雑誌「治療」を執筆しました
2015年2月5日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
ちょっとしたコミュニケーションで、意図せず一緒に働く
スタッフのモチベーションを上げたり下げたりした経験は
皆さん持っているのではないでしょうか?
新しく表紙と内容がリニューアルされた雑誌「治療」。
その2015年2月号「その気にさせる伝え方」に、
浜野淳先生、中澤一弘先生、吉本の
記事が載りました。
浜野先生の書かれた「チーム力を高めるコミュニケーション」、
中澤先生の書かれた「ただしい″ほうれんそう″―押さえておきたいビジネススキル④―」
はどちらも筑波大学の総合診療グループで重要視しているノンテクニカルスキル
に関係しています。外来や病棟でのチーム、地域での連携など、
組織をマネジメントしていくためにこのようなノンテクニカルスキルは必須となっています。
スタッフとのちょっとしたコミュニケーションにも配慮できる、
そういった医師・医療者が増えてほしいと願っています。
興味のある方は、ぜひご覧いただければ幸いです。
Night Session「家族志向ケア」
2015年1月30日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
Night Sessionのテーマは「家族志向ケア」でした。
診察室で会う患者さんも、様々な家族の一員として、家族と互いにいろんな影響を与え合いながら生活している、
そんな患者さんが診察室に来ているんだ!ということを意識することで診療に幅や深みがでるというお話でした。
例えば、喘息発作を繰り返す子供の生活環境や家族の状況はどうか?(お父さんはタバコを吸わないか?)
例えば、うつ病の患者さんに薬を処方したが、次回診察のときに内服していなかった。(実は、母親が頭に効く薬は怖いから飲むなと言った。)
例えば、転倒契機の大腿骨頚部骨折でADLががくっと落ちてしまった人が自宅に帰るときになにを考えたらいいのか?(介護可能な人はいるのか?)
などなど、患者さんの家族についても気にかけていかないと診療が上手くいかない場面を紹介していただきましたが、
とても納得のいく内容でした。
Sessionの中で「家族図」の紹介がありました。患者さんを中心にその家族関係を図示するというものです。
家族構成のみを示す家系図のようなものとは違い、親しい家族関係なのか、敵対もしくは疎遠な関係なのかなども含めて図示するものです。
家族関係を視覚的に捉え、俯瞰するためにとても有効だということがわかりました。
今後も様々な家族背景の患者さんを見て行く事になると思うので、すこし困ったときや迷った時には
家族図を書いてみようと思いました。
広い視点で患者さんを捉えるということができるようになり、今後の診療の向上に繋げる事が出来ればと思います。
(レジデント 大澤さやか)
浜野先生の論文がパブリッシュされました!!!
2015年1月29日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
浜野先生の論文がGeneral Medicine に掲載されました!!!
Risk Factors and Specific Prescriptions Related to Inappropriate Prescribing among Japanese Elderly Home Care Patients
と題し、徳田先生とご一緒に、在宅におけるPolypharmacyや不適切投与について、複数施設の在宅患者におけるPolypharmacyや薬剤の不適切投与に関してお書きになりました。薬剤数が多い場合(今回は6剤以上に設定)、転倒歴などがある場合などは不適切投与の可能性があるということや、在宅患者でも3人に1人に不適切投与があるとのことです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/general/15/2/15_117/_pdf
病棟業務のみならず、大学や病院の教育、会議などなど超ご多忙ななか、成果を残されていらっしゃる浜野先生に、周りも触発されます。本当におめでとうございます!
(スタッフ 堤円香)
第2回つくば総合診療塾 「やってみよう!家族志向型アプローチ」
2015年1月27日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
未来医療人GP企画医学生のための「つくば総合診療塾」第2回セッションが1月21日の夕方に開催されました。テーマは「家族志向型アプローチ」です。前回に引き続き遠隔中継で埼玉医大からWeb参加もいただきました。講師は大塚貴博先生です。
セッションでは、大塚先生が研修中に病棟主治医としてかかわったケースを用いて討論を行ないました。80代の女性、急性疾患の治療の見通しがつき、退院について同居の長男さんに相談したところ、入院中にADL(Activity of Daily Living)の下がった母親を受け入れるのは難しいとのこと。近所に住む長女さんにも相談をしてみましたが、話の冒頭から「今はみれません!!」との言葉が聞かれ・・・。「さあ、皆さんだったらどのようにその後の家族面談を進めますか?」
グループ討論では、「お母さんが家に帰りたい思いをもう一度伝えたい」「長男と長女の関係が気になる」「長女の『今はみれない』・・の言葉が気になる。本当はお母さんの介護をしたいけど、なにか事情があるのでは?」などの様々な意見がだされました。
実際は、大塚先生が長女さんの思いを聞き始めたところ「定年までのあと1年の間にどうしてもやりとげたい仕事があるのです。それをおえてから母と一緒に住もうと思っているんです」との言葉が聞かれました。長女さんはキーパーソンであることもあらためてわかり、「(長女さんの思いや生き様に)そうだったんですね」と深く共感しながらのやりとりが続きました。一時施設に行くことも念頭に入れて、施設見学に行っていただきましたが、結局は長女さんが長男さんに「1年間なんとか家で(母親の介護を)頑張って欲しい」と説得して、家族で方針を決めてお母さんは無事希望通りに自宅へ帰られたとのことでした。
まとめのレクチャーで、「家族の木」を用いて、目の前の患者さんは一人でもその背後には木があり、多くの家族メンバーがいることをイメージしながら診療することの大切さを説明しました。大塚先生の「今回、長女さんの言葉の背景にある意味に関心を持ったことをきっかけに、家族の思いにアプローチすることができた。医師である自分が、バランスを失いかけていたこの家庭の「家族の木」にのぼり、娘さんのいる枝の傾きをちょっとだけ動かしてみたことが、家族自身でバランスをとり戻すきっかけになったんですね。」との解説に、参加者はなるほど~と納得と感動の表情を見せてくれました。振り返りでは、「家族を支える」ことの意味を具体的に知ることができたとの声も聞かれました。
次年度は本格的な総合診療塾のコース(計10回の予定)を開講します。是非ご注目ください!
家族の木 松下明監訳.家族志向のプライマリ・ケア.シュプリンガー;2006.より転載
(文責 スタッフ 高屋敷明由美)
植松小学校での喫煙予防教室(2015年1月22日)
2015年1月22日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 未来医療GP
1月22日 神栖市の植松小学校の6年生に「たばこ」の話をしてきました。
前回の久野先生のブログ同様、タバコの害と依存性、そして、ピアプレッシャーについて話をしました。
1学年が100人以上だったので体育館にて行いました。
あいにくの雨で寒い中で尚かつパソコンの不具合もあり、始まる前はどうなることかと思いましたが、
元気に質問に答えてくれ、手伝ってくれた筑波大学の学生さん2人も盛り上げてくれたので、
私も緊張がとけ、楽しむことができました。
今回は、たまたま、同行してくださった神栖市の方が海外のたばこを持ってきてくださいました。
生徒さん達にとっては、グロテスクなタバコのパッケージがとても衝撃的だったようで興味津々でした。
クイズを交えながら、遊びながら、身体を動かしながら学んでもらいましたが、
彼らが今日の話を自分なりに理解し、まわりの人にアウトプットしてくれればいいなと感じました。
今回、このような講演を初めて行いましたが、話し方・テンポ・抑揚の付け方など、
学ぶ点が多くありました。
幸いもう1度行う機会があるため、内容も含め次回は自分なりの工夫ができたらと思います。
貴重な機会をありがとうございました。
つくば総合診療グループ 後期専門研修医 高橋
編集:阪本直人
大西先生レクチャー ~Family Medicine History in America~
2015年1月20日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
Oregon Health and Science University(オレゴン健康科学大学)の家庭医療科の大西恵理子先生による、「Family Medicine History in America」をテーマにしたレクチャーが行われました。
今回はアメリカにおける医学の発展と、それに伴うFamily Medicineの変遷について教えていただきました。
ヨーロッパに比べて歴史の浅いアメリカですが、アメリカの急速な発展に合わせて急速に医学が発展するなかで医学は細分化・臓器別化が進み、科学的視点の多い臓器別分野に比重が置かれるようになりました。その中で少数の医師がFamily Medicineの必要性を訴え、学会を立ち上げたり教育グループを立ち上げるなどし、その後発展させていったとのことでした。なかなか今までこういった歴史について学ぶ機会はなく、Flexner report、Grandfather clauseなど知らない知識や単語もたくさん登場し、勉強になりました。
レクチャー中に、日本の家庭医療の発展の歴史についても前野教授に補足していただきました。日本の家庭医療も今まさに発展途中ですが、両国の家庭医療の発展の姿には共通点がとても多く、まるで日本がアメリカを20~30年遅れで追いかけているかの様でした。前野教授からは最後に「このまま日本がアメリカのFamily Medicineを追いかけるように発展すれば、日本の家庭医療の将来は明るいですね」とのコメントも。
我々レジデントも更に研鑽を積んで、日本の家庭医療の発展に少しでも貢献したいですね。
S1 稲葉 崇
笠間市で慢性腎臓病予防教室を行いました(2015年1月19日)
2015年1月19日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
どうしたら興味を持って聞いてもらえるか、昼下がりに眠らないで座っていただけるか、考えに考えて内容を組みたてました。
できるだけ会場の声を聞きながらできるよう、身近な話題の質問や三択クイズを織り交ぜました。
参加してくれた皆さんの健康への関心の高さが窺えました。
来月はまた市内の別の場所で行うので、内容を練り直して挑みたいと思います。
仕事用パソコンで開けず、保存し忘れたかと思ってパニックに陥りました。
自宅用パソコンを使う事で事なきを得ました。
ナイトセッション 1月8日 臨床倫理
2015年1月13日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
ジュニアレジデント2年目の長野です。
シニアレジデントの高橋先生、大澤先生と一緒に、横谷先生から臨床倫理について、教え
ていただきましたので、感想を書きたいと思います。
たぶん初めて知る言葉だったので、ここでも紹介したいと思いますが、「臨床倫理」とは「臨床の現場では、医学的・科学的判断だけでなく、倫理的問題を同定し解決することを求められる。ある特定の患者の具体的な臨床場面で、より良い倫理的意思決定を模索するのが臨床倫理clinical Ethicsである。」と定義されています。
抽象的でわかりにくいので、私の言葉に独自に言い換えますと、「医者が患者に医療介入するときに、発生するもやもやした問題を、みんなで一緒に臨床倫理を使って、すっきりさせよう」ということだと思います。
今回のセッションでは、次のようなもやもやした問題を課題で与えられ、議論しました。
「アルツハイマー型認知症、脳梗塞後、繰り返す誤嚥性肺炎の87歳男性に対して、どんな
治療をするか悩んだ。キーパーソンの妻は、もう3回目の再発だし、入院加療を希望せず、このまま検査せず看取りたいと言う。」という課題です。
「臨床倫理の4分割表」を用いて、具体的な情報をリストアップし、もやもやした部分をすっきり整理させていきました。
1時間の討論の結論は「苦しまないように抗生剤治療をしつつ在宅診療で看取ることを提案する」でした。
今回学んだことは・・・
- ・もやもやした問題に対する解決法の答えは一つでなく、いくつか用意すること。
- ・コツは多職種で話し合うことと、非難し合わないこと
- ・自分のQOLの価値観を患者さんに適応しないように気をつけること
などです。
まとめますと、答えがでないことをいかに答えが出ないか、客観的に文章化する試みで、無知の知のような哲学的な作業だと感じました。
迂闊に自分が患者だったら、あるいは、自分が患者の家族だったら、このような医療を受けるのが、幸せだろうとか、幸せの形を押し売りしてしまいがちであると感じました。患者がどう幸せを感じるかは、自分で決めるものなので、患者が自律的に幸せを選択するよ
うに手伝いする心構えが大切だと思います。
これから医療をやっていく上で、こういった様々なもやもやした倫理的問題に直面すると
思います。そのときに、解決するためのスタンダードな方法を学べて、大変有意義でした。
レジデント 長野拓也
軽野東小学校での喫煙予防教育(2014年12月11日)
2014年12月31日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 未来医療GP
12月11日、神栖にある軽野東小学校で、タバコをテーマとした健康教室を行いました。
「どうして吸ってはいけないの? タバコの話」と題して、
タバコのイメージやタバコが体に与える影響について、クイズ形式でお話しました。
約60名の6年生の皆さんは、寒い中でも活発に発言して、元気良くクイズに答えてくれました。
また、神栖で地域実習を行っている筑波大学医学部5年生の学生さん4名が一緒に参加してくれ、
「もし、友人にタバコを吸うのを誘われたらどうするか?」という場面の寸劇をしてもらいました。
今回の健康教室を通して、「禁煙」のことを自分のこととして考え、
「断る勇気」を持ってもらえればいいなと思います。
つくば総合診療グループ 後期研修1年目 久野
編集:阪本直人
第1回つくば総合診療塾「覗いてみよう家庭医の頭の中」
2014年12月26日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
つくば市吉沼小学校での食育教室(2014年12月18日)
2014年12月18日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
吉沼小学校に食育に行ってきました! 「おやつって何?」、「かしこくおやつを食べよう!」というテーマで話しました。
参加者は小学4年生41名。 さらに、父兄や学校の先生、校医の先生などもご参加くださり、総勢約60名となりました。 教室は、
- ・なんでおやつを食べるの?
- ・どれくらいおやつを食べるの?
- ・どんなおやつを食べるの?
というおやつの疑問に答えていくという形で行いました。 カロリー、塩分を摂り過ぎないようにすること、 そして、 成長期の子供が必要とするもので、普段の食事だけでは摂りきれないものは、 おやつを工夫して補給したい栄養素があることをお話をしました。 鉄分、カルシウム、食物繊維などがそれあたります。 クイズなどに対する反応もハキハキとしており、元気いっぱいの子供たちでした。
今回の新たな試みとして、「おやつマスター認定証」というカードを シルバーとゴールドの高級感あふれるカードにバージョンアップしました。 これは、復習シートという、おやつに関するクイズに全問正解できるようになると もらえるというカードのことです。
ちょっと大人も欲しくなる?程の阪本先生の力作です。
養護教諭の先生によると、
吉沼小学校では、今回の食育の対象の小学校4年生以上の学年になると、肥満が問題となってくるお子さんが増えてくるそうです。
そのためか、先生方に 「子供達の反応も良くて、驚いています。継続的に子供達に声かけをしていきたいと思います。」
とご感想をいただき、とても喜んでいただけたことが印象的でした。
少しずつ吉沼学校全体でも意識が高まるようにと、来年以降も食育をご依頼いただけるようです。
「少しでも肥満児、将来の生活習慣病の発症予防が出来たら。」と願う食育となりました。
貴重な経験をありがとうございました。
(2014年12月18日 S. Tominaga つくば総合診療グループ シニアレジデント)
【コラム】うわさの『おやつマスター認定証』
2014年12月18日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
この『おやつマスター認定証』は、葛城小学校(当時)の塚田先生が原案です。
こちらは、これにインスパイアされて制作したものです。
11・22救急セッション「初期救急対応!でもここは診療所!?」
2014年12月17日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
11月22日「総合診療・家庭医療全国セミナーin Tsukuba」において、救急セッションを担当しました。
川崎セツルメント診療所の遠井先生、筑波メディカルセンター病院の林先生、総診グループシニアレジデントの稲葉先生と一緒に行いました。
遠井先生は、実は私の大学の同級生で(しかも5年生の病院実習も同じ班!)、当時はこんなセッションが将来一緒にできるなんて考えもしていなかったので、何だか感慨深いものがありました。
まずは、遠井先生から診療所での救急初療に関してのレクチャー。病院での救急診療との違いをコンパクトにまとめていただきました。
次に講師全員によるデモンストレーション。笑いありの迫真の演技でしたね!
後半は、4グループに分かれて、医師役になって診療所での初期救急対応を体験してもらいました。ショックの人、髄膜炎の人、胸痛できた人の対応を総合診療グループの小曽根先生、舛本先生にもお手伝いいただきやってもらいました。実際に診療所にこんな重症な人ばっかり来ることはないんですがね・・・笑
T&A救急初療プライマリ・ケアコースは医師向けのコースなので、学生向けにアレンジしておこなうことに少し不安を感じましたが、当日は参加者の学生さんがみな生き生きと楽しくやっている姿をみてうれしかったです。
『ABCがおかしいぞ~♪、臥位にして~、バイタルチェックだ♪、部屋を移動し~、OMI!』
参加学生は、きっとこのラップが頭から離れません!
大和クリニック 髙木博
つくば市立柳橋小学校にて健康教室開催!(2014年12月13日)
2014年12月13日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
M3医療概論Ⅲ健康教育では、地域の現場で「ひとびとの健康を守る」役割を効果的に学ぶため、健康教室を企画・実施して、予防医学・健康教育の重要性を知ってもらう取り組みを行っています。
今回、「食育」を題材につくば市内の小学校で小学4年生を対象に健康教室を行いました。
テーマは「おやつの取り方」について。M3の4人の学生がこの日のために約半年前から準備を行ってきました。
最初に生徒さんが普段食べているおやつの塩分量やカロリーをカードを使って実感してもらいます。
その後取り過ぎによって生活習慣病につながることをお話しし(血管の断面図を使って血栓が作られていく様子も説明していました)、
最後に最適なおやつを見つけようという内容でした。
最初は学生も生徒さんも緊張気味でしたが、学生の軽妙なトークと生徒さんへの声かけですぐに和やかムードに。
授業が終わった後は生徒さんから「カロリーや塩分に気をつけたい,後ろの表示を見るようにしたい」などの声が聞かれ、大成功でした。
学生にとってもヘルスプロモーションについての理解が深まったようです。
(スタッフ 大塚 貴博)
2014年度つくば総合診療グループ大忘年会開催!!
2014年12月11日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
今月5日、レストラン「アンジェ」にて、総合診療グループの大忘年会が開催されました!
今年も筑波大学附属病院の先生方だけでなく、水戸協同病院や筑波メディカルセンター病院の先生方にもお越しいただき、皆さん思い思いの衣装に身を包み、とても華やかな催しとなりました!
美しいフルートの演奏、素敵な歌、キレッキレのダンス、誰もタネがわからなかった(?)マジックなどなど…。先生方によるハイレベルな出し物がたくさんあり、大盛況でした!
忘年会の開催は今年で2回目らしいですが、この圧倒的な完成度の高さ。先生方がプライベートの時間も大切にされているからこそ、このような魅力的な出し物ができるんですよね。早くも来年が楽しみです!
ちなみに私はというと、先生方のお子様たちとずっと遊んでいました!子供たちも大人と同じく日頃いろんな苦労があるのでしょうね。それを全力で私にぶつけてくれました(笑)
元気いっぱいでキラキラした笑顔の子供たちをみて、私も元気をもらいました!
大学院生の参加者はあまりおらず、お話ししたことのない先生方が多かったため内心不安でしたが、始まってみたら皆さん気さくに接してくださって、改めてつくば総合診療グループの皆さんの温かさを実感しました。
ほんとうにワクワクしっぱなしの夢のような時間でした! これからも、どんどん素敵なメンバーが増えていってほしいですね!
皆さん、来年もよろしくお願いします!
(地域医療教育学 修士1年 川口)
家庭医療★総合診療全国公開セミナーin Tsukuba「患者中心の医療の方法」
2014年12月5日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
患者中心という言葉はよく聞くけれど、どういうものなの?
このセッションは、そんな素朴な疑問から始まりました。
「患者中心」といっても、患者さんのいうことを鵜呑みにするのではありません。
患者さんの言葉に込められた気持ちや生活背景をくみ取り、診断や治療で目指す方向性を一致させることが鍵となります。
今回のセッションでは、前半で、臨床現場で役立つ「患者中心の医療」の基本的な考え方を紹介し、後半でロールプレイにより患者さん・医師の視点を体験してもらいました。
参加者は、医学生だけでなく、高校生から保健師さんまで幅広いバックグラウンドでした。
参加動機としては、「医療の本質は患者中心だから。」「初診に返って学びたいと思ったから。」「患者中心って簡単に言うけど、よくわかっていなかったから。」とモチベーションの高さがうかがわれました。
前半のレクチャーでは、「患者中心の医療の方法」というモデルを、模擬診療を交えながら解説しました。最新版のhealthが入っているものではなく、多様な参加者がいる中でわかりやすさを重視して、一つ前の内容を使用しました。
このモデルは、カナダ・ウエストオンタリオ大学のスチュワートらが、「患者さんと親しみのある関係を築く、腕のいい医師」の診療を研究し、作成したもので、6つの要素から作られています。
その中で、今回は、診療の流れを示す下記の3つに焦点を当てました。
要素1:疾患と病の経験を明らかにする
要素2:患者を全人的にとらえる
要素3:共通基盤を形成する
また、上記の流れで診療を行う中で、患者さんの病の体験を聞くときに役立つ
「かきかえ(解釈、期待、感情、影響)」というスキルをお伝えしました。
模擬診療・ロールプレイでは、咳で受診した患者さんが「早く治りたいので抗生剤がほしい」と訴えるというシナリオを用いました。
なぜ患者さんは抗生剤がほしいのか?どうして早く治りたいのか?と掘り下げ、患者さんの気持ちを共有しつつ、医学的な説明を行うことの大切さを診療場面で再現してもらいました。
参加者の皆さんからは、下記のような感想をいただきました。
・基本的な医療について学び、それについての対策が分かりました。
・臨床研修前に考えを整理することができました。
・共通の理解基盤を探すことの大切さを学んだ。
今回のセッションでは、「患者中心の医療」を行うエッセンスを学生の皆さんと一緒に学ぶことができ、とても貴重な経験となりました。
S1 大澤・冨永・久野(文責 久野)
カリスマ院長:大森医院の大森英俊先生
2014年12月2日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大森医院
大森医院、そして私が在籍している利根町国保診療所は、どちらも長年にわたりその地域を守ってこられた院長がおり、学生実習、総合診療科の後期研修を行っています。
(後期研修医の高橋弘樹先生が、両施設を見学に行った際の報告を過去にしてくれています↓)
https://soshin.pcmed-tsukuba.jp/wp/blog/archives/185
実習する学生たちからも、毎年ベストティーチャー賞に推薦されている大森先生ですが、今回初めてお会いして、その魅力がよく分かりました。
大森医院は茨城県の中でも、特に医師不足、介護・福祉、在宅療養などが不足し、高齢化も進行し、巡回診療でないと医療を受けられないような山奥に住まわれる方もいるような地域にあります。その地域の中で、大森先生は患者さんたちからの要請を受けて、足りないもの(施設や交通手段)はご自分で整備してその道を切り開かれてきたとのことでした。関連の施設(特養、グループホーム、ショートステイ、小規模多機能施設など)にも案内をしていただき、大森先生にこのほかにもたくさんのお話とご案内をしていただきました。
大森先生には、その姿や語られる言葉だけで、強く納得させられる魅力と説得力がありました。利根町診療所と地域性は違いますが、その地域の特性を反映しつつ患者さんの生活に近い医療を提供する、という院長の姿勢は、どちらにも共通していると感じました。(どちらの院長もカリスマです(笑))
また最近では、ここでの実習を経験した学生さんが医師となり、紹介先の担当医だったりもするようです。こちらの実情を理解している相手だと紹介がスムーズになったり、患者さんの安心感にもつながるとのこと。数年の歳月を経て、学生実習は確実に実を結んでいると感じました。
後期研修医の先生方には、大森医院、利根町、大和クリニックのそれぞれを知っていただいて、地域により多少の違いはありつつも、根本的には同じ姿勢で患者さんや地域に向き合っているのだということが分かってもらえたらいいな、と思いました。
ぜひ一度、見学・実習に行ってみてください!
(学生・研修医用のログハウス、ワインコレクションも、とっても素敵なようです!)
( スタッフ 小曽根早知子)
家庭医療★総合診療全国公開セミナーin Tsukuba
2014年12月2日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
平成26年11月22日(土)、筑波大学附属病院1階けやきプラザをメイン会場に、家庭医療・総合診療に興味を持つ方を対象とした「家庭医療★総合診療全国公開セミナーin Tsukuba」を開催いたしました。
19大学から医学、看護、保健師、薬学、社会福祉、心理の学生が集まり、また高校生を含む多施設からの参加者を含めると、全部で61人の参加登録がありました。家庭医療・総合診療に関する幅広い層での関心の高さが伺えるとともに、参加者を歓迎した講師25人の準備するセッションへの期待・関心が高いことも感じられました。
筑波大学医学医療系地域医療教育学/附属病院総合診療科の前野哲博先生による開会あいさつ、参加者同士によるアイスブレイクの後、「患者中心の医療の方法」、「もっと知ろう!緩和ケア」、「初期救急対応!」、「プロから学べ!多職種連携」、「総合診療と初期研修、その後のキャリア」、「医療面接」という題でワークショップを行い、「家庭医療・総合診療を担当する医療者って普段は何をしているの?」「家庭医療・総合診療ってそもそも何?」という疑問を少しずつ解決していきました。
最後は参加者全員で「ワールドカフェ~私たちが地域で役立つためには」を行いました。多職種、非医療者の参加者ともお互いに対話していく中から、自分の思考を確認・修正し、全員の前で発表を行いました。当日ここまで学んできたこと、あるいは今まで授業や課外活動で学んできたことが医療者として、あるいは一人の人としてどのように役立つのか、「私は何のために学んでいるのだろう」ということについて考えるきっかけになれば幸いです。
懇親会では、「学生実践発表会~学生でもここまでやれる!」という企画で、熱い参加者の中でも飛び切り熱いメンバーにプレゼンをしていただきました。非常に熱い思いがこもったプレゼンが6つ行われ、「明日から自分はどうするか?」「学生時代にしておくことは何か?」などを考えるきっかけになったのではないかと思います。
尚、このセミナーは大勢の講師の皆様のご協力で盛会の内に大きなトラブルもなく終えることが出来ました。
講師の皆様方にはお忙しい日常の中、本セミナーの準備にご尽力いただき大変ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。また事務局を担当いただいた横谷さん、谷さん、稲葉さんのサポートなくして本セミナーは円滑に運営することはできませんでした。この場を借りて感謝いたします。尚、本会は筑波大学の医学生である木村(紀)さん、門野さん、木村(仁)さん、岡本さん、三谷さん、石垣さん、関本さん、重光さん、牟田さんの企画・協力、当日受付を手伝ってくれた足立さん、諌山さん、藤井さんの協力の元、運営されました。本当にありがとうございます。
「文部科学省未来医療研究人材養成拠点形成事業『次世代の地域医療を担うリーダーの養成』」が主催、「日本プライマリ・ケア連合学会 ジェネラリスト80大学全国行脚プロジェクト」が共催となった本セミナーですが、今後の継続的な学びの場を提供すべく、「医学生のための総合診療塾」を12/11より開講いたします。引き続き、家庭医療・総合診療に関心のある方々の支援を行っていければと思いますので、興味のある方はぜひご参加いただけますよう、よろしくお願いいたします。
(関わった講師の方々)
稲葉 崇(筑波大学 総合診療グループ、筑波メディカルセンター病院)
大澤 亮(筑波大学 総合診療グループ)
大塚 貴博(筑波大学 総合診療グループ、大和クリニック)
小曽根 早知子(筑波大学 総合診療グループ、利根町国保診療所)
小濵 伸太(協和調剤薬局 在宅訪問薬剤支援室)
川島 夏希(筑波メディカルセンター病院 緩和医療科)
木下 真里(訪問看護ステーション 愛美園)
久野 遥加(筑波大学 総合診療グループ)
後閑 良平(笠間市立病院)
須田 さと子(筑波メディカルセンター病院 緩和ケア病棟)
高木 博(大和クリニック、筑波大学 総合診療グループ)
高屋敷 明由美(筑波大学 地域医療教育学、総合診療グループ)
竹江 崇(宍戸苑 指定居宅介護支援事業所)
遠井 敬大(川崎セツルメント診療所)
冨永 さやか(筑波大学 総合診療グループ)
中澤 一弘(筑波大学 地域医療教育学、総合診療グループ)
濵野 淳(筑波大学 医療連携患者相談センター、総合診療グループ )
林 幹雄(筑波メディカルセンター病院)
東端 孝博(筑波大学 総合診療グループ、大和クリニック)
本多 淑恵(笠間市立病院)
前野 哲博(筑波大学 地域医療教育学、総合診療グループ)
舛本 祥一(筑波大学 総合診療グループ、利根町国保診療所)
山本 由布(筑波大学 総合診療グループ、笠間市立病院)
横谷 省治(筑波大学 北茨城地域医療研修ステーション、総合診療グループ)
吉本 尚(筑波大学 地域医療教育学、総合診療グループ)
(スタッフ 吉本尚)
ナイトセッション~バッドニュースの伝え方~
2014年12月1日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
セッション~プロから学べ!多職種連携~
2014年11月28日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座