「ひとびとの健康を支えるオールラウンダー」をめざして

筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

家庭医療★総合診療全国公開セミナーin Tsukuba「患者中心の医療の方法」

2014年12月5日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座

患者中心という言葉はよく聞くけれど、どういうものなの?

このセッションは、そんな素朴な疑問から始まりました。

「患者中心」といっても、患者さんのいうことを鵜呑みにするのではありません。

患者さんの言葉に込められた気持ちや生活背景をくみ取り、診断や治療で目指す方向性を一致させることが鍵となります。DSC00208★

今回のセッションでは、前半で、臨床現場で役立つ「患者中心の医療」の基本的な考え方を紹介し、後半でロールプレイにより患者さん・医師の視点を体験してもらいました。DSC00214★

参加者は、医学生だけでなく、高校生から保健師さんまで幅広いバックグラウンドでした。

参加動機としては、「医療の本質は患者中心だから。」「初診に返って学びたいと思ったから。」「患者中心って簡単に言うけど、よくわかっていなかったから。」とモチベーションの高さがうかがわれました。

前半のレクチャーでは、「患者中心の医療の方法」というモデルを、模擬診療を交えながら解説しました。最新版のhealthが入っているものではなく、多様な参加者がいる中でわかりやすさを重視して、一つ前の内容を使用しました。

このモデルは、カナダ・ウエストオンタリオ大学のスチュワートらが、「患者さんと親しみのある関係を築く、腕のいい医師」の診療を研究し、作成したもので、6つの要素から作られています。

その中で、今回は、診療の流れを示す下記の3つに焦点を当てました。


要素1:疾患と病の経験を明らかにする
要素2:患者を全人的にとらえる
要素3:共通基盤を形成する


また、上記の流れで診療を行う中で、患者さんの病の体験を聞くときに役立つ
「かきかえ(解釈、期待、感情、影響)」というスキルをお伝えしました。

模擬診療・ロールプレイでは、咳で受診した患者さんが「早く治りたいので抗生剤がほしい」と訴えるというシナリオを用いました。
なぜ患者さんは抗生剤がほしいのか?どうして早く治りたいのか?と掘り下げ、患者さんの気持ちを共有しつつ、医学的な説明を行うことの大切さを診療場面で再現してもらいました。

参加者の皆さんからは、下記のような感想をいただきました。

・基本的な医療について学び、それについての対策が分かりました。
・臨床研修前に考えを整理することができました。
・共通の理解基盤を探すことの大切さを学んだ。

今回のセッションでは、「患者中心の医療」を行うエッセンスを学生の皆さんと一緒に学ぶことができ、とても貴重な経験となりました。
S1 大澤・冨永・久野(文責 久野)

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