評価とサポート

家庭医・病院総合医については、最近になって急速にその存在が注目されるようになってきていますが、まだまだ歴史は浅く、医療界では十分に認知されているとはいえません。
そのような環境の中で、多くの診療科をローテーション形式で研修するつくば家庭医・病院総合医プログラムでは、離れたところで研修をしていても、アイデンティティを見失わずに、志を同じくする仲間とのつながりを感じながら研修できるよう、特にサポート体制に力を入れています。
また、研修中に得られた「学び」を最大化し、レジデント一人一人が自らの成長を感じながら安心してキャリアを重ねていけるよう、形成的評価のシステムとして、「振り返り」のプロセスを積極的に取り入れています。
ここでは、その詳細について紹介します。

レジデント研究支援

研修をしながら指導医と共に研究プロジェクトのチームメンバーとなり、研究の全体像を学べる機会を提供しています。研究プロジェクトへの参加の度合いは各メンバーにより調整し、学会での研究発表や、人によっては論文執筆を目指します。2017年からは複数のレジデントが協働して研究プロジェクトに参加して、学会での研究発表を実現しています。
また、個別の研究への相談にも教員・指導医が対応できる体制を整えています。

振り返り

指導医と共に行う振り返りは形成的評価の1つでもありますが、日々流されてしまいがちな日常の学びを大切にし、自らの経験を糧にキャリアを重ねていく習慣づけをします。個々がより深いレベルで冷静で建設的な評価を行うだけでなく、ゴールを共有し、周囲からサポートを得ることで、モチベーションを向上できます。

レジデントデイ

シニアレジデントでは、年に6回程度、同学年の全員が集まります。ここではグループでの振り返りを行うことで、ピアサポートを強めるとともに、指導医からのポートフォリオ作成支援などを行い、継続的なグループ学習の場となります。

SEA

筑波メディカルセンター病院、水戸協同病院、筑波大学附属病院、診療所研修修了時等に、各施設で最も印象に残ったケースについてレビューし、自分の感情やパフォーマンスにも目をむけたまとめを発表します。この発表を経て、自分の成長を実感するとともに、自分の感情を整理し、今後の研修に生かす機会として活用しています。

ポートフォリオ

研修期間を通してポートフォリオを作成することで、自分の到達度をバランス良く自己評価し、達成感を感じながら次へのステップを確認することができます。つくば家庭医・病院総合医プログラムでは、ポートフォリオ領域表を作成し4年間で各領域を網羅することを目標としています。

レジデント修了式

毎年2月頃、卒業セミナーの中で行っています。その年のレジデント修了者がそれぞれの研修や経験を振り返るプレゼンテーションを行い、指導医からの温かいお言葉をいただきます。また、レジデント修了記念品の贈呈もあります。このセレモニーを通して、修了者は家庭医・病院総合医としてのキャリアを実感し、思いを新たに次のステップに踏み出すことができます。また、後輩にとっては、よきロールモデルとして、自分の将来のキャリアデザインを考えるうえで大変貴重な機会となっています。

ヒアリング

年1回9月頃にプログラム責任者と個別に面談し、研修状況の確認や、次年度以降の研修内容や研修施設、将来のキャリアについて一人一人じっくりと相談します。次年度の配置はこのヒアリングの結果を最大限尊重する形で決定されており、将来のキャリアデザインを考える上で大変重要な機会となっています。

プログラムの詳細は
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