研修施設

メッセージMessage

指導医からの
メッセージ

総合診療医として地域を俯瞰する研修ができる環境を整えました。
当院で救急・外来・病棟・訪問診療を行いながら、住民・医療職を超えた多職種の個性豊かな方々と一緒に鹿行地域の地域包括ケアの拠点となる病院とまちづくりをしていきましょう。
総合診療・家庭医療専門研修を終えた後、在宅医療専門医、病院総合診療専門医になるためのプログラムや産業医プログラムも整えています。
まちづくり・病院でコミュニティナースに関する研究が始まりつつあります。
全国では神栖にしかない研修環境を整えてレジデントの皆さんと一緒に働けることを楽しみに待っています。

~日本の地域医療を支えるための近未来モデルを一緒に創ろう~
全国屈指の医師少数地域である茨城県鹿行地域にある神栖市。全国でも特に「医師」少数地域であり、「医療従事者」少数地域でもあります。当院は神栖市の中核病院ですが、医療需要に供給が追い付いていません。この「ピンチ」な状況は、まさに日本の地域医療が直面している課題を凝縮しているといえるでしょう。しかし、この環境だからこそ、従来の枠組みにとらわれない新たな地域医療のあり方を模索できる「チャンス」が生まれています。私たちはこれまで、限られた医療資源を最大限に活用するための、革新的な取り組みを実践してきました。例えば、ICTを活用した多職種連携のためのコミュニケーションツールを神栖市全域に導入したり、医療的ケア児・重症心身障害児をテーマにした活動やコミュニティナースの育成など、多層的に活動しています。(「施設で行われている教育イベントの項目」を参照)
当院では、救急・外来・病棟・訪問診療を行いながら研修を行いますが、それだけでも地域医療に貢献しています。しかし、私たちはそれ以上のものを、先を、近未来を目指しています。
「ピンチはチャンス。」私は「ピンチはチャンス」を何度か経験していますが、何十回も経験できるものではありません。2025年、近未来の地域医療モデル構築プロジェクトがこの神栖・波崎の地で立ち上がります。世界中の専攻医が経験できないであろう「神栖波崎プロジェクト」に参画しながらの研修。
「ピンチはチャンス。」の文言に少しでも心が動いたあなたと一緒に仕事できることを楽しみに待っています。

研修した
レジデントからの
メッセージ

神栖済生会病院は、地域を支える総合病院です。その中で、内科初診外来、継続外来、救急外来、入院診療、訪問診療と幅広い対応が必要とされています。このような広いフィールドで、診断・治療などの医学的側面だけでなく患者家族背景などの社会的側面を考慮しながら、コミュニケーション、意思決定も含めて幅広く経験することができます。また、地域住民とのかかわりとしてのオータムフェスタの開催や、コミュニティナースとの協同事業などが進行中であり、地域へのアプローチにも積極的に関わることができるでしょう。後期研修としてはポートフォリオ作成の候補となる事例が豊富であり、総合診療医としての資質を活かし、能力を伸ばしながら地域に貢献することができる、良い研修環境であると思います。
(2024年度研修 川瀬由華)

研修の特長
~住民・多職種と協力した「まちづくり」のできる家庭医~

総合診療研修:総合診療Ⅰ、総合診療Ⅱ、内科、家庭医療研修:家庭医療Ⅰ、家庭医療Ⅱ、内科の研修が可能です。

急性期から慢性期、終末期まで、広範囲でシームレスな医療の実践

救急、初診・再診外来、病棟、訪問診療と広範囲な診療の場をもち、多様な状況への対応力を身に着けるとともに、患者さんの状況の変化に対して自ら継続性をもって関わることができます。

多職種連携・教育の実践

病院で働く家庭医として、院内外の多職種との連携を重視し患者・家族・地域志向のケアを実践します。また、院内や地域全体の医療・ケアの質向上のための活動にも積極的に関わります。

地域住民・多職種・行政との協働ですすめる「まちづくり」のできる家庭医

地域住民を対象としたヘルスプロモーション活動の実践はもちろんのこと、更に地域の様々な人・団体・機関と協働して地域の課題を考え、発展させるための活動を行います。

立地条件と施設概要

つくば市中心部から車で約90分、約100床程度の地域中核急性期病院
東京駅行きの高速バス(約90分)が10分おきに出ている。
総合診療科は外来・病棟と訪問診療を主体としている。訪問診療は小児難病~高齢者まで幅広く対応しており、がん・非がんの在宅看取りも含めた在宅医療を提供している。

具体的な研修内容

  • 病棟は総合診療科全体で20-25人、訪問診療患者は30-35人前後を医師3-5人で担当する(主治医制)
  • 外来1-2回/週、10-20名/回
  • 訪問診療1-2回/週、3-4名/回
  • オンコール体制で受け持ち患者以外も対応、月に10回程度(実際に呼ばれる回数は1-2回)、土日は同一の医師が担当、それ以外の医師は完全フリー

患者層の特徴

  • 慢性疾患の高齢者が中心だが、外来初診患者は比較的若い(20-60代)
  • 訪問診療患者は小児難病、非がん疾患終末期、認知症、COPD、癌終末期など
  • 病棟患者は救急外来からの緊急入院が中心、在宅患者の緊急入院、レスパイト、在宅復帰支援などを担う。

指導医

濱田修平
(内科主任部長/総合診療科長)
筑波大学医学医療系 特任助教
博士(医学)
日本専門医機構 総合診療専門医・指導医
日本内科学会 総合内科専門医・指導医
日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医・指導医
日本在宅医療連合学会 在宅医療認定専門医・指導医
日本病院総合診療医学会 認定医・特任指導医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本消化器病学会 消化器病専門医
Infection Control Doctor
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医
日本医師会認定産業医
医師少数区域経験認定医師
認知症サポート医
佐藤瑠美
(内科医長)
日本専門医機構 総合診療専門医
日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医
川瀬由華
(内科医員)
総合診療専門研修・家庭医療専門研修修了
巴悠記
(内科医員)
総合診療専門研修・家庭医療専門研修修了
阪本直人
(非常勤)
筑波大学医学医療系 地域医療教育学 特任講師
神栖済生会病院 総合診療・在宅診療
日本製鉄(株)東日本製鉄所鹿島地区 嘱託産業医
日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医
日本内科学会 認定内科医
産業医(産業医科大学 産業医学ディプロマ 取得)
日本ヘルスプロモーション学会 常任理事
前島拓矢
(非常勤)
筑波大学医学医療系 特任助教
総合診療専門研修・家庭医療専門研修修了

研修期間中に経験できる症例

外来ではcommon diseaseの対応、生活習慣病などの慢性疾患の対応とともに継続的な関わりもできます。救急外来、救急車対応は他科と協力して対応しており2回/週程度当番があり、二次救急以下の症例を経験できます。在宅医療ではがん・非がん患者の緩和ケア、慢性疾患のフォロー、複雑な背景を持つ患者の対応など幅広く経験します。

外来 高血圧、糖尿病、脂質異常症、COPDなどの生活習慣病、慢性疾患。
初診外来ではあらゆるcommon diseaseを経験する。
病棟 感染症、消化器系疾患、慢性疾患の急性増悪、糖尿病教育入院・糖尿病関連の緊急疾患、不明熱精査、脳梗塞(亜急性期以降)、緩和ケア
訪問診療 30-35名前後の在宅患者のうち、悪性腫瘍が1/3程度、その他は認知症、COPD、脳梗塞後遺症、神経難病、小児難病など。年間看取りは20人前後。

施設で行われている教育イベント

  • 毎日2回(朝・夕):総合診療科全員での病棟回診
  • 毎週水曜午:総合診療科カンファレンス
  • 隔週水曜夕方:在宅医療カンファレンス
  • 毎週木曜夕方:内科合同カンファレンス+「何でも勉強会」(その他、心電図、尿検査、緩和ケア、論文抄読会などテーマは多様)
  • 通年:ヘルスプロモーションや産業医など、家庭医療コアスキルの実践型トレーニング。これらに参加し、マネジメントを経験する中で、高いスキルの習得が期待できます。

  • 地元住民・企業、当院内外の医療介護福祉関係者と協働した社会課題へのアプローチ
    現行テーマ:市内巡回型くらしの相談室「ハッチポッチカフェ」、市民協働で人生会議(ACP)、医療的ケア児・重症心身障害児のピア・サポートの場づくりや家族のためのサポート冊子製作、コミュニティナース育成など。
  • コミュニティの特性を把握し、病への理解を深める
    異業種帯同、まちなかでの住民インタビュー、フォトウォークなどを通じて、暮らしとヘルスケアとの関係や健康の社会的決定要因(SDH)について実践的に学びを深める。全国医療系学生向け合宿としても開催。
  • 産業保健領域の理解を深める 神栖市内で日医認定産業医の資格を取得できる講習会(新規・更新両方に対応)を土日に集中して受講できるよう整備・支援。
    サブスペシャリティーについては、下記参照
    https://soshin.pcmed-tsukuba.jp/training/careerpath/
  • <小児在宅医療、医療的ケア児>をテーマにした『カミス「ココ」でずっとKIDS(キッズ)』プロジェクト・イベント

身分と給与目安

勤務形態 常勤
給与 法人規定に準ずる(約80万+当直・待機手当など)
社会保障、厚生年金基金、交通手当、住居手当 あり

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