅広く参加されていました。
私が参加した理由ですが、外来では、禁煙指導の際に会社での喫煙環境が妨げとなっている患者さんや、
適応障害・抑うつで職場環境の調整を要する患者さんを担当しており、以前より産業医との連携の必要性をしばしば感じていました。
しかし、患者さんから「嘱託の先生で普段いないから、、、」と言われることも多く、連携方法が分からずにいました。
そのため、産業医の役割・業務内容について知ることで、より良い連携をとりたいと思っていましたので、それが参加のきっかけでした。
勉強会の内容ですが、
初日は鹿島製鉄(従業員は3,000人、出入りしている関連会社含めて1万2千人、東京ドーム220個分の敷地)の工場見学を田中 完先生(鹿島製鉄 安全健康室主幹 産業医 指導医)にご案内いただき、
2日目は外部講師の福田 洋先生(順天堂大学 総合診療科 先任准教授、さんぽ会(産業保健研究会)会長、産業医 指導医としてもご活躍)をお招きしての講演があり、国際学会での産業医の動き、日本での健康経営・ヘルスリテラシーについてのお話がありました。
また、懇親会では、参加者と自由にお話できる時間が多く取られており、産業医との連携などで疑問に感じたことを質問しました。
勉強会を通して、1)工場見学の面白さ、2)総合診療の幅が広がる「産業医」の可能性を感じました。
- 工場見学の面白さ:
工場見学は「銑鉄(Iron)」を「鉄鋼(Steel)」にするための鉄鋼工場、鉄鋼の板を引き延ばして板にする熱延工場を見学しました。
大規模な機械が動いている様子を間近に見学でき、大人の社会科見学の様な楽しい見学でした。
見学中も田中先生が解説をされ、会社の概要や、業務内容、各業務で注意している点など、
業務の全てを把握されていることを感じました。
- 総合診療の幅が広がる「産業医」の可能性:
総合診療医の幅が広がる理由は、外来で問題となる会社での喫煙問題、熱中症、飲酒について、
産業医も企業と連携しながら従業員の健康意識の改善への取り組みなどを行っている点を学べること。
また、企業に勤務している世代では糖尿病や高血圧の半数以上は診療所・病院に受診していないという衝撃的な事実や、そうした世帯の健康を守る産業医の重要性を強く感じました。
地域を診るために、産業医との連携の重要性を感じました。
非常に刺激を受けた交流会&勉強会であり、「産業医って普段どう働いているの?」という人や、
「認定産業医の資格はあるけど、どうしたら良いの?」という人には、気軽に参加出来る会ですので、
おすすめしたいと思いました。
参考情報:
『交流会を兼ねたリアル版 産業医勉強会(第2弾)』イベントページ
https://www.facebook.com/
文責 つくば総診スタッフ医師 宮﨑 賢治
レジデントの一日@利根町国保診療所
2019年8月15日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 利根町, レジデントの1日(施設紹介)
つくば家庭医・病院総合医プログラムでは、産業医の研修も受けられます。
2019年8月9日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア
産業医にご興味のある皆様へ お知らせです。
つくば総診では、神栖市にある地域密着型病院である神栖済生会病院で、
総合診療医のトレーニングを積みながら、産業医の研修も受けられるコースを用意しました。
産業医のトレーニングは、日本有数の鹿島臨海工業地帯で勤務する
産業衛生学会の指導医が行い、実際の産業医業務も経験できます。
<追加情報>
2020年度より、地元産業医らと協働し(地元産業医のご尽力が大きい)、
日医認定産業医の資格を取得できる講習会(新規・更新両方に対応)を神栖市で開催します。
本講習会の講師に、産業医資格を有するつくば総診のスタッフも複数名協力しています。
また、神栖市で研修中のシニアレジデントに対して、講習会に確実に参加できるよう現場指導医と協働して業務調整をはじめとした支援を行っています。
シニアレジデントの方も、スタッフクラスの医師も合わせて募集中です。
詳しくは、本画面上部にある【お問い合わせ】よりご連絡下さい。
つくば総診 指導医/地域医療教育学 講師
産業医、家庭医療専門医
阪本 直人
【冊子】熱中症に関するまとめ~産業医の視点から~
2019年7月25日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP
職域における熱中症予防、勤務環境の管理方法や就労判断について
初学者向けにまとめた冊子『熱中症に関するまとめ~産業医の視点から~第6版』を
皆様と共有いたします。
より具体的な産業医業務を想像
4.職場巡視の際に、実務的な参考書にもなります。(P.7-
ぜひご活用下さい。(開発秘話は文末をお読み下さい)
↓ 下記をクリックするとPDFが開きます。
【PDF】『熱中症に関するまとめ~産業医の視点から~ 第6版』
【目次】
Q.職域における熱中症の予防のポイント(概要)について教えてください。.. 3
Q.暑熱環境を計測する機器があるのですか?.. 4
Q.熱中症発症に関与する因子には、どのようなものがあるのですか?.. 5
Q.熱中症の予防や管理方法、教育項目について教えてください.. 8
・塩分・水分の取り方のコツ.. 8
・健康診断、個人の疾病・治療薬等による影響を考慮した就労判断(配置も含む).. 9
・労働衛生教育(具体的な内容は適宜別項目に).. 10
・身体状況の確認.. 10
・作業環境管理.. 11
・身体作業強度(代謝レベル).. 13
・衣服の種類.. 13
・作業開始前・作業中の巡視.. 14
・救急処置に関する教育と普段からの訓練.. 14
Q.リスクアセスメントのための指標を教えてください(まとめとして掲載).. 15
Q.どんな順番でリスクアセスメントしてゆけばよいですか?.. 15
Q.複数あるリスク評価基準のうち、どれを優先すればよいの?.. 16
Q.WBGT(湿球黒球温度)について、詳しく教えてください。.. 16
Q.WBGTはなぜ重要なの? 気温だけではダメなのですか?.. 18
Q.身体作業強度などに応じたWBGT基準値について教えてください.. 19
Q.肥満が熱中症発症リスクなのは、なぜですか?.. 20
Q.黒球がない簡易熱中症計も販売されていますが、大丈夫ですか?.. 21
Q.WBGTの購入時に注意する点を教えて下さい.. 22
Q.JIS B 7922「電子式湿球黒球温度(WBGT)指数計」で、精度が担保されるとする風速範囲を0.3–3 m/s、実用上使用しうる風速範囲を0.3 m/s以上となっているが具体的にどのくらい?.. 23
【コンテンツを抜粋してご紹介(順不同)】
<開発秘話について>
これは、私が産業医科大学産業医学ディプロマを取得する際、
知識を整理するためにまとめた自分用のメモがベースとなっております。
その後、日本製鉄(株)鹿島製鉄所での勤務経験を踏まえ、より多くの方のお役に立てるようにと
製作いたしました。ぜひご活用下さい。
カイゼン案などがございましたら、遠慮なくご連絡いただければ幸いです。(naoto.sakamoto@md.tsukuba.ac.jp)
最後に、ピアレビューを引き受けて下さいました日本製鉄(株)鹿島製鉄所 安全環境防災部 安全健康室 統括産業医の田中 完 先生、つくば総診の福田 幸寛 先生に、心よりお礼申し上げます。
つくば総診 指導医 阪本直人 拝
飲酒量低減外来開始!
2019年7月13日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 北茨城
(平成31年1月18日朝日新聞朝刊)
(平成31年1月17日茨城新聞朝刊)
(平成31年1月18日日本経済新聞朝刊)
(平成31年1月18日読売新聞朝刊)
飲酒量低減外来開始しました!
北茨城市民病院附属家庭医療センター(茨城県北茨城市)で
「飲酒量低減外来」を1月17日から始めました。
日本でも世界でも十分なケアが提供できていないとされる
アルコール関連の困りごとに対して
少しでも相談窓口となり支援ができればと思います。
まずは私が1名で対応し、ノウハウが蓄積されれば家庭医療センターの
全ての医師が相談に乗る予定になっています。
朝日新聞、茨城新聞、日経新聞、読売新聞に掲載されました。
吉本 尚
レジデント研究支援活動
2019年6月14日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学
(川田先生・中野先生・坂倉先生と指導医のみなさん)
(竹内先生・坂倉先生と指導医のみなさん)
(高橋先生・坂倉先生と指導医のみなさん)
筑波大学総合診療グループではレジデント研究支援活動をしています。
先日の第10回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会では、後期研修最終年の先生方3名と、若手スタッフ2名が、地域の中小病院、および診療所にご協力いただいた多職種連携協働に関するアンケート調査の結果について、研究発表を行うことが出来ました!
・坂倉明恵:中小病院での職員の多職種連携を学ぶ準備状態に関連する要因の検討
・竹内優都:中小病院職員の多職種連携の認識に関連する要因の探索
・中野寛也:多職種連携を学ぶ準備状態を測るReadiness for Interprofessional Learning Scale (RIPLS)の検証的因子分析
・高橋聡子:小病院・診療所と病院の職員と多職種連携と仕事に関する認識の比較
・川田尚吾:中小病院の多職種を対象にしたコミュニティ感覚尺度の探索的因子分析
それぞれに忙しい日常業務の中で、調査依頼、データ入力、結果の考察、抄録作成、発表準備を進め、当日にはそれぞれの力を出し切るようなプレゼンテーションとなりました。間際までスライドを直したり、発表の予演を行ったり、今回も昨年に引き続き、ぎりぎりまで気を抜けない状況にはなりましたが、それでもこうして笑顔で終えられたこと、またそれぞれに研究について学びと経験を深められたことは本当に良かったと思いました。
レジデント研究支援活動は、大学院の指導にも当たっているスタッフが、専攻医、若手スタッフなどそれぞれの勤務状況や研究経験に合わせた研究活動への参加とその支援を行っています。昨年までの研究支援活動について、Educational case studyとして発表することが出来ました。
http://www.mededpublish.org/manuscripts/2391
今後もつくばの研究活動を盛り上げていきたいと思います。
(文責:小曽根早知子)
JPCA2019京都で発表してきました!
2019年5月23日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 地域包括ケア
現在利根町国保診療所で研修中の後期研修医4年目の竹内です。
先日行われました第10回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会(JPCA)@京都に参加し発表してきましたので報告です。
私の発表演題は「中小病院職員の多職種連携の認識に関連する要因の探索」でした。
簡単に説明をすると,アンケート調査の結果,中小病院職員の多職種連携の自己評価は近隣施設との良い関係性と関連して高くなる傾向があり,院内連携を高めるために院外連携を,院外連携を高めるために院内連携を強化することの可能性について述べました。
この研究は,つくば総診におけるPBRN(Practice-Based Research Network)-Tsukubaプロジェクトという研究支援体制のもと行われました。アンケートの実施から学会発表まで,指導医の先生方の綿密な指導のもと,他の発表者の先生方とも議論しながら約1年かけて取り組ませて頂きました。定期的なミーティングやメーリングリストもあり,チームで取り組んだことが,研究初心者であった私にはとても心強く感じました。改めて,PBRN-Tsukubaの皆様,そして研究にご協力頂いた医療機関の皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。
戻って学会についてですが,WONCA APRとの合同開催ということもあり会場はとても活気があり,面白い企画・発表が多く大変勉強になりました(公式アプリがあり抄録を見ながらメモも取れるというのは便利でした)。つくば組の先生方の発表もたくさんありました。個人的な再会・近況報告もあり大いに刺激を受けた学会となりました。今後の日々の診療に還元していければと思います。
そして,少し先ですが,11月にはPC学会関東甲信越ブロック地方会がつくばで開催されます。皆で盛り上げていきましょう!!
第8回日本プライマリ・ケア連合学会関東甲信越ブロック地方会
【つくば家庭医・病院総合医プログラム説明会】開催のお知らせ
2019年4月26日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 北茨城, 笠間, 神栖, 未来医療GP
(開始時間を変更しました(2019年5月4日update))
スタッフ壮行会@前野教授宅
2019年4月7日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学
3月15日に長年総合診療科スタッフを務めていただいた荒牧先生の壮行会が前野先生宅にて開催され、参加させていただきました。
壮行会には荒牧先生ご夫妻の他、多くの先生とそのご家族方、初期研修医の亀田先生が参加され、終始にぎやかなものとなりました。また医局秘書の谷さんが手配してくださった御料理やケーキもとても素晴らしく、大変楽しい時間を過ごさせていただきました。
実は、前野先生のご自宅にお伺いしたのは初期研修医1年目のホームパーティーの時が初でした。当時初期研修の4月であり、大学病院の総合診療科で右も左もわからない状態でしたが、総合診療科の先生方に支えていただきながら、医師としての第一歩を踏み出したことを覚えております。
荒牧先生とも何度も外来患者さんを一緒に担当させていただき、非常に多くのことを学ばせていただきました。今回後期研修医として再び大学病院総合診療科で研修させていただいた際、また荒牧先生と患者さんを診ることができ、本当に嬉しく感じました。
この度荒牧先生がご栄転される旨をお聞きした際、まだ先生から学びたいと寂しく感じる気持ちもありましたが、先生に教えていただいたことを今後も活かし、先生のように新たなレジデントに指導をしていこうと思います。
この場をお借りして荒牧先生の、今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。また前野哲弘先生、前野貴美先生、今回の壮行会を準備していただいた後藤先生、谷さん、参加していただいた諸先生方に御礼申し上げます。
筑波大学附属病院総合診療科
シニアレジデント2年 植松洋
つくば総診シニアレジデント卒業セミナー感想
2019年3月21日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 北茨城, 笠間, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア
2019年3月9日、10日に卒業セミナーが開催されました。
シニアレジデント1年目の私は受付を担当しつつ参加いたしきました。
今回が初参加のため新鮮なことだらけでしたが、同時に学びの多い体験となりました。
さて、本セミナーの感想を書く機会をもらいましたので、報告いたします。
初日の卒業セミナーでは、今回卒業される先生方の修了式(研修の振り返りやポートフォリオの発表)行われました。
研修中にお世話になった先輩方の発表を通して、研修中ご一緒させていただいた先輩方が、どのような心境で研修に臨まれていたのか、どのような問題を乗り越えてきたのか知ることができ、大変興味深いセクションでした。
今回のセミナーに、本プログラムで指導医を長年されてこられた菅ヶ谷内科の菅ヶ谷純一先生も参加されおり、初日の江戸屋懇親会でお話を聞かせていただくことができました。
2日目には菅ヶ谷先生のご講演があり、地域での開業やキャリアについて大変貴重なお話を聞くことができました。
そして2日目には、シニアレジデント全学年を対象にCSA(Clinical Skills Assessment)とiPadを使用したKey features examination(臨床における問題解決能力を評価)が行われました。
CSAは専門医試験でも行われる模擬医療面接で、例年SPさんのご協力があることで緊張感を持って臨むことができました。
普段自分自身の医療面接が評価されることは滅多になく、また評価者の先生方やSPさんが熱心にフィードバックしてくださり、専門医試験の練習にとどまらず、自分自身の診察を見つめなおす大変貴重な機会であったと思います。
今回の卒業セミナーを通して、改めて筑波大学附属病院総合診療科での研修を選択してよかったと感じました。
今回ご卒業された先生方におかれましては、今後のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
また各研修施設の指導医のみなさま、
片岡先生をはじめ2019年度卒業セミナーに携わられた皆様へ、この場をお借りしてお礼申し上げます。
来年の卒業セミナーに参加することを楽しみにしています。
筑波大学総合診療科 シニアレジデント1年目 植松洋
編集責任:阪本直人(地域医療教育学 講師)
【公開文書】調査「笠間市立病院での実習レポートや多職種からの360度評価」について
「笠間市立病院での実習レポートや多職種からの360度評価」
筑波大学地域医療教育学では、
本研究に関する問い合わせにつきましては、
【公開文書】調査「笠間市立病院での実習レポートや多職種からの360度評価」について
【お礼】地域総合診療医学寄附講座発足記念シンポジウム、同講座 横谷教授就任祝賀会
2019年2月8日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 北茨城, 地域包括ケア
去る1月25日、地域総合診療医学寄附講座発足記念シンポジウム、および、同講座 横谷教授就任祝賀会が開催されました。
本講座は、つくば総合診療グループに関連する研修施設やその地域に関わる多くの方々のご賛同により設立された講座です。当日はご支援をいただいているご関係者の皆様、そして同門会の先生方にもご出席いただき、盛大な会が開催され、皆様のおかげで記念すべき日となりました。
さて、シンポジウムでは『地域医療に置ける総合診療医への期待と大学が果たすべき役割』と題し、
前野教授、横谷教授、そして、水戸保健所長 土井幹雄先生が登壇されました。
本講座発足に至るまでのエピソード、そして多くの方々からの応援のお言葉を拝聴するにつけ、
地域の未来を広い視点で見据えておられる方々のおもいがひしひしと伝わってまいりました。
診療のみならず、地域活動や後進の育成、そして、研究にも尽力していくことこそが、
地域への恩返しであり、この講座のミッションであると改めて実感しました。
同時に、私自身は総合診療医として、今後どのように自分の道を進んでいくべきかと
考えさせられた会でもありました。
最後になりますが、遠方よりお越しくださいました皆様、また祝電やお祝いなどを
お送りくださいました皆様、誠にありがとうございました。
重ねて御礼申し上げます。
執筆:筑波大学附属病院 総合診療グループ/北茨城市民病院附属家庭医療センター 高橋 聡子
編集責任:阪本直人(地域医療教育学 講師) 2019年2月3日
齋藤さやか先生 論文3部作出版!
2019年1月22日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
大学院生の齋藤さやか先生が医学生と製薬企業との関わりに関する論文3部作を出版されました!
医師と製薬企業との関係に対する関心が高まり、利益相反のマネジメントは卒前教育においても重要性が強調されるようになってきていますが、医学生にどのような教育が行われているのか、また、医学生は製薬企業とどの程度関わっており、その関わりをどのような態度で捉えているのかについて、これまで国内ではほとんど報告がありませんでした。筑波大学地域医療教育学分野大学院生の齋藤さやか先生が、日本の医学部における医薬品プロモーションに関する教育カリキュラムの状況と医学生と製薬企業との関わりと態度を明らかにすることを目的とした調査を実施し、3本の論文を出版されました!
調査では医薬品プロモーションについての教育プログラムが存在すると回答した大学は約3割にとどまり、多くの医学生が臨床実習中に製薬企業との関わりを経験していることが明らかになり、今後の教育が重要であることが示されました。
研究の実施にあたっては様々な困難があったことと思いますが、常に目標に向かい、研究成果の論文発表まで粘り強くやり遂げられたさやか先生のご努力に感服いたします。今後、ますますのご活躍を期待しています!
なお、詳細は下記の論文に記述されております。ご興味のある方は、ぜひご一読いただければ幸いです。
Saito S, Maeno T, Miyata Y, Maeno T:Medical students’ attitudes toward interactions with the pharmaceutical industry: a national survey in Japan. BMC Med Educ 18: 286, 2018
https://bmcmededuc.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12909-018-1394-9
<日本の医学生の製薬企業との関わりと態度に関する報告>
Saito S, Maeno T, Miyata Y, Maeno T:Follow-up survey of Japanese medical students’ interactions with the pharmaceutical industry. PLoS One 13: e0206543, 2018
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0206543
<日本の医学生の製薬企業との関わりについて2012年と2016年の経年変化>
齋藤さやか, 前野貴美, 宮田靖志, 前野哲博:医学部医学科における医薬品プロモーションに関する卒前教育の実態調査. 医学教育 48: 395-400, 2017
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mededjapan/48/6/48_395/_article/-char/ja
<日本の医学部における医薬品プロモーションに関する教育カリキュラムの状況についての報告>
茨城県指導医団国外派遣事業参加報告
2018年12月16日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学
(IGD(Ibaraki Great doctors) in Hawaii)
大学院生の斉藤です。
10月15から25日まで、「茨城県の指導医から世界標準の指導・教育を!」と茨城県が主催する指導医団国外派遣事業に参加してきました。
私を含め、計5人の医師が、世界標準の先進的な指導・教育に取り組んでいる米国(Hawaii)へ行ってまいりました。
7時間のフライトを経て、一歩出ればそこは常夏!
うぅー遊びたい!と高まるテンションをグッ!と抑えながら、到着初日から現地で家庭医療クリニックを経営している日本人医師からの、日本とアメリカの保険制度の違いを学びました。
アメリカでは皆保険制度はなく、高額な保険料を支払い個人的に保険会社と契約を結びます。そのため、無保険者も多く、さらに医師は保険会社から要求されている診察行為を行わなければならず、緊急に追加検査を行う際は時としてこちらから保険会社に直接連絡をして検査認可待ちをしなければならいのが現状です。これを聞いていただけでも日本で保険制度のありがたみを実感できました。
2日目からもワクワクがNon stopでやってくる研修ばかりです。
ハワイ大学でのワークショップ体験やハワイ最大の病院であるクィーンズメディカルセンター病院でのベッドサイドティーチングや患者さんへの接し方までも臨場感たっぷりで見学することができます。
見て・聞いて・触って、数多く教育の方法や考え方を学ぶことができます。
ホスピタリストとして第一線で働いている日本人医師のレクチャーもあり、その医療・教育理念やシステム構築に感無量でした。
その他にも、ハワイ州に一つしかない災害医療センターでのレクチャー、多職種専門学校で授業風景の見学、家庭医クリニックでの診察見学など数多くの新しい経験と発見がみなさまを待っています!
どの施設でも随時質問し放題!!
準備した質問以上に現地で直接体感することで湧き出てくる様々な疑問や相談に対して、どの施設の方々もいつでもどこでも快く答えてくださいます。
研修内容は毎年少しずつ変更されているようであり、みなさまが研修に行かれる時には、さらに新しい発見とワクワクが待っているかもしれません!
私自身では、他の国の教育方法を現場で知ることによって、今まで行ってきた医学教育を再度見直し、新たな方法や概念を吸収できた良い機会であり、日本の医学教育の特性を生かしながらさらにより良いものに改善が行えるのではないかと帰国後から小規模ながら現在の職場の研修医、コメディカルとともに実践を行っております。
10日間の研修後は、「明日から何かを変えてみたいモチベーション」と「Hawaii sick」になることは間違いなしです!
今回の研修をまとめると「Stimulating & Exciting」!
みなさまの何かを刺激しワクワクさせてくれるような研修であることは間違いないです!
よく学び・よく笑い・よく食べた、今回の私の研修経験を通して、みなさまの何かを刺激するきっかけになれば嬉しいです!
最後に、研修出発前・研修中に私たちに何不自由がないように、手配・気配りをしてくださった茨城県県職員のみなさま、日米医学医療交流財団のみなさま、現地研修先の先生のみなさま、現地同行してくださったハリス先生とガストンさんには感謝しております。
筑波大学 大学院 斉藤 剛
第5回つくセミ報告【第3弾】
2018年12月2日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学
11月17日に行われたつくセミのセッション内容についてご報告します!
セッション1:世界一受けたいアプリの授業
(セッション1の様子)
筑波大学附属病院総合診療グループ後期研修医1年目の海老澤由香です。今回2018年度つくセミにおいて「世界一受けたいアプリの授業」と題して診療・自己学習に役立つアプリケーションに関するセッションを行いました。
普段、我々にとってスマートフォンは欠かせない必需品です。特に総合診療の分野は覚えなければならない知識が多いため、アプリケーションを使用して知識を整理しています。普段臨床現場、自己学習などで使用しているアプリケーションを学生、研修医に紹介を行いました。学生の中でもアプリケーションをある程度使用して整理している人が多いようでしたが、特に知識の整理の仕方などに関して興味をもって聞いてくれているようでした。レクチャー形式でしたが、参加者からの質問もたくさん出ており事後のアンケートでも知らないアプリケーションの情報があってよかった、という声が多かったです。
参加者の皆さんの今後の生活に少しでも役立つことができたなら幸いです。今後また機会があればやってみたいと思います。
後期研修医1年目 海老澤由香
セッション4:高齢者が入院するとき・退院するとき
(セッション4 グループワークの様子)
高齢者が入院したとき、原因疾患はよくなっても、入院中にADLが低下してしまったり、もともと抱えていた問題が顕在化するなど、退院にむけて困難に直面する状況は度々起こります。今回のセッションでは、それらの問題を予防したり適切に対処したりするために、入院当日から退院に向けて様々な情報を収集し早期退院への支援を進めていくことが重要であることを学生・研修医の皆さんに伝えることを目的としました。
このセッションのメインとなったグループワークでは、『DISCHARGE QUEST』と題し、シナリオを通して、退院に向けてキーとなる情報や関係者の話などを記した全20種のカードを収集しながら退院支援を学ぶという、趣向を凝らしたゲーム形式のワークにしました。
参加者からはワーク時間が足りないという意見が多くみられたものの、楽しみながら退院支援に必要な情報は何かを考えることができたと思います。また、今回はMSWがファシリテーターとして参加してくれたお陰で、退院に必要な福祉介護の視点も強調して伝えることができたようです。
更に、ワーク終了後には、入院1日目の世界にタイムワープできたと仮定して、入院した瞬間からスムーズな退院のために何ができるか?を問いかけ、早期の退院支援の重要性を伝えました。参加者の感想からは、概ね当初の狙い通りの反応が得られ、目的は十分達成されたように感じました。
今回、一からセッションを創りあげ、ブラッシュアップすべき反省点は多く見つかりましたが、とても良いセッションができたのではないかと思います。今後完成度を更に高めて実施し、高齢者の退院支援の重要性や難しさ、楽しさを伝えていければと思います。
神栖済生会病院内科(総合診療) 海老原稔
セッション6:いざ!備えろ!つくセミ流災害医療勉強会
(セッション6 トリアージについてレクチャーです)
災害医療を扱ったセッションを行いました。全国から集まった医学生・研修医の皆さんと、体を動かし体当たりで災害医療を勉強しました。
災害はいつでも、どこででも起こりえます。災害が発生した際は、沢山の患者さんの救命のため「災害スイッチ」をOnにして平時とは異なる考え方で医療に当たらなければいけません。「災害スイッチ」をOnにする準備、その第一歩として、災害医療の基本をレクチャーやグループワーク形式で勉強しました。参加者の皆さんは、レクチャーでは非常に熱心にこちらの話を聞いてくれて、グループワークでは終わった後に「一生あの作業をしていたいとおもった」とまで言ってくれた方がいるくらい夢中で取り組んでいました。
今日のセッションが参加者の皆さんの今後に役立てば幸いです。スタッフ一同も参加者の皆さんから沢山のエネルギーを頂きました。今回のセッションに関わる機会が得られたことに心から感謝しています。
後期研修医2年目 橋本恵太郎
NAPCRG Annual Meetingに参加・発表してきました
2018年11月21日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学
(左から春田先生、後藤先生、小曽根先生)
(ポスター発表の様子)
(活発にディスカッションが行われていました)
2018年11月9日からシカゴで行われた46th North American Primary Care Research Group (NAPCRG) Annual Meeting に、筑波から春田先生、後藤先生、小曽根とで参加し、発表を行ってきました。
この学会は、その名が示すとおりプライマリケア分野での研究発表が盛んに行われている学会でした。プライマリケア研究を行う基礎として、多数の研究ネットワーク(Practice-based research network; PBRN)も構築され、そこからの研究発表も多数行われていました。
とても面白かったことの1つがポスター発表の時間でした。1回のポスター発表に1時間が取られ、演者はポスターの横に立ち、興味を持ってくれた人に向けてプレゼンをする形式で行われていました。この時間には他の企画が行われていないため、会場は多数の参加者で賑わっていました。
プライマリケア研究なだけに、幅広い研究テーマが扱われていました。その中でいくつか、本当に自分の興味と近い研究を発見し、直接発表者に質問をすることができました。一例を挙げると、私の場合は大学院の研究テーマだった血圧測定方法に関連した研究や、リハビリ専門職のプライマリケアチームへの貢献に関する研究、レジデントへの研究教育に関する研究、などがそれでした。普段は知らない人に声をかけるのはものすごく緊張して気が引けるのですが、会場全体の研究活動を楽しんでいるような雰囲気につられて、多くの人と話すことができました。国際学会で、研究テーマへの興味関心を共通言語として、こうして人と交流することができる楽しさを、とても新鮮に感じることができました。
私の発表は、昨年度つくばのレジデントの先生方と共に行ったレジデント研究支援プロジェクトについてでした。日本、アメリカ、カナダの方々から発表に興味を持ってもらい、同じようにレジデントへの研究教育には課題があることを知ることができて、今後の活動に大きなヒントをもらえました。
今回は都合により非常に短い滞在だったことが非常に残念でしたが、また来年以降もぜひ参加してみたいと思うと同時に、こういった機会が身近にもあったら研究はより面白くなるだろうとも思いました。
最後に、今回の学会に参加させていただきました皆様、本当にありがとうございました。
(文責:小曽根早知子)