筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

茨城県神栖市 第1回多職種教育研修会「効果的な退院前カンファレンスとは」 その1

2018年2月2日テーマ:筑波総合診療グループ, 神栖

                        研修会の様子

茨城県神栖市 第1回多職種教育研修会「効果的な退院前カンファレンスとは」を開催しました。

神栖済生会病院内科 チーフレジデント2年の海老原です。茨城県神栖市の在宅医療の推進・普及のための取り組みの1つとして、細井先生と私とで神栖市の多職種連携に関する研修会を企画し、先日2018年1月25日に第1回目を行いました。

この教育研修会は、今年から新たに神栖市で取り組む活動の一つで、年に4回、3か月ごとにワークショップ形式で行う予定です。事前に済生会病院に隣接する訪問看護ステーション管理者、他の訪問看護ステーションの訪問看護師、近隣病院の社会福祉士、理学療法士などに協力を依頼し、多職種で構成される研修会ワーキンググループを結成しました。WGでの話し合いでは、研修会で扱うテーマとして「認知症」、「誤嚥性肺炎」、「緩和ケア」、「看取り」、「神経難病」、「リハビリテーション」、「退院前カンファレンス」等、在宅医療に携わる上で必要不可欠なテーマが挙がりました。その中で第1回目のテーマとして「効果的な退院前カンファレンスとは」を選びました。これは、カミス「ココ」でずっと会議(多職種連携会議)で今後の神栖市の在宅医療推進の解決策の一つとして提案されたテーマでもあることからテーマとして選出しました。

教育研修会本番に向けて2017年11月28日、12月19日、2018年1月16日の3回に渡って、教育研修会の進め方、提示症例の内容についてWGで話し合い、ブラッシュアップしました。多職種の役割を理解し、他の職種が欲する情報とはどのようなものなのかを参加者が自然に理解できるように内容を工夫していきました。

続きは報告 その2で!

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第2回 カミス「ココ」でずっと会議を開催しました

2017年10月7日テーマ:筑波総合診療グループ, 神栖

会議の様子

神栖済生会病院の細井です。前回2017年6月末に開催しましたカミス「ココ」でずっと会議の第2回を9月28日に行いましたのでご報告いたします。この会議は、神栖市という医療資源が非常に限られた地域において在宅医療を推進するために、多職種でその課題・解決策を探索していく目的で市と筑波大学総合診療科が共同研究として行っているものです。

前回の会議では、保健・医療・福祉・介護間の「関係」の構築およびその活用が不十分、「役割」の共有・活用が不十分、そして「情報」の共有・活用が不十分であることが主に課題として上がりました。

今回は、神栖市の在宅医療を推進するために、多職種が集まり現在の課題とその解決策について、前回の会議の内容を踏まえさらに具体的に話合うことを目的としました。

当日は、神栖市内で訪問診療を行ってくださっている診療所の先生方、神栖市内の病院の院長、歯科医師、看護師、薬剤師、ケアマネージャー、社会福祉士、PT/OTさんなど70名の参加となりました。

テーマは「在宅患者をスムーズに入院・退院させるために各職種ができること」として、職種別に話してもらい、医師には「病診連携・診診連携」について課題と具体的に解決するためにできることは何かを話し合っていただきました。ワールド・カフェという対話方式をとって、数十分の討論の後は各職種バラバラに座ってもらい意見を共有したり発展させたりして頂きました。

今回の会議のまとめ(一部)

・在宅医療を支えるために病院医療がそれを支えバックベッドとして提供していく。

・訪問診療を行っている診療所同士でグループを作り、メーリングリストやSNSを利用したり、1-2か月に1回の症例検討会を開いたりすることで情報共有システムを強化する。

既に他の医療圏ではやられていることですが、今まで医師を含めた多職種が顔を合わせる会議が無かった神栖市においては大きな一歩が踏み出せたのではないかと思います。

医療従事者数は県内、いや全国でも最も少ない医療圏ですので、逆に考えれば顔のみえる連携づくりはしやすいかもしれません。参加者からも、「いろいろな職種と話ができ、それぞれ考え方が違うので勉強になった」「明日からでもできることを自施設で実施していきたい」「多職種会議は今後も必ず参加したい」と前向きな意見が大多数でおおむね高評価を得ることができました。

今回の会議で出たことを、さらに各職種の代表者を集めたワーキンググループで具体化していくため活動を続けたいと思います。住民の皆様が、安心してカミスでずっと過ごせるように・・。

神栖済生会病院/筑波大学総合診療グループ 細井崇弘

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神栖済生会病院に行ってきました

2017年9月20日テーマ:筑波総合診療グループ, 神栖

(左から)筆者、細井先生、海老原先生

筑波大学総合診療科・利根町国保診療所の小曽根です。
先日、後期研修プログラム評価として、神栖済生会病院へ行ってきました。

つくばから車で約1時間半、利根川沿いをずーっとまっすぐ行った先に病院がありました。

ここで後期研修を行っているえびちゃんこと海老原先生と、指導医の細井先生に病院を案内してもらい、研修の様子などについても話してもらいました。

神栖済生会病院は、病床数179床で大きな病院ではありませんが、神栖市の医療の中核を担う病院であることは聞いていました。医師不足が深刻な地域とも聞いていたので、野戦病院的で医療者が疲弊しているようなイメージを勝手に抱いていましたが、大分違いました。

もちろん忙しかったり、重症だったり難しい患者さんがいて大変な場合もあるようですが、そこで働く内科の先生方はとにかく明るく楽しそうでした。一つには、現在は7人の内科医が毎朝一堂に会して内科入院患者のカルテレビューをし、夜間休日のオンコール制を実現しており、きちんとオフの時間が確保できていることが大きいようでした。

もう一つ印象的だったのは、地域で総合診療医に期待される役割の多さでした。細井先生は地域の多職種ともつながりを深め、定期的に訪問診療を開始していました。また、在宅および外来で緩和ケアを必要としている患者さんの存在にも気づき、対策を始めているとのことでした。総合医が常駐したことで、より細やかな地域のニーズにまで応えようと活動が始まっていることを感じました。地域で多職種との活動を広げていきたいと思っている人にとっては、とても魅力的なフィールドだと思いました。

さて6年目になったえびちゃん先生は、病院のあらゆるスタッフにえびちゃんと呼ばれ愛されていました。個人的には、医学5年生の実習で初めて海老原先生に会い、その後初期研修医1年目、後期研修3年目の大学研修、4年目の利根町での研修でご一緒しているのですが、今回改めてお目にかかり、どんどんと変化する様子がよく分かりました。どこでもスタッフに愛されるというのは、えびちゃん先生の人徳があってこそだと思いました。

ぜひみなさん、一度神栖に行ってみてください。茨城の他の地域とは異なった独特の地域性があり、地域志向のプライマリケア医にとっては大変魅力的に映ると思います。

神栖済生会病院ホームページ
http://www.kamisusaisei.jp/index.htm

文責:小曽根早知子

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「カミス『ココ』でずっと会議」開催しました!

2017年7月25日テーマ:筑波総合診療グループ, 神栖

会議の様子

神栖地域医療教育センター・神栖済生会病院の細井です。神栖市で、在宅医療を推進するために、「カミス『ココ』でずっと会議」を開催しましたので、報告します。

神栖市は人口10万人あたりの医師数が全国でも最も少ない地域の1つである鹿行地区に位置しています。訪問診療を行っている医師数も限られており、在宅療養をしている患者さんの数は、全国平均の1/10と圧倒的に供給体制が不足しています。国策により、「病院医療から在宅医療へ」の流れが押し進められるなか、このままでは、患者さんが住み慣れたまちでいつまでも暮らし続けることができなくなる可能性が高いと考えられます。

そこで、「神栖市でずっと暮らし続けるために、少ない医療資源の中でどのようにすれば在宅医療を維持・推進できるか、そのための課題・実現可能な解決策は何かを多職種で考えていこう!」というコンセプトの下、多職種連携会議を2017年6月末に開催しました。

※カミスココくん、というゆるキャラにちなんで会議名を決定しました。

カミスココくん ©神栖市

当日は実際に地域で働く医師や、訪問看護師、ケアマネージャー、薬剤師、理学療法士/作業療法士、ソーシャルワーカー、栄養士さんなど総勢80名を超える皆さんが参加してくださいました。

内容としては、神栖市内で在宅医療を行う上での困難・課題について、ワールド・カフェ方式で話し合いました。多職種で話合うことで、様々な課題が見えてきました。
例えば、「(在宅希望の患者がいるとき)どこに相談すればいいのかわからない」「導入前の職種間の情報共有が不足している」「在宅医療の知識が不足している」「少ない医師の中で365日24時間体制は難しい」などなど。それに対する具体的な解決策についても話し合いました。

開催後のアンケートでは、「多職種で話合い、理想ではなく、この今の神栖市の状況で実現可能な解決策を考えていくのは「チーム」という一体感がある」と、とても高評価を頂けました。今後さらに運営方法をブラッシュアップしていきたいと思います。
今回の会議では、在宅医療を導入する時期に困る事について議論しました。今後は年に4回の頻度で、在宅医療の維持期や市民への啓蒙についても課題や解決策を多職種で考えていく予定です。

本事業は、神栖市からの委託事業として行っています。多職種で考えた課題、それに対する実現可能な解決策を、行政と連携して次年度以後に実際に行い、どのように多職種の考え方・働き方が変わるか、さらにそこでみえてきた課題を見つけ、改善していく。その一連の過程を、アクションリサーチという研究方法で、分析していく予定です。それぞれの職種へのインタビュー調査も随時行っていきます。

何より患者さんたちが希望の場所で長く療養できるように、少しずつでも神栖市に「変化」が起きればいいと思っています。

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