「ひとびとの健康を支えるオールラウンダー」をめざして

筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

M4アドヴァンスドコース「健康の社会的決定要因」を開催しました

2021年9月17日テーマ:筑波総合診療グループ

大学総診の小曽根です。
筑波大医学4年生を対象に、アドヴァンスドコース「健康の社会的決定要因」を開催しました。これは選択式の1日コースで、昨年に引き続き、大学総診の堀内(高屋敷)明由美先生、文化人類学者の照山絢子先生と3人で開催し、5名の学生さんが参加してくれました。

 

 このコースでは、健康の社会的決定要因(Social Determinants of Health; SDH)とは何か、なぜ医学生が学ぶ必要があるのか、健康の背景には何があるのかについての学びを深めてもらうことを目的としました。その中でも特に「子ども」の背景に目を向けた内容としました。

 午前中には、SDHに関するレクチャーと、自分たちの健康の背景にあるものを考えてディスカッションをしました。学生さんたちがとても積極的に発言してくれて、SDHをめぐる思いについてそれぞれの視点から共有しました。(教員側も、やりがいのある仕事があってありがたい反面、運動不足だなあ・・とか、いろんな話が出ました。)

 そして午後には、つくば市において子どもへの無料塾や様々な居場所づくりの活動を展開してこられた、居場所サポートクラブロべ(http://npo-robe.org/)の理事長の森美智子さんを講師としてお迎えし、オンライン上でお話を伺いました。森さんは、2016年から「経済的な理由で子どもたちに未来をあきらめさせない無料塾」を市内で初めて立ち上げ、市の職員やボランティアの方々など、多くの方々と共に、様々な事情を抱えるお子さんとそのご家族に寄り添って活動されてきたことをお話しくださいました。学習のサポート以前に食事が必要だったり、孤立した保護者への支援が必要だったりすること、また学校でも家庭でもない第3の居場所を必要とする人がいるとのことでした。そして、職員やボランティアの方々など、多くの人とのつながりがあって活動できていること、自分たちが受けてきたご恩を次の世代に送る「恩送り」をされているのだと話されました。
 1時間半あまりのご講演と質疑応答では、学生さんからの想いのこもった質問が絶えず、教員側も胸がいっぱいになる時間となりました。

 

 最後に、学生さんにはまとめとして、同級生や後輩にSDHを教えるコンテンツ作りをしてもらいました。1日を通してそれぞれの参加者が抱いたSDHへの想いを反映した、素晴らしいプレゼンが出来上がりました。きっと彼らが医療者となり活躍してくれたら、どのような分野に進んでもきっと未来は明るいと思えるようなプレゼンテーションでした。

 今回、快くご講演を引き受けてくださいました、居場所サポートクラブロべの森様、全力で参加してくださった学生の皆さん、一緒にコースを作り上げてくださった先生方、そしてコース開催にあたり色々とサポートしてくださいました皆様、本当にありがとうございました。

(小曽根早知子)

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