国立霞ヶ浦医療センター総合診療科:端山先生大活躍
2014年10月24日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
端山先生はつくばの後期研修プログラムを修了された4年前に、内科常勤医が激減して病棟一部閉鎖を行うなど大変な状況であった霞ヶ浦医療センターに総合診療科に唯一の常勤医師として赴任しました。そして、同時期に着任された鈴木新院長らともに、診療体制の再構築をはかろうと画策されてきました。その後筑波大学の寄付講座もはじまり、徐々に医師数が増員され、現在では消化器内科2名、循環器内科3名、呼吸器内科3名など、メジャー内科の医師体制が充実してきました。
端山先生は毎日の初診外来を中心に、救急外来や当直業務を行っています。病棟担当は併診で5名前後、総合診療科のベッドはありませんが、端山先生の患者さんが入院した場合には、主治医になることもあります。同院内科系は、専門科間の壁がなく、正式なコンサルテーションや併診以外についても、日常的に、外来でも病棟でも悩ましい症例は協力して大変な時はさっと集まり対応するなど、「皆で診療を担っている」というマインドでいらっしゃるご様子でした。その中で、幅広くなんでも気軽に相談にのってもらえる存在として端山先生は、非常に頼りにされていました。
今回の視察で印象に残ったこととして、多職種スタッフとの顔の見える連携関係がありました。病院をまわっていますと、総務、検査課、放射線部門など、いたるところから、「端山先生!」と声がかかります。今まで取り組みとして、多職種スタッフと端山先生の間で企画実施した勉強会があります。当直時間帯に時に救急現場の担い手となる事務職員対象のAEDや挿管セットの準備について勉強会や、診療放射線技師もまじえてアナフィラキシーショック対応の講習会など、学びあう機会を積極的に作っているとのことでした。
また、地域のニーズより訪問診療開始の準備を進めており、視察の翌週に訪問1件目が行われる予定となっていました。視察の際も、退院調整副師長と地域連携室メンバーらと準備品に関する相談する場面をみかけ、「いい医療活動をしたい」という共通の目標をもって率直な意見交換をしている様子に、互いの信頼関係は厚さを感じました。
10月からは後期研修医の伊藤慎先生が同科で研修しています。各診療科、各部門との敷居の低さを活用して小回りのきく環境で「どんなことでもまずは自分でみて、おおよそのことは対応できる」中規模病院ならではの利点を生かした総合診療の研修の場になるのではと思います。
おわりに、院内で周囲に頼りにされながら、生き生きと働く端山先生の姿がとても印象に残りました。市川ファミリークリニックからの紹介患者さんも入院されていて、地域の先生とも連絡をとり、実質的な病診連携が行われています。今回新たに、つくば総診グループのメンバー間で地域でのつながりがみられたことも嬉しく思いました。訪問診療開始後の益々のご活躍も期待しています。
(スタッフ 高屋敷明由美)