ナイトセッション~バッドニュースの伝え方~
2014年12月1日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
「明日、あなたの友人が癌と伝えられたらどうしますか?」
医療者にとって避けては通れない場面、
その一つが悪い知らせを伝える診療場面になります。
今回のナイトセッション※は、そんな「バッドニュースの伝え方」がテーマでした。
前半はレクチャー、後半はロールプレイを行いました。
レクチャーでは、レジデントが実際に経験した場面を共有しながら、「SPIKES(スパイクス)」というバッドニュースの伝えるときの6つのステップ(下記)を習いました。
S:Setting(面談の設定)
P:Perception(病状認識の確認)
I:Invitation(希望の確認)
K:Knowledge(情報提供)
E:Empathy&Exploration(感情への対応)
S:Summary&Strategy(方針の話し合い)
特に印象に残ったことは、映画を用いて認知症の告知の場面を例に、病気を受け止めきれない患者さんの感情について考えたことです。医療者自身が言葉に詰まる場面では、「私自身もお伝えするのがつらいのですが・・・」など、ときには医療者の感情を患者さんに伝えることも患者さんに寄り添う姿勢となるということを学びました。
後半では、シナリオに沿って医師・患者役でロールプレイを行い、前半で得た知識をより深めることができました。今回のセッションを通して、今後は自分の友人に語るつもりで、時には患者さんの気持ちに合わせて立ち止まりながら、悪い知らせを伝えることができるよう心がけたいと思います。
※筑波総合診療グループでは、大学での教育プログラムの一環として後期研修医(シニアレジデント)向けに家庭医・総合診療のprincipleを学ぶためのセッションを行っています。平日の18時以降、2か月を1シリーズとして定期的に開催され、ワークショップ形式の実践的な構成となっています。毎回異なるテーマで行っており、今回は第6回目でシリーズ最後のセッションでした。
<10・11月のテーマ>
第1回 患者中心の医療
第2回 EBM
第3回 生物心理社会モデル
第4回 家族志向のケア
第5回 臨床倫理
第6回 バッドニュースの伝え方
(S1 久野遥加)