筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

【祝 発刊!】「患者にきちんと届く!届ける!予防医療プラクティス」羊土社Gノート2017年4月号

2017年4月6日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 未来医療GP

 

◎ 待望の特集号 ついに発刊
総合診療のGノート(羊土社)より、
世の中の優れた科学的な知見を確実に患者さんへ届けるための概念である、【エビデンス-診療ギャップ】と【エビデンス・パイプライン】をテーマに徹底的に“How”にこだわり抜いて、実践的な内容を交えて紹介した特集号が、遂に発刊されました。

 

 

 

【目次】 を一部ご紹介(詳細はこちら

★「ヘルスリテラシーと患者さんの行動変容」をつくば総診の指導医 阪本直人氏が、執筆担当 (p.582-595)

 

◎ エビデンス-診療ギャップをいかに最小限に抑えるか

 

市民の皆さん、そして、医療者の皆さん、
患者さんのケアに役立つ優れた研究成果やガイドラインなどの知見*が世の中にあっても、
実際の患者さんのケアに反映されなければ、もったいないと思いませんか?

 

実は、日常の診療現場には、その優れた知見を患者さんに届ける過程に数多くの障壁があり、
実際にはその半分も届いていないと言われております。
患者さんのケアに役立つ優れた知見*が診療内容に反映されて届くまでの過程で、
「“パイプラインの水漏れ” により大幅に減衰し、患者さんにまで行き渡りにくくなること」を
【エビデンス-診療ギャップ】といいます。
      (*質の高いエビデンスに基づく実施されるべき医療。システマティックレビュー、メタ分析、ガイドラインなど)

 

◎エビデンス-診療ギャップ と エビデンス・パイプライン

 

この【エビデンス-診療ギャップ】の存在は、
世界の優れた研究者が汗水たらして世に出した研究成果を
研究のままで終わらせてしまうのか否かを左右するほど重要なことなのです。
この仕組みと解決策を理解するには、「エビデンス・パイプライン」という概念が役に立ちます。

 

◎どうすれば実践できるか?(“How”)にこだわり徹底解説

 

その為、岡田唯男氏率いる執筆陣で、この「エビデンス・パイプライン」からの水漏れをいかに最小限に抑え、パイプラインを強めるか をテーマに、
どうすれば実践できるか?(“How”)にこだわり徹底解説しました。
どの分担執筆者も各分野の第一人者が担当しており、編集長 岡田唯男氏の目が行き届いているため、
クオリティーの高さと現場に即した内容は、現存する書籍としては最高峰のレベルといってよいでしょう。(筆者の調査に基づく) 書籍化を強く望みます。
なお、今回の切り口は予防医療ですが、あらゆる医療分野に共有する概念です。

 

◎阪本おすすめの読者

 

プライマリ・ケア医(開業医、総合診療医など)をはじめ医師全般、薬剤師、看護師、保健師、医療系学生、そして健康記事を扱うメディカルライターも含め、あらゆる医療系関係者におすすめの特集です。

 

◎ご購入は、お早めに

 

早くもAmazonでは、1〜2ヶ月後の入荷待ちになっております。(Amazonでの購入はこちら
月刊誌(臨月刊)ですので、気になる方はお早めにゲットしておいてください。
なお、羊土社のホームページからでも購入可能です。
 
(本記事の写真は、いずれも羊土社ホームページで公開されている写真を用いました。お礼申し上げます)
 
寄稿:Naoto Sakamoto

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石丸直人先生より、レジデント修了生に向けたメッセージ

2017年4月2日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 未来医療GP

特別講演「変化し学習する病院総合診療部門づくり」

2017年2月25日のつくば総診 卒業セミナーで特別講演をしてくれた、元つくば総診スタッフの石丸直人先生(現 明石医療センター 総合内科 医長)より、2016年度レジデント修了生に向けたメッセージを頂きましたので、ご紹介いたします。

研修医の先生方、
それぞれ歩む道は異なりますが、

いまの学びが

あとから

いいだしとして

にじみ出してくると思います。

そのときまで楽しみに。

かつての指導医メンバーで記念写真

(編集:つくば総診グループ指導医 Naoto Sakamoto)

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中澤先生より、メンバーに向けたメッセージ

2017年3月30日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 大学, 未来医療GP

皆様、こんにちは。大和クリニックで勤務している中澤です。
先日、クリエーター兼総合診療医の阪本先生から、3月10日に開催して頂きました私の送別会のフォトブックをお送り頂きました。
読み返す度にあの日の感動が呼び起こされる思いです。
特にお忙しい中、お集まりくださった方々やご連絡を頂いた方々には感謝しております。
この場をお借りしまして、改めてお礼申し上げます。

 

今後、私は故郷の山梨県に戻り、開業する予定です。
これまでの経験・知識・技術を故郷の医療に役立てたいと思っております。
送別会では今年の秋の開業を目標にしているとお伝えしておりましたが、予定よりも時間がかかりそうな場合には、地域の医療機関で非常勤医師として働いてからの開業になりそうです。

 

永らくお世話になりました筑波総診に在籍している時間はもう残りわずかではありますが、皆様と出会い一緒の時間を過ごせたことに感謝しております。
陰に日向に私を支えてくださった方々のおかげで、ここまで来られました。
本当に有り難うございました。

 

私と同じように、これからも訪れる研修医らを皆様で支えて頂きながら、筑波総診全体としてこれまで以上のご発展を心より祈念しております。

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2017年2月レジデンシー修了式フォトブックが出来ました

2017年3月21日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP

つくば総診では、毎年レジデンシープログラムを修了するものたちによる修了プレゼンなどを含めた
卒業セミナーが行われています。(内容紹介はこちら

今回も、修了するレジデントによる個性豊かな修了プレゼンが行われました。

その中で、ひときわ印象的だったのは、東端先生のプレゼンでした。

そこで、会場を感動と笑いの渦に巻き込んだドキュメンタリー作品の主演・製作総指揮を務めた東端氏へ
最初にフォトブックをプレゼントいたしました。

フォトブックを手に阪本、東端で

なお、東端氏よりコメントがありますので、共有いたします。

 

「阪本先生から卒業セミナーの名シーンを収録したフォトブックをもらいました。
出来栄えはもちろんのこと、先生のご厚意にも大変感動しました。

ということで、僭越ですが作品批評記事を書かせてもらいました。」

フォトブック表紙

– 卒業セミナーを題材に巨匠阪本が挑んだ意欲作。
今回限りの写真集では、卒業生達の生の表情を鮮度100%でパッケージ。全米も大絶賛!
「阪本直人が龍一超えを果たし、卒業セミナーは歴史に刻まれた」- (ワシントン・ポテト)
お見逃しなく!

 

 

(文責・編集:Naoto Sakamoto)

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総合診療医の未来予想図 partⅡ パンフレット完成!

2017年2月13日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP

パンフレットを手にするGPコーディネーター吉本先生

パンフレットを手にするGPコーディネーター吉本先生

総合診療専門医の役割や研修について,前野哲博先生や吉本先生,「つくば家庭医・病院総合医プログラム」のレジデントの先生方がディスカッションしている様子が,「総合診療医の未来予想図 part Ⅱ」としてパンフレットになりました.

part Ⅰに引き続き,地域医療構想の話や総合診療専門医の話,ノンテクニカルスキルのことなど,写真も豊富で盛りだくさんな内容になっています.

現在,実物は大学のオフィスにありますが,内容については,未来医療GPのホームページにアップされる予定とのことですので,お楽しみに!

片岡 義裕

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浜野先生 若手教員奨励賞 受賞報告

2017年1月31日テーマ:筑波総合診療グループ, 大学, 未来医療GP

170130_浜野先生受賞

表彰状を手にする浜野先生

指導医の浜野淳先生が,2015年度の研究業績などをもとに、筑波大学全体の若手教員の中で優れた研究結果を出した教員に授与される若手教員奨励賞を受賞されました。

http://www.tsukuba.ac.jp/update/awards/20170130095529.html

以下に,浜野先生からのコメントを掲載いたします。
浜野先生,おめでとうございます!

—————————–

この賞は、対象者が40歳以下ということもあり、今年度がラストチャンスでしたが、皆様のご支援のお陰で頂くことができました。

臨床医学系からの受賞は多くはないこと、そして、総合診療系では初めての受賞となることもあり、後輩達に良いメッセージを伝えられればと思っています。
そして、この受賞は、文部科学省未来医療研究人材養成拠点形成事業「リサーチマインドを持った総合診療医の養成」の事業の成果でもありますが、研究に協力してくださった数多くの総合診療医・家庭医の皆様のご協力があっての結果だと思っています。

この場を借りて、ご協力頂いた皆様に御礼申し上げます。

これからも、臨床現場に反映できる総合診療・家庭医療の研究が日本全国で発展できるように、活動を続けていきたいと思っています。
引き続きのご支援、ご指導のほど、どうぞよろしくお願いします。

—————————–

(報告:指導医 片岡 義裕)

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Dr. 前野による総合診療塾 高学年版 ~本気で臨床推論やってみよう  参加者募集中

2017年1月28日テーマ:筑波総合診療グループ, 大学, 未来医療GP

170128_総合診療塾画像

臨床実習中の学生を対象に、前野 哲博先生による総合診療塾を実施します。
楽しく臨床推論を学びたい方から基本に立ち返って臨床推論を学びたい方、腕試しをしたい方まで、幅広く参加いただけます。

2月15日(水) 18時~筑波大学附属病院 地域医療システム研究棟1階にての開催で、詳細はポスターの通りです。
ご参加お待ちしています。

(文責 スタッフ 高屋敷明由美)

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研究領域の優秀大学教員として表彰されました

2017年1月27日テーマ:筑波総合診療グループ, 大学, 未来医療GP

賞状を手にする吉本先生

賞状を手にする吉本先生

昨年末12月28日に、大学教員業績評価などをもとに行われた平成28年度筑波大学医学医療系の大学教員評価で、研究領域の優秀大学教員に選ばれました。

文部科学省未来医療研究人材養成拠点形成事業「リサーチマインドを持った総合診療医の養成」の事業コーディネーターとして、少しでもリサーチをする後姿を後輩たちに見せられればと思っております。

地域のリーダーとしてノンテクニカルスキルを駆使し、診療、教育、研究をバランスよく保ちながら地域の住民の方々に役に立つ総合診療医を数多く輩出できるよう、今後も活動を行っていきたいと考えております。

ご支援の程、どうぞよろしくお願いいたします。

(吉本尚、地域医療教育学 講師)

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学校では教えてくれない!?医療にまつわるおカネの話

2016年11月24日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP

11月12日 第3回 総合診療 ★ 家庭医療全国公開セミナーin Tsukubaのセッションとして行われた「学校では教えてくれない!?医療にまつわるおカネの話」について、ご報告いたします。

このセッションは、「授業で習う機会の少ない医療費について知りたい!」という学生の思いを発端に、つくば総診の医療費初心者(!?)のメンバーとベテラン医療事務の芦野さん(さいたま総合診療医・家庭医センター)とでゼロから作っていきました。「無駄遣いをしない医療者になろう!」という目標のもと、寸劇やクイズ、医療費の計算のワークなどの参加型の構成で、医学部1年生~6年生まで計11名が参加しました。

導入として行った寸劇では、研修医が救急外来で、便秘による腹痛の患者さんに、問診・身体診察もままならぬまま、エコー・採血などの検査を行い、たくさんお金を払わせてしまったというシナリオで、医療費について考えることの大切さを実感してもらいました。筑波大学医学類3年の三石さんからは、「自分が医師になった時には、きちんとした問診・診察を行い、必要な説明と検査を行うことで患者との関係も、医療費もベストを目指していきたいと感じました」と感想をいただきました。

 

腹痛患者さんの診療の寸劇

腹痛患者さんの診療の寸劇

「医療費のいろは」と題したレクチャーでは、保険証の種類によって患者さんの窓口負担金に違いがあること、診療報酬制度の仕組みなど、診療現場ではなかなか見えないお金の動きについてお伝えしました。

クイズでは、お金の話題にちなんで「一葉チーム」「諭吉チーム」「英世チーム」「式部チーム」の4つのチーム対抗で行いました。検査のクイズでは、血液検査・画像検査などを点数の高いものを考えてもらいました。クイズの最後には応用編として、「田舎vs都会」で医療費の比較をしてもらいました。「保険対象」ならば、その他の環境やサービスが違っても、同じ診療なら値段は変わらないことを学んでもらいました。

 

レクチャーの様子

レクチャーの様子

総まとめとして、カルテから医療費を計算するというワークを行いました。医療費の計算はとても複雑ですが、ここまでで得た知識を総動員し、力を合わせて取り組んでいました。栄えあるピタリ賞を勝ち取ったのは、クイズも全問正解だった一葉チームでした!

 

医療費の計算をする参加者の皆さん

医療費の計算をする参加者の皆さん

参加の皆さんからは、「点数の仕組みが分かり、こんなに色々なところでお金がかかっているのだと驚いた」「医療費の計算って大変。事務の人はこれを1人1人にやっているのか!」などの感想があり、低学年から高学年まで好評でした。今回のセッションを通して、患者さんの視点や医学知識だけでなく、「医療費」のことも意識する医療者に将来なってもらえればと願っています。

(レジデント 久野遥加)

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第3回総合診療・家庭医療セミナーinつくば 実施報告その2

2016年11月18日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP

11月12日に筑波大学にて開かれた、「第3回総合診療・家庭医療セミナーinつくば」で各セッションを担当された先生方からの感想です!

「ひとまずやろうぜ!診療所救急」
たくさんの学生さんたちに参加いただき、ロールプレイを交えながら実際に診療所勤務の医師になったつもりで対応の手順を体験してもらいました。参加してくれた学生さんたちの感想や講師陣の反省をもとに、ぜひ来年、再来年とより刺激的なセッションを提供できればと思います。
(シニアレジデント 上田篤志)

ロールプレイの様子

救急 ロールプレイの様子

 

「一歩進んだ医療面接」

今回初めてセミナーの運営に携わりましたが、ミーティングを重ねて議論を繰り返す中で、参加者のニーズを考えながらセミナーをゼロから作り上げていくことの難しさと終了後の達成感を感じました。反省点や今後の課題もありましたが、今後より良いセミナーの運営につなげていければと思います。
(シニアレジデント 孫瑜)

 

医療面接 ディスカッションの様子

 

「EBMのイロハ」
EBMについてなんとなく漠然としたイメージは持っていたのですが、どのように臨床に応用していくことが分かりませんでした。このEBMのセッションでは、エビデンスを基に患者さんにどのような説明をすべきかロールプレイの形で学習しました。論文などで得たエビデンスだけでなく、患者さんの状況や背景、感情のバランスをふまえた上で診療方針を決定することがEBMなのだと初めて教わりました。
(学生スタッフ 加藤久貴)

 

EBMセッションの様子

 

実施報告その3もお楽しみに! (スタッフ 片岡 義裕)

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第3回総合診療・家庭医療セミナーinつくば 実施報告その1

2016年11月14日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP

全体セッションの様子

全体セッションの様子

皆様、こんにちは!
筑波大学医学群医学類3年の加藤久貴と申します。

去る、2016年11月12日に筑波大学で「第3回 総合診療☆家庭医療セミナー」が開催されました。
今回は講師の先生方や学生を含め、合計70名以上の方が参加してくださいました!!

昨年もこの「総合診療☆家庭医療セミナー」に参加させてもらったのですが、今回はスタッフの代表として参加させていただきました。

吉本先生、山本先生、片岡先生を初め、第1回代表の重光さん、第2回代表の三石君、コアスタッフの方々が支えてくださったおかげでこんなに素晴らしいセミナーにすることができました。ありがとうございます。

また、お仕事もありながら、お時間の合間を縫ってセッションの準備をしてくださった講師の先生方にも本当に感謝しております。ありがとうございます。

そして、何より、本日参加してくださった参加者の方のお陰で、セミナーを無事に終えることができました。
遠いところからはるばるつくばまで足を運んでくださり、ありがとうございました。

来年度も「総合診療☆家庭医療セミナー」を開催する予定です。
今回参加されました方も、参加できなかった方も、皆様に楽しんでもらえる・有意義な時間にしてもらえるセミナーをつくっていきたいと思います。

また皆様とお会いできる日を楽しみにしています。

(筑波大学医学群医学類3年 加藤久貴)

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阪本ら3名の座談会が掲載された【ドクタラーゼ】第19号が、全国の医学生に届いています!

2016年11月16日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP

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特集「保健の視点~人々の健康な生活を支える~」

医学生がこれからの医療を考えるための情報誌【ドクタラーゼ】第19号が、
全国の医学生向けに発行されています!

阪本ら3名の座談会のテーマは、「誰もが自分の健康を主体的に獲得できる世の中へ」

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誰もが自分の健康を主体的に獲得できる世の中へ

 

座談会では、健康の社会的決定要因に関する概念や、
阪本が、患者さんと治療の目的を共有し、協働体制をつくるために普段心がけていることにも触れられています。

なお、この座談会でも出てきました、「健康の社会的決定要因」に関する概念は、新しい考えであり、この概念を伝えるのは容易ではありません。

その難問を我々の意図を汲み取って、うまく我々の座談会のストーリーに落とし込んでくださいました。

 

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なお、この座談会の編集を担当された中田 菜摘氏が、自身のFacebokで制作秘話を語ってくださいました(ログイン必要)。

下記、抜粋してご紹介させていただきます。(ご本人の承諾を得ております)

 

(ここから)

10月25日、ドクタラーゼ第19号が発行されました〜
***
今回の特集テーマは、「保健の視点」です。
ただ長生きするだけじゃなくて健康に生きたいよね、だけど「健康である」ってそもそもどういうことだったっけ?というところまで踏み込んだ内容になりました(そもそも論が大好き)。

基本的には、超高齢化時代、平均寿命だけではなく健康寿命も伸ばすにはどうしたらいいかという問いが、この特集の出発点です(日本人の平均寿命と健康寿命の差は約10年)。
地域のお医者さん・保健師さんの取り組みを取材させていただいたり、産業保健について専門の先生にお話を伺ったりしてきました。

***
住民の方一人ひとりのお家を訪問して健診結果について丁寧にお話されている保健師さんのエピソードや、多くの人が健康について意識もしていない「職場」という環境で健康づくりを推進する産業医の先生方のお仕事についてのお話など、コンテンツは盛りだくさんなのですが、 Naoto Sakamoto先生、 Hiro Zakoji 先生、 Maho Haseda 先生をお招きした座談会記事は、医療関係者ではない方にもぜひ読んでいただきたい内容です。(阪本注釈:上記URLは、Facebookログインが必要)

タイトルは、「誰もが自分の健康を主体的に獲得できる世の中へ」。

この特集を作りながら、もやもやしていたことがいくつかありました。
「健康寿命を伸ばそう」というコンセプトが間違っていないことはわかっているのですが、「健康」でない人が生きづらい世の中になったら嫌だな、というのがわたしの率直な感覚でした。病気をしたり要介護になった状態の人が生きていることが良いことと見なされなくなってしまうとしたら、それはおかしなことです。「健康寿命の延伸」というスローガンは、ともすると「健康でなければ生きていてはいけない」という圧力にすり替わるのではないか、という違和感がありました。
また、「自業自得の糖尿病患者」に関する過激なブログが炎上していたのも、ちょうどこの記事の制作時期でした。当初は嫌悪感を感じながらも、「自業自得」という表現にどう反論すればいいのか、自分ではいまいち言葉が見つかりませんでした。

***
先生方とお話しさせていただいて、わたしが学んだことは大きく二つあります。
一つは、健康の社会的決定要因という考え方です。例えば食べすぎが祟って糖尿病になってしまった人がいたとして、食べすぎたのはその人が悪いのか。お金がなくてジャンクフードしか食べられなかったのかもしれないし、精神的ストレスにさらされて、たくさん食べることしか逃げ道がなかったのかもしれない。日々稼ぐことで精一杯で、そもそも「食生活に気を遣って長生きしよう」なんて思えない生活環境にいるのかもしれない。
おそらくまだまだ不完全な理解ですが、「健康」を個人の責任に帰結させないという考え方を知って、目の前が開けたような感覚がありました。

もう一つは、「何が健康か」は社会が決めることではなく、個人が決める価値だということ。病気があったり、介護が必要だったり、障害があったりする人が「不健康だ」と糾弾されるのは、言うまでもなくおかしなことです。一人ひとりが主観的に「自分は健康だ」と満足して生きられることにこそ価値があるし、医療も、社会も、第一義的にはそれをサポートすべきだと思います。
健診で悪い結果が出たとき、一方的に「あなたの生活はここが悪いからこうしなさい」と言われて行動に移す人は少ないでしょうし、正直、そんなことを言われるなら健診になんて行きたくなくなると思います。あるいは、言われたとおりにして、誰かに「健康」と認められたとして、その人は嬉しいでしょうか?
「こういうあり方が健康だからこうなりなさい」と押し付けるのではなく、一人ひとりの人がどう生きたいと考えているのかに寄り添い、それを尊重してこそ、保健活動の意味があると思います。

3人の先生方には、座談会当日のみならず、誌面を作り上げる過程でも議論を重ねていただきました。制作を通じて得たものは、ここに書ききれないほどあります。ほんとうにありがとうございました。

***
特集以外にも、・・・わたしの担当企画以外も、手前味噌ながらとっても読み応えのある記事が揃っています!
WEBでも読めるので、お時間あるときに覗いてみてもらえたらうれしいです。

(抜粋ここまで)

 

みなさま、医学生がこれからの医療を考えるための情報誌【ドクタラーゼ】第19号
ぜひお読みください。

 

記事:阪本 直人

 

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平成28年度第3回総合診療塾「家庭医のワークライフバランスを考える会」を開催しました。

2016年10月31日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP

吉本先生ご講演の様子

吉本先生ご講演の様子

2016年10月17日(月)に、「文部科学省未来医療研究人材養成拠点形成事業・筑波大学『次世代の地域医療を担うリーダーの養成』・総合診療塾」と「女性医師のキャリア形成を考える会(※)」のコラボイベントである、「家庭医のワークライフバランス を考える会」が開催しました。

本イベントでは筑波大学附属病院総合診療科の吉本尚先生と小曽根早知子先生にご講演いただきました。
医学類1年生から6年生までの男女学生が参加し、講演後の質疑応答では多くの質問が出て、大変盛り上がりました。

最初は吉本先生のご講演でした。学生時代に描いていた未来、今までのキャリアとライフ、現在の生活(平日の流れと一週間の流れ)、同僚(先輩、後輩)の女性医師をみて日々感じていること、の4つのテーマに基づいてお話いただきました。吉本先生は第三回「明日の象徴」医師部門を受賞され、医師としてご活躍されている傍ら、休日は3人のお子さんと一緒に、”戦いごっこ”や公園で遊ぶなどして、父親としての役割もしっかりと果たされており、ワーク(仕事)とライフ(家庭生活)を両立されていることがわかりました。

小曾根先生の講演の様子

小曾根先生の講演の様子

次に小曽根先生にご講演いただきました。 学生時代に描いた将来、キャリア・ライフヒストリー、現在の生活(平日と一週間の流れ)の3つのテーマに基づいてお話いただきました。小曽根先生は3人のお子さんの母親であり、産休や育休を取りながら、お仕事を続けていらっしゃいます。小曽根先生はワークとライフの相互作用の大切さについてお話されました。仕事により身に付いた”手順を考える作業”や体力が家事や育児に生かされ、また逆に、家事や育児により身に付いた優先順位付けや時間管理能力、子どもの成長・発達の経験、人間関係の広がりなどが家庭医としての仕事に生かされるそうです。

お二人ともご講演の最後にキャリア形成についてお話くださいました。人生ではいつどのようなことが起きるか予想がつかないため、先のことを 心配しすぎず、その都度の経験を大切にすると良いということを教えていただきました。
質疑応答の時間では、参加者がそれぞれ抱える悩みや気になることを質問し、先生方が丁寧にお答えくださり、参加者にとって実りのある会になったと思います。

本イベントの運営にあたり、吉本先生、小曽根先生、未来医療人GP事務局の横谷さま、早川さまに心よりお礼を申し上げたいと思います。

※「女性医師のキャリア形成を考える会」は、医学類5年(筑波大学医学類39回生)有志による、ワークライフバランスをテーマにした企画をしている団体です。女性にとって医師として一人前になるためのキャリアアップの時期と、出産・育児に携わる時期が重なるため、多くの女子医学生がキャリア形成に関する不安を抱えていると思いました。そのような不安を少しでも解消する機会を作りたいという思いから、当団体を今年の6月に設立しました。今回で3回目の開催となりました。当団体の活動として、筑波大学附属病院で勤務される医師を毎回2名講師 としてお呼びして、ご自身のワークライフについてご講演いただいております。

(筑波大学医学類5年 田中碧)

企画準備、広報から当日の運営まで、忙しいClinical Clerkshipの中、精力的に取り組んでくださった田中碧さん、どうもありがとうございました。

次回の総合診療塾は、年明けにコミュニケーション応用編として”How to tell bad bews?”および昨年度に引き続き「臨床推論トレーニングセッション復刻 総合診療ドクターGT」を予定しています。どうぞご期待下さい。

(総合診療科スタッフ 高屋敷明由美)

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【参加受付中】 第3回 総合診療 ★ 家庭医療全国公開セミナー in Tsukuba

2016年10月22日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP

スタッフミーティングの様子

スタッフミーティングの様子

大学指導医の片岡です。
以前このブログでもお知らせしました通り、11月12日に「第3回 総合診療 ★ 家庭医療全国公開セミナー in Tsukuba」が開催されます。
医学類の総合診療に興味を持つ医学類の学生と教員が一体となって、セミナーに向けて準備を進めています。

詳しくは、Facebookや未来医療GPのホームページにありますので、ぜひご覧ください。
申し込み締め切り(仮)は11月2日(水)17:00です。
主な対象は、医療系学生や初期研修医となっていますが、総合診療や家庭医療に興味があればどなたでも参加できます。
まだ申し込んでいない方は、お早めに!

片岡 義裕

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【申込開始】 第3回総合診療・家庭医療セミナーinつくば

2016年9月27日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP

総合診療、家庭医療に関する全国セミナーを昨年に引き続き開催いたします。
医学生・初期研修医を主対象としていますが、医療系学生、その他興味のあるどんな方でも参加可能です。
以下のサイトから申し込みください。
https://netcommons.md.tsukuba.ac.jp/?page_id=152

日時:2016年11月12日(土)12:30~
場所:筑波大学医学群 学系棟 4A103, 322など
対象:日本全国の医学生を中心とした医療系学生、初期研修医、その他内容に興味のある方 (主対象は医学生、初期研修医)

定員:60人程度
参加費:無料
懇親会費:学生 2,000円、社会人 3,000円
当日、現金でお支払いください。

企画運営:
加藤 久貴(筑波大学 医学類3年)
海老原 賢治(筑波大学 医学類3年)
黒田 英里(筑波大学 医学類3年)
森 陽愛子(筑波大学 医学類1年)
重光章鈞(筑波大学 医学類5年)
三石一成(筑波大学 医学類3年)
門野彩花(筑波大学 医学類6年)
山本由布(筑波大学附属病院 総合診療グループ、笠間市立病院)
片岡義裕(筑波大学医学医療系 地域医療教育学 助教)
吉本尚(筑波大学医学医療系 地域医療教育学 講師)

スケジュール
12:30~13:00 オープニング
13:00~14:40 セッション1 or 2 or 3 (どれか1つ選択)
15:20-17:00  セッション4 or 5 or 6(どれか1つ選択)
17:10-18:20  振り返り&全体交流セッション

<セッション紹介>

1.一歩進んだ医療面接(仮)

高橋弘樹(筑波大学附属病院 総合診療グループ)
宮崎賢治(筑波大学附属病院 総合診療グループ)
孫瑜(筑波大学附属病院 総合診療グループ)
竹内優都(筑波大学附属病院 総合診療グループ)
任明夏(筑波大学附属病院 総合診療グループ)
福田幸寛(筑波大学附属病院 総合診療グループ)

概要:医療面接は全診療の基本だが、時に患者-医師関係の構築ができず、「なんだか難しい」「ちょっと悩ましい」面接を経験することがあります。このセッションを通し、学校での授業では習わない患者さんとのコミュニケーションレベルをアップさせる、一歩先の診療を体験してもらいます。

2.学校では教えてくれない!?医療にまつわるおカネの話(仮)

山本由布(筑波大学附属病院 総合診療グループ、笠間市立病院)
荻野利紗(筑波大学附属病院 総合診療グループ)
久野遥加(筑波大学附属病院 総合診療グループ)
芦野朱( 医療生協さいたま さいたま総合診療医・家庭医センター)

概要:あなたは知っていますか・・・?風邪で受診するといくらかかるの?血液検査は?入院は?医療費は誰が負担してるの?
きちんと鑑別診断を考えるとどれだけムダが省ける?学校では教えてくれない「おカネ」の話を、楽しく分かり易く、クイズ形式で学びます!

3.EBMのイロハ

片岡義裕(筑波大学医学医療系 地域医療教育学 助教)
大澤さやか(筑波大学附属病院 総合診療グループ)

概要:病気の診断や治療に関するエビデンスを理解するにあたって、基礎的な知識をレクチャーで学びます。さらに、臨床で出会う疑問についてグループに分かれて議論を行い、患者さんにどのように説明すべきか、ロールプレイを行います。臨床に生かせる知識・技術が得られます!

4.医療から在宅へ 始めよう多種職連携

高橋聡子(筑波大学附属病院 総合診療グループ)
海老原稔(筑波大学附属病院 総合診療グループ)
一瀬将宏(瀧病院 主任介護支援専門員)
佐藤律子(北茨城市民病院 医療ソーシャルワーカー)
高木和宏(北茨城市民病院 リハビリテーション室 副室長)
増田史枝(北茨城市民病院 退院支援看護師)
進藤由佳(いそはらクリニック 認定訪問看護師)

概要:実際の入院患者を例に挙げ、自宅に帰るために関わる職種の考え方を学び、退院前カンファレンスを体験してもらいます。それにより、一人の医療者としての意見だけでは不足しがちな面があることを実感し、それぞれの職種で意見を出し合い、補いあう事で本人が本人らしく過ごせる方法を探す必要があることを学びます。講師は北茨城市で実際に連携を普段からしているメンバーで、臨場感満載です!

5.ひとまずやろうぜ!診療所救急(仮)

高木博(川崎医療生活協同組合 川崎セツルメント診療所所長)
稲葉崇(筑波大学附属病院 総合診療グループ)
上田篤志(筑波大学附属病院 総合診療グループ)
任瑞(筑波大学附属病院 総合診療グループ)
坂倉明恵(筑波大学附属病院 総合診療グループ)

概要:診療所の外来には、多くの場合「落ち着いた患者さん」が来るのですが・・・その中で救急患者に遭遇したときに、どう動けばよいでしょうか?診療所や小病院の外来の設定で、①状況確認②初期評価③問診・診察、までの診療の流れを体系的に学ぶ予定です。医学科4年生以上を推奨します。

6.総合診療医のキャリアについて語ろう

細井崇弘(筑波大学医学医療系 地域医療教育学 助教)
片岡義裕(筑波大学医学医療系 地域医療教育学 助教)
前野哲博(筑波大学医学医療系 地域医療教育学 教授)
横谷省治(筑波大学医学医療系 地域医療教育学 講師)
永藤瑞穂(筑波大学附属病院 総合診療グループ)
高橋弘樹(筑波大学附属病院 総合診療グループ)
竹内優都(筑波大学附属病院 総合診療グループ)

概要:総合診療のキャリアについて、レクチャー・グループディスカッション。総合診療医がどのように働いているのか、どんなキャリアを積んでいるのかについて、参加者の質問に講師がずばり回答!意見交換も行いますので、お楽しみに!

<振り返り&全体交流セッション>(17:10-18:20)

「今、改めて考える~どんな医療者になりたいか?」

学業に、部活に、サークルに、忙しい日々を送っているうちに、自分が何をやりたかったのか、どんな医療者になりたかったのか、考える機会が減っていませんか?今、改めて原点を考え意見を交換することで、明日からの日常が違ったものになるかもしれません。

<懇親会学生企画>

「学生プレゼン~学生でもここまでやれる!」

司会:重光章鈞、吉本尚

「セミナーで勉強するだけじゃつまらない!」、「色々学生として、こちらからも発信したい!」という参加者の声を元に、学生自身が発信する場を設けました。皆さんの熱く活動している活動をぜひ参加者で共有してみませんか?

申し込み

以下のサイトから申し込みください。
https://netcommons.md.tsukuba.ac.jp/?page_id=152

セッションは先着順で、希望に添えない可能性もありますのでご了承ください。
オンラインでの締切は11月2日で、それ以降は電話でご連絡ください。

(最終更新2016.10.21)

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出版記念インタビュー、ジェネラリスト教育コンソーシアムHPで紹介されました。

2016年9月24日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 水戸, 未来医療GP

阪本氏らで執筆した書籍の出版を記念して行われたインタビュー記事を
(株)尾島医学教育研究所のジェネラリスト教育コンソーシアム ホームページで
紹介してくださいました。

amazon.co.jpの本書籍ページへジャンプします。

amazon.co.jpの本書籍ページへジャンプします。

 

日本の高価値医療 High Value Care in Japanより

Special articles High Value Care をもっとやってみよう~
第8章『ヘルスリテラシー向上のための 患者教育』P.117-125

阪本直人氏/ 筑波大学 医学医療系 地域医療教育学/附属病院 総合診療グループ

 

<インタビュー記事 概要>

出版記念インタビューでは、世界のHigh Value Careに関連した動きを紹介しています。
また、担当章「ヘルスリテラシー」の話題では、市民の誰もが持つべきライフスキルの1つである
ヘルスリテラシーが、健康維持やリスク回避だけでなく、医療を受ける際の意思決定にも重要であること。
さらに、健康や病気の「原因の原因」ともいえる、健康を左右する環境といった、
健康の社会的決定要因をコントロールできる能力としてのヘルスリテラシーが、
近年日本でも重要視されていることなどが、分かりやすく紹介されています。

本書と合わせてお読みいただくと、さらにこのテーマを深く理解できる内容となっております。

ジェネラリスト 教育consortiumホームページより

ジェネラリスト教育コンソーシアムHPにジャンプします

 

V.9 日本の高価値医療 High Value Care in Japanは、絶賛発売中です!

次作 V10. 日本の診療ガイドラインは、近日中に発売予定です。

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阪本ら執筆の『ヘルスリテラシー』が「情報管理」ジャーナルで紹介されました。

2016年8月3日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 未来医療GP

 

阪本ら執筆の『ヘルスリテラシー:健康教育の新しいキーワード』が、
『情報管理』ジャーナル Vol. 59 (2016) No. 5 p. 352にて、紹介されました。

 

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J-STAGE該当ページにジャンプします。

 

本雑誌より抜粋してご紹介いたします。

 

『本書はこれまでにありそうでなかった,ヘルスリテラシーについての本格的な専門書であり,
入門書である。
「このような本を待っていた」と喜ぶ(筆者も含めて)読者は多いだろう。
各分野の第一人者による各章のレビュー,引用・参考文献,多彩な図表や写真(モノクロ),コラム,巻末索引など,読みやすく中身が濃いので,どの章から読んでも新たな発見がある。・・・

 

団塊世代が後期高齢者に達する医療の2025年問題まで10年を切り,地域包括ケアシステムが急ピッチで整備されてきた。
「健康格差」という言葉をメディアで見かけることが増えたが,医療情報に携わる立場からは,エビデンスのある医学・健康情報をどう提供するかは喫緊の課題である。・・・』

 

 

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ヘルスリテラシー :健康教育の新しいキーワード 福田 洋 (編集), 江口 泰正 (編集), 中山 和弘 (著)    amazon.co.jpへジャンプします。

 

 

総合診療グループ 家庭医療専門医・指導医/地域医療教育学 講師  阪本直人

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文部科学省事業の中間評価で最高評価をいただきました

2016年7月3日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP

2013-2017年度の文部科学省補助事業として募集された「未来医療研究人材養成拠点形成事業」(通称 未来医療GP)に、筑波大学の取り組みである「次世代の地域医療を担うリーダーの養成」が採択され、4年目に入っております。
このたび、前半3年間(2013-2015年度)の評価が文部科学省によってなされ、結果が公開されました。

「未来医療研究人材養成拠点形成事業」全体で、のべ25大学が採択されておりますが、採択校で筑波大学は唯一、最上位のS評価をいただくことができました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/1373288.htm

この評価は、本事業にご協力・参加いただいた多くの皆さまのおかげであり、またこれまで筑波大学の総合診療医の教育システムを作り上げてきた先人たちの成果でもあります。
この評価に甘んじることなく、我が国の地域医療の未来を支える質の高い総合診療医を数多く世に送り出せるよう、日々精進を重ねてまいりたいと思います。

今後とも何卒ご指導のほどをよろしくお願い申し上げます。

(事業コーディネーター 吉本尚)

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【動画で紹介】総合診療医の専門性や守備範囲、活躍の様子について

2016年6月15日テーマ:筑波総合診療グループ, ステーション, 地域医療教育学講座, 大学, 筑波メディカルセンター病院, 水戸, 未来医療GP

日本プライマリ・ケア連合学会 制作ビデオが、2016年6月11日に公開されました。
いま日本の医療で期待される専門医のひとつ「総合診療医」を解説、紹介する映像です。
総合診療医の専門性や守備範囲、活躍の様子をご覧ください。

日本専門医機構HP「総合診療専門医概要」より、抜粋・編集

国民に質の高い医療を提供するために、わが国のすべての専門医制度が大幅に変更され、
新しい専門医制度が2015年度医師国家試験合格者から適応されることになりました。
2017年度から日本専門医機構が認定する専門研修プログラムが開始されます。

新制度では「従来の基本診療領域に総合診療専門医を新たに加えることとする」という大きな制度改革がありました。
この総合診療専門医は様々な学会や組織の経験と知を統合しながら、新しい総合診療専門医像を
ある意味オールジャパンで創生していくことを目指し、
本機構内に新たに「総合診療専門医に関する委員会」を立ち上げ、十分かつ慎重に審議して参りました。

そして、総合診療専門医を「主に地域を支える診療所や病院において、他の領域別専門医、一般の医師、
歯科医師、医療や健康に関わるその他の職種などと連携し、
地域の医療、介護、保健など様々な分野でリーダーシップを発揮しつつ、
多様な医療サービスを包括的かつ柔軟に提供する医師」と定義し、
この総合診療専門医に求められるコアコンピテンシー(核となる能力)として、
①人間中心の医療・ケア、
②包括的統合アプローチ、
③連携重視のマネジメント、
④地域志向アプローチ、
⑤公益に資する職業規範、
⑥診療の場の多様性、
の6つを提示致しました。
この度ホームページに「総合診療専門医」に関するタブを追加し、
「総合診療専門医」に関する資料(総合診療専門研修プログラム整備基準、
総合診療専門医専門研修カリキュラム(案)、研修手帳(案)、
研修指導医マニュアル(案)など)を掲載する事になりました。

 

 

つくば総合診療グループ 指導医 阪本直人

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業務改善の講習を受けました(パート2)

2016年6月12日テーマ:筑波総合診療グループ, 未来医療GP

講習の様子

講習の様子

チーフ1年の久野先生が受けたTEAMS-BPの講習と同じものをシニア1年の坂倉先生も受けられ、感想を送ってくださいましたのでご紹介します。

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6月4日(土)にTEMS-BP 「業務改善に関わるノンテクニカルスキル研修」に参加させていただきました。一般企業で使用されている業務改善ツールを筑波大学附属病院バージョンに改訂したプログラムです。みなさんにおすすめしたい、明日の業務から生かせる内容でした。

WSでは、4人一組の小グループで、自分の普段の仕事で改善したいと思っている作業を取り上げて、決められたステップに沿って、改善策を探っていきます。

作業を分解し、パーツごとに「いつ、なんのために、どこで、だれが、どんな方法で」とひとつひとつ自問し、それぞれのパーツを取り去ったり組み替えたり新たな方法にしたり、という過程をファシリテーターにアドバイスしてもらいつつ進めます。

レクチャーで例として扱われていたのは、看護師さんが点滴をつなぐ作業でした。物品の置き場所や、スタッフに声をかけあうタイミング、ラベルの貼り方、作業の順番などちょっとずつ改善するだけで、作業時間や歩行距離が大きく短縮される、というものでした。再現動画をみて、目からうろこでした。

効率的かつ質を高くすることで、本当に時間をかけたい患者さんの問診・診察の時間を確保できたり、ワークライフバランスを保つ生活につながったりするという色々なメリットがあると改めて感じました。

今回は事務職や医療職など含め、学外からもいろいろな職種の方が参加していて、どんな仕事や作業にも汎用性のある内容だと実感できました。

日々の業務では、まだまだ自分の未熟さに直面する毎日ではありますが、質と効率をあげる技能は、「練習すれば向上する」、という今回のレクチャーのメッセージに背中を押された思いでした。

運営スタッフのみなさん、ありがとうございました。
ほかのノンテクニカルスキル研修も楽しみにしています。

シニア1年 坂倉明恵

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