筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

笠間市での地域包括会議の取り組み 第7回

2017年8月22日テーマ:筑波総合診療グループ, 笠間

笠間での地域包括会議第7回をお伝えします。

 

前回の会議で具体案が出始めましたが、論点が定まらなかったり、市民の健康作りをしていくというこの会議の目的を見失った議論も少しあったりしたように思えたので、今回は本題に入る前に、このプロジェクトの経緯、目標、めざすところを再確認することから始めました。

 

〇2018年4月に新病院が完成するのに際して、地域包括支援センターと保健センターと病院が一緒になることになった。そこで、この3者で何か新しいことができないかということでこの会議が始まった。

〇大きな目標としては、笠間市は健康都市宣言をしており、それに沿う形で地域の健康作りをしていく

〇医療・保健・福祉の3つが重なってできることをやっていく。

 

ここまでの再確認で、この会議は笠間市の未来のために意義があり、医療保健福祉がそれぞれ力の出しあえるプロジェクトについてなるようなプロジェクトをつくることが共通の理解基盤であることが確認できました。その後、もう少し議論したい人がいそうだなーと思ったので、2グループに分けてのディスカッションに移行しました。

 

〇医療・保健・福祉の3つが重なる部分というのが、目標なのか具体案なのか何なのかが少しわかりにくい。

〇この会議で目指すところが大きいと実現が難しいのではないかと感じていた。

〇それぞれの部署の単独の仕事がそもそも詰め切れていないところが、この会議が進まない要因かもしれない。

 

なかなか全体会議だけだと出てこない本音が、グループディスカッションにしたことで出てきました。

 

その後、本題に移りました。

前回の会議で様々な具体案が出始めましたが、今回は具体案をリストアップし、実現可能なものとそうでないもの、この会議でやるべきこととそうでないものを整理し、優先順位付けをしていく作業を行いました。前回出た具体案は以下の7つでした。

 

  • 在宅ケアの推進
  • 在宅医療・介護連携
  • 介護予防のための運動教室等
  • アンチエイジング
  • 地域医療機関連携
  • かさま健康診断
  • 教育入院

 

これを、再び2グループに分けてディスカッションをし、病院・保健センター・地域包括の3者で協力してできそうなものはどれかを話し合いました。

すると、在宅、運動教室、健康診断、教育入院は3者で協力してできそうとの意見で一致しました。さらに、この4案を深めて議論していくことになりました。それ以外の案も引き続き継続的に検討していくことになりました。

 

次回は、これらの案をさらに具体化していきます。

今回、全員でこの会議の目的を再確認したことで、論点が散乱しにくくなったと感じました。また、2グループに分けたことで、より意見が出やすくなったと感じました。次回以降も効果的にグループディスカッションを取り入れていきたいと感じました。