リハビリテーションワークショップを開催しました
2022年7月2日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP, 医学教育
(今回はリハビリテーションについてのワークショップでした)
(参加者の皆さま、ありがとうございました!)
6月18日にリハビリをテーマにオンラインワークショップを開催しました。
ワークショップのテーマは「リハビリセラピストが患者・家族をどのような視点で見ているかを学び、実践しよう」というものでした。
前半は模擬患者さんを医師が訪問診療する様子を写した動画をもとに「どんな診察をしていたか?」を振り返るグループワークでした。動画の中で医師は病気の症状についてポイントを抑えて聞いていました。一方で生活の様子については「困っていることはない?」といった曖昧な質問しかしておらず、十分な情報が得られていませんでした。良いことではありませんが、私が今訪問診療をしたらこうなっていただろうなと動画の医師に共感しました。
後半の動画ではリハビリセラピストが実際に聴取して行ったことが動画で流れました。具体的にどんな生活をして、どんなことに困っているのかを把握し、その困難を解消すべく介入を行う姿に目から鱗が落ちる思いでした。
リハビリセラピストと医師、2つの視点を持てるようにすることを個人的な目標としてワークショップに参加しました。
学んだことを以下に共有します。
・セラピストの視点
・患者さんの1日の生活を細かく想像できるように
(1)人(患者本人)
発言から他人との関係性を把握する
(いつも~~してもらっているのよ→相互依存関係にある人がいる)
生活動作:何をするときにどう動くか?
ADL、IADLを『具体的な行動とともに』把握する
(2)場所
過去に転倒した場所はないか、転倒しそうな場所はないかなど家屋の構造上の問題を把握する
(3)物
家においてあるもの、持ち物から患者さんの歴史を読み解く
例:写真から家族のこと、おいてある差し入れから周囲やコミュニティとの関わりについて想像する
→結果として『生活と環境の相互性の理解や適切な介入が行える』
・医師の視点
(1)原疾患の進行+合併症の有無の確認
(2)薬剤は適切かの判断:原疾患や今後の予後や患者の希望などから適切な薬を選択する
(3)在宅療養のゴールはどこか:家族会議は行っているか?アドバンスド・ケア・プランニングなど
今回のワークショップはリハビリセラピストが具体的にどんな介入をしているのかを知ることができる貴重な機会となりました。ワークショップを通じて、リハビリセラピストがどのような視点を持って活動しているのかをイメージすることができ、それを自分自身の診療にも取り入れようと考えることができました。
(後期研修1年目 山田辰樹)