メッセージMessage
指導医からの
メッセージ
北茨城市民病院附属家庭医療センターでは乳幼児から高齢者まで、地域における様々な健康問題に対応しています。家族で受診される方も多く、患者さんの生活背景を考慮した適切な医療・介護・福祉を提供することを重視しています。
研修は標榜している内科・小児科・心療内科の外来診療と訪問診療を中心とし、訪問看護やケアマネジャー・訪問薬剤・介護施設職員など多職種との連携、地域での健康教室、予防接種や乳幼児健診など多岐にわたり経験できます。開院後から外来・訪問診療ともに年々患者数が増えており、地域からのニーズも高まっています。
家庭医としての学びが多い環境ですので、ぜひ一度足を運んでみてください。
研修した
レジデントからの
メッセージ
北茨城市民病院附属家庭医療センターは、北茨城市民病院に附属する診療所であり、入院病床はなく、地域の「かかりつけ医」としての役割を果たしています。総合診療の視点を活かし、内科全般の診療はもちろんのこと、小児科・心療内科も標榜しており、幅広い年齢層や疾患に対応できるのが特徴です。日常的な健康管理から慢性疾患のフォローアップ、急性疾患の初期対応まで、多様な診療経験を積むことができます。
また、訪問診療にも積極的に取り組んでおり、夜間の往診にも対応しています。認知症を抱える高齢者の日常診療や慢性疾患の管理に加え、末期癌患者の緩和ケア・在宅看取りまで、患者とその家族のニーズに寄り添った医療を提供しています。地域医療の最前線で、患者の生活環境を理解しながら診療を行うことで、医師としての総合的な判断力や対応力を磨くことができます。
当センターでは、総合診療専門医の指導のもと、外来診療や訪問診療を通じて、患者との長期的な関係を築く医療を実践できます。救急医療とは異なる視点で、地域に根差した医療の在り方を学ぶことができるため、将来的に総合診療・家庭医療を志す医師にとって貴重な研修環境となると思います。
(2023年度研修 山下瑞稀)
研修の特長・
プログラムにおける位置づけ
総合診療専門研修 I および家庭医療専門研修 I において、幅広い知識とスキルが求められる家庭医療を学びます。小児から高齢者、心療内科、訪問診療を満遍なく経験するだけでなく、スタッフとして学生教育、業務改善、研究、地域活動など多くのことが経験できる研修施設です。当家庭医療センターでの研修中に、家庭医療専門研修におけるポートフォリオの全ての領域を経験できます。
北茨城市民病院との連携が密なので、通院(診療所・病院)・入院・在宅・施設と療養の場が変わっても切れ目ない医療を提供できることが、特徴の一つです。
立地条件と施設概要
茨城県の海側最北端にあり、人口3万9千人、高齢化率38%(2025年1月)。かつては炭鉱の町として発展し、現在は工業、漁業、農業、観光業の市です。市の北部に市民病院があり、南部の中核的診療所として当家庭医療センターが2015年に開設されました。
標榜科目 | 内科、小児科、心療内科 |
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外来診療 | 月~金 午前3診、午後3診 乳児健診、予防接種もあり |
在宅診療 | 機能強化型在宅療養支援診療所 |
無医地区巡回診療 | 市民病院と共同で週1回 |
院内設備 |
レントゲン、超音波検査、心電図、顕微鏡、簡易血液検査(CRP、HbA1c) 診察室5、処置室1(処置ベッド1、点滴チェア2) 医師宿直室1、学生宿泊室4、学生ラウンジ |
関連施設 | 北茨城市民病院 |
連携施設 | 北茨城市コミュニティケア総合センター「元気ステーション」(隣接) |
具体的な研修内容
外来診療
- 乳児から高齢者まで、内科領域はもちろんに手術や特殊技能を要しない全診療科領域に対応
- メンタルヘルス診療(不安、抑うつ、ストレス反応、不登校など)
- アルコール低減外来、禁煙支援外来
- 通常外来の中で健康に関することは何でも相談にのり、健康増進・予防医療、Advance Care Planningの働きかけも
- 乳児健診、小児や成人の予防接種
- 困難ケースでの「元気ステーション」等との連携や、いわゆる社会的処方
在宅診療
- 定期的な訪問診療、対象患者への24時間365日対応(往診や電話対応:オンコール制)
- 訪問看護師や介護・福祉専門職との緊密な連携・協働
- Advance Care Planning、在宅での看取りを含めたEnd-of-Life care
- 入院から在宅への切れ目ないケアの提供のため、退院前カンファへの参加など市民病院や近隣病院との連携
巡回診療
市内無医地区への巡回診療
救急診療
北茨城市民病院での救急当直を原則として月1-2回担当
地域活動
学校医活動、地域での健康教室、地域の多職種連携活動
業務改善、研究・学会発表
指導医と相談しながら取り組みます
患者層の特徴
外来
患者数:1日90-120人、小児が10-15%、高齢者が50%
近隣を中心に市内全域や高萩市北部からいらっしゃいます
在宅
担当患者数:約180人
自宅または高齢者施設(グループホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅等)にお住まいの通院困難な方
がん、COPD、重症心不全、神経難病、脊髄損傷、認知症、医療的ケア児など
指導医
五十嵐 淳 | センター長、家庭医療専門医・指導医、総合診療特任指導医、認定内科医 |
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横谷 省治 | 総合内科専門医、プライマリ・ケア認定医、家庭医療指導医、総合診療特任指導医 |
吉本 尚 | 家庭医療専門医・指導医、総合診療特任指導医 |
梶川 奈月 | 家庭医療専門医・指導医、総合診療特任指導医、認定内科医 |
海老澤 由香 | 家庭医療専門医・指導医、総合診療専門医 |
鈴木 李理 | 家庭医療専門医、総合診療専門医 |
研修期間中に経験できる症例
経験できる症例 | 内科領域 | 高血圧症、糖尿病、脂質異常症、心不全、狭心症、心房細動、動脈疾患、静脈・リンパ管疾患、CKD、COPD、気管支喘息、呼吸器感染症、脳血管疾患、一次性頭痛、パーキンソン病、関節リウマチ、貧血、消化性潰瘍、消化器感染症、慢性肝疾患、甲状腺疾患、前立腺肥大症、尿路感染症など急性期の症候(発熱、疼痛、気道症状、消化器症状、関節症状、皮膚症状など)(新家庭医専門研修プログラムの経験目標必須項目はほぼ網羅しています) |
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皮膚領域 | 湿疹・皮膚炎群、蕁麻疹、水疱症、皮膚感染症、褥瘡など | |
運動器領域 | 変形性関節症、痛風、偽痛風、骨粗鬆症、脊柱管狭窄症、腰痛症など | |
外科領域 | 外傷、切創などの小外科、陥入爪、アテローマ、腰痛 | |
小児領域 | ウイルス感染症(麻疹、水痘、流行性耳下腺炎、突発性発疹、インフルエンザ、RSVなど)、細菌感染症、喘息、アレルギー、けいれん性疾患、小児児童虐待、予防接種・乳児健診など | |
メンタルヘルス | 不安障害、身体症状症、適応障害、不眠症、うつ病、発達障害、アルコール問題、ニコチン依存など | |
妊娠分娩と生殖器領域 |
妊婦・授乳婦、産褥婦のケア、女性生殖器およびその関連疾患(月経困難症/月経前症候群/更年期障害/萎縮性膣炎/乳腺腫瘍など) 周産期メンタルヘルス 男性生殖器疾患(前立腺疾患、勃起障害) |
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老年領域 | 癌・非癌患者の緩和ケア、在宅医療、転倒、嚥下障害、老年期うつ、認知症、脳卒中・リハビリ、施設入所者のケアなど | |
救急領域 |
心不全の急性増悪、消化管出血、敗血症性ショックなど まれに脳卒中超急性期、急性冠症候群、アナフィラキシーショックなど |
施設で行われている教育イベント
- 外来レビュー(週1回)
- ビデオレビューとmini-CEX(半年に1回)
- 在宅カンファ(在宅患者の情報共有、相談:週1回)
- こころのカンファ(メンタルヘルス診療のケースディスカッション:月2回)
- 家庭医療勉強会(月1回)
- Case-based Discussion またはポートフォリオ勉強会(月1回)
- 学会発表予演会(適宜)
- 専攻医振り返り(月1回)
- 360度評価(半年に1回)
- 訪問看護ステーションとのカンファレンス(月1回×2事業所)
- 市民病院内科との合同カンファレンス(隔月)
- 院内研修会(年2回)
- 在宅ケア推進のための多職種連携研修会(隣接施設、年3-4回)
身分と給与目安
給与 |
会計年度任用職員 基本給80-90万円(卒後年数によって異なる、賞与なし) 時間外勤務手当、通勤手当、住居手当あり、各種社会保険加入 |
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