筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

都田先生のCase reportが掲載されました

2026年10月17日テーマ:学術活動(学会発表・論文・書籍), 筑波総合診療グループ, 大和クリニック

つくば総診の都田です。

この度、大和クリニックでの症例がJournal of General and Family MedicineにCase reportとして掲載されました。よろしければご一読ください

”Autonomic Storm in a Patient With Amyotrophic Lateral Sclerosis in a Home-Care Setting”

専攻医2年目の時に大和クリニックで経験した症例です。ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さんが、定期訪問の際に高血圧、頻脈、発熱、発汗、食いしばり、顔面紅潮を発作的に生じている場面に遭遇しました。当初は菌血症によるシバリングかと思いましたが、炎症反応は全く陰性で、抗生剤無効で頻発しており原因がよく分からず、在宅環境なので詳しい検査もできず…。

指導医の先生方と相談し、文献検索を経て、ALS患者に生じるAutonomic stormではないかとの推論に至りました。そこで、元々投与されていたクロチアゼパムをジアゼパムに変更したところ、発作は速やかに改善し、家族と本人からは非常に感謝されました。

Autonomic stormは長期的な人工呼吸器管理が行われているALS患者に生じる症状であり、そのような方を普段から診察する在宅に関わる医師への周知が必要と強く思いました。「この症例は論文化しなくてはいけない」という想いになり、患者さんに同意を取るときには必ず論文化するから待っていてほしいと約束しました。

そこから指導医の荒牧先生、木村先生、浜野先生、そして論文作成支援として関わってくださった舛本先生のご助力を得ながら、シンガポールで開催されたWONCA APR2024でもポスター発表を行うことができました。そこで燃え尽きてしまい、結局完成したのは2026年になってしまいましたが、この度無事投稿することができました。患者さんにも無事報告することができました。

何度も添削、ご指導をいただいた先生方には改めてお礼申し上げます。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

 

神栖済生会病院 都田佑樹