パタヤプロジェクト報告 その2
2017年12月4日テーマ:筑波総合診療グループ
10月31日のPreconferenceと11月2日にYoung Doctors’ Movementのワークショップそれぞれ2回、ワールド・カフェのファシリテーターをやらせていただきました。タイ、香港、中国、台湾、日本、韓国などの若手家庭医と自国の医療や様々な問題点を皆で共有しましたが、他国の医療を知ることが、結果的に自国の医療の理解を深められると感じました。
一番印象的であったのが、開会式後のタイ保健省によるプレゼンテーションでした。専門研修を受けた家庭医、看護師、保健師によるプライマリケアユニットを地域に展開した結果、救急外来受診・入院・医療費が減少したデータが示されました。これを受けてタイ王国憲法にプライマリケアクラスターチーム、家庭医療専門医を増やすように明記され、10年間で6000人増やす政策を進めているとのことでした。私たち家庭医も日々の診療の中で、きちんとデータを収集・分析し、発表していくことで、周囲の理解を得ながら、プライマリ・ケアに携わる医療職が増えていくように努力しなければならないことを改めて思いました。
全体を通して、私が感じたのは以下の3点です。
①英語は恥ずかしがらずにどんどん使って良い!
今回はアジア太平洋地域ということで、欧米の方は少数派で英語がnative tongueではない方々が大多数でした。会場では様々なアクセントの英語が飛び交い、また全ての人が英語が堪能という感じはありませんでした。この経験から、発音や文法は多少適当でも、内容が伝わるようにすれば自ずと伝達されると感じ、少し自信がつきました。英語が苦手で足踏みしている方、ぜひ一度YDMの活動に参加してみてください!
②他国の医療を知ることで自国の医療を知る!
今回のYDMのワークショップや学会での発表でも様々な国の医療システムが紹介されていましたが、他国を学ぶことが自国を学ぶことにつながっていると強く感じました。
自国の医療を深く理解していなければ、他国の医療も理解もできないため、一層自国の医療を学ぶモチベーションにつながります。
③YDMのDrは皆アツい!
とにかく皆さん、他国の医療に興味津々です。モチベーションが高く、かと言って議論をし始めるわけでもなく、皆自国の家庭医療、また世界の家庭医療を良くしていきたいという気持ちが伝わってきます。この雰囲気の中に浸かるだけでも、おすすめです。
最後になりましたが、同行させていただいた坂井先生・吉田先生、2週間という長きに渡って研修に行くことを許可いただいた大和クリニックの院長を始め、スタッフの方々、今回のプロジェクトを薦めて下さった吉本先生、推薦状をお書きくださった前野先生、全面的に補助くださったPC連合学会国際キャリア支援委員会にお礼申し上げます。ありがとうございました。
レジデント 劉彦伯