神栖市における医学生実習の特集ページが本日公開
2020年3月31日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育
神栖市における医学生実習(M5-M6: 医学生の5−6年生対象)の特集ページが、
本日公開となりましたので、お知らせいたします。
【神栖市における医学生実習特集ページ】
https://www.pcmed-tsukuba.jp/area/kamisu/case/
上位のページはこちらです。↓
神栖市における地域医療教育
https://www.pcmed-tsukuba.jp/area/kamisu/case.php
将来の医師の育成のため、作り上げてきた本プログラムは、
その目的のために熱心に参画してくださった素晴らしい地域の市民と企業の方々と共に作り上げてきたものです。
私たちが神栖市で行ってきた医療支援活動・医学生教育を約12年に渡って行ってきた軌跡がまた1つ結晶となったものだと感じております。
医学生の実習に参画くださっておられる市民の方々そして産業医の方には、
インタビュー動画収録の際には、お忙しい中お時間を作ってくだり、
医学生実習を通して経験された貴重な内容をお話くださいまして、
誠にありがとうございました。
なお、神栖市での本実習プログラムは、
英国の医学生教育で実践されている社会学を学ぶコア・カリキュラム(下記参照)
にも匹敵する内容になりつつある思っています。(手前味噌ですが)
日本でも同様に医学教育に求められているものの、実現できているとは言い難い現状において、
本プログラムは、人類学・社会学的視点で実践する医学教育の実現に向けたチャレンジの1つであり、
全国の医学教育のモデルケースの1つとなるプログラムでもあると考えております。
英国の医学部卒前教育における社会学のコア・カリキュラム(神栖実習特集ページ内)
https://www.pcmed-tsukuba.jp/area/kamisu/case/besst/
これは、ひとえに神栖市の皆様の熱意に溢れた協働によって生み出されたものであり、心より感謝しております。
現状はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のことで、難しい時期にありますが、
こちらも、皆様と協同して乗り切ってゆきたいと考えております。
文責:地域医療教育学 講師 阪本直人
キーワード:健康の社会的決定要因、SDH(Social Determinants of Health)、地域医療診断、住民体験実習、異業種帯同実習、社会学、人類学
CSAの振り返り
2020年3月17日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP
専攻医4年目の竹内です。
先日,大学のオフィスで,卒業セミナー(報告:その①,その②)で実施されたCSA(Clinical Skills Assessment)の振り返りをして頂きました。
つくば総診のレジデントは全員,毎年卒業セミナーで模擬患者さんを相手にCSAを受けられます。
専門医試験と同じく6ステーション構成で,年に1回自分の診療技術を振り返る貴重な機会にもなっています。
4年前の自分と比較すると,毎年何かしらの課題は見つかりますが,自信をもってできた部分も増えたと思います。
いよいよ4年間の研修も終わりが近づいてきました。
ポートフォリオ提出も大変でしたが,7月の試験まであと少し頑張ろうと思います!
大森先生の地域医療への思い その2
2020年3月15日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大森医院, 未来医療GP, 地域包括ケア
(ひたち太田家庭医療診療所集合写真です)
先日の記事に引き続き、第2回と第3回のインタビュー記事が掲載されました。
過疎医療は面白い!「人生の後半を家庭医として働く」という生き方‐大森英俊・大森医院長に聞く◆Vol.2
https://www.m3.com/news/kisokoza/731786
過疎地の医療が100年続く仕組みを作りたい‐大森英俊・大森医院長に聞く◆Vol.3
https://www.m3.com/news/kisokoza/731787
(どちらもM3.comへのログインが必要です)
第1回の記事では大森医院のこれまでと現状の話が主でしたが
第2回では大森先生の教育への思い
第3回ではこれからの過疎医療をどうしていくか
といった話題へと発展していきます。
地域医療に興味のある方はぜひご覧ください!
木村紀志(大森医院/ひたち太田家庭医療診療所)
卒業セミナーのご報告 その2
2020年2月29日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育
(卒業生のみなさんです)
(懇親会も盛り上がりました!)
こんにちわ。
北茨城市民病院内科で研修中のC1 宮本卓です。
今年も卒業セミナーの季節がやってきました。
レジデント最終学年の先生方が研修発表を行い、例年多くのレジデントおよび指導医が参加する総合診療グループの一大イベントです。
2月15日(土)、16日(日)に開催され、任明夏先生、坂倉明恵先生、竹内優都先生、中野寛也先生の4名のレジデントの先生方がご卒業されました。
1日目は昼より開始でした。
前野先生のご講演に始まり、ポートフォリオ供覧、坂倉先生の卒業プレゼンを経て、総合診療グループの卒業生である大塚貴博先生より講演がありました。
テーマは継承開業とキャリア形成。地域で五代続く医院家業を、突然引き継がれた大塚先生の苦労が凝縮された内容で、大変興味深かったです。
夜は筑波山ホテル青木屋で懇親会・宿泊がありましたが、私は参加していないです。来年度総合診療グループに入局予定の先生方も参加されたようで、大変盛り上がったようでした。
2日目は終日の開催でした。
午前中は任先生、竹内先生、中野先生の卒業プレゼン、全体写真撮影から昼食となり、午後はレジデント対象のCSA、臨床推論テストでした。
CSAに関しては、年々緊張しなくなっているのですが、自分の臨床に自信が持てているからと楽観的に解釈しています。口頭ですがフィードバックが頂けて大変参考になる時間でした。
今回ご卒業された先生方は、直接ご指導いただいた先生方ばかりで例年になく感慨深いものがありました。今後のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
宮本卓(北茨城市民病院内科)
注1:CSA Clinical Skills Assesment, 実際の診療を想定した実技試験
卒業セミナーのご報告 その1
2020年2月29日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 筑波メディカルセンター病院, 未来医療GP
(ポートフォリオ発表会の様子)
(修了発表の様子)
筑波メディカルセンター病院総合診療科で研修中のS2植松洋です。
また卒業セミナーの季節がやってきました。セミナーに参加するのは2回目ですが、普段お会いすることができない県内各所で勤務されている先生方とまたお会いできるので、楽しみにしていました。
毎年卒業セミナーの初日は、その年卒業されるC2の先生方のポートフォリオ供覧会が行われます。先輩方のポートフォリオを読むことができる他、指導医の先生方とともに改善点や優れている部分について議論をすることができるため、非常に貴重な機会と言えます。今年私は中野先生と竹内先生のポートフォリオ発表を拝見させていただきましたが、先生方が診療やポートフォリオ作成で苦労された点や工夫された点を共有でき、大変参考になったと感じています。
また、初日には大塚貴博先生による開業医としてのキャリア形成について講演が開催されました。実際に開業をされている先生の、診療所経営やチームビルディングについてのお話を伺える機会は滅多になく、来年度以降もこのような公演の開催が継続されてほしいと考えています。
2日目は様々な背景、課題に対する医療面接を行うCSA(Clinical Skills Assessment)が開催されました。自身の医療面接を指導医に評価していただく機会はジュニアレジデント以降では滅多になく、単に専門医試験の練習に留まらず、自身の診療スタイルを見直すチャンスでもあります。私は2回目の参加であり、昨年度の課題を意識して臨みました。新たな改善点も見つかりましたが、自身の強みに対してもフィードバックしてもらえるので、励みとなったレジデントも多いのではないでしょうか。
今回は来年度からシニアレジデントになる研修医の先生や総合診療グループに所属されていない先生も参加、見学されとても賑やかで張り合いのあるものとなりました。今回CSA初参加にも関わらず最優秀賞を獲得された鈴木李理先生、本当におめでとうございます!
とても充実した2日間であり、来年の開催を楽しみにしています。最後になりましたが、今年ご卒業される先生方におかれましては、今後のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
後期研修医2年目 植松洋
家庭医療学冬期セミナーに行ってきました!
2020年2月23日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 未来医療GP
(たくさんの先生にお集まりいただきました)
(トークで話したことを共有してもらいました)
ブログ更新担当の木村です。
が、今回はJPCA専攻医部会ネットワーク事業代表として家庭医療学冬期セミナーに参加してきました。冬期セミナーは専攻医・若手医師向けに家庭医療に関する様々なセッションが開催される2日間の企画です。
私が主催したセッションは「全国専攻医つながるプロジェクト2020」。
全国様々な施設から専攻医の集まる冬期セミナーで専攻医同士での交流、情報交換をしようという企画です。当日は30名ほどの専攻医、初期研修医の先生に参加いただき、教育、生涯学習、キャリアなど6つのテーマでフリートークを行いました。
時間が足りなくなるほどの予想以上の盛り上がりでした!
来年も(たぶん)開催します!
研修医・専攻医の先生方、ぜひご参加ください!
木村紀志(ひたち太田家庭医療診療所)
小学校でがん教育をしてきました
2020年2月5日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 利根町, 未来医療GP
利根町国保診療所で研修中の専攻医4年目の竹内です。
1月中旬に小学校でがん教育を行ってきましたので報告します。
自分が小学生だったときはそのような機会はありませんでした。
どんなことをどのように話せばよいのか難しいなと思いましたが,
養護教諭の先生にサポートして頂きながら準備を進めることができました。
事前アンケートのおかげで生徒の理解が必要な部分が分かり,
文部科学省の参考教材も豊富にあったので助かりました。
当日は50名ほどの6年生を相手に話させて頂きました。
クイズや映像教材も交えながら,
がんの仕組み,治療,予防など,盛りだくさんでしたが,
さすが6年生で,皆さん真剣なまなざしで最後まで話を聞いてくれました。
終わった後の感想では,
「がんを予防できるワクチンがあることを知った」
「がんになったらもう終わりというわけではないんだ」
「毎日を大切に過ごすようにしたい」
といったコメントを頂き,嬉しくなりました。
診療所では,他にも地域の健康増進に関わることができる機会が多くあります。
貴重な機会を頂けたことに感謝申し上げます。
家庭医の役割とは~楢戸健次郎先生講演会と地域医療実習から見えてきたこと~
2020年1月25日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 医学教育
2020年1月17日に筑波大学にて楢戸健次郎先生の国際医療についての講演会を開催しました。
この投稿はその企画者である筑波大学医学類5年 上原智之さんからいただきました。
“楢戸先生がネパールで医療行為をするのにどんな資格が必要でしたか?”
“私は医療行為はしてませんよ!”
私が楢戸先生の講演会に無意識に想定していたのは、ネパールでの家庭医の役割、診療風景、海外で医師として働くのに必要なスキルといったことでした。ところが先生はいわゆる”医療行為”や”診療”の話はあまりしませんでした。なぜ医師としての資格があるのに水道を作る話をするんだろう?ネパールの文化や食や人の魅力や宗教や、これって医療の話だっけ?でもとても詳しいのはなんでだろう?
私は講演会の次の週に茨城県神栖市で家庭医の先生の働き方をみてきました。今回の講演会とあわせて考えてみると、医師免許が必要な仕事のほかに役割がたくさんあったことに気づきました。病院での医療行為の多くはあくまで病気になってしまった人への医療です。市の健康レベルを引き上げようと考えるなら、その上流にある根本的な原因、喫煙や食生活、そもそもどんな地域の特性があってどんな暮らしをしているんだろう、というところから注目する必要があります。地域診断という考え方です。
楢戸先生の講演に医療のピラミッドの話がありました。大学病院の3次医療を頂点に、市中病院での2次医療、プライマリーケア、セルフケアと続きます。授業で教わるのはここまでだけど、その下を何が支えているか。
それはインフラ、さらに下には教育・栄養、そして一番下の土台になるのは平和だ、という話でした。
震災の時を考えればたしかに平和って大事だし、どんな治療薬の開発よりも水道が普及したことで大きく平均寿命が伸びたことを思い出せば、たしかにその通り。
もし家庭医のカバーする範囲を、ピラミッドでのプライマリーケアより下の範囲とするのなら、家庭医に必要なのは自分の診る地域で何が必要なのかを、医師の視点から考えることだろうと思いました。楢戸先生がネパールの文化に詳しいのは、単に長く住んでいるからだけではなくて、その地域で医療に対してどんな需要があるかをしっかり把握するために必要だったからではないかと思います。インフラの十分でないネパールのある地域ではその整備に関わる。むしろ道路も整備された都市部では大気汚染に関わることが大切かもしれない。それも問題ない東京都心での家庭医の役割は?僕にはまだ分かりません。
こうやって家庭医の役割について考えると、都心でも田舎でも、国内でも海外でも、働き方は全くといっていいほど違いますが、根底にある考え方と目標は同じなのかもしれないと思います。
ネパールという地域に馴染んで溶け込んで力になっている楢戸先生がとてもかっこよく見えた講演会でした。
(筑波大学医学類5年 上原智之)
知ってるようで知らない、お酒の話~第9回つくセミのご報告 その5~
2020年1月7日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育
(問題飲酒、みなさんはしていませんか?)
知ってるようで知らない、お酒の話 ~自分自身の飲み方から、患者さんの指導まで~ は飲める講師と飲めない講師がセットでお送りするとの売りで開催されましたが、「飲める講師」として、実臨床のこと、問題飲酒の評価方法などのレクチャーを行いました。
私のレクチャーもさることながら、「飲める講師」川井田先生がご自身の研究テーマである学生のbinge-drinkingについて、「飲めない講師」吉本先生が北茨城での先進的な取り組みである飲酒量低減外来での取り組みについて、とても充実したお話しをしていただき、なんと参加者全員から事後アンケートで「とても面白かった」との評価をいただきました。
参加者の皆さんはとても熱心に聞いていただいたと思いますし、質疑応答も大変活発でした。ご自身や身の回りのことにも、臨床でやるべきこと、考えるべきことにも思いをはせることができたのではないかと思います。
文責:中野
大森先生監修のマンガが公開されました
2019年12月29日テーマ:筑波総合診療グループ, 大森医院, 未来医療GP
筑波大学総合診療科の片岡です。
以前、このブログで大森医院の大森英俊先生が書かれた本についてご紹介しましたが、
今回は漫画(ネット漫画)です!
タイトル:過疎医療と2025年問題(まんが王国のサイトにとびます)
年末年始、こたつに入りながらぜひスマホやタブレットで読んでみてください。
(全部読むには登録が必要ですが、無料で何ページか読めます)
終活フェス開催報告 第3弾『終活って、何をすればいいの?』
2019年12月26日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア
神栖済生会病院の高橋です。
少し時間が経過してしまいましたが、2019年11月30日に神栖防災アリーナで開催された
市民公開講座『終活フェス』の開催報告シリーズ 第3弾をお届けいたします。
私は『終活って、何をすればいいの?』と題したトークセッションを担当しました。
『終活』と一言でいえども医療・介護から財産管理、遺言、身辺整理、供養・・・など、
様々な要素が沢山ありますよね。
このトークセッションでは、
「医療・介護」の視点から髙橋(医師)が、
「法律家」の視点から神栖法律事務所の安重弁護士が、
「当時者・家族」の視点から実際に在宅での看取りを経験されたご家族が登壇し、
それぞれプレゼンテーションを行ないました。
その後、3者による対話や会場の参加者からの質疑応答も交えながら、
『終活』について多角的に考える内容となりました。
まず、医師である髙橋から終活の全体像と注意点をお話した後、医療介護について考えておくこと、
特に今回の終活のフェスのメインテーマである『人生会議』(アドバンス・ケア・プランニング(ACP))について改めて解説しました。
つづいて、弁護士の安重先生より、しばしば見られる遺産関係のトラブルや遺言を作っておくことの重要性など、法律家ならではのお話を聞くことができました。
なお、安重先生は地元鹿行地区の出身で、現在神栖市内に事務所を構えておられます。日頃から医学生の地域医療実習にもご協力くださっており、そのご縁もあって、今回のようなコラボが実現しました。
(地元の他業種と繋がることで、私たちの視野も拡がり、更なる繋がりを生んでいます。)
そして最後は、在宅での看取りを経験されたご家族に登壇していただきました。
様々な苦労をされながらも家族一丸となり、ご本人が希望される自宅での生活を支えられました。その貴重なご経験を通して、本人の気持ちに寄り添うことの大切さ、家族で意志を共有することの大切さを教えてくださいました。
実は、このご家族には、私たち訪問診療チームがケアに関わらせて頂いていました。今回の取り組みを進めるにあたり、ご相談したところ、市民公開講座の主旨にご賛同くださり、登壇してくださることになりました。
ただでさえご家族を亡くされた悲しみを抱えながらの状態にも関わらず、このような場で発言されるのは、とても勇気のいることだったと思います。しかし、市民の方々に、在宅医療について少しでも考えてもらうきっかけになればと、快く協力して下さいました。
専門職や行政職ではなく、このように当事者や市民の立場の方にご登壇していただくということは、我々にとってもチャレンジングな試みではありましたが、地域に根ざした住民中心の医療・ケアを発展させていく上で非常に重要かつ有意義な試みであったと思います。
さて、セッションの後半は、壇上に登壇者全員が集まり、登壇者が互いに質問し合いながらのトークコーナーと会場の参加者の方々からの質問にお答えするコーナーを設けました。
参加者からは、特に在宅医療に関する質問が多く寄せられ、関心の高さが伺えました。
もちろん、在宅医療はあくまで選択肢の一つにすぎませんが、なにより登壇者の皆さんのご発言などを通して、患者本人の気持ちに寄り添い、最善を考えること、家族や知人が互いに想いを共有したり、準備したりしておくことの大切さをお伝えすることができたのではないかと思いました。
今後、神栖市での在宅医療の普及も含め、それぞれの希望に沿った選択ができるように、活動を続けていきたいと思います。
文責:神栖済生会病院 内科・総合診療科/つくば総診 髙橋 弘樹
関連記事:
『終活フェス「対話企画 〜人生において大切なこと あなたも話してみませんか?〜」の企画・運営を経験して』(投稿日:2019年12月9日)
『開催報告「終活フェス〜神栖ココでずっと暮らすために〜」』(投稿日:2019年12月3日)
『2019年11月30日(土) 人生の最終段階における医療・ケアについて考えるイベントのお知らせ』(投稿日:2019年10月23日)
・終活フェスの内容について紹介されています。
・当日のポスター、チラシをフルサイズで閲覧できます。
なめたらあかん!風邪診療~第9回つくセミのご報告その4~
2019年12月25日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育
(たかが風邪、されど風邪、なめたらあかん!風邪診療)
「たかが風邪、されど風邪、なめたらあかん!風邪診療」を担当しました。
前半は茨城県立中央病院 研修医の巴先生が風邪診療のキホンについて、「典型的な風邪」「喉・咳・鼻メイン型の風邪」「風邪にまぎれた恐い病気」の3本立てでレクチャーをしてくれました。
後半の症例クイズでは、4つの症例についてグループごとに、患者さんは風邪なのかどうか、鑑別した方がよい疾患を想起しながら話し合ってもらいました。
各グループでは時間ギリギリまで議論が白熱し、アンケートでは「レクチャーと症例をからめて、実際に風邪と区別しなければならない疾患について考えさせられて面白かった」などの感想が寄せられました。
今後も機会をみて学生さんに伝えていきたい内容だと感じました。
坂倉明恵
会いに行ける総合医~第9回つくセミのご報告その3~
2019年12月25日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育
『会いに行ける総合医』は総合医の仕事を紹介するセッションでした
私は『会いに行ける総合医』のセッションにファシリテーターとして参加させていただきました。参加者の皆さんは主に2〜5年生の医学生でしたが、他業種の社会人の方にも数人お越しいただき、4〜5人ずつのグループに分かれて、様々な視点からの意見や質問が飛び交いました。
私のグループでは、
・総合診療医の仕事内容
・やりがいや大変さ
・総合診療という分野が今後どう日本に定着していくのか
・東京などの都市部における総合診療の役割
・総合診療が定着していない地域にはどのようにして溶け込んでいけばよいのか
などの質問が挙げられました。総合診療医1年目の私の経験から答えられる範囲には限りがありましたが、上級医の他の先生の経験談も交えてお答えしました。皆さんとても生き生きとした表情で質問されていて、予定の時間が過ぎてもギリギリまで会話が弾んで盛り上がっていました。総合診療医のイメージがより具体的なものになっていただけていたら嬉しく思います。
幸田千佳
ビジネスマナー~つくセミのご報告その2~
つくセミのご報告その1
今季のレジデント研究支援活動進めています
2019年12月22日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP
(研究とは スライドタイトル)
(抄録の書き方 スライドタイトル)
つくばでのレジデント研究支援活動は、今年で3年目を迎えました。
今年も、専攻医3年目の先生方に向けて研究発表支援活動を進めています。
今年はこれまでに以下のようなミーティングを行いました。
第1回:「研究とは」
9月の終わりに、指導スタッフの後藤亮平先生より、「研究とは」のレクチャーを行いました。
<項目>
・学術研究とは何か?
・学術研究を実施するプロセス
・今後の研究支援スケジュール
第2回:研究発表内容の確認、抄録の書き方
12月のレジデントデイに合わせて、春田淳志先生、後藤先生より研究発表する内容についての確認と共有と、小曽根より「抄録の書き方」のミニレクチャーを行いました。
<ミニレクチャー項目>
・抄録の目的
・タイトルのつけ方
・抄録の構造とそれぞれに記載すべき項目
・その他Tips
(参考資料:酒井聡樹.これから学会発表をする若者のために第2版-ポスターと高等のプレゼン技術-.2018年.共立出版株式会社.)
今後はそれぞれ、来年5月の日本プライマリ・ケア連合学会学術集会やその他の学会での研究発表に向けて、データ収集や抄録の作成を進めていく予定です。
直近では、来年1月の日本プライマリ・ケア連合学会学術集会への演題登録を目指し、抄録作成を進めることを確認しました。
来年中には全員がしっかりと発表できるよう、引き続き研究支援活動を行っていく予定です。
文責:小曽根早知子
初めてのビジネスマナー~第9回つくセミのご報告その2~
2019年12月21日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育
つくば総合診療グループが全国の医学生さんに向けてお送りする「つくセミ」今年も開催しました!
それぞれのセッションスタッフからの報告をお送りします!
「やってみよう!はじめてのビジネスマナー講習」の講師として参加しました。
このセッションでは、はじめにビジネスメールの型についてレクチャーした後、グループごとに「アポイントをとる」「見学のお礼を伝える」「行事への参加を断る」という3つのテーマで実際にメールを作成してもらいました。
まとめのレクチャーでは、各グループで作成したメールを振り返りながら、メール作成中に悩んだことや疑問点について話し合い、参加者の皆さんが同じようなポイントで悩んでいることがわかったり、状況により使い分けると便利なフレーズについて学んだりすることができました。
ビジネスマナーを身につけて、もっとコミュニケーションを楽しもう!ということを目標にしていたので、今回のセッションがそのきっかけとなれば幸いです。
最後に、企画やメールの例文作成にご協力いただいた先生方に心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。
鈴木李理
第9回 つくセミのご報告 その1
2019年12月21日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育
(参加者のみなさんありがとうございました!)
第6回つくセミで学生スタッフを務めました、筑波大学医学群医学類2年の古田奈々子です。
私は昨年参加者としてつくセミに来て、今年は初めてスタッフとして携わらせて頂きました。
今年も2セッション同時進行の3部構成となりました。
総合診療医のキャリア、終末期医療、アルコール、ビジネスマナー、医療費…など興味を引く内容が盛りだくさんでした。
私がスタッフとして参加させて頂いた風邪セッションでは、授業でなかなか習う機会のない風邪診療について、症例クイズを通して実践的に学ぶことができました。
全体交流セッションのテーマは「あなたの生きがいは何ですか?」でした。初めに学生2名、先生1名が自分の生きがいについてユニークなプレゼンテーションを披露して下さいました。人は「身近にこんなにすごい人がいるんだ!」と思うと、自分も頑張れるような気がして来るものだと思います。私も自分の学生生活について見つめ直す良いきっかけとなりました。
今年のつくセミはスタッフになったことで、一つのイベントに対していかに多くの人たちの労力や手間がかかっているのかを知ることができました。
まだまだ新米スタッフですが、来年以降もつくセミを盛り上げていけるようこれからも頑張りたいです!
最後になりますが、来てくださった参加者の皆さま、そしてお忙しいなか準備をして下さった先生方とスタッフの皆さま、本当にありがとうございました。
筑波大学医学群医学類2年 古田奈々子
1月17日(金)楢戸健次郎先生講演会のお知らせ
2019年12月10日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP
この度、ご縁をいただきまして
日本の家庭医療のパイオニアのお一人でいらっしゃる
楢戸健次郎先生に、つくばにてご講演をいただくことになりました。
・日時:2020年1月17日(金)18時~
18時~ ご講演
19時~ 質疑応答・楢戸先生を囲む会(立食形式)
・場所:18時~筑波大学地域医療システム研究棟1F シミュレーションラボ
19時~筑波大学地域医療システム研究棟2F 討議室
楢戸先生は、長く北海道にて家庭医をされた後、
2005年からネパールでの医療協力活動に従事され、
現在ではネパールと日本とを行き来されているとのことです。
日本では、全国各地の学生、医療者に向けてご講演をされています。
今回、学生さんほか医療者へ向けて
先生のご活動などについてご講演いただくことになりました。
途中参加や部分参加も大歓迎です!
会場および軽食の準備の都合上、ご参加を希望される方は
2020年1月10日(金)までに、以下のフォームにてご連絡をいただけますと幸いです。
参加登録フォーム
https://forms.gle/2GQLx2xsLFFyDtC57
みなさまのご参加を心よりお待ち申し上げております。
終活フェス『対話企画 〜人生において大切なこと あなたも話してみませんか?〜』の企画・運営を経験して
2019年12月9日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア
2019年11月30日(土)、神栖市の一般市民等を対象にした
市民公開講座『終活フェス』が開催されました。
私は、終活フェスのコンテンツの1つである
『対話企画 〜人生において大切なことあなたも話してみませんか?〜』
の企画・運営を担当しました。
このブースは、人生の最終段階の意思決定に関する話し合いのきっかけをつくる
「もしバナ」カードを用いて、参加者が、医師や看護師など医療従事者を交え、
語り合っていただくために企画されました。
現状では、一般市民が、人生の最期に大切にしたいことについて話し合う機会は少なく、
「今はその時期ではないから」、「縁起でもないから」という理由でその話題を避ける傾向が強いようです。実際に、自分の希望や価値観などについて大切な家族などの人たちと事前に話し合うことができている人は、およそ3%しかいないと言われています。
医師が開発した「もしバナ」カードの35枚には、それぞれ、
「いい人生だったと思える」、
「痛みがない」、
「家で家族とともに過ごす」、
「尊厳が保たれる」など、
人生の最期に大切にしたいと多くの人が思う事柄が書かれています。
これらのカードの中から、自分にとって特に大切にしたいカードをルールに従って集めていきます。
本ブース参加者は20名程度でしたが、参加して下さった一般市民の中には、家族ぐるみでおいでになったグループもみられ、「人生の最期に大切にしたいこと」について、楽しみながら対話されていました。
各参加者が集めたカードは、その方が歩んで来られた人生、経験、考え方、価値観、性格などが如実に反映された様で、互いの考え方の違いや多様性を感じ取っていただけたようでした。
最大100名の参加者に対応できるよう準備していましたので、神栖市内の多職種(看護師、理学療法士、ケアマネージャー、保健師、薬剤師など)、つくば総診の総合診療医、そして筑波大学の医学生ら15名以上もの関係者にファシリテーターとして協力してもらいました。
なお、つくば総診からは、舛本・孫・久野・福田・宮崎医師が協力してくれました。
参加者ならびに運営スタッフの皆様に、この場をお借りして、深くお礼申し上げます。
このような話題は、話し合う必要に迫られて行う状況では、ともすると身構えてしまい深刻な雰囲気になりがちです。
しかし、元気なうちから本人を交えて話し合うことができれば、過度に深刻にならず、むしろ楽しみながら気軽に話すことがでます。
そしてなにより、家族メンバーの互いのおもいを共有する大変よい機会となります。
私は本企画で、阪本先生と相談しながら、次のようなメッセージを伝えられるよう、繰り返し議論を重ね、企画を練り上げて当日に臨みました。
・もっと気軽に普段から話し合っていただきたいこと。
・人生の最期に大切にしたいことや優先順位は人によって異なること。
・言葉にすることで、自分の考えが深まり、よりよい価値観にも巡り合えること。
・よりよい最期を迎えるための話し合いが、よりよく今を生きることにつながること。
・気持ちは移ろい変わりゆくもので、時々話し合い、その都度確認し合った方がよいこと。
など。
一般市民の皆さんには、今回の話し合いを通して、そのことを強く実感していただけたようで、今後ご家族で語り合うきっかけになったのではないかと思いました。
この流れが広まってゆけば、よりよい最期を迎えることができる人が増えますし、よりよい人生を生きることにもつながってゆきますので、今後も「人生の最終段階の意思決定支援」について、一般市民への啓蒙に貢献する活動を継続してゆければと思いました。
神栖済生会病院 内科・総合診療科/つくば総診 海老原 稔
関連記事:
『終活フェス開催報告 第3弾「終活って、何をすればいいの?」』(投稿日:2019年12月26日)
『開催報告「終活フェス〜神栖ココでずっと暮らすために〜」』(投稿日:2019年12月3日)
『2019年11月30日(土) 人生の最終段階における医療・ケアについて考えるイベントのお知らせ』(投稿日:2019年10月23日)
・終活フェスの内容について紹介されています。
・当日のポスター、チラシをフルサイズで閲覧できます。
いってきました!ハワイ研修!
2019年12月7日テーマ:筑波総合診療グループ, 北茨城, 未来医療GP
北茨城市民病院附属家庭医療センターの高橋です。
10月29日から11月7日まで、茨城県が主催する指導医団国外派遣事業に参加してきました!
茨城県の指導医の指導能力向上の目的で、茨城県内から私も含め4人の医師が世界標準の指導・教育に取り組んでいる米国(Hawaii)へ行ってきました。
留学経験のある先生方に囲まれ、英語に自信がなかった私は直前までオンライン英会話でなんとか英語能力を少しだけ取り戻し、少しの不安と期待が入り混じりながら飛行機に乗り込みました。
7時間のフライトを経てハワイにつき、日本と違い暖かい日差しと晴れた空、ヤシの木、海を見て、不安は吹き飛びました!笑
到着し、ちょっとホテルで一服……はできません。
そのままアメリカと日本の医療保険制度の違いを学びました。
これは今まで参加した先生方もブログに書いていますので省きますが、当たり前だと思っていた日本の皆保険制度を外から比較すると、日本の良い部分や米国の医療における問題点にも気づくことができました。
海外の医療事情に疎かった自分には衝撃でした。
2日目からも盛りだくさん。研修は基本的に朝型。
6時半頃には集合し研修先に向かいます。
ハワイ唯一の医学部のあるハワイ大学では、シミュレーターを使用した教育方法のレクチャー2日間に渡ってティーチングスキルを学びました。
シミュレーターを使用したレクチャーを自分で作成し参加者同士で体験しながら学びました。単純なシミュレーションだったにも関わらず、他人を教育するために考えなければならないことが多くあり、人に体験させ学習させることの難しさを感じました。ティーチングのレクチャーでは実際に教育に関して悩んでいることも意見交換をすることができました。
指導する先生方は皆、教育者であるため、相手をモチベートする方法や相手の意見の引き出し方、学習する雰囲気づくりに長けている先生方ばかりでしたので、レクチャー自体が非常に勉強になりました。
また次の日には、ハワイ最大の病院であるクイーンズメディカルセンター病院でホスピタリストとして第一線で働いている野木先生のレクチャーをはじめ、日本からきて実際に活躍されている先生方の働く様子を見せていただき意見交換ができました。そこでは、米国の医学生のモチベーションの高さの背景や、屋根瓦式の教育の文化、教育に投資しそれを外部から評価されるシステムが根付いていることを知り非常に驚きました。
そのほかにも、日本人医師のクリニック・緊急クリニックでの診察見学、NP(Nurse Practitioner)の方との意見交換、カピオラニコミュニティーカレッジを見学し日本にはない職種(呼吸療法士やメディカルアシスタントなど)など多職種の専門教育に関するレクチャー、業務・質改善に力をいれているキャッスルメディカルセンターの施設視察、取り組みについての講演会、現地の日本人医師との交流会など毎日研修は盛りだくさんです。
研修としてこのように長い期間、海外に行く機会が初めてでしたが、あっという間の10日間でした。
今回の研修を通して、海外の医療事情やその背景にある歴史や人種の違い、医学教育の成り立ちだけでなく、海外から見た日本の良さなど新たな視点をいただいた気がします。
数あるレクチャーの中で、ある先生が「教育は一切のリターンを求めない」と話されておりました。その先生が目を輝かせながら今後の医学教育について話をしていた様子に非常に感銘を受けました。
それをみて忙しい臨床の中で、実習にきている医学生やレジデントにもう少しやれることがあるはずだよなと思い直しました。今回の経験を自分の施設に還元するためにも自分の行動をまず変えていこうと思います。
最後に、研修中サポートしてくださった茨城県県職員のみなさま、日米医学医療交流財団の皆様、おおむろさん、ガストンさんありがとうございます。
また研修中私の分もカバーしてくれた家庭医療センターの皆様にも感謝しています。
そして指導医の皆様。
この研修は特に指導医とりたての若手には特におすすめです!
長期の研修になるので、
「休みがなかなか取りずらい・・・」というのが本音だと思いますが、研修の募集が始まるのは例年春〜初夏頃です。
早めに職場に相談すればいけるはず!
ぜひ応募してみてください。
(最終日 スーパーガイド ガストンさんとハワイ最後の晩餐会)
APSAAR2019での研究発表のご報告
2019年12月6日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP
(APSAAR2019で発表しました!)
(発表の様子)
今回、マレーシアで開催されたASIA PACIFIC SOCIETY FOR ALCOHOL AND ADDICTION RESARCH 2019にて、大学院での研究内容である「The relationship between excessive drinking and depression in Japanese college students」を発表してきましたのでご報告させていただきます。
マレーシアは日本から約7時間のフライトで行くことができる、常夏の親日国の一つです。学会会場はやや郊外に位置したホテル内で行われ、日本人からのポスター発表は私だけでした。評価者からはPositiveな評価と意見をいただき、研究内容をアピールできたのではないかと思います。
日本・マレーシアを始め、アジア全体がアルコール依存症に対しての研究が進んでいないのが現状です。今後も日本からアルコール依存症に対するエビデンスが出せるように、また論文化することによって学会に参加できなかった方々にも情報の共有や利用をしてもらえるように頑張っていこうと思います。
大学院のリサーチミーティングでご意見をくださった方々には、この機会にお礼をさせていただきます。ありがとうございました。
余談ですが、発表終了後のお祝いとして吉本先生から、名店「Dragon i」での小籠包をご馳走になり、経験もお腹も満足のいった学会でした。
斉藤 剛