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筑波大学附属病院総合診療グループ ブログ

笠間市での地域包括会議の取り組み 第9回

2017年9月13日テーマ:地域包括ケア, 笠間, 筑波総合診療グループ

笠間での地域包括会議第9回をお伝えします。

今回はまず、教育入院から話し合いを始めました。

前回の会議で、病院での教育入院の受け入れが可能かどうかを調査して報告することになっていました。調査の結果、最近の教育入院受け入れ実績はほとんどないものの、教育入院自体は可能で、以前使用していた教育入院のパスなども活用可能なことがわかりました。

あとは、保健センター・地域包括支援センターとの協力体制が築ければ新たな教育入院ができます。

保健センターでも教育入院について持ち帰って検討していただきました。保健センターでの糖尿病への介入は、週1回の健康体操教室、月1回程度の糖尿病教室を行っており、それに加えて健診異常者のフォローなど、かなり多岐に渡っているとのことでした。それ故、保健センターの人手では現在の介入だけで手一杯で、教育入院にも対応するのは実現可能性が低そうだとのことでした。この会議に参加してわかったことは、保健センターも地域包括支援センターも業務が多岐に渡り、非常に忙しそうだということです。新たな試みを考えていく上で、それぞれの業務に大きな支障を来さないように、実現可能性を考えていくことが重要だと今回の会議で痛感しました。

ここで話題は運動教室と糖尿病教室になりました。これらがいつ開催されているのか?を病院側はあまり把握していないことに気が付きました。せっかく市民向けに行われている介入なので、病院側でもこれらを把握しておくと当院の医師・看護師が患者に情報提供できるのではないかとの意見も出ました。そこで、保健センターより運動教室と糖尿病教室の日程一覧を病院へ送っていただき、患者にもアナウンスを行っていくことになりました。教育入院の話は実現に向かいませんでしたが、それ以外の部分で少しだけ連携がとれました。

次に、ファミリー健診の議題に移りました。

まずは、現在市立病院で行われている健診の種類と対象者、項目のまとめが保健センターと病院事務より提示されました。続いて、稲葉よりUSPSTF(アメリカの予防推奨)、日本のガイドライン、笠間市での検診や予防の補助対象一覧を提示しました。

各部署の方は、こういった推奨があることはあまり知らなかったようで、推奨一覧にかなり興味を持たれたようでした。その後、新たな健診が実現可能かどうかと、新たな健診の項目、対象者を考えました。前回の会議では、医学的に推奨される項目を、既存の健診の対象者にならない人に対して行うということになっていました。しかし、医学的な推奨に従って項目を組むと、既存の健診との項目の開きが大きくなってしまい、不公平感が出てしまうとの指摘が出ました。また、既存の健診の対象にならない人は決して多くないことから、既存の健診受診に繋げるような取り組みの方が効果は大きいのではないかとの意見も出ました。また、ファミリーという形で家族全体を巻き込むのは良い試みだが、子供には実際に何をするのか(小児については既存の健診受診率も高く、追加で行う項目もほとんどない…)との意見も出ました。

また、上記の議論の中で、3者の中で思い描いているファミリー健診に対するイメージが少しずつ異なることもわかりました。病院は医学的に推奨される新たな健診をきっちりやりたいイメージですが、保健センターとしては既存の健診に繋げることを重視しており、地域包括支援センターとしてはファミリーの中でも高齢者や若年認知症などをひっかけたいとの意向があるようでした。それぞれの立場もあり、イメージのズレが生じているようでした。次回までに、各部署のファミリー健診の実施案とイメージを持ち寄り、もうすこしすり合わせをすることになりました。

 

今回、教育入院もファミリー健診もどちらも実現には向かいませんでした。新たなプロジェクトを行うのはなかなか大変ですが、次回以降も何か一つでも実現に向かうよう、引き続き検討していこうと思います。

C2 稲葉 崇

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