筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

家庭医の役割とは~楢戸健次郎先生講演会と地域医療実習から見えてきたこと~

2020年1月25日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 神栖, 未来医療GP, 医学教育

収録内容は一般公開されておりません。恐れ入りますが、どうぞご了承下さい。

2020年1月17日に筑波大学にて楢戸健次郎先生の国際医療についての講演会を開催しました。
この投稿はその企画者である筑波大学医学類5年 上原智之さんからいただきました。

“楢戸先生がネパールで医療行為をするのにどんな資格が必要でしたか?”
“私は医療行為はしてませんよ!”

私が楢戸先生の講演会に無意識に想定していたのは、ネパールでの家庭医の役割、診療風景、海外で医師として働くのに必要なスキルといったことでした。ところが先生はいわゆる”医療行為”や”診療”の話はあまりしませんでした。なぜ医師としての資格があるのに水道を作る話をするんだろう?ネパールの文化や食や人の魅力や宗教や、これって医療の話だっけ?でもとても詳しいのはなんでだろう?

私は講演会の次の週に茨城県神栖市で家庭医の先生の働き方をみてきました。今回の講演会とあわせて考えてみると、医師免許が必要な仕事のほかに役割がたくさんあったことに気づきました。病院での医療行為の多くはあくまで病気になってしまった人への医療です。市の健康レベルを引き上げようと考えるなら、その上流にある根本的な原因、喫煙や食生活、そもそもどんな地域の特性があってどんな暮らしをしているんだろう、というところから注目する必要があります。地域診断という考え方です。

楢戸先生の講演に医療のピラミッドの話がありました。大学病院の3次医療を頂点に、市中病院での2次医療、プライマリーケア、セルフケアと続きます。授業で教わるのはここまでだけど、その下を何が支えているか。
それはインフラ、さらに下には教育・栄養、そして一番下の土台になるのは平和だ、という話でした。
震災の時を考えればたしかに平和って大事だし、どんな治療薬の開発よりも水道が普及したことで大きく平均寿命が伸びたことを思い出せば、たしかにその通り。

もし家庭医のカバーする範囲を、ピラミッドでのプライマリーケアより下の範囲とするのなら、家庭医に必要なのは自分の診る地域で何が必要なのかを、医師の視点から考えることだろうと思いました。楢戸先生がネパールの文化に詳しいのは、単に長く住んでいるからだけではなくて、その地域で医療に対してどんな需要があるかをしっかり把握するために必要だったからではないかと思います。インフラの十分でないネパールのある地域ではその整備に関わる。むしろ道路も整備された都市部では大気汚染に関わることが大切かもしれない。それも問題ない東京都心での家庭医の役割は?僕にはまだ分かりません。
こうやって家庭医の役割について考えると、都心でも田舎でも、国内でも海外でも、働き方は全くといっていいほど違いますが、根底にある考え方と目標は同じなのかもしれないと思います。
ネパールという地域に馴染んで溶け込んで力になっている楢戸先生がとてもかっこよく見えた講演会でした。

(筑波大学医学類5年 上原智之)

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知ってるようで知らない、お酒の話~第9回つくセミのご報告 その5~

2020年1月7日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育

(問題飲酒、みなさんはしていませんか?)

知ってるようで知らない、お酒の話 ~自分自身の飲み方から、患者さんの指導まで~ は飲める講師と飲めない講師がセットでお送りするとの売りで開催されましたが、「飲める講師」として、実臨床のこと、問題飲酒の評価方法などのレクチャーを行いました。

 私のレクチャーもさることながら、「飲める講師」川井田先生がご自身の研究テーマである学生のbinge-drinkingについて、「飲めない講師」吉本先生が北茨城での先進的な取り組みである飲酒量低減外来での取り組みについて、とても充実したお話しをしていただき、なんと参加者全員から事後アンケートで「とても面白かった」との評価をいただきました。
 参加者の皆さんはとても熱心に聞いていただいたと思いますし、質疑応答も大変活発でした。ご自身や身の回りのことにも、臨床でやるべきこと、考えるべきことにも思いをはせることができたのではないかと思います。

文責:中野

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なめたらあかん!風邪診療~第9回つくセミのご報告その4~

2019年12月25日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育

(たかが風邪、されど風邪、なめたらあかん!風邪診療)

「たかが風邪、されど風邪、なめたらあかん!風邪診療」を担当しました。
前半は茨城県立中央病院 研修医の巴先生が風邪診療のキホンについて、「典型的な風邪」「喉・咳・鼻メイン型の風邪」「風邪にまぎれた恐い病気」の3本立てでレクチャーをしてくれました。
後半の症例クイズでは、4つの症例についてグループごとに、患者さんは風邪なのかどうか、鑑別した方がよい疾患を想起しながら話し合ってもらいました。
各グループでは時間ギリギリまで議論が白熱し、アンケートでは「レクチャーと症例をからめて、実際に風邪と区別しなければならない疾患について考えさせられて面白かった」などの感想が寄せられました。
今後も機会をみて学生さんに伝えていきたい内容だと感じました。

坂倉明恵

会いに行ける総合医~つくセミのご報告その3~

ビジネスマナー~つくセミのご報告その2~

つくセミのご報告その1

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会いに行ける総合医~第9回つくセミのご報告その3~

2019年12月25日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育

『会いに行ける総合医』は総合医の仕事を紹介するセッションでした

私は『会いに行ける総合医』のセッションにファシリテーターとして参加させていただきました。参加者の皆さんは主に2〜5年生の医学生でしたが、他業種の社会人の方にも数人お越しいただき、4〜5人ずつのグループに分かれて、様々な視点からの意見や質問が飛び交いました。

 私のグループでは、
・総合診療医の仕事内容
・やりがいや大変さ
・総合診療という分野が今後どう日本に定着していくのか
・東京などの都市部における総合診療の役割
・総合診療が定着していない地域にはどのようにして溶け込んでいけばよいのか

などの質問が挙げられました。総合診療医1年目の私の経験から答えられる範囲には限りがありましたが、上級医の他の先生の経験談も交えてお答えしました。皆さんとても生き生きとした表情で質問されていて、予定の時間が過ぎてもギリギリまで会話が弾んで盛り上がっていました。総合診療医のイメージがより具体的なものになっていただけていたら嬉しく思います。

幸田千佳

ビジネスマナー~つくセミのご報告その2~
つくセミのご報告その1

 

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初めてのビジネスマナー~第9回つくセミのご報告その2~

2019年12月21日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育

(初めてのビジネスマナー講習の様子)

つくば総合診療グループが全国の医学生さんに向けてお送りする「つくセミ」今年も開催しました!
それぞれのセッションスタッフからの報告をお送りします!

「やってみよう!はじめてのビジネスマナー講習」の講師として参加しました。
このセッションでは、はじめにビジネスメールの型についてレクチャーした後、グループごとに「アポイントをとる」「見学のお礼を伝える」「行事への参加を断る」という3つのテーマで実際にメールを作成してもらいました。
まとめのレクチャーでは、各グループで作成したメールを振り返りながら、メール作成中に悩んだことや疑問点について話し合い、参加者の皆さんが同じようなポイントで悩んでいることがわかったり、状況により使い分けると便利なフレーズについて学んだりすることができました。
ビジネスマナーを身につけて、もっとコミュニケーションを楽しもう!ということを目標にしていたので、今回のセッションがそのきっかけとなれば幸いです。
最後に、企画やメールの例文作成にご協力いただいた先生方に心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。

鈴木李理

つくセミのご報告 その1はこちら!

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第9回 つくセミのご報告 その1

2019年12月21日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育

(参加者のみなさんありがとうございました!)

第6回つくセミで学生スタッフを務めました、筑波大学医学群医学類2年の古田奈々子です。
私は昨年参加者としてつくセミに来て、今年は初めてスタッフとして携わらせて頂きました。

今年も2セッション同時進行の3部構成となりました。
総合診療医のキャリア、終末期医療、アルコール、ビジネスマナー、医療費…など興味を引く内容が盛りだくさんでした。
私がスタッフとして参加させて頂いた風邪セッションでは、授業でなかなか習う機会のない風邪診療について、症例クイズを通して実践的に学ぶことができました。

全体交流セッションのテーマは「あなたの生きがいは何ですか?」でした。初めに学生2名、先生1名が自分の生きがいについてユニークなプレゼンテーションを披露して下さいました。人は「身近にこんなにすごい人がいるんだ!」と思うと、自分も頑張れるような気がして来るものだと思います。私も自分の学生生活について見つめ直す良いきっかけとなりました。

今年のつくセミはスタッフになったことで、一つのイベントに対していかに多くの人たちの労力や手間がかかっているのかを知ることができました。
まだまだ新米スタッフですが、来年以降もつくセミを盛り上げていけるようこれからも頑張りたいです!

最後になりますが、来てくださった参加者の皆さま、そしてお忙しいなか準備をして下さった先生方とスタッフの皆さま、本当にありがとうございました。

筑波大学医学群医学類2年 古田奈々子

 

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RCGPの指導医講習会を受講してきました

2019年11月27日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP, 医学教育

2019年11月18日~22日の5日間、英国Royal Cplledge of General Practitioners(RCGP/英国家庭医療学会)主催の指導医講習会が日本で初めて開催され、参加してきました。教育に熟達した2名のGeneral Practitioner(GP)指導医が来日し、合宿形式で行われた指導医講習会の様子を紹介したいと思います。

参加者集合写真

全国各地から約30人の参加があり、筑波大総合診療グループでは3人が参加しました(片岡、小野間、細井)。

英国の家庭医の役割、専攻医の研修方略の講義から始まり、イギリスにおける総合診療・家庭医療の歴史の長さ、それがしっかりとした教育・評価システムで行われていることに驚嘆し、日本との相違がより理解できました。

その後、少人数のグループに別れて、カリキュラム、評価方法、成人学習・教育、フィードバック技法、診療技法の教育方法、リーダーシップ論、困難を抱えた学習者の評価・教育方法をinteractiveに学んでいきました。

ディスカッションの様子

どれも非常に興味のあるコンテンツでしたが、最も印象に残っているのが教育方略、評価に関する講義です。まず「どのような専攻医を育てたいのか」を描いて方略を練り、適切なタイミングで、適切な評価方法を用いて専攻医を導くことは非常に基本的なことですがそれが出来ているのか、省みる良い機会となりました。そして学習者の成長・学習の過程に様々な教育に関するフレームワーク、理論があることを学べたことは今後の専攻医教育に非常に役立つものとなりました。

休憩時や食事の際も参加者同士で意見交換を行い、それぞれの施設の強み・弱みや悩みを共有し、。全国の熱意のある指導医と交流できたのは良い経験となりました。

この経験をもとに、筑波大学総合診療グループの研修カリキュラムをさらにブラッシュアップしたいと思います。そして、英国家庭医療の質に見劣りしない、魅力ある学習環境を提供していきたいと思います。

神栖地域医療教育センター・神栖済生会病院 細井崇弘

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茨城県立日立第一高等学校で講演をしました

2019年11月24日テーマ:筑波総合診療グループ, 北茨城, 未来医療GP, 医学教育

 

(日立第一高校での講演の様子)

 

大澤@北茨城市民病院です。

茨城県立日立第一高等学校の医師志望の高校2年性11名対象に、
お話をさせていただく機会があり、1時間ほど話をしてきました。

茨城県含め日本の医療の現状や訪問診療についてなどクイズを出したり、
講師自身の医師になりたいと思った経緯や医学生の生活、そして今家庭医として何をしているかを話をさせていただきました。

質疑応答の時間を長くとりましたが、参加者全員や先生方も質問をしてくれて、時間が足らないくらいでした。

将来のことを真剣に考えている学生さんに良い刺激をもらった1時間でもありました。

学生さんからの感想を一部転載します。
・ 医者ではない職種の人たちとも関わっていることは知っていたが,他の多くの職種を知ることが出来て良かった。世界的な視野をもって他の多くの人ともコミュニケーションをとることが重要だと思った。
・ 医師だけでなく多くの医師に関わる職業を知ることができ,やはり医師は人と深く関わる職業であるということを再認識できた。
・印象に残った言葉は、医者の価値は卒業した大学ではなく,患者さんにどう思われているかで決まる。 患者さんの健康は心から。みんなが幸せになる落としどころを見つける
・ 今回の講義を聞いて、総合診療医(家庭医)について詳しく知ることが出来ました。前回も総合診療医の講義を聞いたのですが、それからずっと総合診療医に興味があったので,今回の講義で医師になるまでの道のりや苦労したことなどを聞き,とてもためになりました。
・ 今回の講義を聴いて、家庭医という職種を初めて知り、色々な知識を持っていて、誰とでも相談にのるこの職種に魅力を感じた。
・ 家庭医というものは最初、家庭の事しか関わらないのではないかと思っていたが、街というスケールまで関わっているということを聞いて、びっくりしました。また,勉強をすることを幸せに思ったことがなかったので、世の中には勉強も出来ないで苦しんでいる人もいるので、もっと幸せに思って、勉強の仕方を考え直してみたいと思った。

高校のHPにも載せていただきました!
http://www.hitachi1-h.ibk.ed.jp/?page_id=246#R010918

文責 大澤

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産業医交流会&勉強会 in 鹿島製鉄所

2019年9月6日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 北茨城, 神栖, 未来医療GP, 地域包括ケア, 医学教育

北茨城市民病院で勤務中の宮﨑です。

 

8/31(土)-9/1(日)に、日本製鉄(株)鹿島製鉄所主催(つくば総診等協力)で行われた、
『交流会を兼ねたリアル版 産業医勉強会(第2弾)』に参加しました。

 

非常に素晴らしい企画でしたので、参加した感想を皆さんと共有します。

 

交流会&勉強会には、「産業医って実際にどう働いているの?」と関心のある私の様な初学者や、
「産業医経験がない医師や産業医経験が少ない医師」、「日々の産業医業務における疑問を意見交換したいベテラン産業医」まで幅広く参加されていました。

 

私が参加した理由ですが、外来では、禁煙指導の際に会社での喫煙環境が妨げとなっている患者さんや、
適応障害・抑うつで職場環境の調整を要する患者さんを担当しており、以前より産業医との連携の必要性をしばしば感じていました。
しかし、患者さんから「嘱託の先生で普段いないから、、、」と言われることも多く、連携方法が分からずにいました。
そのため、産業医の役割・業務内容について知ることで、より良い連携をとりたいと思っていましたので、それが参加のきっかけでした。

 

 

勉強会の内容ですが、

初日は鹿島製鉄(従業員は3,000人、出入りしている関連会社含めて1万2千人、東京ドーム220個分の敷地)の工場見学を田中 完先生(鹿島製鉄 安全健康室主幹 産業医 指導医)にご案内いただき、

2日目は外部講師の福田 洋先生(順天堂大学 総合診療科 先任准教授、さんぽ会(産業保健研究会)会長、産業医 指導医としてもご活躍)をお招きしての講演があり、国際学会での産業医の動き、日本での健康経営・ヘルスリテラシーについてのお話がありました。

 

また、懇親会では、参加者と自由にお話できる時間が多く取られており、産業医との連携などで疑問に感じたことを質問しました。

 

勉強会を通して、1)工場見学の面白さ、2)総合診療の幅が広がる「産業医」の可能性を感じました。

 

  • 工場見学の面白さ:

 

工場見学は「銑鉄(Iron)」を「鉄鋼(Steel)」にするための鉄鋼工場、鉄鋼の板を引き延ばして板にする熱延工場を見学しました。
大規模な機械が動いている様子を間近に見学でき、大人の社会科見学の様な楽しい見学でした。
見学中も田中先生が解説をされ、会社の概要や、業務内容、各業務で注意している点など、
業務の全てを把握されていることを感じました。

 

  • 総合診療の幅が広がる「産業医」の可能性:

 

総合診療医の幅が広がる理由は、外来で問題となる会社での喫煙問題、熱中症、飲酒について、
産業医も企業と連携しながら従業員の健康意識の改善への取り組みなどを行っている点を学べること。
また、企業に勤務している世代では糖尿病や高血圧の半数以上は診療所・病院に受診していないという衝撃的な事実や、そうした世帯の健康を守る産業医の重要性を強く感じました。
地域を診るために、産業医との連携の重要性を感じました。

 

非常に刺激を受けた交流会&勉強会であり、「産業医って普段どう働いているの?」という人や、
「認定産業医の資格はあるけど、どうしたら良いの?」という人には、気軽に参加出来る会ですので、
おすすめしたいと思いました。

 

参考情報:
『交流会を兼ねたリアル版 産業医勉強会(第2弾)』イベントページ
https://www.facebook.com/events/454032948488685/?active_tab=discussion

文責 つくば総診スタッフ医師 宮﨑 賢治

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家庭医療学夏期セミナー 意思決定支援ワークショップ

2019年8月24日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP, 医学教育

(19名の参加者が集まりました)

後期研修医1年目の鈴木李理です。
先日湯河原で行われた学生・研修医のための家庭医療学夏季セミナーに講師として参加させていただきました。

意思決定支援をテーマとしたワークショップ形式のセッションで、医学生や研修医はもちろん、看護師や薬剤師、保健師、理学療法士など様々な医療職を志す学生さん総勢19名に参加いただきました。

企画の内容は、誤嚥性肺炎のため入院した、今後の経口摂取が困難と思われる高齢女性について、自分が家族だったらどうするかを考え、グループで話し合ってもらうというものでした。また、栄養投与方法について学んでもらうため、経管栄養・中心静脈栄養・経口補助食品が実際にどのように使用されているのかを、3つのブースに分かれて解説し、実際にデバイスに触れてもらいました。

(鈴木先生のブースの様子)

私は経管栄養のブースを担当し、NGチューブや胃瘻造設キット、半固形栄養剤と加圧バックを示しながら、紙芝居形式でスライドをめくり説明しました。学生さんたちはNGチューブの太さに驚いたり、栄養剤の成分表示を確認して1日にどのくらい必要なのかを考えてみたりと、興味津々の様子でした。他のブースでも、CVカテーテル挿入の流れを動画で説明したり、実際に経口補助食品を試食してもらったりするなど、五感を使って学んでもらいました。

(中心静脈カテーテルのブース)

(経口摂取のブース)

その後のディスカッションでは、デバイスの説明前と比べてより活発に意見が出るようになり、症例に対してより具体的なイメージを持つことができたようでした。最後に木村先生より、意思決定支援のプロセスや、医療者も迷いながら患者さんや家族をサポートしていくこと、多職種連携が重要なこと、またAdvanced Care Planningについてもお話をしていただき、セッション終了となりました。

私は今回が初めての夏季セミ参加でしたが、自分自身もスライドの作り方やプレゼンの話し方など、多くのことを勉強させていただきました。今回の企画が成功したことは、チームリーダーの木村先生をはじめ、チームの先生方が会議を重ねて綿密に計画を立てておられたことが大きな要因と思います。今後も機会があれば参加したいです。ご指導をいただいた先生方、また参加してくださった方々、スタッフの皆さま、本当にありがとうございました。

後期研修医1年目 鈴木李理

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