研修施設

メッセージMessage

指導医からの
メッセージ

「地域医療」という言葉は様々な意味で用いられることがあります。大和クリニックが実践する「地域医療」は決して「僻地」で行う医療という意味ではなく、疾患や病態の診断・治療に焦点をあてた病院医療とは対照的に「人々の生活」や「地域住民のニーズ」を重視して、住民の皆さんに適切な医療・福祉・介護を提供する「地域医療」です。大和クリニックのスタッフはジェネラリストとして切磋琢磨し、質の高い「地域医療」を提供することを目指しています。
シニアレジデントは半年間で外来・訪問診療を中心とした研修を通して、患者さんの傍らで生活の「息遣い」を一緒に感じましょう!!
チーフやオーバーレジデントは1年間の研修を通して、在宅医学会の専門医に挑戦しましょう。地域のケアマネジャーや介護スタッフとの連携を通して、医者以外の視点をいろいろ楽しみましょう。
(指導医:木村 洋輔)

研修した
レジデントからの
メッセージ

大和クリニックには「家庭医としての基礎を固める」環境が整っています。外来では乳幼児の予防接種から100歳を超える高齢者まで診療に携わることができます。
そして何より、大和クリニックの最大の特徴である訪問診療では、各種癌終末期、認知症、慢性心不全、COPD、ALSや多系統萎縮症等の神経難病、医療的ケア児等の多様な疾患と様々な社会背景を有する患者さんの診療に携わることができます。
これまで総合病院ではあまり経験してこなかった、褥瘡、湿疹、陥入爪等の皮膚科疾患や耳垢栓塞等に対応する機会も豊富にあります。
クリニックのスタッフ、訪問看護師、訪問リハビリセラピスト、ケアマネージャー等と情報共有・連携し、「患者さんとご家族にとって最善は何か」を常に考える毎日です。24時間365日対応であり、夜間や休日の往診や、患者さんやご家族とのEnd of Life DiscussionやAdvance Care Planningはかかりつけ医としての役割を実感すると共に、プロフェッショナリズムを培う貴重な経験となります。
このような豊富な臨床経験を、魅力的な指導医陣、クリニックのスタッフの下で経験することができる、恵まれた研修環境が大和クリニックには整っています。
家庭医志望のレジデントの皆さんは、是非大和クリニックで研修されることをお勧め致します。
(2022年度研修 巴 悠記)

大和クリニックでは、訪問診療が中心の研修となり、加えて週1回午前中の外来、予防接種の外来を担当します。
訪問診療では、患者層は小児から100歳超えの高齢者までと幅広く、疾患も様々です。慢性疾患の定期訪問、神経難病の在宅管理、癌患者の緩和ケア含めた対応、重症心身障害児の地域のかかりつけ医としての役割など、総合診療科としての専門性を存分に学べる場所です。
外来では、糖尿病、高血圧、心不全などのcommonな疾患の長期管理がメインですが、クリニックに長くかかっている患者さんを担当することで家族やライフサイクルの変化、入院したり段々通院が難しくなるなどの変化に応じて介入できることもたくさんあります。
初めての診療所勤務では、病院での業務との違いに慣れないことも多く、正解がない状況にどう対応してよいか悩むこともあります。診療所の指導医の先生、看護師さん、ソーシャルワーカーさん、診療所と関わりのある多職種の方々と連携して患者中心の医療を実践する経験ができました。総合診療科としてのキャリア、自分自身の人生における成長につながる研修ができる環境だと思います。
(2022年度研修 川瀬 由華)

研修の特長 ~在宅医療に強い家庭医~

家庭医コースの診療所研修において、在宅緩和ケアを含めた在宅医療の実践を通じて、患者・家族志向のケアを修得するとともに、地域における他の医療介護関係者との専門職連携の実践を行います。

在宅医療専門医の取得

日本在宅医療連合学会専門医制度の研修施設となっており、後期研修中もしくは研修修了後に1年間のプログラム(いばらき在宅医療フェローシップ)を修了すると、在宅医療専門医を取得することができます。

※いばらき在宅医療フェローシップ プログラム
https://www.jahcm.org/program_facility.html

在宅医療を通した家庭医療の実践

通院できなくなったかかりつけの患者さん、そして、患者さんのご家族とも在宅医療を通して継続的かつ包括的に主治医として関わることができます。初診から在宅での看取り、そして、その後の家族ケアまで含めた家庭医療を実践することができます。

専門職連携(IPW:Interprofessional Work)の実践

地域の居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)、訪問看護ステーション、調剤薬局、介護事業所(ヘルパー)などと、積極的に連携・協力を行っているので、地域の現場で医師に求められている役割を知り、家庭医として必要な能力を身につけることができます。毎月開催している多職種合同カンファレンスでは、1人の患者さん、そしてご家族に関して様々な職種が意見を出し合い、最善の治療・ケアを提供することを目指しています。

立地条件と施設概要

つくば市中心部から車で40-50分、在宅医療を中心とする無床診療所です。
小児から高齢者まで幅広く対応し、癌患者、慢性心不全、慢性呼吸不全などの非がん患者の在宅看取りも含めた在宅医療を実践しています。
午前中のみ、外来診療も行い、小児から高齢者まで慢性疾患を中心に継続的に診療を行っています。
車で15分程度のところに法人系列の急性期病院(協和中央病院)があり、入院が必要な際には患者さんに関する相談・入院受け入れを引き受けていただいています。

具体的な研修内容

  • 診療所外来、隣接する障害者施設に入所している患者さんの定期診察、130名前後の在宅患者を医師3-4名で担当(チーム制)
  • 外来1-2回/週、訪問診療6-8回/週。外来は10-20名/回、訪問診療は3-5名/回 (1回:半日単位)
  • 自宅待機当番は月6回前後(週末の土日1回、平日4回が平均)で、そのうち実際に呼ばれる回数は3-4回/月前後
  • 希望があれば在宅医療に関する研究にも参加可能

患者層の特徴

  • 在宅は70歳以上が中心、疾患としては悪性腫瘍、脳血管障害、認知症、COPDが中心です。
    小児は先天疾患がメインで大学病院と連携しながら、平時の健康管理を行っています。
  • 外来は、乳幼児の予防接種、生活習慣病などの慢性疾患が中心です。
    2018年度在宅診療実績:新規在宅患者82名、看取り52名(うち在宅看取り45名)

指導医

木村 洋輔
(院長)
(指導責任者)
(筑波大学臨床講師)
家庭医療専門医・指導医、在宅医療専門医・指導医、総合内科専門医、認定産業医
荒牧 まいえ プライマリ・ケア認定医・指導医、総合内科専門医
任 さやか
(筑波大学助教)
家庭医療専門医・指導医、認定内科医
浜野 淳
(筑波大学病院教授)
家庭医療専門医・指導医、在宅医療専門医・指導医、認定内科医、博士(医学)

研修期間中に
経験できる症例(一部のご紹介)

外来診療
  • 高血圧、糖尿病、脂質異常症、認知症、COPDなどの慢性疾患(1日15例前後)
  • 4種混合,MR,BCGなどの予防接種(1日5例前後)
在宅診療
  • 悪性腫瘍患者さん、非がん患者さん(慢性心不全、COPD、慢性腎不全、認知症など)の終末期緩和ケア
    →オピオイド管理、持続皮下注射、在宅酸素療法、NPPV(非侵襲陽圧換気呼吸)などの医療管理
  • 神経疾患患者さんの人工呼吸器管理・デバイス交換
  • 高胃瘻、経鼻胃管による栄養管理、デバイス交換
  • ストーマ、膀胱瘻のケア
  • 褥瘡治療、皮膚トラブルに対する治療
  • 神経疾患・脊髄損傷などの障害を有する患者さんの健康管理
  • 認知症患者さんの周辺症状コントロール
  • 急性感染症(肺炎、尿路感染症など)の在宅治療
  • 在宅患者さんの災害医療対策
  • 多職種による在宅医療環境調整を目的としたケア会議
身体障害者施設
  • 入所者50名の嘱託医として週2回の外来診察(3-4名の医師で分担するため、月平均2回担当、1回15名前後の診察)
    脳性麻痺、脳血管障害後遺症、頚髄損傷などが中心。発熱時や体調不良時、また症候性てんかん発作時などの初期対応を行う。
その他
  • 地域における健康講演
  • 小学校における健康教育授業

施設で行われている
教育イベント

多職種合同カンファレンス+勉強会(月1回・月末)

気になる患者さんについて多職種での情報共有を目的に行われるカンファレンスで、院内外の医療関係者がクリニックに集まって情報共有を行います。カンファレンスの後は在宅医療にかかわる勉強会を行っています。
勉強会テーマ例:オピオイドの使用方法・注意点、内服時のとろみ剤について、在宅中心静脈栄養時に使用するポンプの勉強会、在宅感染管理のための勉強会

身分と給与目安

勤務形態 常勤
給与 法人規定に準じて支給
(約60~70万円+待機手当+通勤手当)
社会保険 健康保険
厚生年金
雇用保険

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