筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

生きる力教室 「アルコール編」のご報告

2023年12月5日テーマ:筑波総合診療グループ, 大学

 先日、NPO法人居場所サポートクラブ ROBE(ロベ)さんで開催された『生きる力教室』でアルコールについてのお話をさせていただきました。

ROBE(ロベ)さんについて気になる方はこちら

 ロベさんでは「愛」「感謝」「調和」をテーマに、子ども達と障がいを持つ方々の居場所づくりに取り組まれています。
 子ども同士や地域のボランティアの方々との関わりを通じて、「子どもの第三の居場所」「孤立・孤食を避け誰一人取り残されない地域子育てコミュニティ」として家族や学校の先生以外とのつながりの場所になっています。
 活動のひとつである無料塾(無料学習会)では、子ども達に学ぶ場と食事を提供されています。

 実は、私たちつくば総診も『生きる力教室』を通してロべさんの活動に携わっています。地域の一員としてボランティア活動を担うだけではなく、医療者として健康の社会的決定要因(social determinants of health:地域のなかのつながりや、教育・収入などの社会経済的状態、国の体制や文化、環境など健康に影響するさまざまな社会的背景)への理解を深める機会にもなっている活動です。

 今回の『生きる力教室』では、参加者の皆さんと「お酒(アルコール)」をテーマに学習しました。
「アルコールのパッチテスト」を通じて自身の体質を知ることや、「未成年が飲酒してはいけない理由」「他人から飲酒を勧められた時の断り方」といった内容について皆さんの意見を伺いながらお話しさせていただきました。
 普段の診療業務の中では成人の方に節酒や禁酒を励行することが多い私たちですが、今回は未成年の方々に向けた内容ということで、普段と違った視点でアルコール問題を考える貴重な経験をさせていただきました。

 講義後のアンケートでは下記のような声が寄せられ、多くの方が新たな知見を得たり健康について興味を持ってくださったことを知り、とても嬉しい気持ちになりました。
(当日のアンケートより抜粋)
「パッチテストで人によって違う結果となることがわかって良かった」
「肝臓の写真(正常と肝硬変の肝臓の比較写真)が衝撃的だった」
「お酒が飲める年齢になったら飲み過ぎには気をつけようと思った」

 参加者や職員・ボランティアスタッフの皆さま、どうもありがとうございました。
 今後も様々なテーマで『生きる力教室』のお手伝いをさせていただきたいと存じます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

文責:つくば総診 専攻医1年目 大堀 葉子