修了後の進路
筑波総診では、総合診療医・家庭医療専門医を取得した後も、次のステップで希望する専門医や学位が取得できるよう、多様な選択肢を提供しています。研修期間中からメンタリングなどを通してキャリア形成をサポートするとともに、大学の強みを生かして、研修修了後も引き続き筑波総診が主体となってキャリアコーディネートを行い、ひとりひとりが「なりたい医者」になれるよう、全面的にサポートしています。
病院総合診療専門医は、総合診療専門医のサブスペシャルティ専門医として、新・家庭医療専門医とともに提供されている制度です。総合診療医学、全人医療についての深い理解を基盤として、急性期から慢性期までの病院におけるさまざまなケアを患者に提供し、多職種からなる医療チームにおけるリーダー的存在となるとともに、そのチームを育成し、臨床・教育・研究の面で業界をリードできる能力を有する医師を養成することを目標としています。
当院の専門研修プログラム修了後、筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター(水戸協同病院)、神栖地域医療教育センター(神栖済生会病院)が管理型となる専門研修プログラムに登録して、追加研修(最短1年)を行うことにより、受験資格を満たすことができます。
日本在宅医療連合学会の認定専門研修プログラム である「いばらき在宅フェローシップ」「つくばセントラル在宅医療研修プログラム」「神栖在宅医療フェローシップ」のいずれかに所属して、在宅医療専門医を目指すことができます。いずれのプログラムも、在宅緩和ケアに精通し、家庭医療学、老年医学、緩和医療学などの学問的基盤にもとづいて、あらゆる疾患・病態に対する在宅医療が提供できること、そして、家族背景や地域文化などの視点も踏まえた多職種協働が実践できることを目標として、指導医やさまざまな職種が皆様の学びをサポートしていきます。なお、2023年3月時点で、13名の方が、つくばのプログラムで在宅医療専門医を取得しており、全国でも有数の実績があります。
プライマリ・ケアの場において、多職種と協働し、がん・非がん疾患の患者やご家族に適切な緩和ケア、アドバンス・ケア・プランニングなどを提供できる実践能力を修得し、日本緩和医療学会が認定する緩和医療専門医・認定医の取得を目指すことができます。研修プログラムは、つくば緩和医療グループ とコラボレーションし、個人のニーズに応じて緩和ケア病棟、在宅、緩和ケアチームなどでの研修をコーディネートしていきます。そして、つくば緩和医療グループは、20年以上にわたって30名以上の家庭医・総合診療医の緩和ケア研修に積極的にかかわっているため 、家庭医・総合診療医の強みを理解した指導ができることが、つくば緩和医療フェローシップの特長です。
専攻医修了後、神栖市の地域密着型病院である神栖済生会病院で、総合診療医としてのスキルを維持しながら、産業医の研修も同時に受けることができるプログラムを用意しています。日本有数の鹿島臨海工業地帯で勤務する産業衛生学会の指導医がおり、産業医業務を通したトレーニングが受けられます。そのほか、日医認定産業医の資格を取得できる講習会(新規・更新両方に対応)を土日に集中して受講できます。
なお、指導医のもと産業医実務をこなすことで、確かな実力を身につけられるプログラムには、次の3つのコースがあります。
- ❶産業医をめざす人に、産業医実務をしっかりこなせる【しっかり産業医コース】(産業医:1日/週)
- ❷産業医と在宅医療専門医のダブル専門医取得をめざす人向け【ダブルライセンスコース】(産業医:3日/週)
- ❸産業医実務をがっつり経験しつつ、在宅医療専門医の取得も目指す、❶と❷の中間的な【がっつり産業医コース】(産業医:3日/週)
参考:当プログラムとの協働施設である神栖産業医トレーニングセンターの情報もあわせてご覧ください。https://www.kohp-tc.com/doctors.html
筑波大学総合診療科(大学院地域医療教育学分野)では、おもに地域医療、総合診療、医学教育をテーマとする研究に取り組んでおり、それを実践できる研究者を養成するために、独自の大学院を開設しています。
大学院は、臨床と同じ指導医がコーディネートしていますので、総合診療医/家庭医としての業務と両立しながら、同じバックグラウンドを持つ指導医からの指導を受けて、学位取得まで手厚いサポートが受けられる体制が整っています。また、将来大学院への進学を希望する専攻医は、専門研修期間中から研究に参加して、先輩の背中を見ながら、将来の学位取得までのプロセスを感じてもらうこともできます。
キャリアプランについても、オンライン指導を取り入れて遠隔地でも学位が取得できるディスタントコース、公衆衛生修士(MPH)を取得できるコースなどの多彩な選択肢を用意しています。
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