アジア太平洋医学教育学会(APMEC)に参加して
2017年1月18日テーマ:筑波総合診療グループ
総合診療科のお世話になっている先生に「海外に行ったことないならば、今後のキャリア形成のためにも、海外の学会へ視察してみてはどうか」というご提案をいただき、シンガポールで行われたアジア太平洋医学教育学会(APMEC)に1月13日(金)、14日(土)に参加してきました。
その際考えたことは、「海外の学会というのはネイティヴスピーカーの集まりで、話し合いの内容も専門的で自分には全く理解できないかもしれない」という不安と、「いつかは研究を行い、海外での発表や留学のキャリア形成の一助にしたい」という希望でした。初期研修医の指導をする現場が多く、医学教育という分野自体も興味があり、最終的には希望が打ち勝ち、参加を決意しました。
セミナーで特に印象に残ったのは、「医療者のWell being」についてのセッションでした。米国やシンガポールでも医療者の50%以上が燃え尽き症候群や抑鬱状態の経験があるということが問題となり、原因としてはmoral distressが多いと考えられているようでした。シンガポール人の発表者は、研修医にアンケートを行ったところ、支えとなったのは精神的に安心感を感じる研修を送れることという返答が多く、そのような教育を目指すことを提案していました。今後自分が指導する際も、教育を受ける側のストレス状況の確認や、精神的な安心感の有無というものを如何に感じてもらうかなどを意識しようと思いました。
また、学会終了後はジャパンナイトという、日本人の医学教育を専攻している医療者間での懇親会にも参加し、日本の医学教育の現状やキャリアを積む方法など、先んじて医学教育を学ばれている先生方の貴重な考え・体験をうかがうことができました。
文責:宮﨑 賢治