筑波メディカルセンター病院
緩和医療科
メッセージMessage
指導医からの
メッセージ
緩和医療は、病態アセスメントに基づいた適切な症状緩和、精神的ケアやスピリチュアルケア、困難な意思決定支援、複雑な社会的問題への対応、家族ケア、グリーフケア、チームアプローチと多岐に渡り、総合的な医学的知識に加えて真摯に患者さんやご家族と向き合う態度が求められる分野です。自身の持てる知識や人間力を駆使して、危機的な状況と直面する患者さんの人生を支える非常にやりがいのある仕事であり、日々患者さんから学ぶことで医師としてだけでなく人として成長させていただいています。患者さんやご家族の生活や人生に関わり続ける総合診療医にとって、緩和医療は必要不可欠な分野です。ぜひ、一緒に勉強しましょう!
(筑波メディカルセンター病院 緩和医療科 診療科長・緩和ケアセンター長 久永 貴之)
研修した
レジデントからの
メッセージ
私は医師5年目(後期研修医3年目)で緩和医療科を研修させていただきました。育休の関係で2ヶ月と短い期間でしたが、非常に充実した研修になりました。緩和医療科では、基本的な薬剤の使い方から、患者さんとのコミュニケーション、家族との関わり方など、通常学べないことまで詳しく教えていただき、実践の機会及びフィードバックを与えてくれました。緩和医療科にいらっしゃる患者さんは、最期まで苦痛なく病院で過ごしたいという方から、病院でお薬の調整を行って、自宅になんとかして帰りたい方までおり、多種多様です。そしてそれを支える家族の気持ちや社会的状況を考えると、一人として同じ対応ができる患者さんはいません。看護師さんとのカンファレンスも多く、より多職種で連携して治療に当たるという経験ができました。私は研修が終わった際に、指導医からの「患者さんやご家族の“心が動く瞬間”の多くに先生が関わっていたと思います。」という言葉が深く心に残っています。患者さんと、その家族の「心」が動く瞬間を少しでも支えることは、家庭医としてとても重要な能力なのではないかと思います。言語化の難しい能力を学べる貴重な研修環境のため、ぜひ緩和医療科での研修をおすすめします。
(2024年度研修 都田佑樹)
立地条件と施設概要
つくば市の中心部にあり、筑波大学附属病院の斜向かいに位置している。
名称 | 筑波メディカルセンター病院 総合診療科 |
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所在地 | 茨城県つくば市天久保1-3-1 |
連絡先 | 029-851-3511(代表) |
責任者 | 久永貴之 |
がん診療連携拠点病院・茨城県地域がんセンター |
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2018年実績 |
緩和ケア病棟20床 入院270名/年 |
具体的な研修内容
全国最多14名の緩和医療専門医を育成してきた実績があり、系統だった緩和医療の指導が可能です。指導医と緩和ケア病棟の入院患者を受け持ち、疼痛、呼吸困難、消化器症状、せん妄などの薬物療法や非薬物療法などマネジメントを専門的に学ぶことができます。また、入院時面談、ACP、鎮静・DNAR・看取りにむけての説明などは指導医の指導の下で自信をもってできるようになります。
その他として、病棟の多職種カンファレンスへの参加、緩和ケア病棟看護師夜勤体験、ボランティア体験などを通じてチームアプローチを学ぶことが可能です。
学術的には、つくばジャーナルクラブ(緩和ケアに関する論文の抄読会)、緩和ケアに関する学会発表や論文発表の支援も可能です。
患者層の特徴
平均在棟日数は21.5日と全国平均より短く、急性期の緩和ケア病棟で症状緩和や地域医療機関と連携した退院支援を行っています。若年者(AYA世代)、壮年期から高齢者、認知症併発のがん患者まで幅広い患者層を診療しています。
指導医
緩和医療専門医4名(久永、矢吹、下川、川島)+日本ホスピス緩和ケア協会協会長の志真先生による指導を週1回受けられます。
スタッフ | 役職等 | 専門分野 | 卒年 | 資格 |
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久永 貴之 | 診療科長 緩和ケアセンター委員長 |
緩和医療 | 2000年 | 日本緩和医療学会理事・代議員・緩和医療専門医・指導医 日本内科学会総合内科専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
矢吹 律子 | 医長 | 緩和医療 | 2002年 | 日本緩和医療学会緩和医療専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本内科学会総合内科専門医 日本サイコオンコロジー学会登録精神腫瘍医 |
廣瀬 由美 | 総合診療 | 2003年 | 日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医・指導医 日本老年医学会老年病専門医 日本内科学会総合内科専門医 |
研修期間中に
経験できる症例
小児がんを除く、ほぼ全てのがん種の症例を経験可能です。
希望に応じて、緩和ケアチームで心不全や慢性呼吸不全など非がんの緩和ケアも見学可能です。