筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

大和クリニックの見学

2016年2月17日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 大和クリニック, 未来医療GP

先日2月8日月曜日、大和クリニックに見学に行ってきました。

私は昨年10月から利根町国保診療所で研修中で、外来診療をメインに訪問診療にも同行していますが、他の地域・医療機関での診療も見学することで、訪問診療の地域による違い、診療体制による違いなどを学ぶ良い機会になればと考えて、先生方が奨めて下さいました。

大和クリニックは訪問診療中心のクリニックで、つくばから車で約50分、利根町からは1時間30分以上の場所にあり、周囲は石屋や農家が多い広々とした場所にあります。クリニックの建物も非常に新しく快適な環境でした。

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当日は午前8時半、業務開始から参加しました。高木先生の訪問診療に同行し、午前中4件、午後3件、見学しました。午前中の訪問診療が終わると、一度クリニックに戻り、午前中の症例のカンファを行い、症例検討し情報共有します。午後も同様に2~3件、訪問診療を行い、終了して全員がクリニックに戻ると、同様に症例検討して情報共有し、それが終わるとカルテ記載など各自業務を続けて、終了となります。

 

症例としては、褥瘡感染・るいそう・栄養障害の方、脳梗塞後・胃瘻・糖尿病の方、脳出血後遺症の方、頸髄損傷後・下半身不随の方などでしたが、中でも褥瘡感染の方の診療(デブリドマン、採血、抗生剤投与など)が印象に残りました。今回は経験できませんでしたが、利根町ではなかなか経験できない末期癌患者、小児難病の症例もあるようでした。

 

診療体制については、利根町国保診療所では1人の医師が訪問診療の全ての患者に対応する主治医制で、訪問診療の頻度は原則として1か月に1回ですが、大和クリニックでは原則として4人の医師がそれぞれ分担して訪問診療に当たっています。担当医は毎回入れ替わり、安定している患者も1~2週間ごとに訪問診療を行い、訪問診療中、相談したいことが出てきた場合には、他の医師に気軽に電話相談できる他、訪問薬剤師、薬局等にも処方・薬剤について相談しながらできる体制になっていて、訪問診療の研修体制としても充実していると感じました。

えび2

今回の大和クリニックの訪問診療を見学して、在宅医療の提供の方法には様々なバリエーションがあり、診療所毎、地域毎に特徴があることを学びました。今回学んだことを、今後、自ら訪問診療を行う際に活かしたいと思います。

今回の見学を勧めて下さった先生方、スタッフの皆様、ありがとうございました。

(S2 海老原 稔)