総合診療とは何か?

この動画では、総合診療とはどんな医療なのか、その強みや魅力は何かについて、わかりやすく解説しています。そして、それを担う人材を育成するために、筑波総診が取り組んでいる教育のポリシーや特長についても紹介しています。筑波総診は「最適な教育フィールドである地域に、大学が持つ豊富な教育資源を提供する」ことを基本コンセプトとして、日本でもトップレベルの充実したフィールドと教育体制を提供しています。詳細は、ぜひ動画をご覧ください。

総合診療に
求められる専門性Specialty

総合診療に求められる専門性について、
3つのキーワードを用いて説明します。

場
を診る

医療機関内では、外来も病棟も診療科別に分かれており、医師が自らの専門領域の医療を提供しやすい環境が整っています。一方、地域などの「場」においては、住民の年齢・性別も、抱えている健康問題もさまざまです。
それぞれの「場」における医療ニーズに対して、臓器にかかわらずに、患者だけではなく家族や地域社会へのアプローチも含めて、幅広く、まんべんなく診る。これが、総合診療医の専門性です。

まるごと
診る

超高齢社会を迎え、ひとりの患者が複数の健康問題を抱えているケースが増えています。また、COVID-19パンデミックで明らかになったように、普段医療機関に通院していない人を含めて、何でも相談できる医師が身近にいる重要性がクローズアップされています。
確かな臨床能力と、患者を全人的に診る姿勢を備え、「どんなことでも、この医師に相談すれば何とかしてくれる」という安心感を与えてくれる。これが、総合診療の専門性です。

ずっと
診る

年齢を重ねてライフステージが変わることで、抱える健康問題も変わっていきます。長期にわたり継続的なケアを提供し、将来もずっと主治医を務めていく関係性を構築するためには、日常よく遭遇する健康問題に幅広く対応でき、予防・健康増進にも取り組むことが必須です。このような能力を備え、患者一人ひとりにずっと寄り添い、その時々に生じた健康問題に対応し続ける。これが、総合診療の専門性です。

総合診療医の専門性をわかりやすく言うと、「『場』を、まるごと、ずっと診る」能力を確実に身につけ、高い使命感を持って、人々の抱える健康問題に真摯に向き合うことです。これを、患者・住民の視点で読み替えると「近くで、なんでも、いつでも・いつまでも」診てくれる医師といえます。私たちはこういう医師でありたいと思っていますし、いわゆる「優しいやぶ医者」にならないよう、その裏付けとなる臨床能力を、生涯にわたり磨いていきたいと思っています。