医学3年生の健康教育の実習@日立市での喫煙予防教育
2014年10月30日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
当教室では、筑波大学の医学3年生を対象に、「健康教育(ヘルスプロモーション)」を理解するための1週間の集中授業を担当しています。
医師法第1条、つまり一番最初の所には、こういう記載があります。
医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。
病気を治すことだけが、医者の役割ではなく、WHOの定義する健康(身体的・精神的および社会的に完全に良好な状態であって、単に病気や虚弱でないだけではない。)な生活をするために、何ができるかを考える、という大前提のもと、この講義が実施されています。
学生が6つのテーマ(①介護、②運動と栄養、③小学生への喫煙予防教育、④中高生への禁煙教育、⑤食育、⑥離乳食指導)にわかれ、実際に地域でこのテーマでご活躍の医師や管理栄養士の先生をお招きして、学生が市民や子供たちに対して実際に健康教育を企画し実施するという、医学教育の中でも珍しいカリキュラム。集中授業は7月に実施され、実習は秋以降、順次行っていきます。
10年以上にわたり、日立市の子供たちに喫煙予防教育を行っている、日立市の天谷医院 院長、天谷龍夫先生は、今年も筑波大の学生をつれて、小学校で講演を。
大人は何で毎日たばこを吸うと思う-?
こんな問い掛けから始まる約40分にわたる講習会。天谷先生が長期間にわたる喫煙で真っ黒になった肺の写真や、喫煙が原因で脳出血を起こす様子などを見せるオーストラリアの禁煙キャンペーンCMなどを児童に紹介し、たばこの健康被害に関する正しい情報を伝える。講師から児童に質問をしたり、児童からの質問に答えたりしながら、たばこの健康被害について自分の頭で考えさせる講義を行っていらっしゃいます。学生は40分の講義の中の10分を担当します。この10分は短いようですが、子供たちを引き付けておくには、スキルのいる10分。1分1秒無駄にするな、という天谷先生の教えのもと、何度も先生とスライドのやり取りをして練習をして当日を迎える学生たち。
貴重な経験をさせてもらっていることを実感しています。天谷先生、今年も本当にありがとうございます!
(スタッフ 堤 円香)