大和クリニック 多職種勉強会の紹介
2016年7月10日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 大和クリニック
今回は、私が所属している大和クリニックで行っている多職種勉強会について紹介させていただきます。この勉強会は、周辺地域の医療・介護スタッフに向けて「在宅医療に役立つ知識やスキルを学ぶこと」を目的として毎月1回開催されます。毎回、様々な事業所・病院・行政などから幅広い職種の方々に参加していただき、顔の見える関係を築く場となっています。
6月は、認知症患者さんに対するケアとして「ユマニチュード」の勉強会を行いました。「ユマニチュード(Humanitude)」とは、フランスで開発された、知覚・感情・言語による包括的コミュニケーションに基づくケアの技法です、この技法は、認知症患者さん、そして全ての方へ「あなたは大切な存在です」というメッセージを伝えることに焦点を当てた方法です。勉強会の前半では、デモンストレーションとロールプレイを行い、「患者さんと目線を合わせること」や「触れるときは、つかむのではなく、支えるように」などの基本的なケア技法や考え方を学びました。そして後半は、実践的な食事・清潔・歩行の介助方法をDVDを用いて紹介しました。
当日は、訪問看護師、薬剤師、ヘルパー、ケアマネージャー、保健師など様々な職種の方が40名近く参加されました。特に盛り上がったのは、クリニックの看護師さんによるデモンストレーションで、食事の介助を拒否する患者さんに対し、「ユマニチュード」を導入することで心の交流が生まれ、患者さんとの関わりが劇的に変わる様子が再現された場面です。
今回の多職種勉強会を通して、「ユマニチュード」をキーワードに、これまでの日々の実践を振り返り、多様な視点からの意見を共有できました。今後も勉強会を通じて、職種の垣根を越えた関係性を築き、地域を支える在宅医療への取り組みを続けていきたいと思います。
後期研修医3年目 久野 遥加