筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

厚労科研「総合診療が地域医療における専門医や他職種連携等に与える効果についての研究」報告書が完成しました

2018年10月16日テーマ:筑波総合診療グループ, 地域医療教育学講座, 大学

(本研究の報告書。なんと500ページ!)

 

このたび、我々が厚生労働科学研究として取り組んだ「総合診療が地域医療における専門医や他職種連携等に与える効果についての研究」報告書が完成しました!

総合診療医は、今後の医療の担い手として注目を集める一方で、その実態や有用性に関する明確なエビデンスに乏しく、存在も十分に浸透しているとは言いがたいのが現状です。また、2018年度からは総合診療専門医制度がスタートしていますが、総合診療医の養成が我が国の医療に与える影響も明らかになっていません。

そこで今回は、①総合診療医の実態や有用性をできる限り可視化すること、②総合診療医という存在が、今後の医療においてどのような役割を担うことができるかを明らかにすること、の2点を目的とした研究を実施いたしました。本報告書は、日本の総合診療の現状と今後の可能性について網羅的かつ体系的に一冊にまとめたもので、500ページ以上に及ぶ大作となりました。今後我が国の実情に合わせた総合診療領域の確立を図るうえで、有用な知見を提供するものと考えています。

研究実施に際しては、国内外で総合診療に関わる多くの研究協力者の皆様にご尽力いただき、その結果、非常に価値のある研究が実施できました。ご多忙中、短期間にも関わらず多大なご協力をいただいた皆様に心より御礼申し上げます。

なお本研究は、昨年度は緊急性の高い課題に対して短期間で成果を集約することを目的とした事業である特別研究事業としての実施でしたが、今年度からは同じ厚労科研の指定研究として、3年間の予定で継続実施することになりました。引き続き、エビデンスの発信に努めていきたいと考えております。今後ともご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。

 

本研究の成果につきまして、厚労科研成果データベース

https://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=201706032A

よりダウンロードできます。ご興味のある方はぜひご覧ください!

 

前野哲博