筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

第1回つくば総合診療塾「覗いてみよう家庭医の頭の中」

2014年12月26日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座

未来医療人GP企画
医学生のための「つくば総合診療塾」第1回セッションが12月11日の夕方に開催されました。
テーマは「覗いてみよう家庭医の頭の中」です。
会場に集まった9名の医学生に加え、遠隔中継で埼玉医大から更に9名も参加くださいました。
総合診療塾写真
セッションでは、診療シーン映像を見てのケース討論を行いました。
家庭医クリニックを受診した37歳の妊婦さん「1週間前からみぞおちが痛くて・・」と相談をもちかけます。
さあ、そこで家庭医はどんなことを考え、どんなアプローチをするのでしょうか。
グループ討論、全体共有を行った後に、家庭医 横谷省治先生によるロールプレイ(診療のデモンストレーション)がありました。
全体共有

全体共有

胃の痛みについて話していた患者さんが、「仕事も家もいろいろあって・・」と話をそらしたタイミングに、患者さんの背景にぐぐっとアプローチ。「疲れて動けない、おなかに赤ちゃんがいるのに自分のことで精いっぱいで」とうつむく患者さんに、「とても疲れていらっしゃるんですね。○○さんにとってどんな状況が理想なんでしょうね・・・」と優しいまなざしで尋ねかけます。すると、「理想・・・(しばらく沈黙)赤ちゃんを迎える準備を楽しみたいって思ってました。そんなことしばらく忘れていました(涙ぐむ)」
このようなやりとりを通して、自分のつらさの中で堂々巡りになっていた患者さんが前をむき、「一人で悩まずに家族にも相談してみたい」と、次の一歩をふみだすきっかけになりました。
ロールプレイの後のレクチャーでは
「家庭医は患者さんの人生の旅の帯同医」
「つらいときも、幸せな時も患者さんによりそえることが、家庭医のやりがい」
との話に、学生の皆さんは非常に熱心に聞き込んでいました。
家庭医の魅力が、具体的にイメージしていただけたようです。
次回は、1月21日(水)18時から、大塚貴博先生による「家族志向型アプローチをやってみよう」です。
まだ空席はありますので、お申し込みをお待ちしています!
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(スタッフ 高屋敷明由美)