筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

レジデントノート増刊号「内科の視点で診る 手術前後の入院患者管理」

2016年6月2日テーマ:筑波総合診療グループ, 水戸, 未来医療GP

レジデントノート増刊号「内科の視点で診る 手術前後の入院患者管理」を共同で編集・執筆しました。

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https://www.yodosha.co.jp/medical/book/9784758115704/index.html

水戸協同病院総合診療科でいつも行っている手術前後の患者管理を、エビデンスと経験を織り交ぜてエキスパートに執筆していただきました。編集作業として全ての原稿に眼を通し、短期間で自身の知識の整理もさせてもらいました。

以下、内容を簡単に紹介します。

手術を受ける患者も高齢化し、複数の内科的基礎疾患を抱えている。病院の総合医は、外来受診を契機に悪性腫瘍など手術適応の疾患を見つけ、病期を診断し、外科へ手術依頼する。外科からの術前コンサルトを受ける。そして、予定された手術までに体を最適化して、手術しやすい状態に置き、合併症を予防する。心臓など追加検査が必要かもしれない。検査のやりすぎも手術の遅延を招くので害である。薬剤は一定期間休薬が必要なものがあれば、増量するものもある。ときには手術の延期や、手術をしないという選択肢も考えなければならない。

また、予想外に起きた術後合併症に対して、発生した段階からコンサルタントとして介入する。主科に対して、迅速に具体的で簡潔なアドバイスをし、ときには全身管理を引き継ぐ。

管理は、普段どおりの病歴聴取、診察で開始し、これまでの検査データ・治療歴・生活についても包括的レビューを行い、患者の全てを把握する。そして、周術期のエビデンスに照らし合わせて、ICUのようにシステムごとの管理方法を漏れなく計画する。

これが1冊に凝縮されています。
自信をもってオススメできる1冊です。

(筑波大学総合診療グループ/水戸協同病院総合診療科 五十野博基)