筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

ACP日本支部年次総会 参加報告

2017年6月10日テーマ:筑波総合診療グループ

学会ホームページより

6月10日~11日、ACP(American College of Physicians)日本支部総会に参加しました。

私は今回、セッション「クリニカルクエスチョンを解決し、実臨床に活かすテクニック-MINDSガイドライン作成に至るまでの基礎」のファシリテーターを、聖マリアンナの藤谷先生の下で務めました。

90分のうち、50分がグループワークでした。システマティックレビューを作成する過程で行う1つの論文の評価を指導しました。普段JHN-JCで行う批判的吟味と類似の内容です。使用論文はSPRINT試験(NEJM 2015;373:2103-16.)でした。評価項目はリスクオブバイアス、非直接性、アウトカムです。

事前準備では、どう論文に書き込み・マーカーを加えたら、短時間でバイアスに注目できるかに苦心しました。また、改めてJAMAユーザーズガイドやGRADE systemを勉強する機会になりました。

当日はバイアスの説明まで踏み込んだ結果、タイムスケジュール通りにいかず、約5分を残してワーク終了になってしまったのが悔やまれます。それでも受講者の学びに繋がったと、彼らの表情から読み取れたので良かったです。

ジャーナルクラブはもう10本以上作成指導を続けてきましたが、今回そのワークも経験することで、自分の理解が深まり、教えることは学ぶことだと実感しました。

このセッション運営のそもそもは、Mindsガイドライン促進プロジェクトへの参加がきっかけです。

Mindsの目標は「質の高い医療の実現を目指して、患者と医療者の双方を支援するために、診療ガイドラインと関連情報を提供すること」です。今後ガイドラインが普及するように、外来中に容易に参照できるクリニカルクエスチョンとその回答を、同世代のメンバーと順次作成していく予定です。

また、この縁で9月のJHNセミナ@東京医療センターでは、1テーマのレクチャーを担当する機会をもらいました。

東京ベイ研修(PGY7)、J Hospitalist Network(PGY7)、ACP京都(PGY7-)、Minds(PGY10-)と良いキャリア・人脈のつながりを感じています。

五十野博基