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教育セミナー

筑波大学総合診療科では、さまざまな教育・研修の場を設けています。レジデントは、これらの機会を通して診療のスキルアップを図るとともに、メンバー間の交流を深め、アイデンティティの確立とキャリアの向上に役立てることができます。

ウェルカムセミナー:4月 1泊2日

ウェルカムセミナー

新人シニアレジデントを対象に、総合診療のコアとなるスキルを集中的に学ぶことと、4年間の研修プログラムに関するオリエンテーションが中心となります。先輩レジデントやスタッフも参加し、新人レジデントの歓迎会も兼ねているので、総合診療科メンバーとの交流も大切な目的になっています。

セミナーのプログラム例

1日目

  • 新レジデント オリエンテーション
  • 懇親会
  • 二次会

2日目

  • オリエンテーション、アイスブレイク
  • 企画①:ポートフォリオ企画(80分間)
  • 企画②:グループメンバーの知識・スキルの共有に関する企画「家庭医として人を診る/観るとは?」(90分間)
  • 企画③:施設紹介/指導医FD(80分間)
  • 委員会、医局費報告(60分間)
  • プログラム責任者の講話(新レジデントへスクラブ、参考図書贈呈)

参加者の声

  • グループの皆さんとつくばでの研修や生活について、ざっくばらんに話をすることが出来て良かったです。
  • ジェネラリストとしての心構えを学ぶことができて、これからの研修が楽しみになりました。
  • 実践的なレクチャーが聴けて、明日からの臨床に生かすことが出来そうです。

レジデントCSA(Clinical Skills Assessment):2月

レジデントCSA

つくばSP会のご協力のもと、模擬患者さんにも参加していただいて、すべてのレジデントを対象に、いわゆるOSCE形式で模擬診察を実施します。家庭医・病院総合医としての基本的な臨床技能、主に患者とのコミュニケーションに関する能力のパフォーマンスを評価します。症例は、指導医が協力してオリジナルで作成し、評価者を務める指導医から、その場でフィードバックを受けることができます。最終学年のレジデントにとっては、専門医試験の模擬試験の意味合いもあります

症例の例

  • Common disease (健診で高血圧症を指摘され、二次性高血圧症が疑われる症例)
  • ライフサイクル (更年期症状を訴えて、診療所を受診した症例)
  • 精神科領域 (複数の愁訴を訴えて大学病院を受診した、身体症状症が疑われる症例)
  • 緩和ケア (認知症の終末期で、今後の方針を家族と相談する在宅医療の症例)
  • リハビリテーション (肩の痛みを訴えて受診した、肩関節周囲炎の症例)
  • 行動変容 (喘息発作があるが、喫煙を続けている症例)

参加者の声

  • 実際に出合いそうな症例でありながら、正解があるわけでもなく、EBMを実践して「患者への適応」まで行えるいいシナリオでした。
  • 患者さん本人だけでなく、家族のことまで考える必要がある点が難しく勉強になりました。
  • 臨床に即した実践的な症例でした。

つぽたの(つくば式ポートフォリオを100倍楽しむ方法)

つぽたの

専攻医が主体となって年2回ほど行っているポートフォリオ勉強会です。ポートフォリオは試験の重要な評価ツールですが,家庭医として成長するための振り返りのツールでもあります。つぽたのは,振り返りとしてのポートフォリオに焦点をあてて,より良い家庭医療の実践のために,発表者の経験を皆で共有することを目的としています。具体的には,ポートフォリオを基にしたディスカッションはもちろんのこと,まだポートフォリオになっていない現在進行中の事例の相談や,指導医の先生からの事例共有&レクチャーもあります。さらに,ランチョン企画で+αのワークショップを行うこともあります。開催場所も大学や病院ではなく,カフェや古民家のイベントスペースなど,リラックスした雰囲気を意識しています。外部参加者を募集することもありますので,興味のある方はぜひ総診ブログもチェックしてみてください。

家庭医療学夏期セミナーでのワークショップ企画

毎年、日本プライマリ・ケア連合学会学生部会が企画している家庭医療学夏期セミナーでワークショップを出しています。専攻医を中心に4-5人が集まってワークショップを企画・運営しており、例年複数のワークショップが採択されています。専攻医が主体的にワークショップを行うことで、教育のスキルアップや、組織の中でのリーダーシップなどを学ぶ場にもなっています。ここでは、過去に行われたワークショップの一部を紹介します。

① 医療にまつわるおカネの話

医療費の概論レクチャーやクイズで楽しく学びながら、後半は入院費のDPC制度についてレクチャーを行い、実際に症例を計算するワークを行いました。クイズでは、病気として同じ状態の患者でも金銭的背景や心理的背景によってマネージメントが変わるかといった内容を盛り込みました。参加した皆さんからは「入院費は思っていたより高い!」「これからは簡単に『検査しましょう』とは言えないと思った」「気になっていたが勉強する機会がなかったので参加して良かった」などの感想をいただき、アンケートでも高評価をいただきました。医療費についてのテーマはこれから医療者になっていく学生や研修医にとって必ず必要でありニーズの高い分野であると再認識することができました。

つぽたの

② あなたならどうする?~家族が食べられなくなったとき~

症例についてグループごとにディスカッションをし、栄養投与経路の各選択肢(経口摂取継続・胃瘻・経静脈栄養)を選んだ場合のイメージを掴んでもらうためのブース毎のミニレクチャーを行い、再度皆で症例について考え意思決定の疑似体験をするという内容でした。医学生1-6年生から初期研修医、看護学生など計14名の方が参加され、胃瘻の実物を触ったりトロミ材の試飲体験をしたりといった体験型の内容が非常に好評でした。

家庭医療学夏期セミナーでのワークショップ企画
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