夏期セミナー「職種の一歩先へ!想いをつなぐ多職種連携」
2017年8月10日テーマ:筑波総合診療グループ, 笠間
先日行われた学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー@長浜に、全員参加の特別企画の講師として参加してきました。
今回は、以前「つくセミ」(総合診療 ★ 家庭医療全国公開セミナー in Tsukuba)に来てくれたことのある学生スタッフさんが多職種連携のワークショップを覚えていてくれたようで、ありがたいことに直接依頼をいただきました。
「多職種連携について、多職種を講師として、200人のワークショップ形式で」という無茶ぶりに近いお題に対し、5か月前に私が働く笠間市で医師、訪問看護師、PT、OT、ST、薬剤師、ケアマネジャーからなるチームを結成しました(大学にいる後藤さんもPTとして参加してくれました)。そこから、どうしたら学生さんに楽しんでもらえるか、連携するという事に対して考えてもらえるかを、セミナー運営スタッフとの打ち合わせとも並行して何度も議論を重ねました。
そして本番、スタッフも合わると200人の学生さんが目の前に座っている光景は圧巻でした!
企画の内容は、「娘の結婚式で花束を立って受け取りたい」という希望のある入院中の末期がんを抱えた男性に対し、専門職がそれぞれどの様な事が出来るか、どの様に協力するか、を皆で考えてもらうというものでした。始めは?が顔に浮かんでいた学生さん達でしたが、各職種のことを知るためのグループワークを行った後から表情が生き生きとし始め、熱心にディスカッションに参加していました。
最後の振り返りの内容も素晴らしく、学生さんのパワーを強く感じると共に、学生時代からの専門職連携教育の重要性を実感しました。後の懇親会では、「各職種の生の声が聞けて良かった」、「もやもやして難しかったけど、皆で話しながら作る過程が楽しかった」、などという感想をいただきました。「限られた時間や情報、資源の中で、互いの強みを生かしながら同じ目標に向かって進むこと」を、少しですが体験してもらえたのではないかと思います。
振り返れば準備も本番もあっという間でしたが、講師の私たちも、新たな仲間と共に自分の役割について振り返ったり、他人の仕事についてより深く知ったり、本音でディスカッションしたりできた良い機会でした。そして何より、始めはとても不安でしたが、とりあえずやってみる事、皆で知恵を振り絞れば何とかなるなーという事を実感しています。
お約束ですが、終了後飲みに行った長浜地ビールのおいしかったこと!!
講師を快く引き受けてくれ、遠く長浜まで来てくれたTeam笠間の皆さん(中には家族旅行にして一家で来てくれた人も~)、企画担当の学生さんやその他スタッフの皆さん、そして参加者の皆さん、本当にありがとうございました。
今年の夏期セミナーはとても楽しかったです。
笠間市立病院/筑波大学総合診療グループ 山本由布