筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

卒業セミナーがありました!

2016年1月26日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 未来医療GP

スタッフの春田です。

2015年4月から大学に所属するようになり、初めてのブログ投稿です。
今回は2016年1月23日~24日に筑波の卒業セミナーにスタッフやタスクとして関わった経験を一部共有させていただきます。

 

つくばの卒業セミナーは後期研修医の卒業記念を含んだつくば組の年1回のお祭りだと秘書さんから聞きました。
そんなざっくりした説明を受け、五十嵐先生をリーダーとして、廣瀬由美先生、小曽根先生、荻野先生、高橋先生、海老原先生、大澤さやか先生、
微力ながら私も運営スタッフとして準備を重ね当日を迎えました。

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23日は筑波全体の組織のプロジェクトグループの今年度の進捗と来年度にむけての共有、そしてポートフォリオを使った振り返り(Reflection)についてWS(ワークショップ)を行いました。
WSは高橋先生が2日間夜なべして作成した研修医が抱えるポートフォリオの「もやもや」を表現した爆笑映画パロディから開始しました。その後、大澤先生のポートフォリオを提示し、私と大澤先生とで振り返りのデモンストレーションをして、その後指導医と研修医に分かれてグループディスカッションを行いました。
振り返りはそのプロセスの中で事象の理解を深め、同時に視野を広げる経験になること、それを対話で働きかけていくことを感じてもらえていればよかったな~と思います。市川先生からは「患者さんのやり取りにも使えますね」とフィードバックを頂きました。

そして、筑波山の麓にあるホテルでの宴会に続きました。改めて研修医のエネルギーに圧倒され、もう若くないな(笑)と改めて感じました。
朝、初めて見る2峰の筑波山の美しさにもバスの中で見とれてしまいました。

 

24日はEgg fly gameというチームや組織を振り返るWSを行いました。
これは私がやってきた鉄板ネタで、山本先生と一緒にタスクを担いました。
2mの高さから卵を割らないように、風船やタコ糸などを使ってチームでどう動くか、それをビデオにとっておいてチームダイナミクスを振り返るというワークです。
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チームによっては皆が立ち上がって試行錯誤しながらすすめるチーム、作戦の意図を共有する絵コンテを作成するチーム、アイディアが次々とつながっていくチームなど個性が光っていました。
組織やチームは多様な役割が必要となります。それは個人の特性・役職だけでなく、関係性やそれまでの醸成された暗黙の了解なども全体のパフォーマンスに影響します。
振り返る時間が足りなかったのが反省点ですが、見ているようで見ていなかった他者の存在に気付いた上田先生のセンス、さすがでした!

 

昼は今年レジデント卒業の伊藤先生、稲津先生、細井先生の振り返りでした。
伊藤先生の秀逸な短歌から始まり、稲津先生の山本先生の誘いから始まった各ローテーションの思い出、細井先生の地域づくりへの思いなど各々の個性が垣間見える印象的なプレゼンテーションでした。
そして、前野先生から修了証を受け、現在チーフ1年目の東端先生、斉藤先生、荻野先生より先輩方に記念品を渡し、世代がつながっていく瞬間でした。

午後はCSA(Clinical Skill Assessment)という研修医の模擬患者(SP)さんを対象にした模擬診察の評価と、Key featureという臨床マネジメントで重要な要素を評価する知識領域のテストを実施しました。
特にCSAは小曽根先生と半年以上前から準備し、研修プログラム4年間での評価の青写真から作成し、多くの指導医にシナリオ作成を依頼し、つくばSPさんとの練習も重ねて本番に臨みました。
宮崎先生や久野先生からは自分の足りないところだけでなく、自分では気づきにくいいつも通りやっている良い面を認めてもらったことがとてもうれしかったという感想がもらえました。
高屋敷先生や廣瀬由美先生は研修医の成長を実感できたこと、そこに関わることができた喜びを共有してくれました。
また、高齢者のAdvanced planningという難しいシナリオで高いパフォーマンスを実践できた高橋聡子先生、任さやか先生が全体で表彰され、ともに具体的で見通しのある情報提供を患者との関係性を構築しながら実施できていたことが優れていたというフィードバックでした。

 

全体を通してですが、私自身も4月から大学に入ったものの、大学以外のことはほとんど知ることもなくすごしていたのでつくば組という組織を多くの人を介して知ることができたことが大きな収穫でした。
組織を知るということは、そこに在籍する人たちの特性や価値観、思い、歴史、そして内外の状況や今変化しようとしている制度、今後組織が抱える現状を共有することであり、そのことが組織へのコミットを高めることを実感しました。

 

準備は正直大変でした(笑)が、ワークに関して高橋弘樹先生や大澤先生夫妻、山本先生、CSAは小曽根先生・SPさんをはじめ多くの人たちと一緒に取り組むことができことで、私自身が主体的に参加でき、それを楽しむことができたのだと思います。
また、野田先生や浜野先生をはじめ多くの先生方にフィードバックを頂けたのも私自身のやりがいにつながりました。

 

改めて教育というのは学習者を知ることから始まり、学習者の成長を支援するために、指導者側は学習者の実践に注意を向け、それを互いに意味づけし、学習者の次につなげることを支援し、その結果が学習者の評価を通じて双方に感じられることで達成感がうまれ、次の動機づけが互いにうまれることを実感しました。
こうやって、筑波の組織全体が発展していけばうれしいな~と思います。

最後になりますが遠方より参加していただいた皆様、ご協力いただいた皆様、フィードバックを適宜与えてくれた皆様、本当にありがとうございました。

春田 淳志 (筑波大学附属病院 総合診療科スタッフ)