RCGPの指導医講習会を受講してきました
2019年11月27日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP, 医学教育
2019年11月18日~22日の5日間、英国Royal Cplledge of General Practitioners(RCGP/英国家庭医療学会)主催の指導医講習会が日本で初めて開催され、参加してきました。教育に熟達した2名のGeneral Practitioner(GP)指導医が来日し、合宿形式で行われた指導医講習会の様子を紹介したいと思います。
全国各地から約30人の参加があり、筑波大総合診療グループでは3人が参加しました(片岡、小野間、細井)。
英国の家庭医の役割、専攻医の研修方略の講義から始まり、イギリスにおける総合診療・家庭医療の歴史の長さ、それがしっかりとした教育・評価システムで行われていることに驚嘆し、日本との相違がより理解できました。
その後、少人数のグループに別れて、カリキュラム、評価方法、成人学習・教育、フィードバック技法、診療技法の教育方法、リーダーシップ論、困難を抱えた学習者の評価・教育方法をinteractiveに学んでいきました。
どれも非常に興味のあるコンテンツでしたが、最も印象に残っているのが教育方略、評価に関する講義です。まず「どのような専攻医を育てたいのか」を描いて方略を練り、適切なタイミングで、適切な評価方法を用いて専攻医を導くことは非常に基本的なことですがそれが出来ているのか、省みる良い機会となりました。そして学習者の成長・学習の過程に様々な教育に関するフレームワーク、理論があることを学べたことは今後の専攻医教育に非常に役立つものとなりました。
休憩時や食事の際も参加者同士で意見交換を行い、それぞれの施設の強み・弱みや悩みを共有し、。全国の熱意のある指導医と交流できたのは良い経験となりました。
この経験をもとに、筑波大学総合診療グループの研修カリキュラムをさらにブラッシュアップしたいと思います。そして、英国家庭医療の質に見劣りしない、魅力ある学習環境を提供していきたいと思います。
神栖地域医療教育センター・神栖済生会病院 細井崇弘