総合診療医にとって
重要なこと

小さな不安まで共有してもらえる、
患者さんとの心のつながり

任 明夏

筑波大学卒。1年生のときに実習で触れた訪問診療に惹かれる。初期研修医時代の病棟での看取り経験を機に、看取りを行う訪問診療に携わりたいと希望し、家庭・総合診療医を志す。2021年から筑波大学附属病院総合診療科と大和クリニックを拠点に訪問診療と教育に従事。より広い視点や行政との関わりにも興味を持ち、大学院で研究にも取り組んでいる。帰宅すればやんちゃな双子の子育てに追われる日々。

総合診療に携わって
良かったと思う瞬間

一つは患者さんが私の診療を受けて安心してくれた瞬間です。ほっとした表情をされたり、安心しましたと言ってくださるとお役に立てたなと感じます。二つ目は、長期的に患者さんや患者さんのご家族と関わり、徐々に信頼関係を築くことができたときです。顔を合わせるたびに患者さんの態度がやわらかになっていき、小さな不安を共有してくださったり、それまで積極的ではなかった治療に前向きになってくださったときに総合診療医でよかったなと感じます。

これまで乗り越えて
きたこと

総診を志すというと「専門がないと辛いよ」と言われていました。実際に同期たちがスペシャリストとして成長していくのを見ながら、私の強みはなんなのだろうと悩んでいました。そんな中で前野先生の「総合診療医とは何か」というプレゼンを聞いた際に、「地域にはCOPDも糖尿病も高血圧も予防医療も小児も診れる医師が必要です。任先生はできますか?」と問われ、ある程度はできるようになっていることに気がつきました。私の専門性はそこにあったのだとうれしくなり、専門家として成長できていることに安心もしました。

今後やっていきたい
こと

今は院生、教員、指導医、臨床医とさまざまな立場をいただいていますが、やはり指導する相手から教わることの多さに毎回驚きとありがたみを感じています。飛んでくる疑問に日々もっと学ばなければいけないと背筋を伸ばしてもらっており、後輩たちを指導・教育するという部分には今後も関わっていきたいと思います。