筑波大学附属病院総合診療科 ブログ

いってきました!ハワイ研修!

2019年12月7日テーマ:筑波総合診療グループ, 北茨城, 未来医療GP

北茨城市民病院附属家庭医療センターの高橋です。
10月29日から11月7日まで、茨城県が主催する指導医団国外派遣事業に参加してきました!
茨城県の指導医の指導能力向上の目的で、茨城県内から私も含め4人の医師が世界標準の指導・教育に取り組んでいる米国(Hawaii)へ行ってきました。

留学経験のある先生方に囲まれ、英語に自信がなかった私は直前までオンライン英会話でなんとか英語能力を少しだけ取り戻し、少しの不安と期待が入り混じりながら飛行機に乗り込みました。

 7時間のフライトを経てハワイにつき、日本と違い暖かい日差しと晴れた空、ヤシの木、海を見て、不安は吹き飛びました!笑

 到着し、ちょっとホテルで一服……はできません。
そのままアメリカと日本の医療保険制度の違いを学びました。
これは今まで参加した先生方もブログに書いていますので省きますが、当たり前だと思っていた日本の皆保険制度を外から比較すると、日本の良い部分や米国の医療における問題点にも気づくことができました。
海外の医療事情に疎かった自分には衝撃でした。

2日目からも盛りだくさん。研修は基本的に朝型。
6時半頃には集合し研修先に向かいます。

 ハワイ唯一の医学部のあるハワイ大学では、シミュレーターを使用した教育方法のレクチャー2日間に渡ってティーチングスキルを学びました。
 シミュレーターを使用したレクチャーを自分で作成し参加者同士で体験しながら学びました。単純なシミュレーションだったにも関わらず、他人を教育するために考えなければならないことが多くあり、人に体験させ学習させることの難しさを感じました。ティーチングのレクチャーでは実際に教育に関して悩んでいることも意見交換をすることができました。
 指導する先生方は皆、教育者であるため、相手をモチベートする方法や相手の意見の引き出し方、学習する雰囲気づくりに長けている先生方ばかりでしたので、レクチャー自体が非常に勉強になりました。

また次の日には、ハワイ最大の病院であるクイーンズメディカルセンター病院でホスピタリストとして第一線で働いている野木先生のレクチャーをはじめ、日本からきて実際に活躍されている先生方の働く様子を見せていただき意見交換ができました。そこでは、米国の医学生のモチベーションの高さの背景や、屋根瓦式の教育の文化、教育に投資しそれを外部から評価されるシステムが根付いていることを知り非常に驚きました。

そのほかにも、日本人医師のクリニック・緊急クリニックでの診察見学、NP(Nurse Practitioner)の方との意見交換、カピオラニコミュニティーカレッジを見学し日本にはない職種(呼吸療法士やメディカルアシスタントなど)など多職種の専門教育に関するレクチャー、業務・質改善に力をいれているキャッスルメディカルセンターの施設視察、取り組みについての講演会、現地の日本人医師との交流会など毎日研修は盛りだくさんです。
研修としてこのように長い期間、海外に行く機会が初めてでしたが、あっという間の10日間でした。

今回の研修を通して、海外の医療事情やその背景にある歴史や人種の違い、医学教育の成り立ちだけでなく、海外から見た日本の良さなど新たな視点をいただいた気がします。
 数あるレクチャーの中で、ある先生が「教育は一切のリターンを求めない」と話されておりました。その先生が目を輝かせながら今後の医学教育について話をしていた様子に非常に感銘を受けました。
それをみて忙しい臨床の中で、実習にきている医学生やレジデントにもう少しやれることがあるはずだよなと思い直しました。今回の経験を自分の施設に還元するためにも自分の行動をまず変えていこうと思います。

最後に、研修中サポートしてくださった茨城県県職員のみなさま、日米医学医療交流財団の皆様、おおむろさん、ガストンさんありがとうございます。
また研修中私の分もカバーしてくれた家庭医療センターの皆様にも感謝しています。

そして指導医の皆様。
この研修は特に指導医とりたての若手には特におすすめです!

長期の研修になるので、
「休みがなかなか取りずらい・・・」というのが本音だと思いますが、研修の募集が始まるのは例年春〜初夏頃です。
早めに職場に相談すればいけるはず!
ぜひ応募してみてください。

(最終日 スーパーガイド ガストンさんとハワイ最後の晩餐会)