筑波⼤学地域総合診療医学寄附講座発⾜記念 シンポジウム・祝賀会のお知らせ
2018年11月23日テーマ:筑波総合診療グループ, 大学
ご参加を希望される方は、12 月 20 日(火)までに上記 E-mailまでお知らせ頂きたくお願い致します。
なお、期日までにご都合が確定しない方におかれましては、その旨をご連絡頂ければ幸いです。
皆様の多数のご参加をお待ちしております。
川田 尚吾
第5回つくセミ報告【第2弾】
2018年11月26日テーマ:筑波総合診療グループ
11月17日に行われたつくセミのセッション内容についてご報告します!
セッション2 総合診療医の実像に迫る!
このセッションでは、現役の総合診療医が、普段どんなところで、どんな仕事をしているかについてレクチャーをした後、参加者の方が思っている総合診療や総合診療医のキャリアについての疑問をグループに分かれて講師とともに話し合いました。
アンケートでは、「将来の働き方について、具体的なイメージが湧いた」「全領域診ることが大変そうというイメージは少し壊れた」といった感想をいただきました。ディスカッションではみなさん時間が足りないと感じるほど熱心に議論してくださいました。
片岡義裕
セッション3 学校では教えてくれない! ~介護にまつわるおカネの話~
学校では教えてくれない!~介護にまつわるお金の話~ の講師として参加しました。
今回は愛美園在宅ケアセンターのケアマネージャーさんと準備をすすめていました。
セッションでは、介護保険の仕組みや受けられるサービスの内容をレクチャーした後、皆さんにケアプランを作成してもらいました。
『家族の負担を減らすためにデイサービスでオムツ交換をしてもらう日を作ろう』、『本人が車椅子で過ごしやすいように、玄関にスロープを作ろう』など、グループによって様々なプランが出来上がっていました。介護保険で補える限度額の中で、患者さんの生活背景や想いを考慮していく作業には苦戦していました。
私も最近、大和クリニックで訪問診療をしていて、日常生活とお金と病気を関連させて考える機会が増えました。私自身も、今回のセッションを準備することで、とても勉強になりました。今後も何かの機会で学生さんに伝えていければと思います。
倉田房子
セッション5 地域診断、地域の人が幸せになるために考え行動しよう!
北茨城市を対象フィールドに地域診断ワークショップを行いました。
参加者の方々には今回のワークショップを通じて、なぜ地域を診るのか、そして地域を診るとはどういうことかについて理解を深めていただけたのではないかと思います。
今回は、北茨城市の行政職の方や一般住民の方にオブザーバーとしてお越しいただき、地域を知る上で重要な住民の生の声を聞かせて頂きました。
参加者それぞれが地域について思いを馳せ、会場はあたたかい雰囲気に包まれた素敵な空間となりました。
「やっぱり地域って面白い!」
それを再認識したひと時でした!
川田尚吾
第5回つくセミ報告【第1弾】
2018年11月24日テーマ:筑波総合診療グループ, 大学
第5回つくセミの学生リーダーを務めました、筑波大学医学群医学類3年の森陽愛子です。
私は1年生の時から学生スタッフをさせて頂き、今年で3回目の参加となりました。
今年は新たな試みが2つありました!
1つ目は、選べるセッションの数が増えたことです。
昨年までは3セッション同時進行の2部構成でしたが、今年は新たな試みとして2セッション同時進行の3部構成となりました。これによって、先生方に用意していただくセッションは6つのままで、学生が受けられるセッションは2つから3つに増えました!例年魅力的なテーマばかりの6つから2つを選ぶのに苦労していた私にとっては大変魅力的でした!
これによって各セッションの持ち時間が例年と異なるなど講師の先生方には難しくなる点もあったと思いますが、そんな中でも我々学生の要望に応じて素晴らしい講義・ワークショップを作って下さり、ありがとうございます!!
2つ目は、全体交流セッションでの挑戦です。
例年はあるテーマについて参加者同士で話し合い、つくセミの振り返りをするという形式でしたが、今年は思い切って変更し稲葉先生に特別講演をして頂きました!
「勉強のモチベーション」という学生の興味をそそるテーマで、自分の学習動機を見つめ直すことができました。チェックシートの結果を班のメンバーで共有するなどグループワークの要素もあったり、「グループ学習(勉強会)は効果が高い」というお話からつくセミの参加意義に結び付いたりと、例年の良いところはそのままで、セミナー終盤で若干疲れ気味の参加者にも入っていきやすい楽しい講演だったと思います。
ぜひ、来年もどなたかに特別講演をして頂けたらと思っております!
最後になりますが、参加者の皆さん、ご参加くださりありがとうございました!来年もぜひお越し頂けたら幸いです。
講師の先生方、毎年パワーアップしたセッションを作って下さりありがとうございます。来年もよろしくお願いいたします。学生スタッフとして参加者数アップのため広報も頑張ります!
筑波大学医学群医学類 森陽愛子
NAPCRG Annual Meetingに参加・発表してきました
2018年11月21日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学
(左から春田先生、後藤先生、小曽根先生)
(ポスター発表の様子)
(活発にディスカッションが行われていました)
2018年11月9日からシカゴで行われた46th North American Primary Care Research Group (NAPCRG) Annual Meeting に、筑波から春田先生、後藤先生、小曽根とで参加し、発表を行ってきました。
この学会は、その名が示すとおりプライマリケア分野での研究発表が盛んに行われている学会でした。プライマリケア研究を行う基礎として、多数の研究ネットワーク(Practice-based research network; PBRN)も構築され、そこからの研究発表も多数行われていました。
とても面白かったことの1つがポスター発表の時間でした。1回のポスター発表に1時間が取られ、演者はポスターの横に立ち、興味を持ってくれた人に向けてプレゼンをする形式で行われていました。この時間には他の企画が行われていないため、会場は多数の参加者で賑わっていました。
プライマリケア研究なだけに、幅広い研究テーマが扱われていました。その中でいくつか、本当に自分の興味と近い研究を発見し、直接発表者に質問をすることができました。一例を挙げると、私の場合は大学院の研究テーマだった血圧測定方法に関連した研究や、リハビリ専門職のプライマリケアチームへの貢献に関する研究、レジデントへの研究教育に関する研究、などがそれでした。普段は知らない人に声をかけるのはものすごく緊張して気が引けるのですが、会場全体の研究活動を楽しんでいるような雰囲気につられて、多くの人と話すことができました。国際学会で、研究テーマへの興味関心を共通言語として、こうして人と交流することができる楽しさを、とても新鮮に感じることができました。
私の発表は、昨年度つくばのレジデントの先生方と共に行ったレジデント研究支援プロジェクトについてでした。日本、アメリカ、カナダの方々から発表に興味を持ってもらい、同じようにレジデントへの研究教育には課題があることを知ることができて、今後の活動に大きなヒントをもらえました。
今回は都合により非常に短い滞在だったことが非常に残念でしたが、また来年以降もぜひ参加してみたいと思うと同時に、こういった機会が身近にもあったら研究はより面白くなるだろうとも思いました。
最後に、今回の学会に参加させていただきました皆様、本当にありがとうございました。
(文責:小曽根早知子)
【大学院生募集】筑波大学大学院地域医療教育学分野
2018年11月19日テーマ:筑波総合診療グループ
総合診療、地域医療、医学教育について、現場発の、現場で役立つリサーチができるようになりたい。
そんなあなたへ!
筑波大学大学院地域医療教育学分野より大学院生募集のお知らせです。
筑波大学地域医療教育学分野では、総合診療、地域医療、医学教育領域におけるアカデミックキャリアの支援に力を入れています。我々の教室の特徴は下記の通りです。
現場をよく知る指導医が研究を徹底サポート
指導は、家庭医療専門医、医学教育専門家として、実際に教育や診療に当たっている教員が、マンツーマンで研究指導にあたります。いわゆる「研究のための研究」ではなく、現場ですぐに役立つ実践的な研究について、きめ細かな指導を受けることができます。
高い研究アクティビティのもと、多くの学位取得者を輩出
当グループは、原著論文だけで年間44本(うち英文35本)(2017年度)を発表するなど、当該領域では全国屈指の活動実績をあげています。博士(医学)を有する指導者は14名在籍しており、これまで5年で13名の学位取得者を輩出するなど、教育体制も充実しています。
臨床を続けながらでも研究できます!
月1回のリサーチセミナーの出席、年1回の集中スクーリング、個別指導で学位を取得できるディスタントコースが用意されていますので、今働いている場所で臨床を続けながら、学位を取得できます。
詳細についてはホームページをご参照ください。
http://www.pcmed-tsukuba.jp/research/
2月期入試の募集要項は近日中に以下のサイトに公開予定です。
http://www.ap-graduate.tsukuba.ac.jp/course/chs/
現場をよく知る指導医が、研究計画の作成から論文発表まできめ細かくサポートします。多彩なキャリアプランを用意していますので、興味ある方はぜひご連絡ください!
連絡先
〒305-8575 茨城県つくば市天王台1-1-1
筑波大学大学院人間総合科学研究科 地域医療教育学
Tel&Fax:029-853-3189/029-853-3101
E-Mail:soshin@md.tsukuba.ac.jp
WONCA World Cnferenceに参加しました
2018年11月6日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
(プレゼンテーションの様子)
筑波大学地域総合診療医学講座(セントラル総合クリニック総合診療科)の舛本です。
平成30年10月18日から10月21日の計4日間、韓国のソウルで開催されたWONCA World Conferenceに参加してきました。世界各国から家庭医が一同に会し、自らの研究の成果や実践を発表し交流する学術大会です。
今回、自らの発表として、“Factors associated with the use of Dietary Supplements and Over-the-counter Medications in Japanese Elderly Patients”というタイトルで口演発表を行いました。内容はプライマリ・ケア外来に慢性疾患で通院する高齢者のサプリメントや市販薬の使用状況と使用に関わる因子について分析した研究結果です。
私自身、国際学会で発表するのは始めてだったので、とてもプレッシャーを感じていました。2ヶ月前から準備を始め、大学院でも予演をさせて頂き、自分としては入念に準備をして、本番に望みました。発表自体は時間もぴったりで、質問にも適切に答えることができ、良い発表ができたと感じています。ただ、部屋が狭く聴衆が少なかったことは残念でした(国際学会なのですが…)。
つくばグループからも浜野先生、春田先生が口演発表をされており、国内だけでなく世界に発信していくことも重要だな、と改めて感じました。
世界の学会といっても、内容はまさに玉石混合でした。多くの出席者がいるはずなのに、セッションにいる人はそれほどでもなかったです(皆さん観光に出かけてしまうのかもしれません)。来年は京都でWONCA Asia Pacific Regional Conferenceが開かれるので、つくばグループからもたくさん研究成果を発表できると良いですね!
筑波大学地域総合診療医学講座
セントラル総合クリニック総合診療科 舛本祥一
大森先生が本を出版されました
2018年11月3日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 大森医院
筑波大学の学生実習や総診グループの後期研修でお世話になっている、医療法人大森医院
院長大森英俊先生のご著書「過疎医療はおもしろい!」がこのたび上梓されました。
医師を志すきっかけとなった幼少期のご経験から、医師として里美村に戻ってきたときの様子、
そこから、地域住民の健康を維持し向上させるための奮闘までの軌跡が
わかりやすい言葉で書かれており、とても読みやすく、かつエキサイティングな内容です。
実習を経験した学生のレポートや、症例の描写も織り込まれており、
過疎医療の現状をリアルに感じることができます。
これからの過疎医療をどうするか、どうすべきかについて、
決して悲観的ではなく、うまく仕組みを整えていけば、きっと明るい未来が開けていく!という
希望がわいてくる本です。ぜひお読みください!
片岡 義裕
茨城栃木ポートフォリオ発表会に参加しました
2018年10月30日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座
(ポートフォリオ発表会参加者のみなさん)
10月27日(土)に茨城県立中央病院で茨城栃木ポートフォリオ発表会があり、参加してきました。茨城と栃木の総合診療を専攻している後期研修医と各施設の指導医レベルの先生方が集まってポートフォリオの発表と討論をする会でした。
ポートフォリオとは家庭医・総合診療医としての成長記録であり、指導医や文献で振り返った学びの記録として、総合診療の専門医になるために重要なレポートです。
総合診療グループ内でも、ポートフォリオ発表会を行なっていますが(詳細は「つぽたの」で検索)、他施設の専攻医や指導医との討論は新しい見方が入り、新鮮な意見もいただけました。ある意味、「他流試合」の場である本発表会に参加できてよかったです。
私も参加させていただき、慢性腎臓病が非常に重篤ですが、定期通院・食事管理による腎臓保護が困難な症例について、Information-motivation-behavioral skillsモデルの学びと合わせて共有させていただきました。
最初にお誘いいただいた茨城県立中央病院 総合診療科の中村先生を始め、会場をご準備されたスタッフの皆様(池田さん、海老沢さん)、ご意見いただいた先生方、直前まで熱心にご指導いただいた自施設の指導医の先生方、本当にありがとうございました。
懇親会も貴重なご意見いただき、大変楽しかったです。
まだまだ医局見学受け付けています!
2018年10月28日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学
(まだまだ、見学受け付けております!)
日本専門医機構の専攻医登録が開始になりましたね。
まだ進路を決めかねている研修医の先生方も少なくないと思いますが、
引き続き当グループでは、医局見学、関連施設見学を随時受け付けています。
ご都合、ご希望に合わせて予定を組むことができますので、悩まれている先生は是非一度お越しください。
見学希望のお申し込みは、soshin@md.tsukuba.ac.jp までお願いいたします。
筑波総合診療グループ
東端 孝博
結婚式への参加支援
2018年10月27日テーマ:筑波総合診療グループ, 神栖
(結婚されたお二人とIさん)
神栖済生会病院の細井です。当院では訪問診療を行っており、慢性疾患の患者さんから小児在宅医療、難病患者さんの診療を行っております。今回、ある神経難病患者さんのお姉さまの結婚式への出席支援を、多職種で行ったのでご報告します。(当該ブログ内容、写真掲載につきましては事前に患者様、ご親族様に許可を頂いています)
患者さんは1年前から訪問診療を行っている30代のデュシェンヌ型筋ジストロフィーのIさん。人工呼吸器を装着していますが、穏やかに経過されておりました。きっかけは今年の春頃、お姉さんの結婚が決まりその際の当院へのレスパイト入院を依頼されたことでした。
細井「結婚式には行かないんですか?」
患者・家族「行きたいですけど、、無理ですよね。体が心配ですから、病院にいます、、」
細井「病状も安定していますし、行ってみませんか?」
患者・家族「でも心臓の事とか心配で、、でも行ってみたい(出席させてあげたい)!」
細井「それでは、スタッフみんなと一緒に実現できるように具体的に検討してみましょう!」
お姉さんも結婚式に弟さんが来てくれることをとても喜んでいました。
そこから、相談支援員、ヘルパーさん、訪問看護師、鹿島神宮の宮司さん等と協議を重ねて、何時に集合して、何時までは○○で待機、何時から外で写真撮影して、どこで呼吸器の電源を確保して、、、など細かく調整を重ねていきました。持ち物リストをみんなで作って、いざ本番を迎えました。
結婚式当日は私と訪問看護師、ヘルパーさん、相談支援員さんが付き添って鹿島神宮で挙式を行いました。特に大きなトラブルもなく挙式を終え、親族の方も大変喜んでおりました。
「披露宴には参加せずに帰宅する予定」とお姉さんには以前から伝えてあったのですが、実は皆でサプライズを計画していました。Iさんも披露宴会場に向かい一部ですが出席することにしたのです。そこでIさんからお姉さんに花束の贈呈を行い、お姉さんはうれしくて涙を流していました。
大成功のうちに結婚式参加支援が終了しました。参加後のお姉さんからの言葉です。
「Iが出席することができ、あの場所に一緒にいられたこと、本当に嬉しく思います。
皆さまのご協力なしでは、出来なかったことなので、感謝の気持ちでいっぱいです。
サプライズの花束も嬉しすぎて涙が(/ω\)」
Iさんも、これをきっかけにいろんなところに行ってみたいという気持ちが出てきており、お母さんも非常に喜んでいました。
今後も、スタッフ皆で力を合わせて、happyな患者さんが増えるようにしたいね!と話をしています。とても素敵な1日でした!Iさん、お姉さん、おめでとうございます!
神栖地域医療教育センター
細井崇弘
厚労科研「総合診療が地域医療における専門医や他職種連携等に与える効果についての研究」報告書が完成しました
2018年10月16日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学
(本研究の報告書。なんと500ページ!)
このたび、我々が厚生労働科学研究として取り組んだ「総合診療が地域医療における専門医や他職種連携等に与える効果についての研究」報告書が完成しました!
総合診療医は、今後の医療の担い手として注目を集める一方で、その実態や有用性に関する明確なエビデンスに乏しく、存在も十分に浸透しているとは言いがたいのが現状です。また、2018年度からは総合診療専門医制度がスタートしていますが、総合診療医の養成が我が国の医療に与える影響も明らかになっていません。
そこで今回は、①総合診療医の実態や有用性をできる限り可視化すること、②総合診療医という存在が、今後の医療においてどのような役割を担うことができるかを明らかにすること、の2点を目的とした研究を実施いたしました。本報告書は、日本の総合診療の現状と今後の可能性について網羅的かつ体系的に一冊にまとめたもので、500ページ以上に及ぶ大作となりました。今後我が国の実情に合わせた総合診療領域の確立を図るうえで、有用な知見を提供するものと考えています。
研究実施に際しては、国内外で総合診療に関わる多くの研究協力者の皆様にご尽力いただき、その結果、非常に価値のある研究が実施できました。ご多忙中、短期間にも関わらず多大なご協力をいただいた皆様に心より御礼申し上げます。
なお本研究は、昨年度は緊急性の高い課題に対して短期間で成果を集約することを目的とした事業である特別研究事業としての実施でしたが、今年度からは同じ厚労科研の指定研究として、3年間の予定で継続実施することになりました。引き続き、エビデンスの発信に努めていきたいと考えております。今後ともご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。
本研究の成果につきまして、厚労科研成果データベース
https://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=201706032A
よりダウンロードできます。ご興味のある方はぜひご覧ください!
前野哲博
人生の最終段階における医療を考える・神栖市民公開講座を行いました
2018年10月11日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 神栖, 地域包括ケア
人生の最終段階における医療を考える・神栖市民公開講座を行いました
~自分の生き方(逝き方)は自分で決める~
神栖済生会病院・神栖地域医療教育センターの細井です。
2018年10月6日(土)、神栖市平泉コミュニティセンターで市民公開講座「自分の生き方(逝き方)は自分で決める」を行いましたのでご報告します。
神栖市は医療従事者数が全国の二次医療圏でワースト2位であり、限りある医療資源をどのように利用していくのか喫緊の課題となっています。私は在宅医療推進のため様々な活動を神栖市でしていますが、今回は住民の皆様が人生の最終段階における医療を自らの問題と認識してもらえるように、神栖市地域包括支援課、保健所の方と4-5か月前から企画しました。
内容が難しいため、寸劇を交えて行うことを考えました。老衰の患者が肺炎となった時、自らが望んでいた医療が受けられなかった、といった医療の現場でよくあるシナリオを用いて脚本を考えました。市内のボランティア団体である「劇団ぽん太」さんとコラボレーションをすることとなり、さらに、実際に神栖市内で訪問診療医として働く医師にも声をかけて出演してもらうことになりました。そしてシニアレジデントの伊藤有里先生にも特別出演してもらう事に!
またその第二部として、ライフ・ターミナル・ネットワーク代表の金子稚子先生にご登壇いただき「自分の生き方(逝き方)は自分で決める」と題してご登壇いただく事を考え、交渉して遠路はるばる神栖市に来ていただけることになりました。
当日までに幾度か寸劇のリハーサルを重ね、いざ本番を迎えました。
当日は300名近い市民の方々に来場して頂き、普段かかっている先生方が演技に奮闘している寸劇も大変好評でした。また、第二部においても金子先生から「死ぬことと生きることは同じ」というメッセージ、大切な誰かと早いうちから自分が「大切にしたいこと」「してほしくないこと」を共有することの重要性を大変分かりやすくご講演頂きました。
来場者の中には実体験をもとに「このようなことを亡き母の時は考えてあげられなかった。今回の話を聞いて、自分たちが今度は大切なことを家族にしっかり伝えなければいけないと思った」といったご意見を頂き、その他の質問も絶えない中、大盛況のうちに閉会となりました。
寸劇を用いたアドバンス・ケア・プランニングの話は非常に分かりやすかったと好評で、次の講演内容もスムーズに理解できたようで主催した私としては大変嬉しかったです。
今後も、神栖市民の皆様が「生きること」「死ぬこと」を主体的に考え、自分が望む生き方(逝き方)が出来るように支援していきたいと思います!
細井崇弘
つくセミ2018受付開始!
2018年10月7日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学
今年も11月17日(土)に開催します!
当グループの秋の定番行事となった、つくセミ(総合診療★家庭医療全国公開セミナー in Tsukuba)です。
その名の通り、家庭医療や総合診療に関するセミナーで、全てのセッションを筑波大学の学生スタッフと総合診療グループのメンバーが手作りしています。
今年は5周年という事もあり、セッションの長さや構成を大幅に見直しました。ちょっと興味があるという人から、がっちり勉強したい人まで、多くの方に楽しんでもらえる内容になっていると思います。
地元民が選ぶおいしいお菓子も用意していますので、お誘いあわせの上、是非遊びに来てください!
【日時】2018年11月17日(土) 12:30~
【場所】筑波大学医学群学系棟 4A104 他
【対象】日本全国の医学生を中心とした医療系学生、初期研修医、その他内容に興味のある方
【定員】60人程度
【参加費】無料
【懇親会費】学生2000円、社会人3000円
詳しい内容・お申込みは、Facebookページ をご覧ください。
→ つくセミFacebookページ
たくさんの方の参加をお待ちしております!
山本由布
家庭医療専門医 合格発表!!
2018年10月6日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学
(卒業セミナーの時の写真です)
先日、プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医の合格発表があり、われわれつくば総診グループから受験した9名の先生が、全員合格しました!
晴れて家庭医療専門医として加わった先生方、おめでとうございます!
また、日ごろの診療での指導、ポートフォリオでの指導など、サポートしてくださった皆さま、本当にありがとうございました。
ちなみに、現在筑波総合診療グループに在籍している家庭医療専門医数は43名(過去在籍者を含めると62名)となりました。このうち、筑波で後期研修を修了した先生は42名です。
五十野博基先生
稲葉崇先生
一ノ瀬大地先生
海老原稔先生
大澤さやか先生
大澤亮先生
河野大輔先生
久野遥加先生
高橋弘樹先生
合格した皆さん、本当におめでとうございます!
これからのご活躍を期待しています!
前野哲博
秋期セミナー 病院総合医チーム2018
2018年10月2日テーマ:筑波総合診療グループ
稲葉@笠間市立病院です。
先日大阪で行われた日本プライマリ・ケア連合学会 第16回 秋季生涯教育セミナーに参加してきました。
その中で、日本プライマリ・ケア連合学会の若手医師部門 病院総合医チームのメンバーとして「あなたの勉強方法は?生涯学習をupdateしよう!」というセッションを開催しました。
内容は
① 臨床をUpdateし続ける方法(明石医療センター 官澤先生)
② 学習し続けるためのモチベーション理論(筑波大学 稲葉、 今村総合病院 崎山先生)
③ 勉強会も生涯学習の1つ(福島県立医科大学 會田先生)
の3セクションについて皆で学びました。
私は今村総合病院の崎山先生と共に、モチベーション理論を担当しました。
生涯学習においては学ぶ方法も大事ですが、学び続けるモチベーションは更に重要です。自分がモチベートされるのはどんな時か、モチベーションが下がるのはどんな時かをワークを通じて考え、世の中に数多あるモチベーション理論の中で自分に合ったものを学びながら、自分なりのモチベーション論を探るという内容でセッションを行いました。全国から集まった参加者の皆様の満足度も高く、何より自分自身の勉強にもなりました。モチベーション理論を学んでいくと、他者をモチベートしたり、組織をモチベートしたりといった内容にも踏み込むことになり、共同学習やリーダーシップなどの内容にも繋がってきます。モチベーション理論を学ぶことは、医師として必要なノンテクニカルスキルの一つであると実感しました。
レジデントやスタッフのノンテクニカルスキル向上に力を入れている筑波総診のグループ内でも今後機会を見つけてモチベーション理論のセッションを行って、グループ内のモチベーション向上やスキルアップにも繋げていければと思います。
文責:稲葉 崇
寄付講座教員として先生方が着任されました
2018年10月1日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学
本日、10月1日に大学の地域総合診療医学講座の教員として、横谷省治先生(教授)、後藤亮平先生(助教)、山本由布先生(助教)が着任されました。また地域医療教育学講座の教員として、阪本直人先生(講師)が着任されました。
今月から田中伸哉先生、伊藤有理先生も新たなレジデントとして加わり、クリニカルクラークシップで5年生も総合診療科での実習がスタートしています。
2018年度下半期、気持ちも新たにみんなで頑張りたいと思います。
片岡 義裕
家庭医療学夏期セミナー セッション「あなたならどうする? ~家族が食べられなくなったとき~」
2018年8月19日テーマ:筑波総合診療グループ
今年も全国各地から、医学生・研修医、コメディカルの方達まで、貴重な夏休みを利用してたくさんの方が「第30回 学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー@湯河原」に参加しました。
私は意思決定支援をテーマにした「あなたならどうする? ~家族が食べられなくなったとき~」というセッションを担当しました。
内容は、提示した症例についてグループごとにディスカッションをし、各選択肢(経口摂取継続・胃瘻・経静脈栄養)を選んだ場合のイメージを掴んでもらうためのブース毎のミニレクチャーを通じて、再度皆で症例について考え意思決定の疑似体験をしていただくというものでした。
「どのように生きていくのか」「本人の意思が明確にわからない場合、家族がどう本人の今後を決定していくのか、医療者側はそれをどうサポートしていくのか」。高齢化社会の現代では、家族側としても、医療者側としても今後何度も直面するテーマです。
参加者さんに実際に難しい選択を迫られる患者家族の側に立って感じてもらい、医療の現場で使っているツールや意思決定支援の流れを簡単に紹介し、今後医療者側として働くようになった際にも生かしてもらえればという企画です。
このセッションがあったのは8月4日から3日間あるセミナーのうちの最終日の朝。
疲れがピークに達するであろうにも関わらず、医学生1-6年生から初期研修医、看護学生など計14名の方が参加してくれました。3日目ということもあり、各グループとも皆さんすぐに打ち解け和気あいあいとスタートしました。
提示した症例は、認知症である自分のおじいちゃん(もしくはおばあちゃん)が誤嚥性肺炎を起こしたというもの。医師からは患者は嚥下機能が低下していて、今後経口摂取をすれば誤嚥性肺炎を起こす可能性が高いと言われます。選択肢としては胃瘻、経鼻胃管、点滴、経口摂取継続の4つ。初めのディスカッションでは参加者の皆さんの多くが「食べるのが大好きだった」という設定の本人の意思を尊重し、経口摂取を選ぶ方が多かったのが印象的でした。
ブース毎のミニレクチャーでは胃瘻に使うチューブやCV、経口訓練に使うとろみ剤の実物を用意し、皆さん興味津々で質問も積極的にされていました。
最後のディスカッションも議論はつきませんでしたが、最後まで経口摂取はさせてあげたい、そのために胃瘻などの選択肢をサブとして選ぶ意見が多く出ました。
また、参加者さんの中には実際におじいちゃんが症例と似た境遇に置かれている方もいらっしゃり、身近な問題なのだと皆が実感できるいい機会になったのではないかと思います。
今回セッションに参加してくれた皆さんが将来医療者側として同じようなケースに遭遇した際に、今回感じたことと実際の臨床現場でのギャップも実感しながら試行錯誤し、患者家族と共にベストな道を探っていくための足がかりとなれば幸いです。
参加者さんの今後が非常に楽しみになるセッションとなりました!今後の夏期セミナーも、参加者さんと共に身になるセッションを作っていければと思います!
後期研修医1年目 佐藤瑠美
寄付講座 地域総合診療医学講座 吉本尚先生准教授就任祝賀会のご報告
2018年8月17日テーマ:筑波総合診療グループ
去る7月20日(金)に、吉本尚先生の地域総合診療医学講座准教授就任祝賀会を開催することができました。
当日は多くの皆様にお集まりいただき、本当に和やかで明るい会を開催することができました。遠方よりお越しいただきました皆様、また祝電やお祝いなどをお送りいただきました皆様、発起人はじめスタッフ一同、そのお気持ちが大変嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
吉本先生をはじめ、地域総合診療医学講座のますますの発展を祈念しております。
発起人:木下賢輔、小曽根早知子
家庭医療学夏期セミナー セッション「医療にまつわるおカネの話」
2018年8月15日テーマ:筑波総合診療グループ
(「やっぱり学校では教えてくれない!?医療にまつわるおカネの話」セッション担当講師一同)
(寸劇の様子)
(グループディスカッションの様子)
毎年恒例の「学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー@湯河原」に講師として参加して来ました。
今回は記念すべき第30回で「原点」がテーマだったようです。
今年も筑波大学総合診療科からはいくつか講座を用意していましたが、自分は「やっぱり学校では教えてくれない!?医療にまつわるおカネの話」というセッションを担当しました。こちらは11月に行われる総合診療 ★ 家庭医療全国公開セミナーin Tsukubaでも出していた講座で、改変を重ねて3回目になります。
内容としては、医療費の概論レクチャーやクイズで楽しく学びながら、後半は入院費のDPC制度についてレクチャーを行い、実際に症例を計算するワークを行いました。一見生徒側はもちろん講師側にもややチャレンジングに思える内容ですが、我々には成功のカギを握る強力な助っ人がいます。ベテラン医療事務の芦野さん(さいたま総合診療医・家庭医センター)と前回DPCレクチャーを0から練ってくれた同じく医療事務の戸田さん(さいたま総合診療医・家庭医センター 今回は別セッション)です!セッションのコア部分は本当に頼りきりでしたが、とても安心して取り組めました。
今回は家庭医学セミナーで行う意義を参加者に感じてもらいたいという想いもあり、「患者の立場に立って医療費の考えよう」をテーマに内容を練り上げました。クイズでは、病気として同じ状態の患者でも金銭的背景や心理的背景によってマネージメントが変わるかといった内容を盛り込みました。各班の回答は皆異なっており興味深かったです。
8月6日の午前9時からのスタートで、医学生1ー6年生や初期研修医、看護学生、薬学部生、計34名と非常に多くの参加者にお越しいただきました。
導入の寸劇では、医療事務のいない夜間救急外来にて、肺炎で入院をさせようとした患者が医療費を気にして入院を渋ります。担当医師は入院費や検査費用について質問されるも答えられず自分の不勉強を嘆く、といったシチュエーションをみていただきました。
検査費用のクイズでは皆さん想像以上のリアクションで盛り上がってくれました。身近に行われている簡易な検査の点数の高さに驚かれたようです。
そして本セッションの山場であるDPC制度のレクチャーを乗り越えて、入院費を計算するワークに挑戦していただきました。
多くの班はこちらが想定していたよりも短時間で回答にたどり着き、ピタリ賞が続出する結果となったことは運営側としては嬉しい誤算でした。
もちろん今回のセッションでは計算を行えるようになることが目的ではなく、DPC制度の基本的な構造を知ることで適切な診断・検査・治療・記録(!)の重要性や、ある程度の検査費や治療費を知ることで患者の立場に少しでも立とうとすることの大切さを感じてもらうことが狙いでした。
参加した皆さんからは「入院費は思っていたより高い!」「これからは簡単に『検査しましょう』とは言えないと思った」「気になっていたが勉強する機会がなかったので参加して良かった」などの感想をいただき、アンケートでも高評価をいただきました。
医療費についてもテーマはこれから医療者になっていく学生や研修医にとって必ず必要でありニーズの高い分野であると再認識することができました。今後も色々と形を変えながら学びを提供していければと思っています!
チーフレジデント 上田篤
ある日のレジデントケースレビュー
2018年8月8日テーマ:筑波総合診療グループ, 大学
筑波大学総合診療科では、毎日外来で診た症例を振り返る、ケースレビューを行っています。
今日のケースレビュー、今ローテートしている初期研修医の服部先生が、ある患者さんの経過を図にまとめてくれていました。
おかげで症状の経過や内服薬の推移などの関係が、すっきりとまとまって頭に入ってきました。
プレゼンする際の症例の理解にも役立ちますね。
研修医の先生の日々の成長には、はっとさせられます。
お互いに学び合う環境の大切さをふと感じた、ある日のケースレビューでした。
セントラル総合クリニック 総合診療科
筑波大学総合診療グループ
山本由布