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ご挨拶

総合診療科の位置づけは施設によりさまざまですが、私は、総合診療科とは、臓器、性、年齢、急性・慢性、心理社会的問題、予防、保健・医療・福祉などのさまざまなカテゴリーをカバーする「幅広さ」と、診療環境(診療所・病院)や地域の特性を考慮しつつ、患者およびその家族のニーズに合わせてどこからでもアプローチできる「柔らかさ」を持ち、地域住民に一番近いところで健康を支える役割を担う診療科だと考えています。つまり、われわれの目指す医師像は「ひとびとの健康を支えるオールラウンダー」であり、この目標に向かって日々研鑽を重ねています。
特に、我々が力を入れているのが教育です。総合診療医を養成する研修プログラムは、全国的にまだまだ立ち後れているのが現状ですが、我々は、教育研究機関でもあり、周囲の医療機関と豊富なネットワークを持つ大学病院としてのメリットを最大限に生かし、体系的な研修プログラムときめ細かなコーディネート体制の下で、地域の第一線で活躍できる臨床能力と高い使命感を持つ総合診療医を養成することに力を注いでいます。我々の取り組みは、大学と地域が一体となった研修システムのモデルケースとして全国からも注目を集めており、これまで50名近くの家庭医療専門医を輩出するなど、多くの実績を上げております。
最近では、地域における医療崩壊が大きな社会問題として注目を集めるようになりましたが、総合診療科のもつ専門性は地域の現場において大いに発揮されるものであり、地域医療再生の切り札として総合診療科に対する期待が高まっています。われわれは、この期待に応えるべく、教育・診療のみならず研究領域でも積極的な活動を展開して、地域の豊かで健やかな暮らしに貢献していきたいと考えております。

筑波大学 地域医療教育学 教授
筑波大学附属病院 総合診療科長
前野哲博

後期研修プログラムに込められた熱い思い

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