第1回総合診療塾「SDH:健康の社会的決定要因」を実施しました!
2021年2月15日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育
去る2021年1月27日夜に、9名の参加者を迎え、健康の社会的決定要因(Social Determinants of Health)をテーマにした2時間のセミナーをオンラインで実施しました。全国から医学部1~5年生の他、看護学生、現場の保健師さんの参加もあり、背景が様々なメンバー間でこそ自分の知識・経験だけでは想像しきれないことっも考えながら、SDHについて学びあう機会になりました。
セミナー最後の演習「医療者(学生)がなぜSDHを学ぶ必要があるのか、同級生・同僚に伝わるように説明してみよう。」では、学んだことをもとに、参加者それぞれ自分言葉で表してくれました。大変素晴らしく、一部ご本人の了解をもとに紹介させていただきます。
「人の健康は個人に起因しない構造的な要因から大きく影響される。そのためすべての人々の健康を向上させるためには、すべての医療者がSDHを知って構造的な問題にも介入できるような広い視野を持つことが必要だから。」(医学部1年生)
「患者さんの健康、その裏には何が隠れているのか、その視点が患者さんを、地域を、国を治療することに繋がる。患者さんの病気を診ているだけで患者さんを真に救うことはできるのだろうか。それは医師の仕事ではないと切り捨てることは簡単だ。しかし、人を人として診ることこそ結果としてQOLの向上・患者満足度の上昇に繋がりまた患者の健康を促進する一因にもなる。よって私自身はSDH,健康の社会的決定要因を学ぶことは欠かせないことだと考える。SDHを学んでみたいと感じませんか?」(医学部2年生)
「患者が病院で治療を受けたその一瞬だけでなく、医療機関を離れた後それぞれの生活環境で継続的にその方が病気と向き合い、健康増進していくことができるような支援が必要である。そのためには、多職種連携でその方の社会的要因を把握し、一人一人の生活環境、その人らしさを尊重する事は大切だ。従って、社会的要因を把握する必要性を理解するために、SDHを学ぶことは大切である。」(看護学部2年生)
ポストアンケートでは、コロナ禍でも様々な方と討論できることがとても嬉しかった、背景の異なる者同士で学びあうことで視野が広がることを実感したなどの意見をいただきました。積極的なご参加をありがとうございました!
これからも総合診療塾の企画が続きます。
https://soshin.pcmed-tsukuba.jp/wp/archives/7538
次回は3月25日(木)15時30分~ 患者中心の医療の方法(任明夏先生)です。是非ご参加ください!
文責 筑波大学附属病院総合診療科 堀内明由美