海外シンポジウムに参加してきました
2016年5月24日テーマ:筑波総合診療グループ
2016年5月14日にシンガポールで開催されました、The 3rd Japan-Singapore Inter-Professional Collaboration Symposium(JSIP)参加させていただきましたので報告します。
JSIPとは、これから日本を追いかけるようにして「高齢社会」に突入することが予測されているシンガポールと日本が共同して、各国における他職種連携や患者ケアをより良いものにすることを目的に開催されているシンンポジウムです。
今回で3回目のとなるJSIPのテーマはSustainable Health for Aging Population 〜Community-Based Integrated Care〜でした。200名を超えるシンガポール国内の家庭医やMSW、リハビリスタッフ、看護師の方々が参加していました。
日本とシンガポールそれぞれから、家庭医や公的機関で政策立案に関わる医師の先生方がシンポジストとしてお話をされていました。高齢社会は日本だけの現象ではなく、アジア諸国や他の地域の各国でも近い将来に確実に迎える社会だと言われています。
医療情勢や保険体制、文化背景は違えど、この「高齢社会」という共通する現実に立ち向かうため、日本の医師としてできることは何かを考えさせられる、とても貴重な機会となりました。
(シンポジウムの詳細はこちら)
すべての内容をなかなか紹介しきれませんので、シンポジストの先生方の発表から、印象に残った言葉をいくつかご紹介したいと思います。
「エビデンスに基づいて、高齢社会への政策を作っていくために、高齢社会のトップを走る日本が果たすべき役割は大きい。介護予防やADLを上げるための様々な取り組みに関してもどんどん実践・研究し、エビンデンスを出して、世界に発信していくことが求められる。」
(感想:大学という教育・研究機関だからこそ積極的に果たす役割だね、と一緒に参加した前野教授から背中を押されました!頑張ります!)
「高齢者のQOLをあげるためにはIBASHOが必要。シンガポールでもそれを作るような政策を実行していく。」
(感想:シンガポールのシンポジストの方がIBASHO=居場所という言葉を使われているのが印象的でした。)
「日本の高齢者の中ではPPKが良いとされている。つまりは、Pin-pin-kororiです。」
(感想:亡くなる直前まで元気でいることです、とシンポジストの先生が紹介され、会場が「おーっ」どよめいていたので印象的でした。 )
「小医でも、中医でも、大医、どの立場においても家庭医が果たす役割は大きい。」
(感想:日本語では、上医は国を医し、中医は人を医し、下医は病を医すと言われていることと同義と思います。どの立場になるにも、まだまだ研鑽が必要ですが、大中小医のどの視点も持ち、必要とされるそれぞれ場に応じて、それぞれの視点で力を発揮できる医師でありたいと思いました。)
以上です。
送り出してくださった、大学スタッフの皆様、研修先の病院の先生方には大変感謝しております。ありがとうございました。
(チーフ1年 大澤さやか)